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KoRo プロジェクトへようこそ!



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KoRoは、平成22年度, 23年度甲南学園平生太郎基金科学研究奨励助成金を受けました。平成24年度は、科研費でKoRoプロジェクトの一部を運用します。
以下の内容は、当初の予定を記載したものを中心に書いているので、多少の変更があります。

☆本プロジェクトの目的


知能情報学部において3つのコースが設定されており,その中の1つである「マシンインテリジェンス」では,ロボットの知能などを教育研究する.本申請プロジェクトは,屋外環境において自律走行するロボットの研究開発と実現を目指すものである.また,ここで実現するロボットは KoRo(コロ;Konan Robot の略)と命名する.ロボットは特に若い人たちにとって非常に興味深いものであり,その設計や製作に関わることができることは,非常に魅力的なことと映っている.1年次の学生向けのガイダンス科目「知能情報学概論および演習」で,我々のKoRoプロジェクトの概要を話したところ,是非KoRoの実現に関与したいという感想が多くの学生から聞かれた.

ロボットが自由環境において自律移動を行うにはさまざまなセンサーが必要となるが,主たるセンサーは,ロボットから環境中のいろいろな物体までの距離が測れるレーザー距離センサーであり,それを用いた,自己位置推定を行う.ロボットが高度な動作をするには,自己がいる場所を明確に認識することが重要であり,本プロジェクトでは,この点に力を注ぐ.また近年は,周囲形状をも取得しながら自分の位置を知るという,SLAM(自己位置と地図の同時推定)という技術が未知環境を動くロボットにおいて重要となってきている.またセンサーとして,全方位カメラ,ICタグやGPSなどの応用可能性を探る.移動ロボットの台車には,機動性が高い2輪台車ロボットであるセグウェイRMPを用いることを考える.これに衣(カバー)をつければ,人に親和性の高いロボットを作成することができる.

☆本研究で開発するロボットの概要

本研究課題では,キャンパス内を,人によるリモートコントロールなしに,自律走行する移動ロボット(キャンパスロボットと呼ぶ)を研究,開発する.自律走行して,道案内をしたりものを運んだりするには,単に障害物をよけながら動くだけでなく,自己位置の推定を正確に行う必要がある.
ロボットは,移動手段を車輪とする台車ロボットSegway RMP200 をベースとし,胴体や頭部の中には,必要なセンサーや信号処理・制御のためのコンピュータなどを搭載する.Segway RMP200は小回りがきき,長時間連続使用の可能な高性能な2輪ロボットであり,倒立振子の原理でバランスをとって自立する機能を内蔵している.

冒頭で述べたように,KoRo(コロ)という名称は,Konan Robotよりなるもので、KoRoというロゴをつけ,オープンキャンパスの時などに,誘導役(ガイド)が務まるようなものにしたいと考えている.

☆発展性及び期待される内容

我々のプロジェクトは,
  • センサー信号処理技術とロボットの制御技術
  • 新しい乗り物開発への応用
  • ネットワークロボットとしてのキャンパスロボットの応用
などを実現・獲得するものである.また,実生活に役に立つ“ものづくり”を実現させるものであり,高校生などにもアピールできるテーマである.
これらについて,具体的に以下に示す.

(1)センサー信号処理技術とロボットの制御技術

自己位置推定・SLAMの研究

自己位置推定やSLAMは非常に最近脚光を浴びているホットな開発中の技術であり,力を入れて開発しなければならない.そのために,一次元距離センサーおよび二次元距離センサーを用いて,SLAMの研究を進める.

画像センサー

距離センサーだけでは,前方の監視は不十分である.たとえば,水たまりがあればそれをよける必要があるし,赤信号であれば,それを検知しなければならないが,距離センサーはそれらを感知できない.

ICタグ

ロボットを知能化する手法として,ロボット単体を知能化するだけでなく,ロボットの移動環境を知能化することが実際のロボット応用では重要となる.ロボットが識別能力を高めるために,ICタグなどが利用されている.近年では,単なる物体の認識のみならず,場所から情報を提供できる枠組みとしてICタグが利用されている.センサーを設置できる専用の空間でロボットを使う場合は,ICタグの読み取りを利用することで,ロボットの位置推定が容易になることが期待できる.また,その場で読み取ったロボットに応じた必要な情報を取得できるため,ICタグを利用することで,位置情報だけでなく,KoRoのスケジュールや作業内容,環境の構造情報(例:行き先)を直接与えられる.ICタグとセンサー情報の統合を利用した,KoRoの安全な動作の実現,周囲環境とのインタラクションの実現を目指す.

GPS

自己位置推定は,次第にずれてくることが多いので,長時間や長距離のロボット移動ではGPSが必要になってくる.

ロータリーエンコーダーやジャイロ・加速度センサー

周囲環境が複雑なところでも(たとえば,草むらがあったりするような場所など),より正確にSLAMが行える.ジャイロあるいは加速度センサーは、姿勢が安定しないSegwayにおいて、傾き補正が可能となる。可能性を試してみたい。

(2)新しい乗り物開発への応用

いろいろなものが開発可能であり,産学協同による,実社会において使えるものを開発することが可能である.たとえば,次のような例を挙げることができる.

インテリジェントなシニアカー

電動式のシニアカー(セニアカー)や電動式車椅子は足腰に支障がある人が利用するものであるが,老人が使用する場合,視覚的な機能が衰えていたり,判断力が衰えていたりする場合が多いと思われる.そこで,ここで開発するようなセンサーの処理機能を付けることにより,危険を検知する能力をサポートし,より,安全に行動を走れるような機能を追加したい.

安全歩行補助装置

盲人や夜間歩行の人が,周囲の環境の検知,特に,接近する車や人,障害物,溝など,軽いセンサーを使って安全な歩行ができるような,歩行補助装置を考える.無線技術を利用した相互の位置情報が交換できる装置の開発も目指したい.これによって,混雑した人混みであっても,安全かつ柔軟な移動の補助ができるような仕組みも考えたい.

自動車の安全装置

自動車の安全運転装置としても,応用が可能である.技術が熟してきたら,自動車メーカーとの連携も図りたいと考えている.

(3)ネットワークロボットとしてのキャンパスロボットの応用

ICタグを利用するなどにより,ロボットの目前の人などを特定することと,ネットワーク機能を連動することにより外部データベースから個別の情報を取得すれば,TAのような個別の対応が可能となる.キャンパスロボットとして非常に大きな可能性があると思われる.

☆年度別研究計画(平成22年度以降の研究計画)

まず,本研究は次の柱からなる(かっこ内は主たる担当者)
  • 「知」距離センサーを用いたマップ作成と自己位置推定(田中,伊藤)
  • 「動」エレクトロニクス技術やセンサー情報を利用した最適制御の構築(和田)
  • 「接」画像センサーやICタグを使った周囲状況の把握と認識,動作生成(梅谷)
そして,各年度ごとの研究の計画は以下のとおりである.

平成22年度

  • 搭載センサーの種類,個数,PCやバッテリーなどの種類と大きさ,台数,収納した形態などの検討
  • 基本的な制御システムの構築
  • 簡単な回避行動や緊急停止
  • 大まかな地図に基づいた自己位置の正確な推定方法の検討(の一部)
  • 添付型記憶媒体の有効な利用法の研究
初年度は,まず,全体のプランの仕上げと基本的な機能の作成を行う.すなわち,台車ロボットに搭載するセンサーとPC,バッテリーなどを搭載したロボットを,外形を考えながら設計,構築する.
ロボットを走行させるキャンパス内のマップをまず作成する(これは手作業).マップには細かい付属物などは記載しない.概地図を与えておくことで,推定を逐次的に繰り返すことに起因する累積的なゆがみその他の劣化要因から解放される.
その地図に基づき,ロボットを走行させたときの自己位置の逐次推定アルゴリズムを,制御用PCのプログラムに組み込む.なお,組み込む前の段階で取り込んだセンサーからの信号とオドメトリーの値を使って,自己位置推定の実験をする.この作業は単年度では困難な課題であり,次年度も行うことが必要である.

平成23年度

  • 自己位置がわかったときの目的地までの経路決定問題
  • 添付型記憶媒体の有効な利用法の研究
  • 周囲環境形状の把握やICタグによる位置確認.センサーの基本性能と機能の限界の確認.
  • 危険物の接近(人や車,自転車など),危険形状(溝の存在,道路上の穴,柱など)の認識とそれの回避行動の付与.
  • センサーネットワークの確立(センサー情報の統合)
  • GPSによる大域的な自己位置推定
マップに記載されていないような細かい部分や建物内部などについては,SLAMを行い,自己位置推定と環境マップ作成を同時に行う.次に,自己位置が推定されたら,目的地までの経路を調べなければならない.距離のみならず,途中の路面の状態や人の数,道の広さなどを考慮する.
さらに,ICタグなどの添付型記憶媒体の利用により,より狭い空間における,細かい実務作業をロボットにさせることが可能となるため,応用方法を検討する.

平成24年度

  • ロボットの安全対策
  • 地図がない細かい部分におけるSLAM
  • エンターテイメント機能の付与
平成23年度は,3次元距離情報を用いて,自己位置推定の精度を高めるアルゴリズムを開発し,実験を行う.最初に与えた地図にない付加的情報もこれにより得ることができる.これにより,安全走行のレベルが格段に向上することが期待される.エンターテイメント要素も重要なテーマであり,人間がロボットと遊ぶための機能も追加する.「動く」ということと「リアルタイムで情景がとれる」ということを利用すれば,動きにより判断される遊びの実現が可能である.現在,「だるまさんがころんだ」と,「じゃんけん」をコンピュータビジョンの視点から開発中であるが,実際に動くロボットの上に実現すれば,楽しく遊べるシステムになることが期待できる.
ロボットにインターネットアクセスの機能を持たせ,必要な情報を問い合わせることができるようにする.たとえば,建物毎の詳しい情報であるとか,ICタグなどにより個人毎に対応することのできる機能を持たせることが可能である.

平成25年度

  • 公開実験と評価検討
SLAMの高度化をはかるとともに,通信機能を用いたロボットの外部からの情報獲得と遠隔地の人間への情報発信をさらに高度化してゆく.ここまでに作成してきたロボットを総合的に評価し,真に有用なものにしてゆく.そこで,一般の学生その他に広くロボットの評価を求め,改良を進める.
次のプロジェクト,すなわち,TAロボット(予定)については,本プロジェクトのあとに検討する予定であるが,それへの橋渡しをするのが,ロボットの外部データベースへのアクセス機能である.ロボットを我々人間の知的パートナーとして活用できるようなものを設計していくための基礎を平成25年度で確立する予定である.