キノウツン藩国 @ ウィキ

燃料精錬所

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燃料精錬所


L:燃料精錬所 = {
 t:名称 = 燃料精錬所(施設)
 t:要点 = 燃料精錬所,燃料タンク,パイプライン
 t:周辺環境 = 油田
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *燃料精錬所の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
  *毎ターン燃料+20万tされる。
 }
 t:→次のアイドレス = 新素材の開発(技術),消防士(職業),ブラック(ACE)

新素材の開発により生産量が+20万t
燃料生産地のHQ継承で生産燃料+5万t:第1世代(参照記事
西国人+猫妖精+猫妖精のHQ継承で生産燃料+5万t:第2世代(参照記事

イラスト




文章


 キノウツンの燃料精錬所は燃料生産地の隣にある。
燃料生産地の油田から、原油を引き込みやすいように最善のポイントに建設されているのだ。
燃料生産地で採掘された原油「ライゲツ油」、通称ライ油は、パイプラインを通して一度燃料タンクに貯蔵され、
その後別のパイプラインを通して燃料精錬所の設備で精錬される。
なにせキノウツン藩国で採掘されるライゲツ油は、その精錬のやり方次第でその色や特性を変える性質を持つ。
それ故に精錬所内も数部門にブロック分けされており、それぞれのブロックで各種精錬を行うのだ。
不純物の分離や実際に燃料を使用するレベルまでの精錬は各国でも行われているが、
通常他の物資を用いてやるような事を発掘した燃料でやれないか、と試行錯誤するのは、
ライゲツ油という特殊な燃料を採掘できるキノウツンくらいなものであろう。

 そして、この燃料精錬計画を担当するのは、最近めっきり影が薄くなった摂政アシタスナオである。
大法官青狸、農政長官浅田のようなすばらしい働きをするでもなく、
持ち前の運の悪さでとばっちりを食らいまくってろくな活躍ができていない。
ライゲツ油を掘り当てた事からなし崩し的にこの分野を任された男は、真新しい施設の視察にやってきたのだ。
「ふー、ここもやっと運転開始か。 結構時間がかかったもんだな」
アシタが手に持った記入帳にチェック印を入れ、各ブロックの状況を備考欄に書き連ねていく。
「はっ。最近は色々ごたついておりましたし、仕方がない事だとは思いますが…」
アシタに随伴する精錬所の副所長がそう答え、各ブロックに支持を出して声を大きく叫んでいる。
「問題はこれからだな。燃料問題は解決に近いとはいえ、油断は出来ん…
 さて、コレで一通りチェックは完了か。次はメインルートで精錬した燃料を見ようか」
「わかりました、では第一ブロックのほうへ参りましょう」

 というわけで第一ブロックまで戻ってきたアシタは、その最終工程で精錬された燃料のチェック作業に入った。
「ふむ、大分純度が上がっているな。これなら燃費のほうも良くなるだろう」
設備の中を通る精錬されたライゲツ油をルート沿いに追いながら、感慨深く見つめるアシタ。
思えば掘り当ててから、随分時間がたったようにも思える。
精錬されたライゲツ油は、大半が保存用の貯蔵タンクに送られ、
残りは一斗缶などの各種容器に用途ごとに詰められていく。
こちらは今すぐ出荷する分であり、政庁や各施設、民間へと入庫される。
人が生活するには、多少なりとも燃料は必要なのだ。特に西国人は機械に携わる事も多い。
「さて、これでメインの設備は全部確認、問題なし、と。んで、例のブロックは?」
記入した帳簿を部下に手渡し、政庁に報告するように手渡して、アシタは副所長に尋ねた。
「はっ。それでは地下の研究ルームのほうへ。ご案内いたします」

 副所長の案内で、エレベーターで地下に降りるアシタ。
警備員が厳重に守る一般職員立ち入り禁止の扉をカードキーで開け、中に入る。
ここでも地上階と同じで、各ブロック事に研究室が分けられていた。
ライゲツ油の性質を研究、実験し、新しい技術を生み出す為の研究用フロアである。
「ええと、それではまずは報告書を所長室に…」
「報告書は後だ。まずは各ルームを回るぞ。そのほうが早い」
副所長の説明を切って、手近な研究室へと入るアシタ。副所長があわてて後を追う。

 一番最初に入った研究室では、個体の水晶のような物がガラス内に収められ、コード類が備えつけられていた。
「えーと、この部屋では何を?」
アシタがこの部屋の部門長に訪ねると、部門長が驚いて立ち上がった。
「おぉ、これは所長。今日は視察ですか?」
「挨拶はいいから説明を聞かせてくれ。面白そうな事をやっているな」
元々がこういう技術を考案する部門出身のアシタである。この手の研究は大好きなのだ。
「了解しました。ええと、こちらではまず、基本分野としてのライゲツ油の固形化を研究しております」
部門長の言うとおり、ライゲツ油は精錬次第であっという間に個体になる性質を持っていたのだ。
それは初期の研究を管轄していたアシタも知ってのとおりである。
「うむ、それはわかるがあのコードはなんだ?」
「あれですか。少々お待ちを。おーい、装置のスイッチを入れろー!」
部門長の一言で研究員がスイッチを押す。
するとどうだろう、結晶がバチバチと放電を始めたではないか。
「ほう…これは面白い。帯電する性質があるのか」
アシタが最寄のモニターに浮かぶ数値を確認すると同時に部門長が自慢げに口を開く。
「ええ、今はまだ研究段階ですが、いずれは発電そのものができるようになれば。
 国の発展、及び生活への補助となりうる技術ではないか、と思っております」
アシタは部門長の説明を聞きながら、研究書類に目を通していく。
「面白いな…引き続き研究のほうを続けてくれ。何かあればすぐに俺のほうへ連絡してくれ」
部門長がかしこまりました、と頭を下げ、すぐに研究の続きへと戻っていく。
アシタも何も言わずに次の研究室へ向かう。研究者の邪魔をしている暇などないのであった。

 そして次の研究室へ行こうとしたその時。
一番遠くの部屋から、わー、きゃー! という声が聞こえてきた。
「なんだなんだ、一体何が起こったんだ!?」
慌てて廊下を駆け抜け、部屋に飛び込むアシタ。その部屋は、部屋の大半が白い塊で埋め尽くされていた。
「な、なんじゃあこりゃあ…ええい、とりあえず人命救助だ。人呼んでこい!」
すぐさま研究員に指示を出し、人を集め、研究室の人員を部屋の外へ引っ張り出す。
小一時間もする頃には、研究員から事情を聞けるようにはなっていた。
「さて、ひとまず話を聞かせてもらおうか。アレは一体なんだ?」
「ええ、それが…ライゲツ油を精錬してたら、急に大きく膨らんで…」
「んで、あそこまで膨れ上がった、と」
「はい…」
ひとまず研究員を医務室に送り、改めて現場となった研究室に入る。
なるほど。白い塊が膨張して部屋の大半を埋め尽くしている。
ぐっ、と拳を突き入れてみると、ぶよ、っとした感触が戻ってくる。
「なんつーか、これは…餅のようダナ」
引き続き、他の場所にもぽすぽすと拳を突き入れてみる。すると今度は、ガキン、という硬い感触が返ってきた。
「うわ、硬っ。なんだこれ。ぶよぶよしてるかと思えば硬かったり…」
アシタが塊をぐっと握ってひっぱると、やはり餅のように伸びていく。
一通り触ってどんなものか調べていると、副所長が戻ってきて研究員に指示を出し始めた。
「とりあえずこれじゃ研究が続けられん、これは廃棄処分だ、処理するように」
副所長の指示で廃棄の準備を始める研究員。
「わー、バカ、なにをするかガガッガー! こんな勿体無いもの廃棄すんじゃねー!」
慌ててアシタが廃棄を中止させた。こんな面白いもの勿体無くて仕方がない。
「ええい、この部屋の研究指揮は今日より俺が執る! よいな!」
副所長始め、一同はえー、という顔をしたが、まあアシタスナオだし、で納得した。
良くも悪くもこんなイメージしかもたれてないのかこの男は。

 ともあれ、こんな事もあったが、基本としての燃料精錬は問題なく行われた。
その上で、アシタスナオのいつもの物好きで、燃料研究が日夜続いているのだ。

(製作者 絵・技族 比野青狸 文・文族 アシタスナオ)

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