DLC(ダウンロードコンテンツ)

インターネットを通じて配信される、ゲームソフトウェアの追加データの事*1



概要

インターネット通信可能なハードが普及したことで生まれた、データ配信サービス。多くの場合有料であり無料の物は少ない。
無料配信されている物はソフトと通信環境を整えれば利用可能だが、有料配信されている物はソフトの代金とは別に金銭の支払いが必要になる。その他、特定の条件の元でのみダウンロード可能なコンテンツも存在する*2
特典商法を含まない無料コンテンツに関しては殆ど問題にされず、寧ろ好意的に受け止められる事が多い。一方で、ゲームソフト以外の出費が必要な物に関しては価格設定や内容・販売方法に対して不満の声が上がる物が少なくない。

問題とされるDLCとその販売方法

  1. ゲームのバランスを破壊しかねない、有料DLC限定の強力なアイテムなどの配信。
  2. ゲーム内の1ファクターでしかないにも関わらず異常に高額な物。ユーザー個々人の資産や金銭感覚に左右されるので一概には言えないが、元々のソフトの値段と比べて高額なDLCは問題にされ易い*3
  3. DLC過多。特に本編が有料DLC抜きだと明らかにボリューム不足を感じさせる場合や、用意されている有料DLCの主立ったものだけに絞って購入してもソフトの定価を超えてしまう、あるいは肉薄するような場合。
  4. DLCを用いた特典商法。特にゲームプレイに関して重要度の高いDLCを予約特典・初回版特典・限定版特典などと称しソフトに付けてセット販売する場合や、ゲーム「プレイ」と無関係な商品やサービスにDLC特典*4が付けられる場合。果ては、全然関係ない別のゲームの特典に含まれる場合。
  5. アンロック商法。元からディスク内に入っている要素を態々ロックして商品を発売し、別売のアンロックキーを購入しないと楽しめなくする手法。
  6. コンプリート特典商法。特定のDLCを全てダウンロードすると手に入る特典を設ける商法。コンプ特典がどうしても欲しい場合要らない物でも手を出さなくてはいけなくなる。高額だった場合など最悪である。
  7. 不完全商法。故意・能力不足を問わず、不完全な内容のゲームを発売して、DLC購入でようやく完全な形で遊べるようになる。あるいは、ゲーム内の重要な機能がDLC購入によって解禁される。
  8. 配信期限の短いDLC。値段や内容の質が高い場合余計悪い。
  9. DLC未納。中には2年以上配信されていない物も。

例としては上記の様な物が挙げられる。どれも基本的にDLCへの購買意欲を過剰に煽る阿漕な物である点が非難される。

特に株式会社バンダイナムコゲームスの作品は有料DLCが多い上に値段も決して安くなく「ぼったくり商法」とまで言われている。
「DLC専用のコスチュームを買わないと技やスキルのコンプリートができない*5」などの様に、DLCを前提にしたゲーム内容であったりと明らかに限度を越えた物も存在。

中でも『アイドルマスター』シリーズは値段が高い上に量も多く、DLCゲームの代表例とされる。「有料DLCのみで億単位の売り上げを得た」、「MSPの国内売上が異常なほど伸びた」などDLC関連の逸話に事欠かない。
その上『アイドルマスターSP*6』からはコンプ特典まで用意する様になり、更に『アイドルマスター2』ではアンロック商法、遂にはキャラクターまで有料配信するなど止まる事を知らない。
もっとも、アイマスに関しては「購入しなければゲームが遊べない」というレベルでは無いので、プレイヤーからの批判は少ないのだが*7

また『BLAZBLUE Continuum Shift』『DEAD OR ALIVE Xtreme 2』のように「DLCを買わずともゲーム内のプレイで解禁できるが解禁条件が面倒あるいは高難易度」という場合も嫌がられがち。こういう場合はバランスの問題である。

そもそも違法ダウンロードが蔓延する上、家庭用ゲーム市場全体が縮小傾向にある昨今、確実に利益が見込めるDLCは企業にとって生命線と言ってもいいほど重要な項目である。
また、メーカー側が拡張要素に課金を設け対価を得るというのはごく普通の商業行為であるし、何より購入はあくまでプレイヤーの自由であるため、DLCそのものに対する無差別な批判も考えものである。
むしろ発売前までに実現できなかった要素を後から追加する事ができたり、1本のゲームを末永く長く楽しむ事ができたりと、サービスの受け手・遊び手であるユーザーにとっても喜ばしいコンテンツであると言えるのは確かである。
「購買意欲を煽るため」という側面はもちろん否定できないが、他のゲームメーカーやそれ以外の企業とのコラボレーションイベント等のDLCならではの楽しい要素も少なくない。

ただし、これらはあくまでコンテンツ内容とその値段および売り方が適切であれば、という(ある種当たり前の)前提があればこそ
残念ながらその前提から大きく逸脱したDLCも多く、そのせいでDLCそのものが「メーカーが楽して金を巻き上げるための手段」と認識されがちなのが現状なのである。
「DLC抜きでは中身がほとんどない」「その作品のゲーム性を考えれば、普通に入っていて当たり前の要素が有料DLC」「DLCを買わないとゲームをプレイする上で大きな問題がある(≒DLC購入が前提になっている)」など、事実上のゲーム本体価格のつり上げや露骨な集金目当てのDLCが少なくない。前述したバンナムのみならず、その手の悪質DLCが常態化している企業も少なくない。
そのため「有料DLCは(その内容を問わず)悪質商法」「ソフトが無料ならともかく、ソフトを有料で買わせている以上、そのソフトの一要素である追加要素は無料で配布するのが当然」「最初から入れておけ」などの意見、いささか極端なものとしては「有料無料関係なく、DLCを導入している時点で未完成品をユーザーに売りつけているのと同じ」とする意見も出ている。

もっとも、様々な要因でゲーム機をネットに繋げられない状況にある者*8も決して少なくはないことを忘れてはならない。 そういった層は、パッチなどのサポートも受けられず、無料追加コンテンツの利用もできないため、同じようにソフトの代金を支払ったにもかかわらず、(結果的に)未完成品を売りつけられているのと変わらないと言える。
メーカーはもちろんのこと、ユーザーもこういった意見を一方的にただの暴論と決めつけるのではなく、背景を考慮に入れるべきである。

ともあれ、市場の傾向などから見ても、DLCはすでに定着した新しいゲームの売り方であり、今後増えこそすれ減る事は無いと思われる。
まだまだ過渡期の商法と言えるため、メーカー・ユーザーともに今後DLCとの付き合い方をよりよいものになるよう考えていく必要があるだろう。

有料DLC関連の要素が不満点になっているゲームの一例

タイトル 備考
内容に対して値段が高い アイドルマスターシリーズ 数も多く、つきあうには覚悟が必要。ゲーム難易度に影響が少ないのが救い。
エースコンバット6 解放への戦火 1機辺りの値段は安いがとにかく量が多い(DLC無しだと機体数が少ない。また過去作では普通に使えたエース機のカラーまで有料である)
ACE COMBAT ASSAULT HORIZON 機体を1機追加するのに720円、色違いの機体が480円等とあまりにもユーザーを舐めている値段設定の上、追加機体の殆どは過去作に登場した機体であるという事も問題視された。
機動戦士ガンダム戦記
テイルズ オブ ヴェスペリア
テイルズ オブ グレイセス
武装神姫BATTLE MASTERS Mk.2 参加機体の半数近くがDLCで1セット2,100円と高額(無印DLCキャラシナリオも有料)、全部揃えようとすると4万円近くに。
北斗無双 但し、インターナショナル版の発売と共に値段が大幅に引き下げられた為、現在はあまり問題視されてはいない*9
アンロック商法 DREAM C CLUB とにかく数が多い。
不完全商法 リッジレーサー (PSV) 初期状態は体験版同然。DLC購入でまともなゲームとなるが販売開始が2ヶ月も遅れた。
ビューティフル塊魂 不完全商法かつ過剰なアンロック商法。ゲーム内ボリュームの半分ほどがアンロック式DLCであり、DLCなしでは致命的にボリュームが不足。
DLC未納 ファントムブレイカー:バトルグラウンド(オーバードライブ) いつまで経っても配信されないDLC有。


*1 DL(ダウンロード)ゲームも一纏めにされる事もあるが、大抵は区別される。また、ゲーム以外の配信コンテンツに対して用いられる事も稀にある。当記事ではゲームの追加データに関してのみ記述する。

*2 一応通信費などはコンテンツそのものが無料であっても別途掛かる為、事実上完全無料のDLCは存在しないがそれを問題視する者は殆どいない。近年では完全定額でインターネットに繋ぎ放題のプランが当たり前になっているため、PS Vitaの3G通信などのようにゲーム機をネットに繋ぐためだけにプロバイダと契約した等でもなければ、元々パソコンなどをインターネットに接続するために払っているものであり、それによってゲーム機も併せて(ついでに)インターネットに接続出来るため、DLCの料金と別に通信費を支払っている感覚が薄いことも理由として考えられる。

*3 例えば6人のキャラから1人を選んでプレイする6,000円のアクションゲームがあったとする。そのゲームのDLCとして既存キャラと同じクオリティのプレイアブルキャラクターが1,000円で販売されたとしたら適正と見なす余地はある。問題とされるのは、既存キャラの衣装やアクセサリなどが1,000円で売られた場合である。

*4 ゲームに関連する、雑誌・映画前売券・有料サイトの購入者特典、特定店舗や映画やイベント等の会場来場者限定特典など。

*5 DLCに絡んだスキルや技以外をすべて入手したとしても、コンプリートしたと見なされないなど。

*6 因みにある条件を満たすとあるモードで使用可能になるアイドルが居るのだが、彼女達が着れる衣装はDLC無しだと実質“たった1着だけ”であり、衣装に関しては実質“DLC前提のキャラクター”となってしまっている。ネット環境が整っていない人はどう楽しめばいいのか。

*7 むしろ、アイマスは高額DLCを大量に売りつける商法を確立させる原因を作ったとして叩かれている側面が強い。

*8 例えば、「親が許可してくれないので接続できない」子供や、家の構造上無線が実用に耐えない場合など。

*9 価格は問題視されなくなったが、DLCが内容は変わらないのにオリジナル版とインターナショナル版で別物とされてしまうことに対しては問題視する意見もある。