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*聖剣伝説4 【せいけんでんせつふぉー】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000E0RBSK)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2006年12月21日|~| |価格|7,140円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2006年クソゲーオブザイヤー次点''}&br()従来作を無視した不親切&高難易度のシステム&br()薄い&電波&超展開のシナリオ三重苦&br()褒められるのはBGMとグラフィックのみ&br()凄まじい3D酔い&br()「&color(red){''クソゲーすぎる、どうなってんだ…?''}」&br()''クソ過ぎてシリーズに止めを刺した''|~| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| |>|>|CENTER:''[[聖剣伝説シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/573.html]]''| |>|>|CENTER:&color(purple){ゲーマガ特集/期待外れだったゲームベスト10}&br()[[サンダーフォースVI]]/[[ファイナルファンタジーVIII]]/''&color(black){聖剣伝説4}''/[[逆転裁判4]]/[[ローグギャラクシー]]/[[スーパーマリオサンシャイン>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/1298.html]]/&br()[[アンリミテッド:サガ]]/[[デビルメイクライ2]]/[[ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/519.html]]/ブラッド オブ バハムート| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『聖剣伝説』シリーズの4作目。ストーリーテーマは「原点回帰」。 -それまでは外伝作品ばかり発売されていたため、ナンバリングタイトルとしては前作『[[聖剣伝説3>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/638.html]]』から実に11年振りの新作であり、前評判が非常に高かった。 -シリーズ初の3D化・ボイス付き作品でもある。発売前は「PS2最高水準のグラフィック」と「Havok社の物理計算エンジンによるオブジェクト『MONO』の滑らかな挙動」がセールスポイントとして前面に打ち出されていた。 -そんな大作シリーズの本流が''まさかのクソゲー化''。聖剣伝説ブランド失墜の象徴として本作が語られることも少なくない。 ---- **問題点 本作は、''システムとシナリオが致命的なまでに破綻している''。以下にその詳細を記す。 ***シナリオ関連 -ストーリーが超展開満載。壮大な話にしようとしている節はあるのだが、世界観を説明する描写やシナリオの絶対量が圧倒的に不足しているせいで、中身のない大風呂敷を広げるような展開が続くだけである。 --その元凶は、ストーリーの大半を各ステージで流れるムービーのみで描写し、ムービーで省略した部分は一枚絵とナレーションだけで済ますという、ムービー偏重の構成にある。 -以下、具体的な例をいくつか挙げる。 --島に侵略してきた軍隊を撃退するために「守護聖獣」を呼びに行く道中はアクションゲームとして操作するのだが、呼んだ後の軍隊を追い払う部分は紙芝居で表現される。 --あるステージでは、クリア後唐突に1年経ったとナレーションで告げられる。その間の世界の有様などについてはほぼ描写されず、浦島太郎状態で次のステージに飛ばされる。 --中盤で唐突にヒロインがトランス状態になり問答無用で世界を壊滅に追い込みかけるのだが、前説明は一切無い。そのため超展開そのものになっている。 -PS~PS2時代のスクエニ(スクウェア)はムービー至上主義((ゲーム内ムービーを最大のセールスポイントとする考え方。また、そうすべくムービー製作に大量の予算と時間をかける姿勢のこと。PS~PS2時代には、ムービーに注力したFF7・8などの商業的成功を受けて、ムービーを前面に押し出したゲームが多く作られた。これに対する是非は様々あるが、ムービーだけが突出していてシナリオやシステムの出来と釣り合っておらず、遊戯性の低いゲームが多かったのは事実である。当Wikiでも「バウンサー」「ローグギャラクシー」「グランディア3」「ゼノサーガEP2」などのPS系ゲームのページから、その弊害が見て取れる。特に後2つは名作の系譜を断ち切ったとして悪名高い。))に走る傾向があった。本作はその悪い面が最もよく表れたゲームの一つと言える。 --シナリオの原案を勤めた加藤正人氏は後にブログで「自分のシナリオとは別物」と語っており、スタッフが原案からかなりの描写を削り取ったことを暗に示している。加藤氏の言葉が真実ならライターが哀れ。後に[[これに似たもの>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/835.html]]が…。 -他の超展開に比べれば些細なことだが、肝心の「聖剣」に関する設定もぶれている。本作より後の時代の『[[聖剣伝説DS CHILDREN of MANA>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/748.html]]』では聖剣は空から落ちてきたが、本作では誕生時地面に突き刺さっている。 -キャラの魅力も、シナリオと表現不足のせいで壊滅している。そもそも、キャラクターの心理描写が皆無に等しいので非常に感情移入しづらい。 --闇に堕ちて妖魔となってしまった親友と再会、戦って殺すことになるシーンがあるのだが、元々出番も見せ場も「親友」という描写もあまりないキャラだったので悲しみがどれだけ湧くところか・・・ --友軍らしき人たちや『CHILDREN of MANA』にも登場した各国の王様も紹介されるが、大半が設定上だけのキャラであり、キャラクター自体は出てこない。 --フラミーやガイア、ワッツなどといったシリーズ過去作のキャラも登場するが、それぞれは出番こそ与えられているものの活躍してすぐに去る「ファンサービス」的な登場シーンが多く、扱いがぞんざいな印象は拭いきれない。 --『2』や『3』では苦労しながら仲間に加えた8種の「精霊」は、今作では道を進んでいると唐突に現れ、勝手に仲間になってパチンコの弾になるというなんとも投げやりな扱いを受けている((もっとも、外伝作品の精霊の扱いはおしなべてぞんざいであり、名作とされるLoMでさえ精霊はそれほど重要な地位を与えられていない。))。 --ヒロインだけは一定期間ステージでついてきてくれるが、役立つわけではない。前述の通り突然トランス状態になる中盤以降、電波状態な描写が目立つことも相まって人気も魅力も全くない。 --ラスボスや敵役(仮面の導師など)も唐突な設定が目立つ。 ***システム関連 (今までのシリーズ作品と比較して) -2Dアクションから、ボイス付きの3Dアクションとなったことへの少なくない違和感。 --無論3D化・フルボイス化そのものが悪ではないだろうが、完成したものを見る限り必ずしも優秀な形でそれらが出来たとは言い難く、『聖剣伝説』シリーズの後継作とは言いがたい。 -前作3まで「アクションRPG」とされていたジャンルが「アクションアドベンチャー」に変更されたことによる不満も少なからず出た。 --ステージ制のゲームであるためワールドマップなどの要素はなく、決まった場所しか移動することはできない。息抜きになるような場面も少ない。 --いわゆる「操作できる仲間」は一切存在せず、終始主人公のエルディしか動かせない。 ---パーティを組んで行動していた過去作では、2Pコントローラで他の仲間を操作するという複数人プレイができた。今作でも一応複数プレイには対応しているが、できることは1Pの代わりに補助や回復などの魔法操作を担当できる((主人公に同行する精霊の「フィー」を操作しているという設定。))というやりがいのないものである。 -これらに関してはあくまで過去作と比べた上での批判だが、それにしたって製作者側はシリーズファンからこういった批判が来るとは思わなかったのだろうか。 --前述のように11年間も本流に手を付けず、その間にPSや携帯機で外伝を出していたため、外伝のノリを悪い意味で持ち込んだとも取れる。 //少なくとも原点回帰の謳い文句にそぐわないのは確かだと言える。 //↑「原点回帰」と明言されていたのはストーリー部分に対してのようなので、これに関しては関係ないはず。 (単体のゲームとして) -RPGとアクションゲームの要素をなぜか組み合わせて台無しに。 --本作では、敵を攻撃したり倒したり何かを壊したりすることで時々出現するメダルを集めて「HP」「MP」「攻撃力」を強化することが出来る。「HP」を上げるメダルを一定数以上取ればレベルアップし、「MP」メダルを集めれば精霊フィーがレベルアップし使用できる魔法が増える。 --問題はその集めたメダルがステージをまたいで持ち越せず、''クリア毎にリセットされる''という点。当然、レベルも魔法習得もステージ開始時に1からやり直しである。 --石井氏(聖剣シリーズの生みの親)によると、「プレイヤー自身のスキルアップを促す」という目的ゆえにレベルリセットシステムになったらしい。 ---確かに、アクション系の作品では高難易度においてはスキルアップも必要になる。だがRPGはそういった腕によるスキルアップを廃して成立しているため、聖剣伝説をRPGとして楽しんできたユーザーのニーズとは噛み合わなかった。 ---そもそも、アクションとして有名な真・三国無双やがんばれゴエモンでさえリセットされない成長要素はある((前者は能力値や装備品、自己強化アイテム等。後者はまねき猫によるライフゲージ強化や特殊技など))。1ステージごとの完全リセットが強要されスキルアップが必要なアクションといえば''格闘ゲームしかない''のだが、一体何を考えていたのだろうか? -そのくせ、RPGではよくある「ステージが進むにつれて敵も強化される」という仕様が残っている。 --リセット仕様と合わさると「''ステージが進むにつれて敵は強化されるのに主人公は弱体化される''」という素敵なことになる。そのため、後半ステージでは''スキルアップしていなければ''まず間違いなく詰む。 --もちろんというか何というか、某有名作品の「メタルスライム」や「サボテンダー」のような一気に主人公のレベルを上げることができる敵はいない。 --おまけにHP回復アイテムの出し方だけは前作を踏襲しており、敵を倒した時にしか回復アイテムを落とさず((フィーのLvが上がると回復魔法を使わせることもできるようになるが、フィーのLvを上げるにはメダルを多く集めねばならず、結局メダルを集めるまではこの回復アイテム頼みになる))、回復アイテムを持ち越すこともできない。 ---後述MONOで相手をひるませてからでないと敵を1匹倒すのでさえリスキーになり、もしMONOを投げ尽くして回復アイテムが出なかったら一気に詰むという、中途半端にベルトスクロールアクションを取り入れた仕様になっている。 --一応、章のスタート時には「エンブレム」という主人公を強化できるアイテムを最大5個まで選べる。しかし、入手方法が至難であるため救済策になっていない(後述)。 -盛り上がりに乏しい攻撃手段。 --攻撃手段は大きく「剣」「ムチ」「パチンコ」の3種類に分かれるが、ムチやパチンコを使うアクションはどれも地味。 --途中で精霊が仲間になるとシリーズ伝統の8属性の魔法も使えるようになるが、これが「パチンコ弾」扱い。しかも1属性1種類しかない。魔法…? --剣での攻撃も迫力や派手さのあるものではなく、悪い意味でデフォルメの効いたものになってしまっている。 --ゲーム序盤のうちに地味なアクションしか使えないのは目を瞑るとしても、本作は''ストーリーが進んでも新しい技やアクションが増えない''。どれだけ進んでも豪快な必殺技や爽快なアクションが存在せず、変わり映えのしないアクションを繰り返す羽目になる。 --レベルが上がるとアクションが若干増えるが、リセット仕様によりステージ毎に覚え直しである。「多彩なアクションが可能」という、アクションゲームにあって当然の要素すら欠けている。 -本作のウリである「MONO」の無惨な仕様。 --「MONO」とはタルや岩のようなつかんで投げられる設置物、いわゆる「物」である。これを鞭で引き寄せたりして敵にぶつけると、敵が混乱して動けなくなる。 ---シリーズ共通の概念である「マナ(MANA)」((『聖剣伝説』シリーズのキーワードのひとつ。万物に影響を与える、自然エネルギーのような概念である。))をもじった呼称なのだろうが、この名称もやや滑り気味である。 --「駆使すると楽に進める」「アクションの幅を広げる」という前口上だったが、実際は''明らかに「MONO」の使用を強制するバランス''になっており、「駆使しなければ攻略はほぼ無理」であった。 ---後半の強力なザコ敵やボスは攻撃が激しく、MONOをぶつけて混乱状態にすることで動きを止めなければ反撃を食らって死ぬ。 ---さらに上述のように回復アイテムは敵と殴り合ったあとに出るため、あと一撃で死ぬという時にはMONOを投げまくらなければ死ぬ。 ---おまけに敵を混乱させてから倒さないとメダルが多く出ないということになっているので、その点からもMONOを使う事を余儀なくされる。 ---「ステージのギミックを使って敵を妨害した上で攻撃する」という要素は大抵のアクションゲームなら楽しいものなのだが、本作はそれが強制されている上に「落ちている物をぶつける」というワンパターンしかなく、あまりに単調なものになっている。 --そもそも、物理演算機能はゲームの開発・製作サイドが重視するもので、殆どのプレイヤーにとっては''どうでもいい要素''である。プレイヤーにとって問題なのは、それを活かして生み出されるゲームの遊戯性であり、「MONO」が滑らかに動いたからといって面白くなければ意味が無い。物理演算をなんとか活かそうとして出来の悪い「MONO」システムを作ったのなら、それこそ手段と目的が逆転している。 --だいたい、他社から使用させてもらっただけの演算システムを宣伝に使うのもどうかという話である。 ---Havok社の物理演算プログラムはそもそもFPS用の物理エンジンであり、その後『サイレントヒル5』『大乱闘スマッシュブラザーズX』『スタークラフト2』など別ジャンルでも利用されているが、それらで本作のように「Havok社の物理エンジンを採用」と宣伝したことはない。 -視点カメラが主人公に追従して上下左右にしょっちゅう動くため、3D酔いを起こしやすい。 --慣れていなければ30分も画面の前にはいられないほど。長時間のプレイは本当に気分が悪くなる恐れがあるので、慣れていようがいまいがご注意を。ゲームは一日一時間と教えてくれる良心的なソフトといえる。ついでに、その一時間で他のゲームをやった方が有益であることも教えてくれる。 --カメラの動きは壁に阻まれるので、狭い場所や部屋の角で戦っていると主人公が透過され、しまいには主人公にカメラが潜り込んでしまい、もう何が起きているのかさえわからなくなってしまう場合もある。 -ターゲットロック機能が役に立たない。 --説明書には主人公に一番近い対象にロックすると書かれているが、主人公のすぐ目の前に対象物があろうとも、地形の向こうの遥か彼方にある対象物をロックしてしまうことがある。 --あろうことか、&bold(){壁の向こう側や、山の向こう側にある物でさえもロックしてしまう}。なんという千里眼。 --&bold(){ロックオン対象の切り替えとカメラ操作が同じ右スティックに割り当てられている}。そのため右スティックでカメラ操作を行うとロック対象も勝手に切り替わる。MONOをロックしそれをぶつける相手の位置を把握しようと右スティックを動かそうとすると、別の対象にロックが切り替わってしまう。 --一応、L2で敵、R2でMONO(操作デフォルト時)を区別してロックできる機能は備わっているのだが、複数の対象が画面内に存在すると、やっぱり思った通りの物をロックできない。 --どうも画面中央付近の対象物が優先候補となるらしく、多数の対象物が転がっている中で、自分のすぐ目の前にある対象をロックしたいと思うのなら、カメラをぐっと下に向けて他の対象物を画面から外した上でL2(R2)ボタンを押さなくてはならない。 --しかもロックオンターゲットは行動前に表示されない。アクションを起こして初めて判明する。 --こんな役立たずのロックオン機能を使うよりも、いっそMONOに近づいて手当たり次第にムチを出して敵に投げつけるという戦法を取ったほうが早い。敵との交戦中に正確にロックする方が難しい。 -もっさり感満載かつ作業感に溢れるバトル。 --''酷いカメラワークに耐えつつ、対象の定まらないロックに翻弄されつつ、遠くからMONOをぶつけてチマチマ一体ずつ雑魚を潰すことを強いられる''通常戦闘が楽しいはずもない。爽快さもやりがいもない。 --華であるはずのボス戦も然り。長時間雑魚の大量虐殺を行いメダルを集めまくらない限り、基本的にMONOを利用するか魔法を当てないと倒しにくいバランスになっている。結果的に逃げ回りつつMONOや集めたパチンコ玉(魔法)を遠くから打ちまくるチキン戦法しかない。 --ゲーム中盤にもうひとつの聖剣を携えた、いわゆるライバルのようなボス敵が現れるのだが、そいつと正々堂々タイマン勝負を行うのかと思いきや、やはり逃げ回ってスキあらばMONOをぶつけては削っていくという、相変わらずのセコい展開になる。 ---ボス戦だというのに、若干の眠気をもたらせてくれる。油断すれば死ぬが、パターンに嵌れば退屈この上ない。 -通常画面右上に表示されるレーダーマップの存在理由が行方不明。 --レーダーには方向方角とクリア地点(ボスならボスの場所)と敵の位置くらいしかマトモに表示されず、「今何階にいるか」「どこの地点にいるか」「目標地点までどれくらいの距離か」といった肝心の情報が出ない。 --しかも、フィールドには階層・高低差・壁が存在するのに、レーダーにはそれらを無視した相対距離しか反映されない。 --フライトシミュならともかく、本作は建物や入り組んだ地形の多い3Dアクションゲームである。はっきり言って、全く役に立たない。 --エリアの全体マップはポーズ画面を開かないと出ない。いっそレーダーではなく縮小した全体マップを表示したほうがよかったのではないかと思われる。 -マップ自体が複雑な構成になっており迷いやすく、難易度が高い。 --どのステージにも起伏の激しいマップが存在し、アスレチック要素も高い。小さな足場に乗る必要もあり、レベルの高い3Dアクションスキルが求められる。ハシゴも垂直に向かわなければ登る事ができないうえ、ジャンプして空中でつかまらなければならない場所もある。当然のごとく、アクションに失敗して落下すれば以前のマップからやり直しである。 ---仮面の導師との戦闘が象徴的である。螺旋状の塔での戦闘なのだが、マップの仕様上ボスが何階にいるのかわからず延々と探し回り、各階には当たり前のように敵が居るので足止めを食らい、やっとこさ見つけ出し攻撃しようとした時に最下層に落とされると最初からやり直しである。 --前述の糞カメラと迷子レーダーのせいで、マップストラクチャーを把握しづらいのもネック。 -主人公強化用の「エンブレム」の収集方法が、困難なものばかり。やる気を完全に殺ぐ仕様と相まって、ほぼ無理ゲー。 --倒したモンスターを戦わせる「チャレンジアリーナ」と呼ばれる闘技場で勝てば手に入るが、敵が強すぎる。弱いモンスターでは厳しいが、強いモンスターを使おうが厳しい。どうやったって難しいのだ、結局は。 --各ステージでレアな敵を討伐すると手に入るエンブレムもあるが、探し出すのが困難な上明らかにそのステージのボスよりも強く、後半のステージではとてもじゃないが探す気にはなれない。探し出したとしてもスキルアップができていなければ返り討ちにされる。 --アリーナ内のショップで購入出来るものもあるが、値段が高い。本作はルク(お金)が貯まりにくいこともあって、気軽に買う事も出来ない。 ---目安として、NORMALモードを中盤まで普通に進めたとして溜まるルクが6000程。それに対してエンブレムの料金は安いもので2000前後、それ以外の大半が1万超え、そしてゲームクリアやリザルトで総合ではなく1項目とはいえSランクを出す事を条件としている物が多く、ストーリー攻略への利用は難しい。 ---「獲得金額を100倍にする」というエンブレムもあるが、出現条件が「取得ルク総数が2000000ルクになる」こと。よっぽどやりこまないとそんな金額にはならず、なったころにはそんなエンブレムは要らなくなっている。''一言で言うと本末転倒。'' ---ついでに言うと、ゲーム中に店のような施設があるわけでなく、準備画面から入る別モードなので、店に立ち寄って買い物しているという雰囲気は無い。 ---- **評価点 -一応ナンバリングタイトルであるためか、グラフィックは非常にきれい。PVやOPの美しさはPS2ソフト全体から見ても高いレベル。 --だからこそ、それに引っかかった人も多い。 --前作『3』があまりにも高い評価を得てしまった事も、引っかかったプレイヤーが多い一因であろう。 -BGMは伊藤賢治氏、関戸剛氏らが作曲しているだけあって、非常に高評価。苦労してラスボスまでたどり着いたプレイヤーをイトケン節全開の名曲群が迎えてくれるのは唯一の救い。いわゆる「曲はいい」というクソゲーのお約束である。 --さらに、メインテーマは世界的音楽家である坂本龍一氏が手がけている。 --過去のシリーズの曲も、それぞれの作品毎、数曲アレンジされている。 --その結果、中古価格では本体よりサウンドトラックの方が値段が高いという事態になっている。4,000円以上することも少なくない。 -成長要素のある3Dアクションというプログラム構造的には複雑なジャンルであるが、目立ったバグは見当たらない。スタッフが丁寧なテストプレイをしたということなのだろう。 --だからこそ、''このままの出来で出荷したという謎の事実''が浮かび上がる。誰一人として疑問に思わなかったのだろうか? ---- **総評 -ストーリーが電波、成長要素の強制リセット、主人公の強さに反比例する敵の強さ、吐き気を促すカメラワークなど、シリーズ続編であることを抜きにしてもいろいろと残念な出来であった。そんなゲームを、他ならぬ聖剣伝説のナンバリングタイトルとして販売されたため、発売当初に多くの人々が釣られてしまった。 --日本ゲーム大賞2006でFUTURE部門賞((その年の東京ゲームショウで発表あるいは展示・出展された「未発売の」ゲームのなかで、同ショウ参加者による一般投票で評価の高かったゲームに与えられる賞。))を受賞したことも、被害の拡大に貢献したと思われる。実際にはノーフューチャー(=シリーズ打ち切り)となったのはまさに皮肉。 -その結果どうなったかというと… --発売直後にアマゾンにおいて、新品がまさかの60%以上オフという価格暴落。当然ながら中古買取価格も光の速さで暴落していった。 --市場に溢れていたため「アルティメットヒッツ(BEST版)」販売は無し。 --2012年11月12日時点では、アマゾンでなんと新品94%オフの399円になっている。 -当然ながら、購入者の評価はとても低い。クソゲーではないと主張するユーザーの方が珍しいと言える。 --大手レビューサイトのpsmk2でも27点のFと低評価。高い点がつけられている部分も、グラフィックとサウンドだけ。 --KOTY2006の選評では『[[ファンタシースターユニバース]]』との激戦の末、大賞こそ逃すものの、その出来の悪さに「''&color(red){クソゲーすぎる、どうなってんだ…?}''」という名言が手向けられた。 ---もっとも、「大賞こそ取れなかったが被害規模など考慮したらこちらも大賞級の作品であることは間違いない」という意見は多くみられる。それだけ、今作がゲーム業界に与えた衝撃は大きかったという訳である。 --共にスクウェア看板RPGであること、前評判から一転しての価格暴落ということで、よく『[[アンリミテッド:サガ]]』と比較される。しかし、後に小規模ながら支持するファンを獲得したアンサガに対し、こちらはいつまでたっても安定の低評価である。 --後から見直されて評価を持ち直すクソゲーには、好意的に解釈できる要素や笑いに昇華できる要素があるが、持続的に評価が低いクソゲーにはそれらが無いといえる。かつて人気を得たナンバリングタイトルの最新作がそんなゲームであると誰が信じたいであろうか…。 ---それを象徴するのが、ネットで聖剣伝説の話題が出た際に未だ見られる「''聖剣4まだかな?''」「''早く出てくれよ''」といったコメントである。 ---言うまでもないが、''ファンが今作をなかったことにしたいのが如実に分かる''発言である。 --なお、これが発売された後、石井浩一氏(聖剣シリーズ及びチョコボの生みの親)はスクエニを退職した。本作が直接的な原因と公表されているわけではないが、引責辞任と揶揄されることもある。 ----
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