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*テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX 【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム(シリーズ固有ジャンル名:真実と向き合うRPG)|&amazon(B003EO8WYU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年8月5日|~| |定価|5,480円|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|544KB以上|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、犯罪|~| |廉価版|PSP the Best:2013年2月21日/2,800円|~| |分類|BGCOLOR(khaki):''劣化リメイク''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~| |ポイント|原作(GB版)および『ファンタジア』本編を完膚なきまでにレイプし尽くした&br()リメイク&続編物として見なければそこまで悪くもない、が…&br()原作や『ファンタジア』に思い入れの強いファンほど無かったことにしたい悪夢&br()''タンス''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/260.html]]''| //ポイントは多すぎない方が良いと言う事らしいので細々としたのを一緒くたにまとめて表現してみた。 ---- #contents() ---- **概要 GBで発売された『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/672.html]]』(以下「原作」と表記)をPSPでリメイクした作品。~ 台詞のほとんどなかった双子に台詞を用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。~ 原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムではなくターン制に近いものとなってしまい、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。 また、本作だけをやっても、あくまで原作および本作が『ファンタジア』本編を前提としているため、本編をやっていないとシナリオが理解しにくくなっている。~ そのため、『[[テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション->http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1072.html]]』の戦闘システムを洗練させた『テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション』を同時収録している。 アニメーションは多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸自身が監督を務めており、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。 なおリメイクである本作の開発スタッフの上層部(ディレクター・プロデューサー・シナリオライター等)には、''原作およびファンタジア本編の開発スタッフの人間は一人もいない''。そのため「シナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてぐだぐだな展開にならないか」と、ファンからはいろいろ不安がられていた。~ 結果的に新規のプレイヤーには受け入れられたが、原作のプレイヤー、そして『ファンタジア』のプレイヤーからすれば到底看過できない改悪点が多数挙がり、クソゲーという評価を下すファンも多数いた。さらに、受け入れられた新規プレイヤーすら引かせる要素も多々あった。現在では「劣化リメイク」という評価が固まっている。 ---- **主な特徴 ***戦闘関連 -システムは『テイルズ オブ ハーツ』((本作の担当はD2チームだと思われているが、社員増員と据置機・携帯機ハードに合わせてスタッフ編成され、過去に『ハーツ』を開発した三つ目の制作班が制作している))のそれをさらに進化させている。 --本作では術技発動のパワーソースとして「エモーショナルブレイブゲージ (EBG) 」を使用する。このゲージはキャラクターの感情の変化を表したものであり、ゲージが高いと攻撃力が上昇、防御力が下降し、ゲージが低いとその逆となる。~ ゲージは攻撃を当てたり、ガードをすることによって上昇し、術の使用により減少する。ゲージが100%を超えた状態では「オーバーブレイブ」が発動でき、これにより攻撃力上昇などの恩恵が得られ、秘奥義(いわゆる必殺技)を発動できるようになる。 --『PS2版テイルズ オブ デスティニー(以下リメD)』『ハーツ』にあった「同じ術技だけ使っていればいい」という問題点は、同じ術技が連続で出せなくなったことにより解消された。 ---なお、「通常攻撃→特技→奥義」の通りにしか技の連携が出来ないためリメDやハーツほど連携の自由度は無いが、スキルを修得で連携の幅も同じようになる。 -それとは別の問題として、今までTPを回復させる効果のアイテムだったグミが、本作ではEBGを増加させる効果になっている。これを批判する人も多い。 --基本的に攻撃して他の仲間にグミを使ってもらうの繰り返しで常時ゲージが100%を超えた状態を保つ事が出来、''秘奥義連発も可能''であるため、本作を「グミゲー」と言われることも。 ---TPが存在しない他のシリーズ作品はTP回復グミの互換アイテムはなく、全てHP回復のみであった。 ---キャラクター間のバランスも極端で、コスチュームをマスターして覚えるスキルが揃っていけば、最終的にはディオとメルの圧倒的な2強となる。 -秘奥義の演出は全体的に初動が遅く動きやエフェクトも地味であり、中でもロンドリーネの使う秘奥義「デモンズランスレイン」はどう見てもただの矢印を前に飛ばしているだけで、ダオスの使う秘奥義「スーパーダオスレーザー」も従来と比較すると明らかに演出が劣化している。 --当然ながら『ファンタジア』のキャラにも秘奥義が搭載されており『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では本作の秘奥義が実装されることとなった。しかし、チェスターとクラース以外は既存の術技を昇格させただけの手抜きである。しかも秘奥義になってしまったため普通の術技として使うことが出来ない。 ---これにより、同時収録の『クロスエディション』では修得さえすれば普通に使えていた技がなぜかその後日談では普通に使えなくなるという珍妙なことになっている。 --余談になるが、元々PS版などでは(後の)秘奥義相当の特殊な奥義として扱われていたクレスの「冥空斬翔剣」がクロスエディション同様に秘奥義に正式に設定されたほか、これまたPS版などで一定条件を満たせば習得出来た技である「殺劇舞荒剣」も秘奥義に格上げされている。 ---因みに、冥空斬翔剣の発動ボイスが『テイルズ オブ バーサス』同様に技名を言うようになったことに対して批判的な声も上がっていたりするが、一応それ以前の「負ける…ものかぁー!」のボイスもプレイヤーの操作が必要になるが収録されている。 -本作の戦闘では雑魚でさえもこちらの攻撃を数発耐え、そのまま反撃してくることが珍しくない。 --攻撃を受けても怯まずに行動を継続できる特性をシリーズでは「''鋼体''」と呼んでいるが、これは元々ボスクラスと極々一部の雑魚敵が持っている特性であった。しかし、本作ではボスは言うに及ばず、「''全ての''」雑魚までもが鋼体持ちとなったことで、批判されている。 -『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』にあった仲間モンスターの要素もあり、モンスターだけのパーティを組むことも可能で、『テイルズ オブ デスティニー2』の強敵ガープや本作の精霊達に似たモンスターを仲間にすることもできる。 -原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行える。 --これに伴い、『ファンタジア』キャラのなりきり服は作れなくなっている。だが、''原作にあったなりきり服が本作では作れない''という、リメイクとして疑問符が付くこの仕様変更は原作ファンから非難された。 ---『ファンタジア』のパーティメンバー6人のなりきり服はもちろん、本編でも本作でも仲間にならないモリスンとダオスのなりきり服ですら作れなくなっている。さらに原作にあった『ファンタジア』キャラ以外のなりきりコスチュームもかなり削られている。 --「つりし」や「商人」など戦闘に向かないコスチュームは無くなった。原作では戦闘に不向きなコスチュームも頼まれ事などのイベントで必要になり、戦闘以外でもディオ達のなりきりの能力を活かしていたが、本作ではごっそり削られてしまっている。 --一番悲惨なのはクルールで、クルール最大の特徴であった''成長することにより姿を変える''という要素が無くなった。しかも覚えるスキルや技の性能と数のせいで他のパーティキャラと比べて若干弱いという有様。 ---その代わり新たにチェインパートナーという、操作キャラクターに変身して同時攻撃を行うシステムがある。使い勝手が悪いため、ほとんど使われないが。 ---- ***シナリオ -シナリオは原作と大筋では同じだが''改変部分が多く、何が言いたいのか分からなくなっており、説明不足でご都合主義な展開だらけで不評''。原作で好評だったダークな内容も必要以上にライトになってしまった。あらゆる部分に渡って矛盾があるため、シナリオの項目だけでは書ききれないレベルである。 --原作はシリーズでもかなり尖った異色な作品であったが、その尖った''異色な部分も評価点''だったため、その個性を必要以上に削り、悪い意味での最近のテイルズ風にしてしまえば受けつけないファンが現れるのは当然である。 ---また、上に書いたように『ファンタジア』本編のキャラクターも戦闘で使えるようになっただけでなく、シナリオに深く絡むようになったことも「本編エンディングでの別れのシーンはなんだったのか」という批判に晒されることに。 ---やろうと思えば自由に時間転移できる力を持っているのがクレス達である。それを踏まえた上でクラースに「私は、もう二度と会えないな…」という台詞を本編エンディングで言わせた意味を、今作のスタッフはどう考えているのだろうか。 -一つ一つに強いメッセージ性のあった「たのまれごと」も大幅に改悪。正確には5%ほどサブイベントとして残っているだけで、たのまれごとというシステムすら無い。残した部分を改悪しているのである。 --特に悪徳商人ボエボエのイベントは原作とはまったく違う淡白な物になってしまった。 ---原作では重い内容ながらも非常に評価の高いイベントなだけに原作のファンはおろか、新規プレイヤーですら首を傾げてしまう内容になっているため、原作ファンからは「こんな有様ならイベント自体を削除してくれたほうがマシ」という批判すらある。しかも最後にボエボエと会話する場所のBGMが「陽気な熱帯地帯」をイメージさせ、さらにイベント中''ずっとそのBGMがかかりっぱなし''である。''会話内容とまったく合っていない。'' ---そもそもこのボエボエのイベントは原作の言わばもうひとつの''本編''もしくは''裏のシナリオ''といってもよいイベントである。リメイク版製作スタッフが本当に原作の魅力を理解していたか疑問に感じる改変である。 -細かい矛盾点など --クレス達の時代で会うグレムリンレアーがクラースに半ば騙されて契約されたのを覚えているのだが、『ファンタジア』本編でグレムリンレアーと契約するのはクレス達の時代から約50年後の未来に行ってからである。『ファンタジア』に対するスタッフの無知が露見している。 --クレス達が『ファンタジア』でダオスを討伐したのは現代から100年前の過去と50年後の未来である。だが本作では現代でクレス達が英雄扱いされている。これは、時空転移が可能な事が社会的に当然に認知された上で、現代のクレス達が100年前の英雄本人であると証明されなければ起こり得ない現象である。中世程度の文明レベルの世界観とエターナルソードを封印し、時空転移を行えないようにした事実を鑑みれば、あまりにも不自然な状況である。 ---一応、古代都市トールの装置を使えば時空転移はできる(ただしある時期から時空転移装置は壊れてしまっている)のだが、使っている描写は全く無い。 -原作にあったヴァルハラ村や魔鏡の間などの鬱要素もかなり緩和または削除されており、難解かつ哲学的な台詞もほぼ削除されている。 --鬱ながらもファンから高く評価された一部の「たのまれごと(ティアの花、ボエボエのイベント等)」や、難しくも深い哲学的な問いも原作の特徴の1つであった。 --原作ではプレイヤーが親代わりであり、双子に対して道徳や倫理観を教育する立場であるため、基本的に「答えは自分で導き出せ」というスタンスのゲームである。よって哲学的であることに意義がある。 --そもそも哲学とは「よく生きようとする努力と結合した人間的、神的事柄に関する認識」であり、「知を愛する学」である。簡単に言うと「考えることはすべて哲学」なのである。哲学的要素を削除することは、プレイヤーの主体的な思考を排除し、スタッフだけの一方的な思想を押し付ける行為に他ならない。 --もちろん他のゲームであればそれでも良いし、悪いことではない。しかしこのゲームはリメイクである。自分たちの我を押し通したいのなら、新作でやるべきであろう。そしてそれを他人に一方的に破壊された場合にどう感じるか、今作のスタッフは良く考えてみるべきである。 ---そのため、原作ファンから「''戦闘システム以外劣化した''」といった意見が上がるのも無理からぬことであろう。 -ちなみに、原作のシナリオライターは開発室にて、主人公について「実は○○○です。」とディオとメルではないある人物だと発言していたが、本作のシナリオライターは開発室にて「主人公はディオとメルです。」とはっきり発言した。 --どのような考えがあってこのような発言をしたのかはわからないが、改変した場所やその内容があんまりなことになっていることと相まって「原作を理解していない」と取れる発言になってしまった。 ---- ***キャラクター -ディオ達の過去に絡む重要な位置にいる人物にしても、信念も無く、自らの行いを責任転嫁するヘタレに成り下がり、シナリオ改悪の影響を大きく受けてしまっている。 --この重要人物は原作では主人公のディオとメル同様双子という設定であったが、本作では設定の変更を受け赤の他人となっている。 ---これは原作の根幹に関わる部分であったため、改悪だと猛烈に非難されている。双子から他人にする必然性は今作だけを見ても一切無く、意味が全く分からない変更である。 --シナリオの改悪による影響を最も受けたのは主人公の双子に試練を与えた精霊「ノルン」である。非常に機械的に動くような人物に性格が改変されている。さらに原作ファンには一発で改悪の影響を大きく受けているとわかるシーンが存在する。 ---ネタバレになるため深く記述はできないが、それは物語後半のとあるキャラの反逆シーン。これは原作の本質をよく理解していれば絶対に起こりえない現象なため、これもまた''原作のシナリオを全否定している''とも取れる改編である。不必要にシナリオを改変しすぎたツケがノルンに回ってきたといっても過言ではない。 #region(超ネタバレ注意!) そもそもノルンの目的は、人間の善悪を見極めることである。その対象として選ばれたのが上記の''信念も無く、自らの行いを責任転嫁するヘタレ''である。捨て子とはいえ、それなりにまともな育ての親のもとで育った人間が、大量破壊兵器の使用後に悪びれることもなく''「戦争が悪い」''と言い放つ。このような人格を持つ人間を審判の対象にして、善悪を見極める物語が始まるのは無理があるのではないだろうか。 -あまつさえこの人物はこの後も他人に迷惑をかけ、町を半壊させる原因をつくる。もはや擁護不能である。 --原作においてはこのような人格・環境ではないため、この人間の善悪の判断は非常に難しい問題である。だが、どのように審判しどのような結末であっても、全てのキャラのあらゆる行動が、親代わりとしてのプレイヤーを除き、世界に何の影響も及ぼさない(人助けによるプラス効果程度はある)。よってシナリオに無理が無いのである。それゆえ名作の誉れを受けていたのだが。 #endregion -また、原作においてはダオスの背負っていた背景をも描いていたのだが、今回のリメイクではそれすら踏みにじるような改悪を施されている。 --『ファンタジア』本編中の言動故に「''魔王扱い''」されていたダオス((勿論いかなる目的があろうともダオスの行ったやり方には大いに問題があり、あまりにも血で血を洗う所行であった以上は魔王の誹りも致し方ないのも事実である。))だが、今回の改変で文字通りの「''魔王''」と言わざるを得ないような描写にされてしまっているため、これまた反発が強い。 ---原作では大罪を犯したある2人を認め、その罪の償いに協力的な姿勢をみせるなど、ダオスという人物の持つ器の大きさをプレイヤーに見せてくれたこともあって、なおさらである。そもそもダオスの出自と戦う理由を考えれば、双子に対してまで魔王のような振る舞いをすることは絶対にありえないのだが。よほど理解が足りていないのだろう。 ***ロンドリーネについて -『ファンタジア』本編との橋渡しとして追加された女性。しかし言うほど橋渡しの役割は果たしていない。 --簡潔にまとめてしまうと、設定が中途半端なくせにやたらとでしゃばってくるキャラで、正直ディオとメルのシナリオにもろくに影響を与えないため、いてもいなくても全くと言って良いほど変わらないという、ただ見た目がエロいだけの賑やかしキャラクターである。 ---ダオスと過去に会ったことがあり、時空を超えて彼を追っているという設定だが、ダオスの設定を掘り下げるということもなく、浅くかき回したというだけに終わった。 ---なお、否定的な見方をするからこういうことになった…という訳ではなく、否定的に見ようとしなくても「ロンドリーネを追加する必要はなかったんじゃ…」という旨の意見が多く上がっていることを付記しておく。 -彼女の設定については矛盾のような謎がある。 --ロンドリーネは魔術が使用できるのだが、耳が尖っていない。 --本作の世界観では人間は魔術を使えず、エルフとハーフエルフが魔術を使用でき、そしてエルフは耳が尖っており、人間は丸耳、ハーフエルフはどちらかとなる。また、ある事情でハーフエルフはエルフの集落には入れない。 --上記のことからロンドリーネについて「丸耳なのでエルフではない」「魔術を使えるので人間ではない」「エルフの集落に入れるのでハーフエルフではない」ということが分かる。3種族のうちどれにも当てはまらないという謎の事実が浮かび上がったことからプレイヤーを困惑させた。 --後に発売された攻略本で「エルフの末裔」と正式に彼女の正体が公開された。『ファンタジア』と世界観を同じくする『シンフォニア』でも集落に入れるエルフの末裔が登場していたので、疑問は解消されたかに見えた。 --ここで上がる問題点はそのエルフの末裔が''魔術を使えない''ということである。その人物のエルフの血が相当薄いために集落に入れるとするなら、ロンドリーネも相応にエルフの血が薄いはずであるが、ロンドリーネは問題なく魔術を使える。&br()世界設定に矛盾がある・別作品であるなどの理由で『シンフォニア』の設定を無視するとしても、魔術を使えるほどにエルフの血が濃いロンドリーネがなぜ集落に入れるのか不明。結局、正体は未だ謎のままとなってしまっている。 -[[ファミ通.comのインタビュー完全版>http://www.famitsu.com/interview/article/1237844_1493.html]]にあるように、このキャラクターが追加されたこと自体が本作プロデューサーの大舘隆司の自己満足のためのようなもので、加えてそれに他のスタッフもすんなり乗っかってしまっている点は流石に理解に苦しむ。 --上のような矛盾が生じているのも、シリーズの近作のシナリオの傾向と照らし合わせて考えれば、''ロンドリーネというキャラクターや彼女に関してのシチュエーションありきで後から周りを肉付けをしていって破綻した''…という所だろう。 --設定はともかく、性格などはややノリが軽い以外は至極普通で、むしろ『ファンタジア』の仲間内にはいなかった姉御肌な女性となっており、デザインも藤島康介に近い絵柄で((デザインは松井麻依香。藤島タッチに近いと好評。))ファンは多い。 ---そういう意味では、作られた経緯と本編への絡みの微妙さ、設定の練り込み不足(上記の矛盾など)さえ無視出来ればそれほど悪いキャラでもないとも言える。''譲歩するポイントが多い気もするが…''。 --このような個人的な趣味嗜好で登場させたいキャラクターは、リメイクでは無くオリジナル作品でやるべきであろう。そうすれば人気出たのに…。 ---余談になるが、大舘は『バーサス』などのインタビューにおいても失言が多く、ファンからは悪く見られがちで、本作の一件でさらに信頼を落としたのは言うまでもない。 ***エトスについて -ディオとメルの親代わりとして登場した新キャラクター。 --''原作ではディオとメルの親代わりはゲームのプレイヤー自身であった''ことで高い感情移入を生み、評価点の大きな一つとなっていた。 ---その要素を潰しにかかるものであり、発表された段階で原作ファンからの批判を受けている。原作ではプレイヤーが親代わりとしてゲームをプレイするからこそ''シナリオのメッセージ性や深み''がより増していたため。 ---ちなみに、原作の小説版でもプレイヤーに代わる親代わりとなるオリジナルキャラクターは存在したが、そちらは特に批判はされておらず((ゲームブックでもない限り、小説で読者自身を介入させる訳には行かないのでこちらは当然の処置であると言える。))、むしろ小説版は原作を補完する内容となっており、ファンから好評を得ている。 -さらにこのキャラクターは親としては頼りなければ、1キャラクターとしても''役に立たない''。性格もしっかりしているとは言い難く、本当にこんなやつがたった1人で2人の子どもを育てることができたのかという疑問の声もあがる。 --発売前からも批判されていたが、いざ発売されてみれば上のような有様なので、「この程度のキャラクターに自分達の役割を取られた」と原作ファンからの批判意見は更に強まった。 ---しかも上記のボエボエのイベントの最後の最後で、彼に暴言を吐き捨てる。お前それでも人の親か。 ---ただ単に「田村ゆかり(エトスの担当声優)を出したかっただけじゃないのか?」という指摘もある。 --一応出番はある。そのイベントに到達するまでに伏線も数本張られているように見えるが実際には伏線にすらなっていない。 ---もちろんプレイする個人によって評価は分かれるが、少なくとも''原作の評価点をわざわざ削ってまで出すほどのキャラクターであったかと言われると首を捻らざるを得ない。'' #region(ネタバレ注意。) 人間の善悪を見極める為に、人間とは全く違い、存在する個体がエトス含み2体しかいない妖精(人間でいうところの家族の概念が無い)に双子を預けるというのは論理的に破綻している。極論だが、狼に育てられた少女は自分を狼だとしか思わないのだ。 #endregion ***アルベルトについて -ノルンに命を与えられたクローゼットで、''本作における誰得要素の筆頭''。 --原作ではなりきり服はダンジョンの休憩地点などにあるタンスから出し入れしていたのだが、本作ではアルベルトがその役目を担っている。 -このキャラを一言で表すなら、''傲岸不遜な粗大ゴミ''。 --あまりの憎らしさから名前で呼ばれず、ファンサイドでは専ら(実際はクローゼットであるにもかかわらず)''タンス''と呼ばれている。 ---戦闘には一切参加しない上に都合が悪くなるとすぐに逃げる。かの[[モルモ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/749.html]]を彷彿とさせるが、まだまともな発言もしてくれる時がある分''モルモの方が余程マシ''。 -異常に口が悪い。 --男性陣への発言は''殆どが上から目線の罵詈雑言or暴言''で固められている。作中のキャラは構う価値は皆無と理解しているのか、多くの発言は見事にスルーされているが、原作や『ファンタジア』本編のファンがこの暴言を聞き流せるかは大いに疑問。 --女性陣にはメル:メルメル/ロンドリーネ:ロディたん/ミント:ミーたま/すず:すずちん…といった妙なあだ名をつけた上にセクハラまがいの言動をとる((アーチェにだけはセクハラ紛いの言動は取らないがスキットにおいて凶暴なオバハン呼ばわりし、名前では1度も呼ばない。))。 --双子の扱いは常にディオ<<<<<メル。実質''生みの親であるノルン''にすら悪口を言い、極めつけには終盤のスキットで''プレイヤーにまで悪口を言ってのける''。 --もっとも有名と思われるのは、「チェスターの妹・アミィ(''故人'')のことを悪く言い、チェスターを変態扱いする」というスキットだろうか((大まかに説明すると「アミィはチェスターの妄想の産物でチェスターは脳内妹でハァハァしている変態」というもの。))。当然チェスターはアルベルトに対して怒りをぶちまけた…と思うだろうが''特にブチ切れたりはしていない。''これはメアリー・スーの典型的な特徴と一致している。 ---アルベルトはアミィが死んでいることをこれ以前の会話で知っているはずなので、余計にタチが悪い。人の悲しみを踏みにじって''死者を冒涜する''ようなキャラとの旅を誰が望むのか? ライターの道徳心や倫理観すら疑われる。 --原作と『ファンタジア』のファンがプレイすると、今度はチェスターの背負っている背景((ちなみに、ファミ通文庫でのノベライズや『ファンダムVol.1』の彼らのエピソードなどでより深くその辺に触れられる。))・原作の魔鏡イベントも知った上でその暴言を聞かされることになるため、余計に苛立たされる、かなりの憤りを感じると非難轟々である。 ---チェスターとアミィの関係はチェスターというキャラクターを構築する上で重要なウェイトを占めている要素である。それをこうもふざけたネタにしてしまう開発スタッフは本当に原作をよく理解してリメイクを作ったのだろうか? ---チェスターの人生はアミィ無しには語れない。親が居らず、自分だけで食い扶持を稼がなくてはならなくても盗みなどの外道に堕ちなかったのは、アミィの為に歯を食いしばって生きてきたからである。彼は優しい兄で、全ての原動力がアミィだったのである。彼と妹を嘲笑う者は最早人ではない。タンスだけど。 --一応、スキット以外ではでしゃばらないというのが最後の救いかもしれないが、シリーズでスキットを聞かずに進めるのはプレイする楽しみがかなり減るので、そうもいかないのが現状。 ---だが、着替えをした時等のシステムメッセージなどが何故かアルベルトの発言したものの体を取っており、加えてアルベルトの喋りに特徴的な訛りがあるせいで、嫌でも目に入る。アルベルトどうこう以前に非常に鬱陶しい。 -担当声優の龍田直樹氏の(アルベルトのコンセプト的な意味での)名演のおかげで余計にプレイヤーを苛つかせてくれるという所もある。無論、''声優本人に何ら罪はない''((クリア後の開発室にいるスタッフから「ノリノリで龍田氏がアドリブをしまくった」といった旨の発言があるが、これに関してはあくまでアドリブをしたのはアルベルトの喋り方などであり、倫理観を疑いたくなるような台詞回しは元々用意されていたものである。そもそも、声優の独断で台詞やら何やらをストーリーの大元がねじ曲がるようなレベルで好き勝手に改変出来るわけがないのは言うまでもない。))。 --むしろ龍田氏は「''アルベルトというキャラクターをその演技で更にプレイヤーを苛つかせる位に完璧に演じきった''」と評されるべきだろう。表現がネガティブになってしまっているが、あくまでアルベルトというキャラクターの立ち位置などを受けての表現であり、この場合は演技を批判する意味で用いていないのでそこは了承願いたい((例えどれほどクズなキャラであろうとも、役を選ばず演じきるのがプロの声優の仕事である))。 ---実際問題、龍田氏に関してはこのキャラクターのせいで一緒くたに叩かれかねないことに対する同情もあるが、演技の質の高さを評価する意見も少なくなく、好意的に見られていると言える。 -そして開発室で聴けるスタッフの発言が「毒舌キャラ、楽しんでいただけましたか?」 --「毒舌」とは、辛辣な悪口や皮肉を言うこと。また、その悪口や皮肉のこと。「暴言」とは、礼を失した乱暴な言葉。無礼で、むちゃな発言のことである。意味が全然違うのは言わずもがなだろう。 ---アルベルトを表現するのならば、毒舌キャラではなく暴言キャラの方が余程相応しい…と言えるだろう。 -こんな有様なので「''タンスのウザさに耐えるのもノルンから(&color(red){プレイヤーヘ})の試練''」等と言われてしまっている。 --二次創作のイラストでは、アルベルトが燃やされている絵が大量に見られる。作中でアルベルトにこれといった制裁が加えられない事と決して無関係ではないだろう。 ---かのアマゾンでの評価も辛らつで、ほぼ全てのレビュアーがアルベルトを不満点として挙げている他、ニコニコ大百科にも発売早々から記事が作られているが、読み方が「''タンスシネ''(タンス死ね)」となっている。 --こいつのせいで本作が早々に売られ、結果として中古は言うに及ばず、新品までも価格暴落を引き起こしたとも言えるだろう。本作をプレイすると嫌でも付き合わざるを得ず、それが苦痛になるほどのウザキャラなのである。さっさと売ってお金に換えてしまった方が精神的にも良いのは言うまでもない。 ---普段なら批判意見の多いDLCだが「タンスの存在を消せるパッチだったら数千円払ってでも買う」という意見すら。 --開発スタッフの真意がどうであれ、少なくともプレイヤーサイドの視点では「''こんなキャラを平気で登場させるような開発スタッフが作る『なりダン』リメイクが良いリメイクになる訳などなかったのだ''」との厳しい意見の方が多い((ちなみに、このキャラクターがお気に入りというスタッフまでいる。その名もアルルンマニア。もはや何も言うまい。))。 ---これまでのシリーズ作品の中で設定の部分で矛盾を起こしていたり、他のキャラクターを踏み台にして異様に持ち上げられているキャラクターが登場することもあったりしたため、かねてより「制作陣はキャラクター作りやキャラクターの活かし方が下手なのではないか」等といった意見も挙がることはあった。しかし、このアルベルトの一件でキャラクターの運用が下手なのではなくこれが本気でウケると思っているという疑いが色濃くなった。ただ、一応フォローをしておくと、それまでの作品の場合は前述のようなキャラクターであっても、アルベルトほどに否一辺倒に見られることはなかったということだけは付記しておく。 -その結果、現在では満場一致で「''シリーズ最低のキャラ''」との汚名を着せられている。このシリーズは魅力的なキャラクターをウリにしている側面があるためなおさらである。 --『マイソロ3』のスキットや『エクシリア』のキャラにまつわるコピペなどでアルベルトがネタにされている。 --また公式人気投票からはアルベルトの名前が削除されている。批判が多かったからではないかという推測が最も多い。 //悪く書くような言い方を変えてみた -一応評価できる部分もある。 --それは間違いなく批判の対象とされる''世界観に矛盾しまくった設定を持つロンドリーネ''や''メアリー・スーの要素を多く含んだエトス''。さらに''改変されまくってメッセージ性や深みが大きく薄れてしまったシナリオ''への批判のスケープゴートを果たしきったこと。 ---冗談抜きでこれくらいしか評価できるところがない。むしろ、それによって逆説的にアルベルトの酷さをよく現してしまっていると言うことなのだが。 以上のように新キャラクター全員に目立つ批判点が存在する。 当たり前のことだが、原作のシナリオを考慮すると、どのキャラクターも介入する余地が無いため、原作ファンからは「''全員いる必要がない''」と斬って捨てられている。~ なお、ディオ・メル・クルールの既存キャラの性格設定は「メルはネガティブシンキングが過ぎて見ていて苛ついてくる」「ディオの日本語がおかしく、誰得などのネットスラングを使い、世界観に合わない」という意見も見受けられるが、アルベルトの影に隠れているのかそれ程多くはなく、賛否はあれどそこそこ妥当ではある。 ---- ***最悪の後日談 -シナリオ改変の影響で本編キャラクターの悉くがディオ達と出会わなければ''悲惨な未来しか待っていないことになってしまった''。([[参考動画(ニコニコ注意)>http://www.nicovideo.jp/watch/sm12276108]]) #region(ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。) |クレス|''“シグルド”に敗れて戦死。''| |ミント|クレスが“シグルド”に敗れて戦死したことに絶望して自殺。| |クラース|召喚術の論文を燃やされ生きる希望をなくした後、''お酒の飲みすぎで体を壊し死亡''。| |すず|魔界の王プルートと刺し違えて死亡。| |チェスター|不明。しかしアーチェが「この時点でみんないなかったはずだった」と言っているため、彼も悲惨な最期を遂げたと思われる。| #endregion -こちらは原作には無かった描写であることは言うまでもないが、『ファンタジア』本編までも巻き添えにしているため、当然と言えば当然だが『ファンタジア』本編のファンからは凄まじい反発が起きた((『シンフォニア』でも『ファンタジア』と無理につなげ似たように悲惨な未来になってしまう為、同じく反発されている。))。 -これらはアーチェの口から語られるのだが、彼女はその間ずっと眠っていたらしい。 --悲惨な未来を入れたい。そのためには最も過去の時代からいて長命なアーチェは邪魔だ。それならば眠らせておけば大丈夫だろう。…シナリオライターはこれで話の整合性が取れているとでも思ったのだろうか。 -仲間達が辿った悲劇を知るアーチェと悲劇を逃れたキャラクター達が揃うという「アレ?」と思える現象も起こっているが…。 --これは原作でマクスウェルが説明した時間設定、''時空転移による過去変更は、未来を変更するものではなく、新たに分岐した未来が作られる''という解釈を用いれば説明できる((ディオ達が過去に介入する事によって悲劇は回避されたが、それは新たに分岐した未来が作られただけであって(アーチェを含む)ディオ達のいた歴史は何も変わらない。よってタイムパラドックスは起きず、当然記憶の改変等も行われない。また、トールを使った時空転移は同じ時間軸上しか行く事が出来ないかのような描写があるが、アーチェは(上記の前提が正しければパラレルワールド間の移動が可能な)ロンドリーネによって過去に連れて来られた後、ディオ達と共に未来へ帰っていったため、元いた歴史の記憶を持っているとしても矛盾にはならないと言える。))。 ---…が、リメイクである本作ではなぜか上記の時間設定は説明されない。原作を理解して描いたとは思えない本作のシナリオを見れば、その辺は全く考えていないご都合主義的な産物であろうと思われている。 -上記の通り『ファンタジア』本編のキャラの扱いはあんまりなもので、かの『デスティニー』の主人公「スタン」の続編での扱いよりはるかに酷い。 --これらの後日談が''まだ''納得のいく流れであるのならばここまで批判されることは無かったかも知れないが、''『ファンタジア』本編も含めてストーリー上どう考えても有り得ない展開''ということが一番の問題である。 ---もっとも、元々無くても話が成り立っていたわけで、話の内容を考えれば追加した時点で批判されるのは間違いないだろう。 ---また、この内容自体が「''原作のダークな面を勘違いして安易に作られた鬱要素''」とでも言うべきものであり、前述のように本編を含めて考えてもそうなりようがない展開を無理矢理落とし込んでいるものであるため、どう転んでも原作および本編ファンが好意的に評価出来るようなものではない。 #region(ネタバレ注意。) -クラースはわざわざ召喚の契約を解除してから論文の提出をさせている。それで召喚が証明出来ず、信じてもらえず論文が燃やされ、自暴自棄になり酒に溺れるという流れである。冗談と思われるかもしれないが冗談ではなく、これは召喚を証明できなかった部分以外は公式サイトにも書かれている内容である。 -シグルドそのもの、論文の焼却、プルートの侵攻、どれも原作には影も形も存在しない事象である。しかもお粗末な新設定付きである。シグルド関係の魔術の使えないエルフなど、『ファンタジア』本編にも原作にも、ましてや『シンフォニア』にも存在しない。 #endregion //-余談になるが、『ファンタジア』にも本編の後日談を扱ったノベライズなどはあるが、それらは''あくまでも「外伝」''であり、原作のスタッフルームにいるシナリオライターの言を借りるならば''「可能性の一つ」に過ぎない立ち位置''である。 //--しかし、「''可能性の一つ''」と捉えられていた原作が、リメイクである本作では公式に「''『ファンタジア』の後日談''」として正式に決められてしまった。 //---内容はともあれ公式に後日談としてしまうと、''「可能性」という言葉で逃げることが出来ずにこれが「正史」となってしまう''。にもかかわらず、その正史とする後日談があまりにも酷い内容となってしまえば、ファンに出来うる防衛手段はこれらを全否定する事だけである。 //とりあえず、明確なソース見つかるまで一旦CO。 //一応ナムコ公式の方の攻略本にある開発陣インタビューP287にテイスタのディレクター・メインプランニングの山内が本作を「正当な後日談~」発言しているね。ちょっと見る機会があったんで確認してみた。まあ…ついでに知りたくもないことも見ちゃったが…。一応参考までに。 -いくら作中でディオ達によって助けられる流れになっているとは言え、本編から見ても考えられないような描写を入れてまで未来は絶望的だと提示することに一体何の意味があったのか。 --少なくともこれを入れたことでシナリオに深みが増したとはとても言えないものであり、むしろ、原作および本編ファンを無意味に不愉快な気分にさせただけでしかない、悪意に満ちた蛇足の変更であると言わざるを得ない。 ---ちなみにこの『ファンタジア』の後日談に当たる第一部は、原作ではシナリオらしいシナリオは無く、本編キャラクターの協力を仰ぎながらディオ・メル・クルールの3人で精霊の試練を受けていき、封印された性格を解放していくというものであった。その反面で前述の頼まれごとの内容がかなりヘビーなものもあり、こなさなければ後半のダンジョンの扉が開かないため、実際はそこまで淡泊に感じさせないようにはなっている。 ---- ***その他 -シリーズでは珍しく、ディオ・メル・クルールの声優は過去に発売されたドラマCDで担当した声優とは違う人が担当している((ディオ:くまいもとこ→斎賀みつき、メル:柳瀬なつみ(現:やなせなつみ)→阿澄佳奈、クルール:永島由子→非公開(表記は「原作のドラマCDにおける声優→Xにおける声優」で表記)。))。 --攻略本によると、ディオとメルの性格を掴むための資料としてこのドラマCDも使用されたらしい。しかしなぜ声優が変更されることになったのかは不明。 ---勘違いのないように書いておくが、変更後の声優の演技についてはあまり批判は起こってはいない。むしろディオ役の斎賀みつき女史の本作での演技は広く評価されている。また、ドラマCDの声優陣もキャライメージに合っており演技も優れているため評価は高い。 ---そのため開発スタッフが声優を決めて依頼した後でドラマCDの存在を知ったという噂がファンの間で流れたこともあった。本作の出来を考えると、デマだと言い切れないのが悲しい。 -リメイク作であるにもかかわらず、原作での人気曲「DARK MIND」「Judgment」など、あいだとしき氏による曲は''一つも採用されていない''。 --「あいだとしき氏の正体がギタリストの会田敏樹氏で、権利関係のために使用できなかった」と一部で推測されているが詳細不明。 --一応、その代わりにシリーズお馴染みの桜庭統氏が新曲を書き下ろしている。とはいえ、そちらの評判もあまりいいとは言えず、特にラスボス戦の曲はファンからは「どう聞いても通常戦闘のノリ」と言われている。 ---しかも''まともに評価されているのがこの曲だけという救いようのない有様。'' ---『ファンタジア』の音楽のアレンジも音がこもっている、主旋律が聞きづらい、異様にがしゃがしゃしていてうるさいなど、『ファンタジア』本編ファンからは不評である。 -発売前にやたらと押されていた『テイルズ オブ グレイセス』の主人公・アスベルのコスチュームはパスワード入力でしか手に入らない。 --もっとも、これまでのDLCやアンロックキーと違い、パスワードは攻略本やネットに全部載っているので、探せばすぐ見つかるレベルではあるため、そういう意味では''DLCよりはマシ''だろう。 ---2010年12月ごろから公式HPに全て公開されている。 ---- **総評 リメイクとしては問題点が多すぎるタイトルではあるが、ファン感情を抜きに『なりきりダンジョンX』という一つのゲームとして見れば、大枠としてのシステムなどの完成度は高いこともあってそれなりの出来であり、クソゲーとまで断じるのは難しい。実際にレビューサイトなどでは新規ユーザーは本作を高評価している者が多い。しかし「GB版をプレイしました」といったいわゆる原作プレイ済みのプレイヤーのほとんどは本作を低評価している。~ 本編である『ファンタジア』のストーリーも楽しむことができ、また本作品は''価格が大暴落''しており非常にお手ごろな価格で手に入るので、新規のプレイヤーには充分オススメできる作品である。~ ただし原作をやっていない人でも、''アルベルトを受け付けるかそうでないか''で評価は大きく変わってくる作品で、そのため、原作を知らない新規プレイヤーからも「アルベルトがウザ過ぎてプレイするのが苦痛(あるいは全てぶち壊し)」といった意見が少なくない。~ リメイクとして評価できるのはやはりターン制に近かった原作の戦闘がテイルズオブシリーズらしくリニアモーションバトルになった点である。しかし戦闘に関してはあくまで原作がターン制だったために評価されただけにすぎない。PSPで発売された他のシリーズ、特に戦闘システムの評価が高い『デスティニー2』、『リバース』と比べると上記のように地味すぎる秘奥義にキャラバランスの問題や鋼体の問題によりかなり見劣りする。しかも本作のモンスターグラフィックはほぼ過去作の使いまわしという手抜き感の漂う有様となっているため、リメイクとして唯一評価できる改善でさえ微妙という結果に終わった。~ 本作がリメイクとして擁護出来ない仕上がりになってしまった理由として、「''本作の開発スタッフが原作の人気の秘訣を全く理解していないのでは?'' 」ということが考えられている。~ 原作は所謂「完成度の高いシナリオ」が評価のポイントとなった作品だが、物語の内容のみで人気を得たわけでは決して無く、ましてや『ファンタジア』の後日談というだけで人気を得たわけでもない。~ 物語全体の雰囲気、人間のドラマ性、ほどよい本編のシナリオ補間、たのまれごとの脚本など結末に至る過程がしっかりと書き込まれているからこそ、魅力のあるシナリオとなり大なり小なりファンに受け入れられたのだ。~ いくら原作のシナリオが高評価を得たからといって、上っ面だけをなぞらえて、肝心の過程を描写せず説得力も魅力も皆無な新規キャラや後日談を安易に量産しても意味が無いということが、本作を通じてよくわかるというものである。~ そして、シナリオ以外でも原作で評価された要素の悉くを排除するという、原作無理解、あるいは尊重しようとする姿勢が見られない点も駄目押しになっていると言える。~ 原作のシナリオライターである新免G之進氏は攻略本で''「この物語は世界を救え!というような壮大な物語ではなく、自分の心との対峙といった人間の内側にテーマを設定した」''と語っている。~ 虹輪やシグルド、プルートにより度々世界が危険にさらされる本作を見れば、スタッフの理解がまるで足りていないと考えるのは邪推とは言えないだろう。 以上のことから、『ファンタジア』本編や原作をプレイ済みの人は、イメージを壊さないために本作を「''『ファンタジア』や『なりきりダンジョン』のキャラクターのそっくりさんが出て来る、原作や『ファンタジア』本編とはまったく違う別の何か''」・「''SFC版やPS版の続きでは無く、クロスエディションの続き''」としてプレイすることが推奨される。~ 原作ファンには開き直って「別ゲー」として、または極端な例だが「劣化リメイクだが良ゲー」「隠れた名作が劣化して良作になった」と考えて楽しんでいる者も少なからずいるようである。~ ただ、それは「''そう思わないととてもやってられない''」ということの裏返しでもあるが…。 ---- **なぜここまでの原作改変が起こったのか 散々シナリオの改変、改悪について述べてきたが、実はバンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っている。しかし… &br() &br() ''「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」'' -原作ではメインシナリオのならず、サブイベントでもトラウマになりそうなシーンが多数存在したため「倫理的に難しかった」という考えは頭から否定はできない。原作をプレイした人達も、原作のシナリオを完全に再現したら、間違いなく規制、CEROに引っかかるだろうと考えていた人が多かった。 --CEROに引っかかってしまえば売り上げに影響するため、それを避けるためにシナリオを改変して売り上げを伸ばしたい…と考えるのは利益を求める企業として当然である。しかし結果的にレーティングはCERO「B」となってしまい、さらにシナリオも改悪されたとプレイヤーから評価されてしまった。 ---会社内部の事情やCEROの関係なのか、どう倫理的に難しかったかはこの発言だけでは読み取れない。だが幼くして命を落としてしまった女の子に対する間接的な侮辱など、''アルベルトの暴言や下品な発言((酷いモノだとディオに対して「毛も生えてねぇハゲぼうず」呼ばわりしたりする。もちろんこれは頭がハゲているという意味ではない。ここまで書けば何を意味するかは自ずと解るだろう。))の数々はスタッフ達の間では倫理的に問題なかった''ようだ。 ---ついでに書いておくが、アルベルトの発言も大概CEROに引っかかってもおかしくない発言ばかり((実際CEROに引っかかった上に本作のコンテンツアイコンはセクシャル・犯罪である。なお、CEROは「ソフト全体」に対してレーティングを下すため、同時収録の『クロスエディション』の内容が引っかかった可能性も指摘されるかも知れないが、土台となっている『フルボイスエディション』は「CERO:A(全年齢対象)」である。従って、仮に『クロスエディション』に原因があるとしても、『フルボイスエディション』から追加されたもの…つまり、「ロンドリーネ」以外に起因しうるものが無いと言える。))である。開発スタッフはいったいなにがしたかったのだろう。 &br() ''「オリジナル版をリスペクトしたうえで新たな可能性、新たな物語を作った。」'' -しかし本作が''公式な後日談''となったため、''原作を否定して自分達のリメイク版を肯定している''と解釈が出来、事実、この解釈を裏づけるように、会社側がゲーム雑誌などで原作ではなく本作を「なりきりダンジョン」だと宣伝している節がある。 --もっとも顕著な例が「テイルズ オブ 大全 1995-2011」での原作の扱いで、この資料集では本作のシナリオ、設定こそが『なりきりダンジョン』であるような記述がなされている。気になる方は関連のページを探して読んでみてほしい。 ---そもそも原作の雰囲気やキャラクター、シナリオといった作品の土台を大きく改変しての「新たな可能性、物語」とは何なのか。そしてこの内容で一体どこを「リスペクトした」と言えるのか。こういうのは「ディスリスペクト」と言うべきものである。 &br() ''「リメイクを作ってもオリジナル版が好きという人は必ずいるため。」'' -確かにスタッフの言うようにネット上などで、新しい作品やリメイク作を評価せずに過去の作品を美化し過大評価する、俗に懐古厨と呼ばれる人々は存在するのだが、そのリメイクが良リメイクならば高く評価したり、原作よりも高く評価する原作ファンも必ずいる。そもそもPS版『ファンタジア』自体が一般的には良リメイクである。だからこそなりきりダンジョン1が生まれたのだ。 --第一、それがリメイク作品である本作で開き直って''原作をやりたい放題に破壊(しかも『ファンタジア』本編を巻き込む形で)して良い理由にもならない''事など、言うまでもないのだが。 &br() 上記に書いたように、「ちょっと待て」と言いたくなる発言が多いため、自分達のやりたいようにやったのを正当化するための言い訳だと捉えている者も少なくない。~ 本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえられたのだろうが…。 ---- **発売後の評価 メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であった。~ しかし、上記の悪評により現在は中古が溢れている状態となってしまっている。~ 同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。~ 現在はかなりおさまったが、あまりにも原作との違いにリメイク版しかプレイしてないユーザーは、インターネットの『なりきりダンジョン』に関する事項を語っている掲示板、スレッドには会話に参加しにくい、または『なりダン』総合で扱うスレッドの場合は会話がかみ合わない現象が相次いだ。 ---- *同時収録・テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。~ 詳細は[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]を参考にされたし。 ----
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2374.html]]に移転しました。''

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