「テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション」(2013/07/21 (日) 11:24:32) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

※''注意'':~ このページは『''テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX(クロス)''』に同時収録されている『''テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション''』に関しての紹介になります。~ メインとなる『なりきりダンジョンX』に関しては[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX]]をご覧下さい。 ---- *テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 【ているず おぶ ふぁんたじあ くろすえでぃしょん】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|CENTER:&amazon(B003EO8WYU)&br()※こちらのタイトルに同時収録| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|クライマックス|~| |発売日|2010年8月5日|~| |定価|5,480円|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|384KB以上(1ファイルあたり)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、犯罪|~| |廉価版|PSP the Best:2013年2月21日/2,800円|~| |分類|BGCOLOR(khaki):''劣化移植''|~| |ポイント|戦闘システムの''上っ面だけ''を変更、そのせいでバランスが歪に&br()出番的な意味では空気、しかし存在感が変にあるせいで異物感が強い橋渡し役&br()戦闘における味方AIの大幅な悪化&br()ゲーム全体に漂う手抜き感|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/260.html]]''| ※本作は『''テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX''』に同時収録されているため、一部を除いて『なりきりダンジョンX』とセットでの情報になっています。 ---- #contents(fromhere) ---- *概要 『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』(以下「なりダンX」)に同時収録されている『''[[テイルズ オブ ファンタジア>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/66.html]]''』(以下「ファンタジア」)の移植作。~ 移植・リメイクは[[PS版>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/82.html]]、[[GBA版>テイルズ オブ ファンタジア (GBA)]]、[[フルボイスエディション>テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]](以下「FVE(Full Voice Edition)」)、携帯アプリ版と来て5度目となる。~ 今回は『なりダンX』とのセットで、立場としてはおまけに位置する作品となるためか、基本的なところはFVEの流用となっており、本作ならではの要素や変更点は主に戦闘システムと『なりダンX』で追加されたキャラクターである「''ロンドリーネ・E・エッフェンベルグ''」にまつわる要素に集約される。~ ---- *変更個所 **シナリオ関連 ***ロンドリーネ関連 -ロンドリーネが追加されたことで彼女に関するイベントが追加され、過去と未来で一時的に仲間に加わる。 --更に、ストーリーの進行上必ず加入および離脱を行うため、イベントには新録ボイスがある。 ***既存ストーリーにおける変更 -冒頭の現在編において、ストーリー上でクレスが単独行動するようになるまでユークリッドの都の方に行くことが出来なくなった。 --それ以前に行こうとするとチェスターに行く場所が違うことを指摘されて引き返してしまうため、これによってPS版およびFVEで見ることの出来たフェイスチャット(スキット)が見られなくなってしまった。 -ストーリー上のテキストの一部変更。 --ストーリー全体の流れは変わらないが、細かい変更が施されている個所がある。 ---一例として、ミッドガルズ空中戦の直前でセーブ出来るが、本作では準備が不十分の場合はセーブをしないように忠告が入った((それまではセーブするか否かの確認のみ。仮に準備が不十分のままセーブをしてしまうとそのまま空中戦に突入してしまい、一旦リセットしてロードした後でも準備をする機会はないため、そのまま詰みに陥る危険があるための配慮であると考えられる。))。 **システムなど -FVEに比べて、FVEおよび本作新録ボイスとPS版からの流用ボイスの音量差が是正されたことで、音量の調整がしやすくなった。 --FVEの段階で指摘されていた経年による声質変化による違和感に関しては今作も過去作が流用されているため、是正されていない。 -戦闘中のパーティキャラクターのドットと、リリスのドットの修正。 --FVEでは無理矢理引き延ばした2頭身ドットだったため違和感が強烈だったリリスも3頭身のドットになり、違和感は軽減。 ---反面、元々系列の他の敵は3頭身化しているのに一部2頭身のまま(ミスと思われる)である敵の修正は行われていない。 ---また、モンスター図鑑のグラフィックも相変わらずPS版の流用のため、3頭身化した敵も2頭身のまま。 -カスタムの設定項目の変更。 --フィールドマップ上で背景(山など)にキャラクターが被ったときの処理をどうするかに関する項目が無くなり、無条件でプレイヤーキャラクターが隠れてしまうようになった。 ---FVEまではキャラクターが見えるように背景を透けさせることも出来、位置が解るようになっていた。 --新しく「ジャンプ待ち時間」に関する項目が追加され、マニュアル時に十字キーの上を押した後、実際にジャンプするまでのラグを調整することが出来る。 ---FVEまでのマニュアル操作時は十字キーの上を入れるとすぐにジャンプしてしまうために対空攻撃や十字キーの上に登録した技が出しづらく、使いづらいという問題があったための処置と思われる。 -アイテム説明欄などのテキストの一部変更。 --主なところでは売ったり捨てたりしてしまうと後々大変な事になってしまう装飾品である「デリスエンブレム((ラストダンジョンの特定個所を通過するために必要な装飾品で、仲間に入っているメンバー全員がこれを装備してその場所を通過しないとダンジョンの先に進めなくなる。最低限必要な数はダンジョン内とその前のイベントで入手出来るが、誤って売ったり捨ててしまうとその分は出現率も低い敵のこれまた低いドロップ率に賭けてひたすら戦わなければならなくなってしまう。))」の説明文の基本的なところは変わらないが、文末に「売らずに取っておこう」と一言付け加えられた。 ---注意文を加えられたとはいえ、売る事も捨てる事も依然可能となっているため、あまりフォローになっていないとも言える。 ---フォローになっているのかいないのか解らないような中途半端な改変をする位なら、いっそ捨てることも売却することも出来なくした方が親切ではないだろうか…。 **戦闘関連 ***基本的な事項 -戦闘がスピーディーになり、敵味方共にアクションのスピードがおよそ倍になっている。 -FVEまではすずしか出来なかった通常攻撃3段が術者キャラクター含めて全員出来るようになった。 -FVE以上に敵が攻撃的になった。 --些かやりすぎのレベルになってしまっており、物理攻撃を得意とする敵に挟まれようものなら間断なく両サイドから攻撃されるため、HPが0になるまで動く事も出来ず、手も足も出せずに力尽きるなんて事も起こりうる。 -FVEまでは指示を最大2つまで出しておくことが出来たが、アイテムの使用指示に限り、そのアイテムの使用が完了するまで次の指示が出せなくなった。 --術技の使用指示に関してはFVEまで同様に最大2つまで指示を出せる。 ---「術の使用→アイテムの使用」という順番での指示であれば両方出せる((ただし、その次の指示はアイテムの使用が完了するまで不可。))が、「アイテムの使用→術の使用」という順番で指示を出す場合はまず最初に指示したアイテムの使用が完了するまでは術技の指示を出す相手やアイテムの使用者としてそもそも選択出来なくなっている。 -''術の発動・演出で戦闘が止まらなくなり、更に中級以上の術の同時発動も可能''。 --これに伴って一部の術はエフェクトが変更されている。 -操作モードの「マニュアル」が最初から選べるようになった。 --これに伴い、FVEまであった「テクニカルリング((これを装備していることでマニュアル操作が出来るようになる。))」が「ステップリング」に変更された。 -「コンボコマンド((習得済の全ての技を格ゲーのようなコマンド入力で出せるようになる装備品。))」が消滅し、「ステップフォース」が登場。 --これに伴い、クレスの称号「コンボマスター((コンボカウンターとコンボコマンドの2つのアイテムを入手すると貰える称号。))」が「ステップマスター((ステップリングとステップフォースの2つのアイテムを入手すると貰える称号。))」に変更。 -クレスとクラース、そしてロンドリーネに秘奥義が追加された。 --クレスには従来の「冥空斬翔剣」の他に「緋凰絶炎衝」と「エターナルブレイド」が追加された。 ---クレスの称号「おうぎでんしょう(奥義伝承)」を獲得し、戦闘中にHPが最大から1/4以下まで減少かつTP((テクニカルポイント(Technical Point)。一般的なRPGに多いMPと同じで技や術を使うために必要なポイント。))が100以上残っていることが最低条件となり、更に秘奥義毎の条件を満たしている事で使う事が出来るが、冥空斬翔剣以外は使えるようになったアナウンスがされないため、条件を把握しておく事が必要になる。 --クラースには「丸くて黄色いすごいヤツ((旧ナムコのゲームおよびそのキャラクターである『パックマン』のこと。))」が、ロンドリーネには「デモンズランスレイン」が用意されている。 ---それ以外のキャラクターには秘奥義が用意されていないが、『なりダンX』での秘奥義がそもそも『ファンタジア』本編では普通に出せる術技扱いなので致し方ないところもある((ただし、チェスターの『なりダンX』での秘奥義「天威浄破弓(てんいじょうはきゅう)」は『ファンタジア』本編では用意されていない技である。))。 |>|BGCOLOR(#cccccc):''クレスの秘奥義''| |CENTER:技名|CENTER:個別条件| |CENTER:冥空斬翔剣|上記最低条件を満たして「○+×+□ボタン」同時押し。| |CENTER:緋凰絶炎衝|鳳凰天駆系の奥義を全て修得し、かつ上記最低条件を満たして「右 or 左+○+×+□ボタン」同時押し。| |CENTER:エターナルブレイド|全ての時空剣技をマスター((クレスの一部の奥義にかかわる技には修得率が設定されており、技を1回使う毎に修得率が1%アップし、100%になる事でその技をマスターした事になる。クレスの使う奥義は2つの技の組み合わせで繰り出すものとなり、対応した技の修得率がそれぞれマスター(100%)になっていないと使用出来ない。例えば、「魔神飛燕脚」という奥義は「魔神剣」と「飛燕連脚」という2つの技をマスターして初めて使用出来る。))し、かつ上記最低条件を満たして「下+○+×+□ボタン」同時押し。| |>|BGCOLOR(#cccccc):''他のキャラクターの秘奥義''| |CENTER:技名(使用者)|CENTER:使用条件| |CENTER:丸くて黄色いすごいヤツ&br()(クラース)|全ての精霊と契約した時に獲得出来る称号「サモンマスター」を名乗りつつ、戦闘中にHPが最大から1/4以下まで減少し、かつTPが100以上残っているときに「○+×+□ボタン」同時押し。| |CENTER:デモンズランスレイン&br()(ロンドリーネ)|彼女に関するサブイベントを全てこなすと入手出来る武器「ドラグノフ」を装備し、戦闘中にHPが最大から1/4以下まで減少し、かつTPが100以上残っているときに「○+×+□ボタン」同時押し。| -戦闘中の敵味方キャラクターの位置が解るレーダーが追加、大まかな状況が掴めるようになった。 --敵味方共に術の詠唱中のキャラクターにはエフェクトが発生するようになっている。 ---ただし、あくまで味方と敵がどこにいるかというのが解るという程度で、操作キャラクター以外は味方は青、敵は赤で統一されており、アイコンには敵味方以外の情報がないため、混戦状態になってしまうと常にホウキで飛行しているアーチェ以外は「誰が」どこにいるかが解らなくなってしまう。 ---せめて味方だけでも隊列で表示されている番号をアイコンに付与してくれれば混戦状態でも状況を把握出来るのだが…。 -物理攻撃によるダメージに減少補正がかかるようになった。 --術攻撃のダメージに関しては変更無し。 -戦闘終了後のTPの回復量が増加し、FVEまでの全キャラクター一律で最大TPの5%分だったものから変更された。 --クレス・チェスター・すず・ロンドリーネの4人は、隊列の先頭(1番)に置いてプレイヤー操作であった場合は最大TPの15%分、それ以外の場合は5%分。 --ミントは最大TPの10%分、クラース・アーチェの2人は最大TPの5%分回復する。 --戦闘非参加キャラクターは上の個別の設定を無視して一律最大TPの10%分回復するようになった。 ---ただし、戦闘非参加キャラクターにTPの最大値が上がる装飾品を装備させていた場合は元々のTP最大値以上は回復せず、それどころか''元々のTP最大値より多くなっている分は戦闘終了後に減らされる''という意味不明な処理が行われる。 -レベルアップした際にそのキャラクターのHPとTPが完全回復するようになった。 --ラストダンジョンでランダムで出現する死神から経験値を購入してレベルアップした場合はHPもTPも一切回復しないので、あくまで戦闘によるレベルアップ時に限っての話となる。 ***操作系統の変更 ※操作系統は主にPS~FVEからの変更点を挙げている。~  SFC版は戦闘システムや操作周りがそれらと大きく異なるため、比較対象としては不適切となるので考慮していない。 -FVEまではマニュアルか「ダッシュリング((本来マニュアルでないと出来ない任意ダッシュがセミオートでも出来るようになる装飾品。))」を装備した上で左か右に同じ方向に2回入力で行っていたダッシュ移動が今作では基本仕様となった。 --右か左に入力するだけでダッシュ移動をするようになったため、歩きでの移動が出来なくなった。 ---これによって存在意義が全くなくなったダッシュリングが削除され、ダッシュリングが入っていた宝箱は一律で「ライフボトル((HPが0になって力尽きた仲間を復活させる事の出来るアイテム。))」の入った宝箱に差替えられた。 ---ダッシュ移動中は敵に引っかからずに移動することが出来る((歩き移動の場合は敵がいるとその先に進めない。))が、本作のダッシュ移動もこれに準ずるため、敵に引っかからずに移動出来る。 -突き攻撃が「下+○」から「左 or 右+○」に変更、「下+○」はその場で飛び上がりながら斬り上げて敵を浮かせる浮かし攻撃になった。 -「□+左 or 右」でステップ移動が出来るようになった。 --ステップリングを装備していれば、通常攻撃を出した後にステップ操作で出せる「キャンセルステップ」で攻撃の隙を消してステップ移動が可能になる。 --ステップフォースを装備していればキャンセルステップが出来るだけでなく、そもそものステップ自体がTPを消費する代わりに完全無敵でステップ移動が出来る「パッシングスルー」となる。 ---ジャンプと違って術者キャラクターも使用出来るが、飛行しているアーチェだけは乗っているホウキによる前進・後退になっている。 ---一部キャラクターは通常の移動速度がかなり遅く、ステップ移動を繰り返した方が早く移動出来る。 -隊列の向き入替が「R+上」になり、待機(STAY)が「R+下」で行える。 --隊列の向きの基準は操作キャラクターが入替指示を出した時に向いている方向になるため、隊列の向きを入れ替える時は操作キャラクターの向きを一旦逆向きにする必要がある。 ---操作キャラクターの向きを変えないで向き入替を行った場合は単純に散らばっていたパーティメンバーを隊列で設定している形に整列させるといった案配になる。 -FVEまで任意ジャンプが出来なかったセミオートでも元々ジャンプ自体が出来ない術者キャラクター以外は「□+上」でジャンプが出来るようになった。 -ショートカットの登録が「R+○×□△それぞれ」の4つ((プレイヤーキャラクター含めた戦闘参加キャラクター1人にボタンが1つずつ割り当てられ、技の画面で事前に登録することが出来る。))出来るようになった。 --プレイヤー操作およびショートカットで味方の回復などの術を行う時は、Lボタンでターゲットを切り替えることが出来るようになった。 ---プレイヤー操作キャラクターのショートカットは今行っているコンボが途切れたところで初めて繰り出すため、コンボに組み込むことは出来ない。 ---FVEではLとRボタンに任意のキャラクターの術技を登録出来、状況によっては同じキャラクターの異なる術技を使い分けることも出来たが、今作は仕様上、1人のキャラクターの複数の術技をショートカットに登録することは出来なくなった。 ---- *ロンドリーネについて 『なりダンX』との橋渡しとして追加されたキャラクター。~ 『なりダンX』ではディオ達に並んでメイン級の扱いを受けているが、こちらではちょい役と言わざるを得ない扱いとなっている。 一応、彼女の背景が見えるイベントなどもあるが数自体は多くなく、おまけに『なりダンX』との橋渡しありきのキャラクターなために本作だけでなく、『なりダンX』もプレイして初めてキャラクターの背景を掴めるという状態になっている。~ 加えて、仕様として料理を実行させることは出来ず、彼女に関するフェイスチャットは1つも追加されておらず、勿論それ以外の雑談にも全く加わってこない。~ 極めつけに、既存イベントには全く関わってこず、おまけに闘技場などの一部のイベントを除いてグラフィックすら用意されていない事もあり、キャラクターの出番的な意味では空気と言わざるを得ない。 だが、戦闘に関してはクレスに負けず劣らずの前衛としての活躍が見込めること、今までの『ファンタジア』のキャラクターには無い、強い個性を持っているために存在感という意味では空気ではない。~ 戦闘以外でのキャラクター付けという意味でもこれまた他のキャラとは一線を画すキャラクター付けをされているところもある。~ それ故に、ストーリー的には空気なのに異物感が強烈という一見すると矛盾した状態となってしまっている。~ 改めて言うことではないが、ロンドリーネが存在していなくとも『ファンタジア』は一つの物語として完成しているのである。~ つまり、既に完成しているものに手を加えるという段階でどうしても異物感は付きまとってしまうのである。~ だからこそ、作中の描写には細心の注意を払って物語に対して浮いてしまわないように、違和感を生んでしまわないように物語の中に丁寧な描写・設定構築が必要になってくる。~ しかし、ロンドリーネの場合はストーリー上の絡みも余りにいい加減であり、彼女に関してやりたいことだけをやったと言わざるを得ない内容故に結果として浮いている感が際立ってしまい、空気なのに異物という状態になってしまったのだ。 更にタチの悪いことに、ロンドリーネの存在自体が矛盾を抱えている状態となってしまっている。~ 詳しくは『なりダンX』のページを参照してもらうとして、掻い摘んで言うとロンドリーネという存在が人間・エルフ・その混血のいずれでも作中の設定と矛盾が生じる箇所があるため、説明がつかないというものである。~ 結果として、一部のファンが「制作陣が『ファンタジア』のことをまるっきり解っていない」「作品に対する愛情がまるで無い」と見てしまうのも無理はないであろう。 ---- *問題点 **戦闘以外 ''FVEの修正すべき点を全くと言って良いほど修正していない'' -一応は音量差の違和感自体は解消されているものの、グラフィック周りは戦闘中のリリスのグラフィックが3頭身化したくらいであり、手抜き感が強い。 --キュービストより発売されている攻略本のスタッフインタビューにおいて、本作に関しては「''バンダイナムコゲームスから提示された納期が非常に短かった''」などの制作元であるクライマックスのスタッフの発言から、いかに短納期で仕上げるかが最優先事項であったようだが、それがそもそもおかしいと言わざるを得ない。 ---いくら『なりダンX』のおまけ扱いであるとしても、『ファンタジア』自体もまた一つの作品である以上は時間を費やして作り込んだ上でしっかりとした作品に仕上げるべきではないのだろうか。 ''作り込みが甘い'' -ストーリーを無視した行動をしないと聞けないフェイスチャットがあるにもかかわらず、そもそもその行動を出来なくしてしまったり、FVEのミスや手抜きなどもほとんど手が加わっていないなど、余りにも突貫工事で作ったと言わざるを得ないものになっている。 --そのため、細かいところで不満が溜まっていくような作りになってしまっている。 -また、ラストダンジョンのとある場所にある石版には元々あった「この階に隠し通路あり」の一文とセットで新たに「''この部屋に隠し宝箱あり''」の一文が追加されているが、''そんなものは存在していない''。 --後に発売されたファミ通・キュービストいずれの攻略本でもこれに関する記述がなく、完全にないものとして扱われている。 ---実際にネット上などではこの追加された一文のせいで延々と宝箱を探し続けたという人もいるようで、そういう意味ではミスであったとしても悪質であると言わざるを得ない。 ''ロンドリーネ'' -詳細は上に書いたが、彼女に関するイベントは『ファンタジア』の世界観や物語的に浮いていたり違和感を感じうるような内容になっている。 --加えて料理させられない、フェイスチャットに参加しない、関係の無いイベントではほとんど姿も見せないといった要素のせいで元々いた6人の中に混ざっている事自体に違和感を覚えるという意見が少なくない。 ---また、本編内のイベントであるにもかかわらずボイスがないというFVEの欠点はそのままなのだが、彼女のイベントは明らかにサブイベントであるものまでひっくるめて全てボイス付きであるため、「(単純に)鬱陶しい」・「ロンドリーネ推しが鼻につく」といった意見も見られる。 **戦闘周り ''『ファンタジア』の戦闘システムをただ止まらなくした以外の調整が満足にされていない'' -当たり前のことだが、『ファンタジア』の術のエフェクトにしても処理にしてもあくまで戦闘中に発動することで一旦戦闘が止まる事が前提で組まれ、そして、それを前提にしてバランスを取っているのである。 --つまり、その大元の術の発動中に止まるという要素を排除した段階で戦闘システムを根幹から組み直さなければいけないはずだが、これも短納期で仕上げることを優先しすぎたせいか、止まらなくしただけになってしまっており、それ以外の調整が全くと言って良いほどなされていないため、様々な面でちぐはぐになってしまっている。 ''術関連の問題'' -術のエフェクトの中で多段ヒットするタイプの術はまだ誤魔化せているのだが、単発タイプの術は全てエフェクトと同期が取れていない。 --例えば、一定範囲に大爆発を起こしてダメージを与える魔術の場合、普通ならば爆発が起こった段階でその範囲にいる敵はダメージを受けるはずだが、本作の場合は爆発してもダメージが発生せず、爆発のエフェクトが消えてから初めて範囲内にいる敵にダメージが入る。 ---これもFVEまでは一旦停止し、そして術のエフェクトが終わった後で行動再開と共にダメージが入るためにタイミングとしては何らおかしくなかったのだが、何故か戦闘中に止まらなくなった本作までもこの処理がされているためにおかしな事になっており、その煽りでエフェクトが長めの術が扱いづらいものになってしまった。 -エフェクトに関連して術では無いが、クレスの技である「襲爪雷斬」も落雷を発生させて更に空中から斬りつけるのだが、この落雷の部分も術同様に元々は一旦止まっていたため、雷に触れているのにダメージを敵が受けず、消えてからおもむろにダメージを受けるようになってしまっている。 -また、プログラムのミスとしか思えない強化をされたため、「ファイアストーム」という術の性能が凄まじい事になった。 --この術は7~8発ほどの小さな火炎弾(ダメージはほんの少しだけ)が飛んできて、その後に炎の波のエフェクトが表示されてダメージ(大体1500位のダメージになる)が出るのだが、本作では炎の波は当然として、''小さな火炎弾1つ1つも全てが炎の波と同じダメージ''である。 ---このせいで合計ダメージは''12000''にも迫る事となり、こちらが使う分にはいいが、敵に使われると術一発で全滅する可能性もある。 ''一部の発動時に止まる演出がある技が隙が大きすぎて使い所が狭められた'' -クレスの「殺劇舞荒剣」やチェスターの「屠龍」、すずの「五月雨」などの一部の技は、FVEまでは発動時に一時暗転すると同時に戦闘が止まったところでキャラクターが光るエフェクトが入っていたのだが、本作でもそのエフェクト自体はあるが、一時停止するのは発動者のみで敵はお構いなしに動くためにコンボにも組み込めなくなってしまった。 --一応、そのエフェクトが発生して技を繰り出すまでは無敵になっているが、チェスターの屠龍はまだしも他の2つはむしろコンボパーツとして使われることが多い技であったため、コンボのレシピを組み直す必要に迫られることに。 ''入力が過剰に効き過ぎる上、歩き移動が出来なくなったことで微調整も難しくなった'' -敵との距離が近い時は歩きで、遠い時はダッシュで間合いを調整することも『ファンタジア』の戦闘では重要であったが、一律でダッシュ移動になってしまったため、間合いの微調整が難しくなってしまった。 --更に突き攻撃の操作が変更になってしまったことや、ダッシュ移動はFVEまでは一度ダッシュをさせるとニュートラルでもダッシュするようになっていたものが、本作のダッシュ移動はあくまで歩き移動の代替になっているため、十字キーを入力し続けなければ移動しない上に、移動で左右に押していたものを離した直後で○ボタンを押すと十字キーを離しているにもかかわらず突き攻撃が出てしまうといった仕様が絡んで、移動から斬り攻撃への移行が難しくなってしまった。 ---特に、空中にいる相手に間合いを詰められてしまうと操作の癖の影響で攻撃を当てるのも一苦労という意見もある。 ''敵にハメ殺される可能性が跳ね上がった'' -『ファンタジア』自体が他のシリーズ作品よりも攻撃を喰らって気絶しやすく、その効果も強烈((大抵の作品は気絶中に攻撃を喰らえば気絶は回復するが、『ファンタジア』はどれだけ気絶中に攻撃を喰らおうとも時間経過しなければ気絶から回復しない。))であるにもかかわらず、その辺に手は加えられず過剰に敵を攻撃的にしてしまった上、敵の攻撃速度も上がっているため、一度気絶状態に陥るとそのまま回復も図れずに気絶したままHPが0になるまで攻撃を受け続けることが多くなった。 --更にこれまた『ファンタジア』の戦闘は挟み撃ちやバックアタックの状態で戦闘開始することが多めであったのだが、今作は更に確率が上がっているため、更にこの問題が強烈になってしまっている。 -気絶周りに限らず、一部ボス戦では挟み撃ちの状態で始まる上にボスとそのお供として出て来る敵のどちらもが強力な術を連発してくるため、事前の準備を怠るとほぼ詰みになってしまう…といった状況も。 --その術が前述の「ファイアストーム」なのだが、これのダメージを完全に無効化出来るのが火属性ダメージ半減の装飾品である「プリンセスケープ」を装備出来る女性陣のみ((装飾品の枠は2つあり、その両方を「プリンセスケープ」で埋めることで完全に火属性を無効化出来る。))であるため、該当ボス戦では女性陣4名全員に装備させておかないとまともな戦いにならない((もっとも、この準備をした上で戦闘に突入すると、敵の攻撃は全て火属性であるため何をやられてもダメージを受けることが無くなり、今度はただの作業になってしまう。))。 ---上のケースのように事前準備でどうにかなるならともかく、雑魚敵でもこういった状況が起こる可能性を孕んでおり、もはやプレイヤーの腕をもってしてもどうにもならないというものも少なくないため、難易度が理不尽に跳ね上がっているところもある。 ''ショートカットでの術発動待機が出来なくなった'' -FVEまではショートカットのボタンを押し続けておくことで、詠唱完了済の術の発動を任意で調節が出来ていたのだが、これが出来なくなってしまい詠唱完了即発動となってしまった。 --これにより、FVEまでの発動待機を利用しての術を絡めたコンボが成立しなくなってしまい、術による援護を抜きにした…というよりは単独でのコンボレシピを組む必要が出てきてしまった。 ---一部のボスは術発動待機が出来ないと満足にダメージを与えられない((ダメージを与えられるのが特定のタイミングだけで、そのタイミング以外で攻撃をしても完全無敵になっていて攻撃が通らない。))ため、これまた難易度が跳ね上がる要因になってしまっている。 ''味方AIが劣化している'' -プレイヤーの移動もお構いなしに敵に当たらない位置から延々と矢を放ち続けるチェスターが目立つが、それ以外のキャラクターも作戦を適宜入れ替えるのは勿論、術も使って欲しい術以外の悉くを使用禁止にするなどしないと満足に戦力にならない事も少なくない。 --本作の術による回復手段を一手に担うミントも、下手に回復以外の補助をさせようとすると回復して欲しい時に限って敵への妨害の術の詠唱を始めたり等するので、どうしても回復術のみを使う作戦に固定せざるを得ないところもある。 ''クラースの秘奥義のネタにしても酷すぎる性能'' -クラースの秘奥義の効果は戦闘に参加している味方全員のHPを765回復するだけという、厳しい発動条件や消費TPに対して余りにも見合わないものとなっている。 --発動条件がかなり厳しいにもかかわらずのこの性能では、いくらネタ技であるとしても余りにも酷すぎると言わざるを得ない。 ---因みに『なりダンX』においてもクラースは秘奥義の性能上、不遇であると言われることもあったりする。 ---- *評価点 ''秘奥義の演出は良好'' -戦闘の高速化もあってテンポも良く、秘奥義は敵の重量の影響((重い敵は攻撃を受けても浮くことがないため、FVEまではクレスの冥空斬翔剣などの締めなどは重い敵にはほとんど当てることが出来なかった。))も受けずに敵に攻撃が出来るようになったことで使い勝手も良好。 --更に秘奥義のエフェクトや演出も非常に派手になっており、まさしくとっておきの一撃とも言えるもので、加えて、そもそもの威力が大きく跳ね上がっているのもその印象を与えるのに一役買っている。 ---ロンドリーネの秘奥義、デモンズランスレインも『なりダンX』ではただの矢印などと揶揄されていたが、非常に迫力のある見た目にも格好いい技となっており、クラースの秘奥義も実用性はないが一度は見ておいて損はない程度の演出が用意されている。 ''(戦闘に限って言えば)ロンドリーネが追加された'' -これまた今までに無いタイプのキャラクターであるため、操作キャラクターとしてプレイする場合は今までとはまた違った新鮮な感覚でプレイすることが出来る。 --加入時期が制限されている上にラスボス前に永久離脱してしまうため、ずっと使用出来る訳ではないのが痛いが…。 ''一応ゲームとしては遊べる'' -ただし、「戦闘周りの様々な理不尽さを許容出来れば」という条件(枕詞)はどうしても付いてきてしまう。 --高難易度という意味では大元であるSFC版もかなりのものだが、本作の場合は繰り返しになるが''完全な調整不足・手抜き''の産物であるため、SFC版の意図的なものとは大きく意味合いが異なる。 ---- *総評 根底からしっかりと作り込んであったものであれば、『ファンタジア』の戦闘システムに大きくテコ入れをしようとした心意気は確かに買うべきものであったかも知れない。~ だが、実際は非常に作り込みの甘い…言ってしまえば手抜きの突貫工事による産物となっており、決して「とても遊べたものではない」という程ではないものの、結果として全体的に大きく劣化してしまったと言わざるを得ないものとなっている。~ ロンドリーネに関しても、確かに割合と他のキャラクターと溶け込んでおり、キャラクターそのものは特別不快感を煽られるようなキャラクターではないので評価出来るところもある。~ だが、彼女に関する設定の看過出来ない矛盾やそもそもの描写が少なすぎるといった要素も相まってストーリー的には空気であるにもかかわらず、異物感が強烈になってしまっている作りは問題である。 いかに短期間で開発を終わらせるかを重視しすぎた結果、FVEの段階で指摘されていた問題点はなおざり、売りであった戦闘システムは調整不足でかえって不満が溜まる作りになっているなど、結果として全体的に手抜き・やっつけ仕事感が強い移植である。~ そもそも、今作の変更点を考えればそれこそSFC版からPS版へのリメイク以上に根本的なところからの手直しをする必要があったにもかかわらずのこの姿勢では「『ファンタジア』嫌いのスタッフが適当に作った」という意見が出てきてしまうのも無理はないだろう。 ---- *余談 **本作発表直後の反応に関して 本作はFVEをベースに戦闘システムの変更やロンドリーネの追加を売りにしていた。~ 結果としてFVEの存在価値が完全になくなってしまう移植である上に1つのゲームとして出されていたFVEと違って、それらが『なりダンX』のおまけ扱いのタイトルで追加されるということが駄目押しして、発表当時は一部で強い反発が巻き起こっていた。~ FVE発売から既に3年経過していたために規模こそ大きくなかったが、「カップリングの煽りで『なりダンX』の内容が薄くなる可能性の懸念」という観点から、反発までは行かなくとも疑問を投げかける意見は多く上がっていた。 **『ファンタジア』の移植・リメイクについて 概要でも述べた通り、『ファンタジア』は既に本作で5回目の移植・リメイクとなる。~ このWikiで扱わない携帯アプリの移植はさておくとして、PS版のリメイクに関してはおおむね好印象を持たれているのだが、GBA版以降の評価は順当に下がる一方となっている。~ GBA版に関しては純粋な出来の問題もあるのだが、それを抜きにしても移植に際して小手先の追加要素だけであまりにも変化に乏しく、それでいて移植した数だけは多い為にほとんど同じ事の繰り返しに近く、飽きが来てしまっていること。~ 加えて、GBA版から追加された「アーシア」や今作の「ロンドリーネ」に見られる、SFC版やPS版からプレイしているファンにとってはまさしく蛇足と言わざるを得ない追加要素もまた理由となっている。~ なお、変化に関しては今作の戦闘システムの変更に見るものがあるはずだったが、上に書いた通り、実際は戦闘バランスが崩壊してしまっただけで余計に酷くなってしまったという事を改めて付記しておく。 それ故、以前はPS2版『デスティニー』レベルのフルリメイクを望む意見も少なくなかった『ファンタジア』だが、最近では「もうこれ以上弄くり回さないでくれ」という旨の意見も見られるようになった。~ 理由として挙げられるのが、外伝作品でのシリーズキャラクターのキャラ崩壊や原作無視とも取れるPS2版『デスティニー』や『なりダンX』の改変要素などから、「''今のスタッフにストーリーやシナリオ、キャラクターをリファインさせたら大惨事になる''」というもの。~ また、同様に「リメイク以前に移植もしなくていい」という意見もあり、これはGBA版や本作の追加要素のように余計なものを入れてしまっている前科から、「''今のスタッフに移植させたら更に余計なものを入れてもっと酷くなるのがオチだ''」という所から来るもの。~ 勿論、ファンというファンがそう思っている訳ではなく、今でも抜本から刷新したフルリメイクをして欲しいという意見もあるが、いずれにせよ、『ファンタジア』ファンの中にもスタッフへの不信感を露わにしている者が増えている状況であるとは言えるだろう。 ----
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2375.html]]に移転しました。''

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: