キノウツン藩国 @ ウィキ

メイドさん漁へ行く

最終更新:

member

- view
だれでも歓迎! 編集
戦闘状態へと突入した各国。それはキノウツン藩国でも例外ではない。
基本的に輸入に頼っているこの国ではこのままだと食料がきつくなる。古来より食料が尽きて戦えた国など無い。大抵は滅びる
摂政であるDeepBlueはこのような事態を憂慮し、食糧の緊急増産案を行う事にした

海上-
「という訳で我々は食料ゲッツのため、これより漁を行いたいと思う」
「はい、軍曹殿。質問があるのですが」
「二等メイド。質問を許す」
「はあ、何ゆえ我々メイド候補生達がこのような事をしなければいけなイタタタタタタタタ」
両の拳骨をこめかみに当ててぐりぐりと容赦なくウメボシされている。痛い痛いと泣く二等メイド
「愚か者共が。現在貴様等の先達であるメイド達はこれから出撃せんとするもの達に少しでも平穏を与えんと働いているのだぞ」
「はあ、それは判っておりますが」
「これが今生の別れとなるかもしれないその時に、最後の食事を出すことすら出来ない。そんな状況を貴様等は見ていられるのならばメイドなど辞めてしまえ!」
「申し訳ありません申し訳ありません」
そんなメイド候補生の言葉はヒートアップする軍曹の耳には届いていない
「軍曹、魚群探知機に反応がある。ぼちぼち網の引き上げを始めるぞ」
「む、了解した船長。総員整列!」
はっ、という声と共に各員ブーツの踵を鳴らして姿勢を正す
「貴様等は何だ!」
『メイドであります軍曹殿!』
「そうだ、貴様等はメイドだ!貴様等は人様に仕えて奉仕するメイドだ、人であるなどおこがましいにも程がある!」
『肝に命じております軍曹殿!』
「よし、では船長の指導の下、作業に取り掛かれ!」
『かしこまりました!』
一糸乱れずに全員が一礼する

「とは言ったものの…実は私生の魚とか触った事ないんだけど…」
ジージーとリールから釣り糸が出て行く音の中、先ほどウメボシを喰らった赤毛メイドが隣の金髪メイドに呟いた
「貴方、調理実習は受けたでしょう?」
「いや、正しく言えば生の魚というか生きている魚をいじったことが…」
呆れた、と話しかけられた金髪メイドは呟いた
「私達はメイドなのよ?例えば活きのいい魚をご主人様が食べたいといわれたらどうするつもり?」
「いやあそれは…どうしようねえ」
あはは、と笑う赤毛メイド。竿の先が下に引っ張られている
「ちょっと、貴方引いてるわよ」
「あ、本当だ。ひぃぃぃぃぃぃっと!」
竿を立てて一気にごぼう抜きにかかる。やがて水面から勢い良く黒い影が飛び出すと、空中で釣り糸が切れて何故かそのまま金髪メイドの胸元に入り込んだ
「いひゃぁぁぁぁぁ!?」
「うあ、メンゴメンゴ」
「ご免で済んだら警察はいらないにゃぁぁぁぁ!?」
ゴロゴロと金髪メイドが転がる。どうも変なところに入り込んだらしい
「はっ早く取り出して頂戴!」
「いや、さっきも言ったけどあたし生きてる魚をいじったことが」
「何でもいいから早く!」
えーしょうがないなあ、と自分のことを棚にあげて赤毛メイドはごそごそと手を入れた
「柔らかいねえ、え、これじゃない。んじゃもうちょい奥か…おおうすべすべ」
「ふざけてないで早く取ってちょうだい!」
「ふざけているのは貴様等だろうが」
は、と二人が後ろを向くと形相を鬼のようにした萬・スペード軍曹が立っている
「貴様等何をふざけている!」
「いえ軍曹、実は彼女の服の中に釣った獲物が入り込んでしまいましてそれを取り出している最中でして」
「手間取りすぎだ」
つかつかと揺れる船上を軍曹が歩いてきた
「いえ、軍曹殿!軍曹殿のお手を煩わせるわけには!ていうかやめて下さい!」
急いで逃げようとする金髪メイド。だが、進めない。下を見ると足が甲板から少し離れている
「愚か者が。他者の手を煩わせるなどメイドにあってはならぬわ!」
ギリギリギリ、と軍曹の釣竿が見事に金髪メイドの襟に針を引っ掛けて一本釣りを決めている
「軍曹殿、質問してもいいでしょうか」
「何だ」
「釣られた私はこの後どうなるのでしょうか」
「愚問だな」
スパーン、と空中に金髪メイドと一匹の穴子と釣られたメイド服が舞うのだった

~本日の釣果~
波、高し。なれど穴子の大群に遭遇。結果的に大漁なり

穴子 数百匹
メイド候補 一名

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー