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*パワプロクンポケット7
【ぱわぷろくんぽけっとなな、せぶん】
|ジャンル|野球ゲーム|&amazon(B0003H2R6U)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ|~|
|発売日|2004年12月2日|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|野球ゲームなのに野球の出来が非常に悪い&br()バランス崩壊級のバグが多い&br()「別の正義」がテーマとなるシナリオは相変わらず好評&br「ヒーロー」の台頭によってシリーズの方向性を決定づけた1作&br()一部にスタッフの悪ノリあり|~|
|>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]''|~|
#contents()
**概要
[[本家>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/409.html]]の7作目。~
本作のサクセスモードは高校野球を舞台にした表サクセス「甲子園ヒーロー編」と、RPG形式の裏サクセス「大正冒険奇譚編」の2つ。~
GBAパワポケは3から移行しており、次回作の8はニンテンドーDSへプラットフォームを移し、GBA最終作の「ダッシュ」はカード野球であるためGBAパワポケのアクション野球ゲーとしては最終作。~
だがそのバランスは……。
**ストーリー
-甲子園ヒーロー編
地方大会予選の試合。場面は1点ビハインド、9回裏ツーアウト。主人公と湯田はもうすでにあきらめムード。~
そんな中、突如球場にレッドと名乗る謎のヒーローが登場。レッドは「この私が来たからには安心したまえ!」と言い、見事逆転サヨナラを決める。~
始めは野球部強化に歓迎する主人公達であったが、助っ人のはずが野球部を段々占領していくヒーロー達。果たして花丸高校野球部員の運命やいかに。~
ヒーローを名乗る助っ人集団によって居場所を奪われてしまった主人公含む花丸高校野球部員達が、打倒ヒーローと甲子園優勝を目指すストーリー。
-大正冒険奇譚編
帝都の冒険探偵である主人公は1万円という多額の借金((この時代の1円は現代の5000円ほどの価値がある。現在で言うと1000万円は下らない。))を背負って困っていた。~
主人公は野球人形のコンテストで優勝し、大金を得ようとしていた。しかし、もう冒険の費用もパーツを買う金もほとんど残っていない。そんな中、怪盗に盗まれた宝石を取り返して欲しいという依頼が入る。~
借金地獄から抜け出すチャンスと主人公と湯田は早速現場に向かう…。~
主人公は借金返済と野球人形完成を目指し、規定日数の中冒険の依頼を受けて資金を稼ぐのが目的となる。
**問題点
***野球パート(最大の問題点)
-本作の最大の問題点と言えるのが野球の試合。とにかく過去のシリーズと比べ物にならないくらい酷い。
--シナリオやキャラを評価するファンも「野球だけは擁護出来ない」という意見を下す人も少なくない。
-アマゾンのレビューはもちろん、Wikipediaにもその酷さを書かれる始末。以下、Wikipediaより抜粋。
--ランナーが一塁にいる際、センターに速いゴロを打つとセンターがボールを素早く二塁に送球しセンターゴロになる。
--同様にライトに速いゴロを打つとライトゴロになることが多い。
--外野にヒットを打っても、一塁に送球してくる。草野球でもない限り、通常はありえない光景である。
--ピッチャー返しを100%捕られる。
--一塁から三塁(二塁から本塁)まで直接走れてしまうバグがある。
--3ボールの時に塁上のランナーに盗塁を仕掛けさせて四球になるとファーストに送球してフォースアウトになる。
--3ボールの時に投手が暴投すると、四球を選んでいても振り逃げ扱いになる(普通はセーフになるから問題ないが、稀にファーストに送球されてアウトになることがある)。
-その他の点
--やたらホームランが出にくくなっている。ど真ん中の失投を芯で捉えでもしない限りまず出ない。
--野手の足が遅くなっており、俊足で「内野安打○」を持っていても内野安打が非常に出にくい。ただ、なぜか盗塁は成功しやすくなっている。
--打者走者が、一塁でアウトになった際、一塁に駆け抜けることなくその場で立ち止まってベンチに帰るため、プレイヤーからすればやる気なくプレーしているように感じられる。
--球場が広くなったことにより守備が難しくなっており、外野まで持っていかれると3塁打は確実。
--特殊能力「体当り」「ブロック○」が機能していない。
--「ヘッドスライディング」が異様に早い。そのくせ盗塁時には使わない。
--投手のコントロールがどれだけ高くても投球場所が少しズレる。
--ベースカバーをとにかく優先する。そのため、取れるような球を落とすことも((二、三塁間の打球を二塁手と三塁手がベースカバーを優先したせいで外野まで持っていかれるなど。))。
--打球が異常に早いうえに異常に転がるようになっており、詰まったゴロでも外野まで転がればフェンスまで到達したり、ホームラン性の当たりを打つと画面が打球に追いついていないといった珍妙なことも起こる。
--カメラの動きが変更されているのだが、これが打球や投げた球に遅れ気味に追従する仕様となっており(ボールが画面の端にあるくらいに極端)、球の先がどのようになっているのかがが非常にわかりづらい。
-ちなみに今作は野球のシステムを一新しており、前作まではそれほど野球に詳しくなかったスタッフが担当していたが、''今作は野球に詳しいスタッフが野球の試合部分を担当した''らしい。それでこのザマとはどういうことなのか。
--余談だが本作から「緑髪ヒロイン(本作では『リコ』)」のシナリオを担当する博多幸博氏はパワポケスタッフで珍しく野球が好きなスタッフであり、パワポケには『6』からスタッフロールに名前が確認されるが……。
-クリアするだけなら3年目のパワフル高校に勝てばよいだけなのでシリーズ最低クラスの難易度。
--「4」「5」「6」もクリアだけなら楽で、甲子園・日本一・裏野球大会の優勝などを目指すと辛いがストーリーの流れとしてはノーマルENDでも後味が悪いわけではなかったが、本作ではノーマルENDでクリアしても「プロへ行ってもヒーロー達が幅を利かせてただの人間はベンチに座るしかない」といった悲惨極まる未来が待つ。別のバッドエンディングでは「甲子園に行けなかった責任を取らされ、主人公がおうど色マスクとしてヒーロー入りさせられる」などの内容もある。
--大団円となる真のエンディングを狙う場合はパワポケシリーズ屈指の高難易度となる、「ヒーロー達と野球部を賭けて野球対決するイベント」をクリアしなければならない。しかも後のシリーズでは7主人公達がヒーローに勝負を挑んで止めた事を前提として「正史」が動いている。
--前述の駄目野球システム+ヒーロー達の能力の高さが大きな壁となり、ヒーローの力の源を封じる・引退したキャプテンを呼び寄せる・隠し彼女が黒野博士に作ってもらった「ヒーローを弱体化させる機械」を使うなどのシリーズ恒例の裏工作をフルに行ってもかなり厳しい。&br()見事撃破したその後も圧倒的な能力を誇るヒーローを欠いた状態で甲子園に挑むことになる。しかも優勝後にヒーローとの最終決戦(ミニゲーム。おまけモードでの練習不可)があり、当然負けたら即ゲームオーバー。
--また主人公が野手の場合、''「阿部」''というモブキャラがピッチャーで登板することがあるのだが、このキャラが''全体的に能力が低く、マイナス能力も多い上、変化球がカーブしかないためによく炎上する。''&br()あまりの炎上っぷりに「炎の化身」と呼ばれるほどファンにネタにされている。((なお、ヒーローを除くと花丸高校はスタミナCの投手が「湯田」と「古河」の二人だけで、変化球を三種類持つのが「周」しかいない。元から投手陣は貧弱なのだが、「阿部」は実は中間程度の能力。むしろ「吉田」「木下」「佐藤」の方が能力が低いのだが、中途半端にスタミナが高いため、「阿部」が起用されることが多い。))
---特に甲子園の決勝戦である「二十六(ニトロ)高校」では同点から始まるモノの無死満塁から始まるため、こんな所で起用されたらほぼ確実に炎上する。[[パワポケダッシュ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/1574.html]]のニトロ高校のキャラの紹介では、湯田(本作のメガネ)らしき人物が「あぁ、また阿部君が炎上したでやんす……」と絶望の声を上げるネタがあった。
---その上他の投手の「古河」と「周」はランダムイベント次第では''(ギャグで)ヒーローに殺される。''その癖、代わりに参戦するヒーローの投手としての能力は無能レベル。
--「特定イベントを起こしてキャラの能力をパワーアップ」というのが過去作からあるのだが、本作はそれに該当するキャラがほぼ全てランダムイベントの為、キャラをパワーアップさせるには完全に運頼みになってしまう。((仲間評価を上げれば幾分能力は上げれるが、それほど大きなパワーアップは望めないうえ、本作は前作6と比べて仲間評価が上がりにくくなっているため、さらにトゥルーエンド到達の難しさに拍車をかけてしまっている。なおしあわせ草バグを使えば仲間評価がべらぼうに上がった状態で始められ、この時はヒーローに負けない能力値でもある))
--やる気が下がるイベントやマイナス能力を取得することがあるイベントが定期、ランダム、うろつき問わず非常に多く、練習効率が悪くなりがち。そのため能力が上げにくく、オールAなど無理ゲーもいいところであり、オールBができればかなりのもの。
-後述する「育成完了した選手を再育成出来るバグ」を使えば野球での難易度は下がるものの、裏を返せばそんなものを使わなければいけないほどバランスが崩壊してるとも言える。
--しかも仮に最強投手を育てていても監督の采配で阿部が登板して炎上するリスクは少なからずある。''「人は忘れることが出来るから生きていけるでやんすよ。阿部君の炎上を全部覚えていたら辛くて仕方ないでやんすよ」''
-ファンの間では「7」に並んで「8」の野球パートも一緒くたに批判される事もあるが、「8」の場合はニンテンドーDSにプラットフォームを移行したばかりでノウハウと時間が足りなかったという擁護は出来る。ニンテンドーDSシリーズは実際「10」で3D化して野球パートの出来がかなり良くなった。
--''「7」の野球パートが批判されるのは「3」から順調に進化してきたはずのGBAパワポケの野球アクションとしては実質的に最終作''((GBAパワポケの最終作は「ダッシュ」だがこちらは新システムであるカード野球オンリーであり、アクション野球ではない。))''でありながらもこの体たらく''だからだろう。
---そもそも、何故野球パートにおいては最も評価の高かった『6』の仕様のままにしなかったのだろうか?
***その他の問題点
-真エンドに行かない場合、かなり後味の悪い結末を迎える。またこれに限らず、7はBADエンドが厳しい、悲惨なものが多い。
--そのため真エンドを目指したくなるが、前述のとおり野球部分は最悪の一言であり、難易度も高い。
--ちなみに大半のプレイヤーが真エンドに必須であるヒーロー戦に進むであろうが、前述の高難易度な上に負けた場合は屈指のトラウマエンドとして名高い「''しあわせ''」が待ち受けている。
--バランスの悪さを抜きにしてもビハインドから始まるヒーロー戦はクリアしづらく、プレイした事のある人ならば一度は見る事になるであろう…。
---余談だが「14」のトツゲキ甲子園でもヒーローズの大正義っぷりはいかんせんなく発揮されている。そちらの野球システムはかなり進化してるので『普通に強い』で済むのだが、本作はクソ野球に加えて絶望的な戦力差とリスクを背負っている。
-本作よりパワポケポイントを使う隠し彼女「芹沢真央」が登場したが、彼女のトゥルーエンドに行く場合さらに難易度が上がる。
--一番の問題は''どんなにフラグを立てても、行ける確率が25%という点。''
--まず告白のシーンでわざと確率50%の選択肢を選んで告白を成功させる。&br()そのまま進めると会話シーンが流れるのだが、実はこのとき50%の確率でセリフが変わる場合があり、変わるとトゥルーエンドに行くことができる。
--変わらなければリセットするしかない。しかしパワプロシリーズの伝統で、''リセットを5回するとセーブデータが消去される。しかもリセットするたびに能力値は落ちる。''それに、本作の能力の落ち具合は、過去シリーズとは比べ物にならないほど凄まじい。
--さらにその後真エンドルートに進まなければならないため、''前述のヒーロー戦・甲子園優勝・最終決戦''を成し遂げなければならない。
--無論、真央のフラグ成立までにリセット回数を削られるため難易度は更に上がる。
---ちなみに後述する「しあわせ草による再育成バグ」を活用すればセーブデータを複製できるので粘ればなんとかならないでもない。
---彼女のルートのヒーロー戦はシナリオの流れから敵の主力2人が抜けて、黒野博士から預かった「ヒーローを弱体化させる機械」を使って敵を不調に出来るが、その一方で通常のヒーロー戦よりも自チームが不利な状況から試合が始まる。
--ちなみに変わるセリフというのは、主人公の「さあ、練習練習!」が「さあ、練習練習''!!''」に変わることのみ。''わかるか!''
--そのため、彼女のトゥルーエンドルートの入り方は長らく不明だった。
--なおこの隠し彼女の芹沢は以後のパワポケシリーズで11・12・14では重要なサブキャラとして登場するが、「充実した私生活」を送ってる故か仲間キャラの恋愛絡みで各作品の主人公に忠告・助言をしたりする。
---後の作品の公式Q&Aでは芹沢は7主人公一筋である故に後のシリーズでは攻略ヒロインには出来ないと明言されたため、彼女が交際してる人物は消去法で7主人公である可能性が高い。
---だが彼女が7主人公と交流を続けてるのは前述したトゥルールートのみでそれを見るには敷居が高い。重要なサブキャラでありながら実機で観る事は難しい。
-通信機能を利用した「俺の基地」というモードが存在する。「俺のペナント」をクリアして資金をためて兵器を買い、通信対戦を行ってポイントを入手するモードだが、コンピュータ対戦ができない。そのため、通信を行う友人がいなければ無意味なモードと化す。
-ラスボス戦であるガンダーロボVSヒーローズのミニゲームが練習でプレイできない。「3」「6裏」でもあったが本作は他の仕様がアレなので理不尽さが大きい。
--なお「8」ではラスボス戦に相応するミニゲームも練習できるようになった。ありがとう灰原隊長。
-バグが多い。後述するが、能力を上げられるしあわせ草のバグやポイントが無限になるバグ、一度登録した選手で表サクセスをやり直せる、裏サクセスでゲーム進行不可能になるバグなど様々。繰り返し述べられている野球の酷さといいバグの多さといい、デバッグ及びテストプレイを本当にしたのだろうか?
--だがこのおかげでストーリーを楽しみやすくなったという意見もある。
//--酷いものでは、一度登録した選手で表サクセスをやり直せるというものも存在する。だがこれは賛否両論でもある。
//スタッフの悪ノリは余談に置きました。
**賛否両論点
-前作『6』と同じくコロコロコミックでキャラクター募集企画を行い、黒打ブラックというキャラが登場している。が、普通に進めれば正直いてもいなくてもどうでもいいキャラとなっている。
--チームメイトだが個別イベントすらない。能力は悪くないのだが、肝心のヒーロー戦では使えない。
--ただしこの人物はストーリー上でプレイヤーにミスリードを誘う存在という側面が強く、意図的に差しさわりがないキャラにした可能性がある。
---また、前述の隠し彼女ルートでちょっとだけ登場する。ちょっとだけながらも、彼女の生き方に一番大きな影響を与えた人物とも考えられる。
-概ね好評なシナリオではあるが、''「露骨に説教臭い」''という意見も少なからずある。
--トゥルーエンドのクライマックスに、ヒーローのリーダー・レッドが「願いを叶えるためには俺たちを超えなければならない」と主人公に語るシーンや((「夢や願いを叶えるためには、立ちはだかる壁を乗り越えなければならない」ということを露骨にプレイヤーに語っているとも見方ができる。))、黒野博士が主人公に自身の正義観を語るシーンなどがまさにそれである。
---そもそも後のシリーズでは改心するとしても、少なくとも本作のヒーロー達の行いは客観的に見てあまり擁護出来るものでもない。主人公と黒野博士のやり取りは「レッド達を倒そうとしたから俺達は甲子園へ行けた」という功利功罪の疑問を主人公が抱いた所から始まっている。そこが説教臭いと言われればそうなのだが。
---また、後述する本作の攻略本も、本作の露骨な説教臭さに拍車をかけているとも言える。
-しあわせ草を使った「一度登録した選手で表サクセスをやり直す方法」やポイント無限バグは、難易度がぬるくなるもののストーリーを楽しむための裏技として認める意見も少なからずある。
--育てる必要のないべらぼうに強い投手とミニゲームの難易度を下げるアイテム「攻略本」を使えばトゥルーまでの敷居は一気に下がる。((野球の酷さは変わらないが))
--しあわせ草はバグと併用すれば何度でも使えるので、しあわせ草の効果でタフと仲間評価を上げてからプレイする事も出来る。特に仲間評価を上げきれば仲間もそれぞれヒーローに負けない能力値になる上に監督から起用されやすい。
--しかし''あくまで「ストーリーを楽しむために割り切るバグ使用」であり真っ当な手段ではない。''結局こんなバグを使わないといけないくらい「シナリオの評価は概ね良いが野球が足を引っ張ってる」という事の裏付けでもある。
-パワポケシステムを使わなければ登場しない隠し彼女システムだが、以後の作品でこのシステムが使われたのは「8」の紺野美空、「9」の神田奈津姫だけで「10」からはポイントを使っての隠し彼女の追加は廃止された。
--このゲームだけ見ても「パワポケシステムによる隠し彼女の追加」はそのキャラを攻略したい時に持ち込めるアイテムを圧迫するだけであまり機能してるとは言い難い。しかも真央は攻略上ランダムが絡むせいか、バグによるポイント無限でも使わないとプレイするたび無駄にポイントを消費してしまうので正直やってられない。
--3作で廃止されたのは真央の存在が大きすぎたという意見もある((「8」の隠し彼女の美空はあまり本筋に関わらず、「9」の奈津姫は実は敵に内通してる設定で本筋に関わっておりグッドエンドで「HAPPYEND」と言われるあたりで真央ENDを彷彿させるが、真央と違って奈津姫は通常のルートでも最終的に主人公の味方についている。))。
-仲間キャラも彼女候補の小晴と主人公の代わりに仲良くなることでパワーアップする「有田」や二重人格で主人公達を威圧してマイナス効果を与えてくる「森盛」など癖のあるキャラが多い。
--メガネの湯田や東キャプテンは比較的マトモだが、彼らも後のプロ野球編「8」「11」で味方として再登場した時の方が印象に残りやすい。
--同じ高校編パワポケの『1』や『4』、『13』のように能動的に部員を集めて強化するわけでもなくランダムや試合敗北で参加するヒーローを除けば最初から居るメンバーで進めていくのでチームメイトに愛着を持ちにくいかもしれない。
**評価点
***ストーリー
-表のサクセス「甲子園ヒーロー編」は過去作にも増して人間的に重苦しい学校教育と家庭を描いた作品。「正義」のヒーローの「不正義」など、単なる二元論で終わらない話が展開される。
--今作の悪役であるヒーロー・監督・校長は非道な行いや私欲のために行動をする。&br()が、その誰もが単純に悪人とは言えない人物であり、校長はイベントで事故からメガネの湯田を庇う。&br()佐和田監督やピンクは7の主人公達から見れば嫌な奴ではあったが後に再登場した時には9主人公や12主人公とそのチームを助けてくれる。そのバックボーンを知ると何とも言えない気分にさせてくれる。&br()このようにプレイヤーに人生や生き方を問う描写のあるシナリオは、毎度のことながら好評である。
--真エンドルートに入った際に聞ける「正義の反対はまた別の正義、あるいは慈悲・寛容」「悪はロマン」という話は人気が高い。&br()何故か外でも非常に知られており、この話の元ネタがパワポケ7だと知らない人間も多い。((「正義の反対は、別の正義」から始まる。一部ではクレヨンしんちゃんの野原ひろしの名言と言われているが、誤解でありひろしは作中でこのような発言は全くしていない。))
***彼女シナリオ
-彼女シナリオが前作より濃くなった。&br()マネージャー・後輩・クラスメイト・親友の妹・謎の女子高生と、これまでのシリーズと比べるとかなりの正統派がそろっている。
--前述した隠し彼女の「真央」はヒーローに大きく関わっている人物であり、このルートに入ると様々な事実が明らかになる((芹沢真央はヒーローの仲間の「ブラック」であり主人公によって生み出された存在の一人。だが主人公や黒打ブラックとの交流によって「悪と戦う」というだけではなく「ボランティア」というヒーローの在り方を見出し、ピンクやカズ(10の彼女候補キャラ)らと共にヒーロー活動を行う事になる。))。
--前述のとおり、彼女のトゥルーEDに行くのは至難の業。行けないとグッドEDでも非常に悲しい結末を迎える。その分、トゥルーEDは「ハッピーエンド」そのものでありグッドEDとの対比もあって感動できる。((主人公が最後にレッドや彼女に「ありがとう」と感謝する所に黒野博士の言う正義の反対があるのかもしれない。))
--また「緑髪(みどりがみ)の人」こと博多幸博氏が手掛ける、妙に濃い緑髪の彼女である「リコ」も本作より登場。エキセントリックながらも熱いラブコメが展開される。
--後輩キャラ「春香」も攻略難易度の低さやバッドENDが存在しない後味の悪くなさ、4の「ユイ」を彷彿させる「○><」のポーズの可愛らしさから人気は高め。
---リコと春香は後のシリーズにおいて裏で再登場した時に大きな存在感を出している。また春香は「11」で東先輩と共に再登場して主人公を助けてくれる。
-逆に後輩、緑髪娘、隠し彼女の3名に人気が集中してる事も否めない。
--マネージャーの「霧島」は途中までは王道ヒロインなのだが、付き合うとイベントによってヒーローの中身が空っぽ(=ただの人間ではない)という事を知り洗脳されてしまう。
---ヒーローを野球で撃破した直後に彼女に電話しないと洗脳が解けずにBADENDになってしまい超特殊能力が入手できない。ヒーロー戦を終えた満足感で忘れがちな落とし穴と言えよう。
---後の『ダッシュ』のプロフィールでは冗談めかして未だに洗脳されているなどと語られている。決してスペックは悪くないのだが洗脳ネタでかなり割りを食ってるヒロインと言えるだろう。
---『14』のトツゲキ甲子園でのマネージャーキャラの一人だが、この時も「ヒーローに乗っ取られた花丸高校」に負けると洗脳されてしまう。ただこちらはヒーロー達を倒すと自動的に正気に戻ってくれるのだが……。
--攻略しないと仲間と結ばれるスーパーの娘、主人公よりも主人公の母親と仲良くなる親友の妹などはやや空気扱いされる所もある。
---スーパーの娘はシナリオには毎回それなりに関わってくるものの''一定確率で絶対に彼女にできなくなる''ということもあり、敬遠されがち。
---親友の妹は公式でも「中田」なのに「長田」と誤植されたり「主人公より主人公の母親と仲良くなるから不人気」と悪ノリで弄られてる節もある。『13』のセンシュクラッチでは大きく再登場してるのだが……。
-彼女キャラの魅力やシナリオ自体の評価は高いものの、その良いシナリオを楽しむ為には前述の通り高い難易度とダメダメな野球部分が大きな壁として立ち塞がる。非常にもったいない((パワポケ全体通じて物語の核心に辿り着くのは難易度が高いが、やはり本作は野球部分がその難易度を無駄に高くさせている))。
***裏サクセス
-裏のサクセス「大正冒険奇譚編」はシリーズでは「4」、「5」に次ぐ3回目のRPG。表と比べると比較的明るめのシナリオになっている。過去作のキャラも多数登場しており、こちらも好評。
--何より悲惨極まりない野球をする必要がないというのが利点。前作「6」と違い野球の試合は一切ない。
--歴史ネタ映画ネタなど盛りだくさんであり、かなりマニアック。実在の人物をモデルにしたキャラも多い。
--機械鉄人、恐竜など時代錯誤な敵やまだ存在しないトンプソンM1短機関銃などが登場するがこれらは4以来いつものことなのでそれほど問題にされていない((5では忍者の時代なのに戦車が出てきたりした。))。
-こちらもクリアだけならある程度適当に進めても可能。表よりもいい選手が作りやすいため、基本的にはこちらがメインとなりがち。
--ただ、システムは4や5の使いまわしであり、新鮮味がないという批判意見もある。さらに冒険と言いながら実際はただ一本道を進むだけの単調なもの。
---ちなみにこれに関してはスタッフがインタビューで「正直これで十分だと思うんです(笑)。道に迷うのはストレスが溜まりますからね」と語っている。
--キャラの成長は4・5とのような「経験値を得てレベルアップ」というものではなく、「特定のイベントを起こしてキャラがパワーアップ」というものに変わっている。
--主人公も特定のイベントを起こせばパワーアップさせることができるが、HPだけはどう頑張っても28から増やせない。
---パーツを破壊されるなどのマイナスイベントも多く、依頼の出現や報酬など運に左右されがちな点が多い。そのため、表ほどではないがストレスがたまる。
---他、登場人物に偏りがあり、「7」の表サクセスからの登場人物は「台場」と「勝野」の二人のみ。((それぞれ「自由の城」「インカの秘跡」でのみ登場。))残りはすべて過去作のキャラとなっている((モブの兵士や信者、戦闘員は例外で、新規に書き起こされている))。
-本作の黒幕も「カメダ」だが、本作はガンダーロボの後に「真のラスボス」が登場する初の裏サクセスとなっておりカメダ冷遇のフラグが立っている。後も曽根村・ハームレス・ギャスビゴー星人・グントラムにラスボスの座を奪われ続けることになる。
--なお本作の「真のラスボス」は前作に出てきた''ほーむらんをうつけどひっともうつ''彼である。ただしガンダーロボを腕でひねりつぶすくらいデカい強敵である。
**総評
野球ゲームで野球の出来が非常に悪いというのは致命的であり、それが本作の評価に響いたようだ。~
だが今から遊ぶには野球ゲームとしての出来は壊滅的だが、そもそも今から旧ハードのGBAにそれを期待するのも無理はあるだろう。~
現状「あえてGBAで野球ゲームとしてパワポケを遊ぶ」のなら「6」が一番良いという評価が下されている。DSでの「10」以降ならもっと遊びやすい。~
~
一方シナリオを楽しむことを目的としているパワポケファンからの評価は高い。~
この『7』で初登場したヒーロー達はシリーズの重要な存在としてそれぞれ愛する者を守るといった「幸せ」のために戦い続けるようになり、サイボーグや超能力者といった「野球離れした人々」と深く関わり、そして台頭するジャジメントやツナミといった裏社会のカウンターとして深く対立していく。~
さらにギャルゲーとしての方向により一層力を入れ始めたことから、「6」と並んでおそらくシリーズの転機になった作品。~
野球の出来の悪さをシナリオ、彼女、RPGなど野球以外の要素で帳消しにできるかどうかで評価が分かれるだろう。~
~
**余談
-サクセス中での対戦校の一校、緑満高校の選手はすべてカプコン製ゲームのキャラの名前がつけられている((衛具是、阿佐、李勇、斬鬼江怖、鳴歩道、断帝、覇我亜など。))。おそらく『ボクらの太陽』と『ロックマンエグゼ』のコラボが原因だと思われる。
-今作の登場人物の一人「有田修吾」はパワプロファンの某お笑い芸人をモデルにしている。
***スタッフの悪ノリ
-本作発売前に「パワプロクンポケット大全」という本が発売されており、その本のノリを本作に持ち込んでいるとしか思えないくらい、スタッフが悪ノリしていると思われる描写があちこちに散見される。
-「おまけ」の「コレクション」に過去作の人物をいくつか集めた第二のプロフィールがあるのだが、わざわざ入れる必要があったのかと思えるほど、スタッフが酔っぱらって書いたようなおかしなものばかり。
--キャラクターの紹介をほとんどしておらず、内輪ネタやキャラに対するスタッフの個人的な感想を書いているだけである。シリーズファンを狙ったネタなのかもしれないが、未経験者にとっては意味不明もいいところであり、人によっては不快感を感じるものすらある。((特に2の野々村藍や、4の真賀津など))
---ちなみにこの第二のプロフィール、ポイントを使ってガチャガチャをすることによって入手するのだが、ダブることがある。何故ダブるようにしたのか。
---ちなみにモブキャラの木村((パワポケ2に登場。2当時はモブ扱いで顔すらなかった。))がなぜか載っているが、後の作品にてシリーズの核心に関わるキャラとして再登場する。
-本作の公式攻略本に、「挫折のとらえ方」「彼女との付き合い方」「理想的な男女の出会い」といったコラムや「終盤の怒涛の展開は涙なくして見られない」「黒野博士の語りはハンカチ必須。心に刻まれる名シーン」「パワポケが支持されるのはブラックボックス的魅力があるからこそ」などといった露骨な自画自賛や説教などが記載されている。
--確かに本作のシナリオは好評なのだが、プレイヤーからすれば攻略本にそのようなことを言われるのは、はっきり言って大きなお世話であり、常軌を逸しているとして不愉快に感じる人も居る。
--なお、「8」以降の公式攻略本ではこのような説教コラムや自画自賛コメントはほとんどなくなっている。
-このような悪ノリはパワポケらしいと絶賛する人も受け付けないという人を大きく分かれさせることになった。この流れは後のDSシリーズでより強くなっていく事になる。
***以後の作品におけるヒーローの扱い
-本作における最大のライバルキャラとして登場した「ヒーロー」はニンテンドーDSシリーズの準レギュラーとして登場する者も居る。改心して彼女キャラとなったり台頭してきた裏社会に対するカウンターとして動く事になる。
-8ではイベントのちょい役ながら生き残ったオレンジが登場。
--8主人公の行動によっては捕えれてしまい人体実験としてバラバラに解剖される。ここまでだったらちょい役だったのだが……。
-7の隠し彼女・芹沢真央は、ヒーロー達のリーダーとして重要なサブキャラとして後のシリーズにも登場する。
--主に「裏社会編」において大きな存在感を出した大江和那(10で初登場)と合流して戦友となっている。
--また真央自身も7の時に比べると仲間の恋愛を出刃亀するような子になっており、「11」の浜野朱里や「12」のピンクのシナリオでは主人公に忠告と助言を与えるポジションについている((公式サイトの「しつもんコ~ナ~」では真央の性格が7と違う事を質問していたが、「仲間が出来て幸せと責任を得て変わった」「ただし本質は変わらない」という発言がある。))
-ピンクは真央シナリオだと悪役としての側面が強かったが、9裏や12で再登場する。
--9裏「スペースキャプテン編」ではパラレルながら正義の味方としての在り方を模索する姿が描かれた。なお後に12で登場するピンクの人間体は9裏からの逆輸入。
--表でも12で攻略可能ヒロイン兼野球の仲間キャラとして再登場。裏社会の強大さに尻込みしてヘタレ化しつつも主人公や和那との関わりによってヒーローとして覚醒していくストーリーが展開された。
-9は過去の罪の贖罪として旅を続ける謎の風来坊が主人公。彼が寂れた商店街を救うため野球の助っ人として助力するというシナリオ。ここまで見るとパワポケらしいカオスだが、この主人公は明言されていないもののレッドとの共通点が多く、ファンの間では「レッドの生まれ変わりが9主人公なのではないか?」という説もあった。
--また、ライバルキャラの椿は7でのブルーと能力値がほぼ似ている。
--9は主人公と助っ人達の立ち位置が似ており、「仲間になった拳法使いの助っ人がバッティングマシーンを独占して元のメンバーと軋轢を生む」などのイベントは7のイエローを彷彿させる。元のメンバーと助っ人メンバーが対立して紅白試合を行うのも同じ。9は7の逆視点版ではないかという説もある((7でのヒーローの一件は花丸高校の野球部員達とヒーロー本人でしか知らないにも関わらず野崎維織に花丸高校に現れたヒーローの話をしてあげたり、レッドと同じ色のマフラーをつけてたりなど。))。
--ただし9では7では成し得なかった「助っ人と元居たメンバーの和解と団結」を描いており、シナリオもDSパワポケでは珍しく一話完結なので評価自体は高い。
---14でレッドが再登場するものの「商店街の草野球に助っ人として参加し、シャッター商店街となってしまった商店街に思い入れのある人物」として登場する。公式的には9主人公とレッドの関係性はノーコメントではあるのだが、7時代のレッドが再登場したというよりもまるで9主人公の延長線として描かれている。
-ヒーローは全体的に優遇されている傾向が強く、特に14ではレッドは世界滅亡を目論むシリーズ通してのラスボスとタイマンで殴り合って止めようとする大役に位置付けられ、真央・ピンクはそれぞれ7・12の主人公の「正史彼女」のような描かれ方がされている。
--後のシリーズまで重要なキャラ(それも主人公・ヒロイン枠で)として出張る例はメガネ一族とちょい役を除けば7のヒーローが恐らく初であり、パワポケが硬直化した原因に「ワギリバッテリー」「しあわせ草」が登場した6、「サイボーグ・アンドロイドをモノ扱いするオオガミグループ」が幅を利かせ始めた8に次いで、ヒーロー達の存在である7の存在を挙げる声も少数ながら存在する。
--しかし7時代の間違った「しあわせ」を押し付けるのではなく、本当の意味で「愛する者と過ごす幸せ」を守るために戦うようになったヒーロー達はパワポケファンからの評価も高い。
-また、10以降でパワポケの賛否両論点として引き合いにされる「''超能力者やサイボーグなどが繰り広げる野球なんてどうでもいい人々同士の野球と全く関係ない異能バトル''」に比べると、(7の野球バランスは置いといても)きっちり野球という場で決着をつけてくれるヒーロー達はマシという意見もある。
--14の試合進行型サクセス「トツゲキ甲子園」では7の舞台の花丸高校がライバル校として登場するが、メンバーは実質ヒーローズでレッド達に乗っ取られた花丸高校という趣である。
-ヒーロー以外のキャラとしてはヒーローを優遇して甲子園へ行こうとしていたものの意気消沈した佐和田監督や、レッド達に改造された勝野先輩の成れの果てであるカニ怪人も「9」で再登場。それぞれ救済のような描写がある((カニ怪人は「7」の後に組んだフグ怪人や黒野博士と仲良くやっており、黒野博士に頼んで人間時代のクローンを作ってもらって実家に送り返している。))。
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