キノウツン藩国 @ ウィキ

周辺施設

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kinoutun

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周辺環境

交易路


シルクロードには美人が多い。
交易路での人種のハイブリッドが原因だといわれているが、まあその話はどうでもいい。

キノウツン国の交易路も――絹だけを扱う時代でもないのだが、過去の偉大な道に習い「シルクロード」と呼ばれている。
関連都市・各種施設から伸びる交易の道が、港から海へ、飛行場から空、そしてネットを
越えリンクゲートをくぐりオリオンアームの隣接藩国へと確実に延びているのだ。
昔の交易路とは様相が違い、その主たるは大規模高速道路と林立する交易所群である。高
速道路は馬車も走ることが可能だ。
飛行場・港と交易路は、国営の大規模輸送便によって藩国内での商品移動を低コストかつ
スムーズに行われている。
輸送便自体は渋滞緩和政策としてのモーダルシフト政策であり、同様にして貨物列車も交
易路を走り回っている。

さておき、シルクロードには美人が多いという伝説がある。
その伝説にあやかってか、キノウツンのシルクロードにも美人が多い。
もっとも、その理由までは同じではないのだが。

人の集うところメイド喫茶あり。
交易商人向けのメイド喫茶は、もちろん全交易パーキングセンター完備である。
つまり絶対、確実、当然の帰結としてシルクロードには美人が多いのだ。
さて、交易路のメイド喫茶の客は、主に日がな船を動かしてばかりで安住の住処と嫁もい
ない交易商人達である。
そのため、店内は純和風で家庭的なコンセプトで改装されており、メニューもメイド喫茶
だという
のに、おでんや鍋、味噌スープなどを販売している。
これがお袋の味が恋しい独身交易商にバカ受けしたのか、特に用もないのに(あるいは無
理矢理用事を見つけて)入り浸る独身交易商が続出。結果、情報の交換や中間交易にも使
われているという珍現象が発生している。
キノウツン国自体は特に目立った資源があるわけでもないのに、交易がなかなかのに賑わ
いなのはこういう理由である。
あるいは、メイド喫茶がその資源とも言えるかもしれない。

まったくどうでもいいが、メイド喫茶の外にはハンバーガーの自動販売機がもちろん完備
されている。
コインを入れれば、数分でホットなハンバーガーが出て来るがキャベツはしなしなである

絵・文章(はる)

涼しい家


この項目では私達キノウツン国民が日常生活を送る家についてご紹介します。
キノウツン国はご存知の通り乾燥した日中気温の高い土地に存在します。
伝統的な家の形としては、屋根も窓も四角い、石造りの家が挙げられます。
キノウツン国では耐久性に優れ、
見た目も素晴らしい鉱石「ツンタイト」が産出する唯一の国でもあり、
このツンタイトを加工した建築材「デレー」による家を
多くの国民は好んで居住地に選びます。
現在では貿易手段の多岐化によって、
他国から木材を輸入するのも比較的容易になりました。
しかし、乾燥への耐性などから現在でも主な土台や壁はデレー材で作り
その上から中間材、外壁保護として土を塗りこむという手法が大勢を占め、
木はドアなどの一部分に利用される場合がほとんどです。
また、キノウツン国は「ツン期(猛暑)」と「デレ期(比較的穏やか)」
に気候を大まかに分けることが出来ます。
ツン期における熱波は凄まじく、毎年多くの国民が熱射病で倒れてしまいます。
そのためキノウツン国における住居は、「風通しをよくする」
ことを念頭に設計されています。
具体的には、小型の窓を家のあちこちに作り吹き抜け構造にすることで、
住居内を風が通り抜けるようになっています。
また、壁を厚く取ることでデレー材が熱を遮断するため
部屋の中は外に比べて涼しくなっています。
ツン期にはそれで暑さを凌げますが、
デレ期になると逆に夜間吹き抜ける風がやや肌寒くなるため、
多くの家では床に絨毯の類をしいて寒さ対策をしています。
乾燥帯における生活は常に砂との戦いになります。
そこでキノウツン国における伝統的住居のほとんどは二階建てになっており、
生活スペースを二階に設置することで
少しでも砂埃を避けようとする先人の工夫が見られます。
窓が高所にしかないのも砂が入らないようにするためです。
また、湿気の多い国ではカビが生えやすいためなかなか見られない
全面タイル張りの住居もしばしば見かけられます。

メイド喫茶「バーバルスクエア」
伝統的な設計方式により建築された昔ながらの建物、
その2階にバーバルスクエアは存在します。
バーバルスクエアは「キノウツン的アットホーム」を経営理念に組み入れ、
店内におけるメイドさんも西国人がほとんどです。
店内の雰囲気はキノウツン国における一般家庭とさほど変わらず、
一人暮らしの若者や子供達とは別居している老人達に
「家庭の温かみを思い出させてくれる」と好評を博しています。
また、アットホームを念頭に置いた店であるため、
ここで出される料理は全てメイドさんたちの手作りでもあります。
店内全てのメイドさんは「おふくろの味」を出せるよう
厳しい修行をして厨房に立っているのです。
メイドさん手作りの肉じゃがは絶品です。
貴方もお立ち寄りの際にはキノウツン的アットホームを
是非体験してみては如何でしょうか?
目印は家の2階にかかっている黄色地に赤でかかれたお店の名前です。
              ~「キノウツンタウンガイド・下町編」より~

絵・文章(青狸)

巨大な港


 キノウツン国は二つのことで知られています。一つは美人の名産地であること。
そしてもう一つは交通の交差路であること。
 その二つを一挙に実感したいのならばツン国最大の港であるツーン港は如何です
か?
 藩王であるキノウツン陛下の御名を冠したツーン港には様々な人々・品物・風習
が入り乱れ、東方の北方の南方の森国の、そして貴方の知らないような国のものに巡り
会えること間違い無しです。
 その港を全部見て回ることは一日歩き、足を棒にしても難しいでしょう。
 もし歩き疲れたら、棒になる前にメイド喫茶『アイゼンザルク』はいかが?
 この国の主産業と言っても良いメイド喫茶の中でも、ここは特別。元々戦艦であ
ったアイゼンザルク号を改造して作られたアイゼンザルクは、戦艦・そして海賊艦
として暴れ回った趣をそのままに、暖かみを持たせる内装で貴方のお帰りをお待ち
しています。
 え? 船の喫茶店なんて酔っちゃいそう?
 ご安心を。元々、穏やかな港で知られるツーン港。現在は港にしっかりと係留さ
れており、揺れは最小となっております。
 もちろんメイドさん達の質も超一流。猫耳を付けた猫士たちが提供する憩いのひ
とときに貴方は思わず豪華客船でたゆたう心持ちでしょう。
 運が良ければ『海賊キャンペーン』にも当たるかも知れません。先ほど言ったと
おり、海賊艦としての活躍でも知られるアイゼンザルク号の戦歴を記念して行われ
るキャンペーンで、優しいメイドさんが達がこの時ばかりは勇ましくも美しい女海
賊の一味に変身。貴方も豪華客船の乗客から、海賊一味の艦長の気分に浸れること
でしょう。
 最後に、この本を選んでくれたお客様に特別の情報をこっそりお教えします。噂
ではメイド喫茶『アイゼンザルク』のメイドさんの中には単なる猫耳メイドさんだ
けでなく、機械の体の美少女メイドロボがいるとか。本当かどうか、是非貴方の目
で確かめてみて下さいね。
(にゃんにゃん共和国の歩き方~キノウツン藩国編~より抜粋)

絵(はる)
文章(RF11)

蜃気楼


=======================================================
                調査日報
この度初任務としてキノウツン国への潜入調査(いわゆるスパイという奴だ)
を任される事になった。腕が鳴る。
任務の内容はキノウツン国の独自産業、
メイド喫茶についての情報を入手すること。
以前キノウツン国には観光で一度訪れたことがあったが、
たしかにメイド喫茶産業は他の国
(バトルメードを所有するわが国でもだ!)
には見られない独特の様相を備えていた。
そのノウハウは秘密のベールに包まれ、
どのようにしてかの上質なメイドを国内全土に配備しているのかは
藩王以下限られた者しか知らされていないという噂だ。
私はキノウツンに国境を越え秘密裏に潜入、
その後情報を奪取し帰還する。以下、日ごとに報告書を記述する。
               ~1日目~
暑い。キノウツン国は砂漠の中に存在する楽園とはよく言ったものだ。
この砂漠は外部からの侵入者を遮断する天然の防壁となっているようだ。
照りつける日差しが肌を焼き、体力を奪う。
砂漠部における昼夜の気温差はかなりのものであった。
十分な装備なしでは潜入は不可能といっていいだろう。
計算によると都市部までは後8km。
方向さえ間違わなければ3日かからずに到達できるだろう。
               ~2日目~
都市部を発見した。このまま潜入を開始してもいいのだが、
日中歩き通しで体力が低下しているため、
ここはひとまず睡眠をとり、夜明け前に潜入を開始する。
道中砂漠以外なにも見えないというのは少々物足りなかったが
今日でそれも終わる。ここからが本番だ。気を引き締めねばならない。
               ~3日目~
おかしい。距離的にはもうとっくに着いていてもいいはずなのに、
目測で確認できる都市部に何故か接近できない。
行けども行けども同じ方向、同じ距離に
都市部がぼんやりと見えているだけだ。
何か仕掛けがあるに違いない。
・・・が、私に出来るのは限界まで歩いて近づくことだけだ。
今更引き返して本国へ失敗の報を入れるなどとても出来ない。
そのようなことをすれば家族も持たない私などは
即刻無能な反逆者として処刑されてしまうだろう。それだけは避けたい。
幸いにして食料と水は十分な量を用意してきた。しばらくは持つだろう。
               ~15日目~
食料が尽きた。水も残り少ない。しかも途中足を滑らせて滑落、
足を痛めてしまい歩くことすら叶わなくなってしまった。
もはや私に出来ることは
この身が干からびるのを待つことだけなのだろうか。
               ~16日目~
水も尽きた。・・・今にして思えばそもそも単身敵地へ潜入し、
情報を持ち帰ることなど端から私には期待されていなかったのだ。
正確には、私と同じような身寄りのない潜入者を
多方面から送り込むことで、
少しでもキノウツン国の全容を解明しようとしたのだろう。
私のような新米であっても使い捨ての役には立つ、というわけだったのだ。
今頃私は任務に失敗した者として処理されていることだろう。
私にとってあの国はもう帰るべき場所ですらなくなってしまったのだ。
もはや何もかもが虚しい。
死ぬ前に遺言としてこの報告書を仕上げることにしよう。
               ~17日目~
おそらくこれが最後の日報になるだろう。体力がもう持たない。
思えば家庭を持たない私には、帰る場所がなかった。
国でものけ者にされ、まっとうな職にもありつけはしなかった。
ただ唯一観光でキノウツン国へと旅行をした際、
名物のメイド喫茶で温かい、慈しみに溢れた出迎えを受けた時
不覚にも私は泣きそうになってしまったのをこの死に際に思い出した。
敵国に居場所を見つけるとはなんと皮肉なものだ。
願わくば死ぬ前にあと1度、あと1度だけあのメイド喫茶で
「帰る場所があるという幸せ」を味わってみたかった・・・。
・・・どうしたことだろう。私の目の前にあの日のメイド喫茶が見える。
これも砂漠の見せる幻なのだろうか?
幻でもいい。私にもう1度帰る場所を与えてくれたことに感謝する。
出迎えのメイドさんが私に何か話しかけている。
ああ、そうだった。これこそが私がずっと求めていた言葉・・・。
========================== 「おかえりなさい」 ==============
                砂漠にて白骨と共に発見された手帳より

このようにキノウツン国には外部からの悪意ある侵入者に対して
幻を見せ、進むべき道を誤らせるという
「蜃気楼発生装置」が地中に埋め込まれている。
(原理的には陽炎の応用である。
用水設備が整っているからこそできることだろう。)
もっとも、死の間際に彼が見たものが本当に蜃気楼だったのかは、
今となっては誰にもわからないことである。

絵・文章(青狸)

オアシス


 さて、歴史のお時間です。
 キノウツン藩国の由来はどんなものでしょうか?
 わかりましたか? 正解は「オアシス」です。
 元々砂漠を渡る旅人達の休憩地点として栄えたオアシスを中心に組み上げられた
藩国。それがキノウツン藩国です。
 元々藩国の中央にあったオアシスですが、現在は藩都より離れた場所に存在しま
す。もちろん、オアシスが動いたわけではなく、都をオアシスより離したのです。
 これはオアシスに存在する貴重な生物を保全するためであり、藩王の慈しみが普
くものに及ぶように、という方針に基づき、移動が決定されました。
 現在オアシスは特別自然生物保護区になっており、観光事業の一環にもなってい
ます。
 もしオアシスに向かわれるのなら一緒に砂漠渡りツアーは如何でしょうか?
 昔ながらの装備に身を包み、砂漠を歩き、神秘的で、雄々しく荒々しい自然を満
喫できること間違いなし。 もちろん色々と大変なこともありますが、腕利きの先
達者が案内しますので一切の危険はございません。
 照りつける太陽、吹き付ける砂に食傷した頃には観光自然保護区であるオアシス
にたどり着き、水の有り難み、古き旅人達と同じ心持ちに貴方を誘うでしょう。
 オアシスには美しい水がたたえられており、砂漠に一点穿たれた緑と青の精彩を
お楽しみ下さい。
 渇いた喉はオアシスの池の中島にあるメイド喫茶「オアシス」がご奉仕いたしま
す。
 エキゾチックな砂漠のメイド喫茶ではワンワン帝国のバトルメードとは違った趣
が楽しめます。また周囲の池には、このオアシスでしかいないような珍しい生物・
植物たちも貴方の目を楽しませてくれるでしょう。
(にゃんにゃん共和国の歩き方~キノウツン藩国編~より抜粋)

文章(RF11)
絵(青狸)

政庁


キノウツン藩国は形式上の立憲君主制をとるが、
実のところ、テクノクラートによる官僚主義国家体制をとっている。
官僚主義となったのは、代々の藩王の気質に寄るところが大きい。

藩王のツン期とデレ期の落差を最小限に留めるため、日夜官僚が汗を流している。
平常時(ツン期)と非常時(デレ期)における体制変化に対する練度が極めて高い
ことも、
キノウツン藩国政庁の特長である。

藩王様のご機嫌の揺れを敏感に察知し、各種政策を切り盛りする官僚の能力は高く、
抜群の事務能力を誇るが、やはり心身に疲労が蓄積するもの。
それらを未然に防ぎ、官僚のポテンシャルを最大限に生かすべく、
メイド喫茶が政庁の各部局に設けられていることは言うまでもない。

なお、政庁のメイド喫茶は、他の藩国にも名高く、各藩国の外交官の集うサロンと
なっている。
キノウツン藩国のメイド喫茶は、インテリジェンスオフィサーがしのぎを削るもう
一つの戦場でもあるのだ。

キノウツン藩国の主要産業は、観光産業であり、メイド喫茶である。
観光産業を主要産業とする国家の例に能わず、やはりキノウツン藩国に於いても、
その広報戦略を担うのは、藩国政府観光局である。
極めて強力かつ、有能な官僚機構のもと、キノウツン藩国のブランドイメージが形
作られる。
某星系のとある学者の言うところの「ソフトパワー」を愚直に追求したのが、キノ
ウツン藩国である。

ゆえに、キノウツン伯爵夫人の旗のもと、全星系からMaid of Maidを目指す人々が
募るのは、必然であった。
キノウツン藩国においてメイドの質は、ホスピタリティで峻別され、それ以外の要
素は考慮され得ない。
実力さえあれば、どんな境遇にあっても関係ない。たとえ、その耳がイヌミミで
あっても。
ゆえに、わんわん、にゃんにゃんを問わず、キノウツン藩国のメイドさん教育機構
の質は高く評価され、
各国の外交官、ヘッドハンターが鎬を削り、有能な人材を得ようと、活発な情報戦
が繰り広げられる。

質の高いメイドが、人を呼び込み、メイド教育の分け隔てのなさが、情報網を形作る。
熾烈な外交・情報戦が繰り広げられる。人と情報のるつぼ。
それが、キノウツン藩国のもう一つの姿である。

そして、それらの活動を統括するのが、キノウツン藩国政府観光局を統括する、キ
ノウツン藩国政庁なのである。

絵(庄津K太郎)
文章(DeepBlue)

整備工場


アイドレス工場で人型アイドレスの自力メンテナンス


各種アイドレスの部品はここで生産されている。


顔は造形職人の手作りなのである。


アイドレスを扱うものたちの朝は早い
彼らの朝はメイド喫茶での朝食から始まる…

キノウツン国整備工場内喫茶『夢と現と幻亭』
裏方達の戦場とも呼べるこの工場内において唯一のオアシスと呼ばれるこの店はい
つも整備士たちでにぎわっている
「はーいB定食お待ち。ツン港直送、当店名物のカニ味噌定食になります」
「おうこっちこっちー」
「そういえば親父さんにまた磁場さんがツン湖に沈められたって?」
「何でも整備しててうっかり居眠りしかかったのを目撃されたらしい。明日はわが
身だな…」
今日も整備士達の他愛もない話が続いている
「なあ、新しいアイドレスが設計中って本当なのかな」
誰かがそんな一言を言った
「…仕方あるまい。これからの時代、戦術や戦法は変わっていく。アイドレスだっ
てそうさ」
「だがそれでいいのか?俺達はTUN-DEREを整備するためにここに集まった
のではないのか?そのために命を懸けてきたのではないのか!?」
「じゃあお前はツン国が滅んでもいいというのか!」
「そんなこと言ってないだろう!」
がしゃん、という音と共にテーブルがひっくり返される
周りでだべっていたほかの整備士達も振り返った
「…離せよ」
「いやだね」
険悪な雰囲気が周りにも伝わってくる。一触即発の空気だ
「…離せっていってごふ!?」
掴み合いをしていた二人にカニ味噌がべっとりとかかる
振り返るとメイドがカニ味噌が入った鍋とお玉を持って立っていた
「あんた達店の中で喧嘩するのやめてくれる?親父さんと磁場さんに言いつけるか
ら!」
「関係ないだろうが!」
「おい、お前ら」
「何よ暴力振るう?相手になるわよ!」
「お前ら」
「上等だ!伊達にアイドレス整備やってないってことを思いしらせて」
「お前らいつまで飯食ってんだ!さっさと仕事に戻らねえとツン湖にたたっこむ
ぞ!」
『はい親父さん!』
入り口から初老の男が大声で叫ぶと周りで見物していた男達は飯をかっ込みつつ大
急ぎで飛び出していった
「お前らは店に迷惑かけた分ちゃんと弁償してから仕事こなせ!」
「はいこれ。ちゃんと掃除してよね」
メイドがくっくっくと笑いながら掃除道具を渡した。
カニ味噌をつけた整備士達の一日はまだ始まったばかりである

ツン湖湖底
「がべがばぶげで・・・(誰か助けて・・・)」

絵(KATZE)(船橋)(稲垣)
文章(高原鋼一郎)

飛行場


キノウツン国の主力兵器はドラッカーたちの搭乗するRBです。
RB・戦艦の発着には広大な面積の滑走路が必要不可欠であるため、
飛行場はキノウツン国内でも有数の規模を誇る施設となっています。
砂の多い国土は機械にとって天敵とも言うべき土壌です。
それを克服するべく我らの聡明にして見目麗しきキノウツン様は、
飛行場を建設する際に居住地からは遠く離れた地域を広範囲にわたって補正し、
機械を狂わせる砂塵が舞うことのないようにしてくださいました。
その結果、私達の利用する飛行場はRB乗りだけではなく
騒音に悩まされないという点において、全ての国民にとって
理想の空間として建設されることになったのです。
飛行場には主にパイロット達が飛行訓練をするためのトレーニングルーム、
RB収容のための格納庫、パイロット達の休憩室、滑走路を俯瞰するための展望室、
パイロット達に指示を送る管制塔など、様々な施設が存在します。
その中でも特筆すべきは、
飛行場に備え付いているメイド喫茶「フライトアテンダント」の存在です。
ここは訓練に疲れたパイロットや、広大な空港を管理するのに忙しい管理官、
はたまた国内外のメイド喫茶マニアなどが
癒しを求めて訪れる空間として有名です。
多くのパイロット達はドラッカーであり、寿命はそう長くありません。
また常に命の危険を帯びた任務に就くために、
ストレスの緩和が重要課題となっています。
その大役を果たすのが、フライトアテンダントに勤務する(ご奉仕する)
メイドたちなのです。彼女達は薬で傷ついた男達の神経をいたわる
天性の感覚とも言うべき素質を備えています。
彼女達がいるからこそ、
キノウツン国の飛行場はその機能を果たすことが出来るといっても
過言ではないでしょう。
また平常時、この飛行場は多くの観光客が訪れ賑わいを見せます。
そのためフライトアテンダントのメイドたちは
語学においてもその才能を発揮します。
キノウツン国において飛行場はRBの離着陸に使用されるだけでなく、
才色兼備のメイドたちが男達の心の傷を癒す場所でもあるのです。
              ~藩国ヒッチハイクガイドより~

絵・文章(青狸)

廃墟


廃墟都市デザートゴースト
砂漠化に伴う都市移転によって打ち捨てられた街であり、現在は砂漠の幽霊の名前で呼ば
れている。
政庁病院軍事施設、歓楽街、娯楽施設、住宅群...凡そ全ての都市機能がそっくり廃墟と
化しているため、廃墟マニア垂涎の一大廃墟都市と言える
中心には地肌を晒したコンクリートビルディングが林立し、長年の風化に晒されている。
彩度の低い統一感のある単色が美しい。
郊外から政庁を繋ぐ首道には一際大きな二棟の摩天楼が支え合うように建っている。片方
が傾ぎもう片方がそれを支えているのだった。いつ崩れるかわからない微妙な緊張状態
が、朽ち行く物の儚さを見事に体現している。

廃墟ではあるが、首道――中でも現首都へと伸びる方面の周囲のみ電気が生きている。
そのため、スラムは首道周辺から拡がるようにして形成されている
この場所は、二つの摩天楼のちょうど東に位置するため、スラムでは夕日が摩天楼に掛か
るようにして落ちていく。
どこまでも伸びる摩天楼の影こそが、デザートゴーストの夜の始まりである。

治安は劣悪と言うほどではなく、吹き溜まりではあるが一応の自治組織が形成されてい
る。スラムには違いないが好んで住んでいる者も多い
都市への交通も一部ではあるが残っており、前述のように電気系統も場所によっては生き
ているので夜はそこだけ明るく誘蛾のように人が集まり、誰とはなしに燕楽に興じる
住人たちの娯楽は主に酒とメイド喫茶である
また、一般のパイロットまでここに住み着くケースもある
彼らは往々にしてドラッガーである場合が多い
この場合のドラッグはあくまでパイロットとしての感覚を拡げるための強化薬である
彼らドラッガーは一様に一般人とは相容れぬ雰囲気を纏うため、社会との摩擦を避けるよ
うにしてデザートゴーストに辿り着くのかもしれない

メイド喫茶:廃墟支店「アンバー・キャット」
人のあるところメイド喫茶あり
時として情緒不安定になりがちなドラッガーの癒しとして設置されたメイド喫茶は廃屋を
大胆に改装したつくりとなっており、特徴としてはまず屋根がない
四方を壁に囲まれたオープンカフェである
廃墟という一筋縄ではいかない場所に開店しているだけあって
店員はわんわんのバトルメイドに負けず劣らずの屈強なメイドさんが切り盛りしている
また、彼女らメイド達の奉仕活動によってガラスや古釘、錆溜まり油溜まりなどの不衛生
なスポットは一掃されていることも特筆すべきであろう

絵・文章(はる)

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