25位 新生児マススクリーニング
初っ端から面倒くさいのがランクインしました。ちなみに順位は完全に主観で選んでいます。
たしか全部で6項目くらいあって、尿とか血液とかを検査して、クレチン症が一番数が多いとかそんなんでした。
代謝系の疾患って病名と原因物質と蓄積される物質がバラバラで
非常に覚えにくい印象を持っていますというか実際に覚えにくいです。
この後の方のランキングでも確かまた出てきますよ代謝系。
この項目ってよく小奇麗な表にまとまって載っていることが多いですが、
基本的な流れを理解することなくいきなりこの表を見てしまうと何が何だか分からなくなって
結局あやふやな知識だけが残ってしまうということになります。
この際バシッと覚えなおしてしまいましょう。
アミノ酸代謝異常:フェニルケトン尿症・ホモシスチン尿症・メープルシロップ尿症
糖質の代謝異常:ガラクトース血症
内分泌疾患:クレチン症・先天性副腎過形成症
フェニルケトン尿症(フェニルアラニン)・ホモシスチン尿症(メチオニン)・
メープルシロップ尿症(ロイシン) 以上3項目の検査がGuthrie法、3つとも~尿症。
ガラクトース血症ではgal-1-pトランスフェラーゼ欠損(Beutler法)、
ガラクトース(Paigen法)
クレチン症はTSH、先天性副腎過形成症は17-OHプロゲステロンを測定する(RIA法)
日齢5に足底穿刺により採血、それを濾紙に染み込ませたものを用いる。
フェニルケトン尿症:先天性のアミノ酸代謝異常症の中では最多、
フェニルアラニン→チロシンの反応における酵素または補酵素の機能的欠損
この代謝副産物が中枢神経系に蓄積することで、無治療の場合は精神遅延をきたす
またチロシンから誘導される甲状腺ホルモンやメラニン、カテコールアミンの不足による各症状が生じる、
原発性甲状腺機能低下症、メラニン不足で頭髪や皮膚の色が薄くなる、カテコールアミンが欠乏することで神経症状も呈する
ただし、チロシンは食餌中から摂取できるためこれらの症状があらわれないこともある
フェニルアラニンは必須アミノ酸なので低フェニルアラニン食を血中濃度と照らし合わせながら続ける対症療法を行う
脳の発達が終わった後も、生涯治療を継続することが望ましいとされるようになってきた
ホモシスチン尿症:メチオニン代謝の中でホモシスチンがシスチンに変換されず、体内に多量に蓄積され尿中へ排出される
1歳過ぎから知能障害が出始め、3歳ごろからは骨格異常による高身長・四肢指伸長・続発性の骨粗鬆症、
水晶体偏位による視力低下・緑内障などを引き起こす、Marfan体型+精神遅滞
血中ホモシスチン濃度を下げるため、メチオニンを制限または除去した食事療法を一生継続して行う
最終生成物であるシスチンが不足するためシスチンを添加した食事療法も行う
メープルシロップ尿症:分枝アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンの代謝経路にある
α-ケト酸脱水素酵素複合体の活性が低下するために生じる、
α-ケト酸が体内に貯留するため尿や汗からは特有のメープルシロップのような甘いにおいがする
哺乳力の低下、吐乳、痙攣、嘔吐、意識障害、呼吸障害などが見られ、
治療を施さなければ麻痺、発育障害、知的障害をきたして死に至る
急性期においては高カロリー輸液の投与、腹膜透析、交換輸血。
軽症例にはα-ケト酸や分枝アミノ酸の脱炭酸に働くビタミンB1を大量投与により改善する場合がある
食事療法としてLeu、Ile、Valの摂取制限、本症でない乳児に使用すると分枝アミノ酸欠乏を生じるため禁忌
ガラクトース血症:日本では低く、イタリアでは頻度が高い、ガラクトース代謝酵素が少ないか欠損
細胞破損による肝硬変、毛細血管損傷による腎不全、水晶体に浸透圧損傷を起こし発生する白内障、
敗血症、髄膜炎などを引き起こし言語障害、失調、測定障害、骨粗鬆症、早発閉経などの合併症を伴う
食事療法によって乳糖とガラクトースを摂取しないことが大切、
母乳や牛乳を避け、豆乳や調合ミルクなどの摂取に切替えなければならない
早期に対処を施しても、発声障害、学習障害、震えなどの神経系損傷、
女子の場合は卵巣の障害などといった長期にわたる合併症を発症してしまう場合がある
クレチン症:橋本病によるものが多い、TSH不足・TRH不足のものは脳腫瘍性に生じることが多い
先天性副腎過形成症は大体分かるので割愛
小児科に参考書のまともなやつが手元になかったのでwikipediaから拝借しました。
別にレポートを作っているわけで時はないのでかまわないでしょう。
アミノ酸代謝異常の3つはどれも必須アミノ酸だから、食事療法の際にも注意しないといけないんですね。
しかし思った以上の分量になりましたね。25位がこれだと先はどうなることでしょう。
押さえるべきところをピンポイントに押さえたメモを心がけていきたいと思います。
24位 抗不整脈薬
薬全般があまり得意とは言えませんが、抗不整脈薬があやふやになることが多いです。
リドカインは心室性のやつに使う程度は押さえていますが、それぞれの機序までは把握できていないのが現状です。
頻脈型に対して
Ⅰa:心房性不整脈に使用、キニジン・プロカインアミド・ジソピラミド
心筋細胞膜のNaチャネルを抑制して活動電位の立ち上がりを抑制して伝導抑制を主作用とする、QTは延長する
副作用:キニジン(皮疹、高度伝導障害)、プロカインアミド(ループス様症状)、ジソピラミド(尿閉)
Ⅰb:心室頻拍に使用、リドカイン、心筋の活動電位持続時間を短縮させる、副作用に全身痙攣、悪性高熱
Ⅰc:心房性不整脈薬に使用、電位の持続時間には影響を与えない、上2つよりも強力な抗不整脈作用、あんまり出ない
Ⅱ:β遮断薬プロプラノロール、陰性の変時・変力作用により洞性頻脈に効果的
Ⅲ:Kチャネル抑制により不応期を延長させる、アミオダロン、
消失半減期が長く副作用が重篤(間質性肺炎、甲状腺異常、肝障害)
Ⅳ:Caチャネル拮抗薬、洞結節や房室結節に作用して心拍数を減少させたり心収縮力を低下させたり
ベラパミル(降圧・徐脈・抗不整脈薬作用)、ジルチアゼム(降圧・抗狭心症・徐脈作用)
房室ブロックをきたしうるのはベラパミルの方
ATP:房室・洞結節の抑制作用により房室・房室結節内回帰性頻拍を停止する
徐脈型に対して
アトロピン:洞性徐脈や房室ブロックに対して使用、抗コリン作用で迷走神経を抑制することで
洞結節・房室結節に対して陽性の変時作用を持つ
β刺激薬:洞結節の自動能を促進、房室結節の伝導促進
確かに頻脈型の抗不整脈薬はいつ見てもわかりにくいもんですね。
今回ちゃんとまとめてやっと機序まで理解したような気がします。
クエバンに不整脈の問題自体は結構あるんですが、不整脈薬に焦点を当てた問題というのは意外と少なくて、
こういった視点からまとめを作るのは今回が初めてです。
この知識で不整脈の問題が解けるようになりますように。
1つの項目を作るために、かなりの調べ物をしている気がします。
少なくとも自分にとっては、このランキングは極めて効果的だと思います。
クエバン、まとメモとやってきた勉強のなかの集大成ですねこれは。最後まで頑張ります。
23位 PIE症候群
好酸球がどうのこうのってやつ。いざ説明しろって言われると困る所です。
その好酸球が血中で増加なのか肺胞に浸潤なのかはたまたBAL中だったか、なぜか毎回混乱します。
PIE症候群: pulmonary infiltration with eosinophilia syndrome
好酸球が関与する肺炎のうち末梢好酸球が増加するもの
最近では好酸球性肺炎(好酸球を伴う肺浸潤をきたす一連の症候群)にまとめられている
急性好酸球性肺炎:若年男性の喫煙し始めに多い、1週間以内に出現増悪する発熱、咳、呼吸困難
血中好酸球↑、IgE↑、BAL中好酸球↑(25%以上)、両側びまん性の浸潤影、胸水(+)、
ステロイドに対する反応は良好、自然軽快例あり、予後良好で再発は少ない
慢性好酸球性肺炎:数週~数か月の経過で発熱、咳嗽、X線で外側辺縁優位の移動性の末梢浸潤影、末梢血好酸球↑
中高年の女性に多い、症状・所見は急性のと類似、少量ステロイドの長期投与にて治療、再燃は多い
薬剤性:ペニシリン・ニトロフラントインなどによる
寄生虫性:レフレル症候群
真菌性:ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)
膠原病・血管系疾患:ウェゲナー、CSS、結節性多発動脈炎、リウマチ性疾患など
過敏性肺炎では好酸球増加は認めない
なかなか普段目にする機会がないと思っていたら、今は好酸球性肺炎というまとめ方なんですね。
イヤーノートでもしつこいくらいに『過敏性肺炎は含まない』ということを強調しているので、
混同してしまう人が他にも沢山いるものと思われます。
このまとめのおかげで、肺炎関係にとっかかりができて、他の肺炎の理解も進みそうです。
22位 皮膚の腫瘍
範囲が大雑把すぎる。要は有棘細胞癌と基底細胞癌と悪性黒色腫の3つです。
病名から臨床像が全くイメージできないのが皮膚科の疾患の悪いところなんですが
悪性腫瘍の疾患にも全く同じことがあてはまりますね。
写真もなんかわかりにくく、発症原因もお互いにかぶっていたりと勘弁してほしいです。
有棘細胞癌:表皮の角化細胞が悪性化して増殖したもの、頭部・顔面・四肢の露光部に好発する
発症には紫外線・慢性炎症・放射線が関与、前駆症状としてBowen、光線角化症、熱傷瘢痕、
白板症、尋常性狼瘡、色素性乾皮症などがある。
腫瘍は淡紅色で小さな結節状から腫瘤状へと増大して、やがて潰瘍や糜爛を形成する、
壊死に至ると特有の悪臭を呈するようになる、組織は角化傾向を有する異型性の有棘細胞が見られる
角化傾向が少ないほど悪性である、
治療は早期であれば外科切除、外科的切除、リンパ節転移があれば廓清、その他化学や放射線も
基底細胞癌:皮膚癌の約50%、表皮の基底細胞から発生、紫外線曝露による光老化が関与している
脂腺母斑や色素性乾皮症から生じるものもある、ヒ素、放射線も関与
顔裂線(鼻・口唇上部・頬・眼瞼下部)に好発、表面平滑で黒~黒褐色の結節、
進行すると中央部に潰瘍、組織では腫瘍細胞が蜂巣を形成してその辺縁に柵状構造を形成する
転移は非常にまれ、外科切除と放射線で根治できる
白人の基底細胞癌では色素を欠く
悪性黒色腫:メラノサイトが悪性増殖、肢端黒子型(最多)、結節型、表在拡大型、悪性黒子型、
慢性的な機械的刺激、外傷、紫外線が原因、色素性母斑、悪性黒子、色素性乾皮症が発症母地となる
辺縁不整で不均一、非対称、7mm以上、などが特徴、原発病巣の厚さで予後を判定する
5-S-CDがマーカー、色が濃いほど悪性というものではない
放射線感受性は低いので外科切除が治療の原則
思った以上に発症要因がかぶっていました。問題文の病歴だけでは絞れませんね。
きちんと画像を見る練習をしていないといけないようです。
こいつら以外のPaget病とか菌状息肉腫とかはキャラがたっててすぐに覚えられたんですけどねえ。
21位 分子標的薬
これは結構定番で、しょっちゅうどれがどれだったか分からなくなります。
一度このテーマでちゃんとまとめておきたいと思っていたところでした。ちょうど良かった。
イレッサ(ゲフィチニブ) EGFR 非小細胞肺がん
ハーセプチン(トラスツズマブ)HER2 乳がん
グリベック(イマチニブ) Bcr-Abl, KIT、消化管間質腫瘍、CML、Ph染色体陽性ALL
ネクサバール(ソラフェニブ) Raf, VEGFR-2, FLT3 腎細胞がん
アバスチン(ベバシズマブ)VEGF 大腸がん
リツキサン(リツキシマブ) CD20 B細胞リンパ腫
ゼヴァリン(イブリツモマブ) CD20 B細胞リンパ腫
試験に出るのはこのくらいでしょうか、グリベックは多才ですね。
見れば見るほど、名前は思いっきり知っているのに、何に使う薬だったか思い出せないという気になりますね。
さすがに作用機序まで律儀に覚える余裕は無いので、本番までは何度もこれを見返して暗記したいと思います。
以上25位から21位でした。皆さんの苦手な項目は入っていましたか?
後半になるほど、つまり上位になるほど、普段自分が『ああ、これいっつもあやふやなんだよねー。』と感じる
ある種の『あるあるネタ』にも近いような事柄が出てくるので、そっちはむしろ単純暗記系が多いと思います。
ここら辺の順ににランクインしているのは、逆に素で理解できていないところです。お恥ずかしい。
5項目編集するのに軽く3時間かかりました。終盤は上記の理由で多少スピードアップすると思いますが、
まだまだしっかりした説明が必要そうなやつがランクインしてくるでしょう。頑張ります。
それでは次回は20位から16位までの発表です。
20位 骨腫瘍
また極めて面倒くさいやつが…骨肉腫とEwing肉腫はいいとして、
その他の骨軟骨腫、類骨骨腫、内軟骨腫、骨巨細胞腫、軟骨肉腫の5つが問題。
キャラわけができてないってレベルじゃない、文字面を眺めても毎回さっぱりです。
骨軟骨腫:骨幹端の軟骨内骨化をおこしている部位に好発する、大腿骨下端や脛骨上端など。
10~30歳に好発する、原発性骨腫瘍の中では最多、キノコ状の骨性隆起(軟骨帽)が起きて疼痛が生じる
小児では無症状なら経過観察、疼痛が強ければ切除、成人となると成長が停止するので軟骨帽も消失する
20%程度が軟骨肉腫へと変化する
軟骨肉腫:原発性悪性腫瘍では骨肉腫に次いで多い、あらゆる年齢層に生じ、性差は無い
軟骨部に腫瘍が生じ、X線では骨髄内の透明巣に斑状石灰化を認める、骨膜反応は少ない
化学・放射線は無効なため基本は手術
内軟骨腫:骨軟骨腫に次いで多い、10~30歳、手足の短管骨の骨幹端部に生じて病的骨折をきたす
X線にて菲薄化した骨皮質と境界明瞭なすりガラス状の透瞭像が認められる
掻爬・骨移植により治療
類骨骨腫:長管骨の骨幹部、10~20代に多い、夜間痛が特徴でアスピリンが有効
腫瘍は硬化像の中心に透明巣(nidus)を持ち、nidusを含めた切除を行う
骨巨細胞腫:膝関節・橈骨の骨端~骨幹端に境界明瞭な骨吸収像、soap bubbled appearance(地図状骨破壊)
腫瘍の発育は緩徐で、患部の疼痛・腫脹・病的骨折をきたす
十分な掻爬を行い、場合によっては骨セメントで充填する
骨軟骨腫:キノコ、 軟骨肉腫:悪性、 内軟骨腫:指、 類骨骨腫:骨幹部、 骨巨細胞腫:骨端部
大体こういった感じでのキャラ付でいいと思います。意外と覚えられるかな?
ちなみに骨巨細胞腫の『巨』の文字が、上腕骨の骨端部に見えないこともないというこじつけで覚えました。
あとはそれぞれ画像をしっかり見ておくことですね。
この項目は最初から捨ててる人が多いでしょうから、ぜひ出題されることを願ってます。
19位 中耳炎
急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎の3つです。
病歴を読んで上記のうちのどれかが微妙に判断できないことがあってなんか苦手意識があります。
いい機会なのでまとめてみます。
急性中耳炎:多くは耳管経由の細菌感染による(インフル菌、肺炎球菌、黄ブ菌)
耳管機能が未発達である幼小児に好発する
発熱や鼻汁過多などの感冒症状が先行し、次いで耳痛・耳漏が出現する。
耳閉塞感と伝音難聴、耳鏡検査にて鼓膜の発赤と腫脹、
抗生物質の投与と、膿貯留があれば切開排膿、
急性期の耳管通気は細菌侵入を助長するのでやらない
滲出性中耳炎:耳管の狭窄・開放症により上咽頭の細菌が中耳腔に入り込む
基礎疾患は咽頭炎、副鼻腔炎、アデノイド増殖症、上咽頭腫瘍など、
5~6歳に好発、8歳を過ぎると激減する(耳管機能発達により軽快)
耳漏・耳痛(-)、ティンパノグラムでBあるいはC型、滲出液が貯留しており鼓膜は内陥、
耳管通気や切開排膿、鼓膜チューブ留置術にて治療する
慢性中耳炎:鼓膜穿孔、伝導難聴、粘液性耳漏が3徴、急性中耳炎からの慢性化が多い
緑膿菌感染、側頭骨気胞化不良、糖尿病などによる、肉芽腫を形成、耳痛(-)
6歳以前では乳頭蜂巣の発育抑制、A-B gap、伝音難聴が高度な場合は鼓室形成術を行う
症状だけ見るとどれも思ったとおり似てますね。耳痛の有無なんかがポイントでしょうね。
ティンパノメトリーも苦手でしたが、BまたはCが浸出性中耳炎というのを押さえておけばいいと思います。
18位 DNAウイルス
今回のランキングは圧倒的に感染症からのランクインが多いんですが、やっと1つ目が出てきましたね。
感染症はどうしても単純暗記が多くなるので、こういった機会にまとめておくことが有効だと思います。
たまに一般問題で聞かれることがありますよね、DNAウイルス。
有名なやつならいけますが、ちょっとマイナーなやつを問われると絶対迷ってしまいます。
パルボウイルス:伝染性紅斑のB19のやつ
パピローマウイルス:HPV
ヘルペスウイルス:おなじみヘルペスファミリー
へパドナウイルス:B肝だけはDNAというのは有名
ポックスウイルス:痘瘡ウイルス
ポリオーマウイルス:JCウイルス、BKウイルス
アデノウイルス:アデノウイルス
前々から、なんとか語呂を作ってやろうと思っていたのですが、
下手に何か作るよりも、上から順に『パパヘヘポポア』で覚えた方が早いです。ハ行率がやたら高いんですよね。
17位 目の検査機器
この前の模試で苦汁を飲まされた項目、というかあの模試の方が異常なのか?
傍目に見て何やってんのかよくわからない検査が多くて、検査ごとの意義を理解するのが大変です。
細隙灯顕微鏡検査:結膜・角膜・虹彩・水晶体・硝子体までを観察する
眼底検査:直像法(後極部の一部が大きく見える、普通の眼底鏡)
倒像法(広範囲の眼底が見える、でっかいレンズで拡大する)
Goldmann三面鏡:中央のミラーで硝子体を観察できる、他に隅角・網膜も観察できる
Goldman圧平眼圧検査:緑内障の観察
思ったよりも全然少なかったですね。結構検査ごとに特徴があったので、
画像をしっかりチェックしておくことが大切だと思います。
16位 関節液の性状
なんとマイナーな。いろんな疾患になった時の性状の変化があやふやになっていますが、
クエバン以外でこの項目の問題が出たところを見たことがありません。
関節リウマチにて:外見は淡黄色・混濁(WBC↑)、糖↓、蛋白↑、粘稠性↓、ムチン↓、
IgGリウマトイド複合体(+)、補体価↓
炎症性疾患では粘稠度が低下、液量は増加する
粘稠度は滑膜細胞から分泌されるヒアルロン酸によるもの
変形性膝関節症:黄色味が強くなる
手元の資料がしょぼくてあんまり詳しいところまでわかりません。
あんまり詳しいところまでやろうとするとそれはそれで大変ですが。
以上が20位から16位まででした。このペースで今日中に終わるのか!?
15位 細菌性食中毒
大物が来ました。全部は網羅ぜずに自分の苦手な部分だけをピックアップしてまとめます。
潜伏期:ブ菌とウェルシュが当日、翌日はビブリオ、サルモネラ、ボツリヌス、
2日以降はカンピロ、エルシニア、大腸菌
加熱無効:ブ菌、フグ毒、毒キノコ
毒素原性大腸菌ETEC:易熱性(コレラに類似)と耐熱性の2種類の毒素を産生、とぎ汁様下痢
腸管組織侵入性大腸菌EIEC:菌が細胞内に侵入、赤痢に類似した膿粘血便
腸管出血性大腸菌EHEC:べロ毒素が侵入して傷害、蛋白合成が阻害される、重症例で出血性大腸炎
約10%にHUS、急性脳症合併 ←発症早期の抗菌薬投与で合併症を予防可能
腸管凝集付着性大腸炎EAEC:付着や毒素産生、小児下痢症のひとつ、水溶性下痢
細菌性赤痢:国外での感染、潜伏期1~3日、全身倦怠感、急激な発熱、水様→膿粘血便、
テネスムス(病変が直腸に達すると生じる)、志賀毒素は蛋白合成を阻害、べロ毒素と類似
ニューキノロン系、整腸薬(乳酸菌を増やす)
サルモネラ:夏季に鶏卵、マヨネーズ、加熱不十分な食肉の摂食後、カメとの接触後1~3日で発症
悪心・嘔吐、緑色水様下痢、腹痛、発熱全部あり、基本的に対症療法のみ、
免疫不全者・重傷者には抗菌薬投与(ニューキノロン、ホスホマイシン)
コレラ:河口に生息、魚介類や水から経口感染、潜伏期1~3日で
突然の発熱・腹痛(-)の水溶性下痢と悪心を伴わない嘔吐、腸液喪失で代謝アシ
適切な輸液、重症例にはTC、ニューキノロン投与
腸炎ビブリオ:好塩菌、水温15℃以上で増殖、潜伏は12時間前後、激しい腹痛と水様~粘血便
食前の加熱が有効、対症療法のみで数日で自然治癒、使うならニューキノロン
カンピロバクター:食肉、生乳、ペットとの接触で感染、2~7日の潜伏
コイル状菌体のらせん運動、細菌性食中毒では最多、細胞内侵入型、発熱、腹痛、水様→粘血便
ペニシリン・セフェムに耐性、エリスロが第一、感染後にギランバレー、反応性関節炎の発症
赤痢>腸チフス>コレラ>パラチフスの順の頻度
感染毒素型:ウェルシュ、ビブリオ、コレラ、O157
感染性:赤痢、サルモネラ、カンピロ、チフス
抗菌薬と潜伏期が毎回あやふやになります。取り敢えずニューキノロンを入れとけばいのか。
食中毒の問題は病歴と所見から起因菌を考えるのが楽しいですからねえ。
しっかりと知識をため込んだ上でいろんな問題に挑戦したいものです。
14位 TORCH
また感染症か。こんだけやった以上は本番でたくさん出題されてほしいですね。
5つ疾患があって、それぞれの特徴自体は何となく理解しているんですが、
疾患ごとに重複している所見が多くて、詳しくやればやるほど混乱してしまうという蟻地獄のような項目です。
混乱しない程度にコンパクトにまとめたいです。
Toxoplasmosis トキソプラズマ:原虫が血液やリンパ液に乗って全身に運ばれるため、胎盤を介して胎児に感染する
出生直後は無症状で、数年して精神遅滞や神経症状で発見されることが多い
四主徴:①網脈絡膜炎・ブドウ膜炎
血行性に原虫が眼に移行する。 眼底検査にて黄斑部を中心に
強膜を露出した網脈絡膜炎の瘢痕萎縮として発見されることが多い。
②水頭症 ③脳石灰化 ④精神運動障害
その他、小脳症、リンパ節腫大 、肝脾腫
母体に対してマクロライド系抗生剤のスピラマイシンやサルファ剤などを投与する
Other agents:梅毒、水痘、コクサッキー、B肝など
Rubella 風疹:胎盤の形成が未熟な妊娠初期に高率に垂直感染し、
白内障・動脈管開存症・感音性難聴などの古典的三主徴を生じる
0~12週で感染すると高率にCRSを発症、12~18週なら難聴のみ、それ以降ならほぼ発症しない
出生前にはIUGRであることが多い
Cytomegalovirus サイトメガロウイルス:抗体保有率が70~80%に減少している
経胎盤感染した児の10%が巨細胞封入体症(CID)を発症する
小頭症・脳内石灰化・精神遅滞、網脈絡膜炎、感音性難聴、貧血・黄疸、肝脾腫、低出生体重
Herpes simplex 単純ヘルペス:産道感染が問題となる、潰瘍があれば帝王切開
新生児ヘルペスに対してはアシクロビルを投与
表在型:限局性の水疱、中枢神経型:脳炎による痙攣など、後遺症を残す
全身型:敗血症様症状、DIC、MOF、産道感染では全身型の発症が多い
HBV感染予防策:HBs(+)のみならローリスク、HBe(+)もあればハイリスク
出生直後のHBIG筋注と、2~5ヶ月までのワクチン皮下注、
ハイリスクでは2か月でのHBIGと抗原・抗体検査を追加する
HIV感染予防策:なにもしないと垂直感染率20~40%、
妊娠中の母体にAZT単剤またはHAART療法にてHIVの増殖を抑制する→帝王切開
出生した児にAZTのドライシロップを継続的に投与、人工栄養
これらの予防策により垂直感染率を2%以下まで低下させることができる
ちょっとまじめな感じに仕上がりました。HBVとHIVはついでに載せてみました。
ちゃんとまとめると、あんまり所見はかぶっていませんね。
CMVだけがなんかやたら症状が多くて、他のは結構区別がつきやすいです。
何事も予防と早期発見が大切ですね。気をつけましょう。
13位 ゴーシェとかニーマンピックとかあの辺
なんだこの項目。小児の代謝異常でおなじみの、まああの辺の疾患群です。
滅多に出題はされないんですが、教科書でも見た瞬間拒否反応を示すというか、
苦手意識の強いところなので、頑張ってまとめてみます。
Gaucher病:グルコセレブロシダーゼの活性低下によりグルコセレブロシド(糖脂質)をセラミドに分解できず、
肝臓、脾臓、骨などにグルコセレブロシドが蓄積してしまう疾患である。
ライソゾーム病、先天性代謝異常症に分類される。世界に約5000人、ユダヤ系に多い。
肝・脾臓の肥大、骨髄内のGaucher細胞による産生低下と脾機能亢進による貧血症状、
骨髄にゴーシェ細胞が蓄積するために、骨髄内の血流障害や骨皮質が薄くなるため、病的な骨折、骨痛、骨変形
タイプによっては神経症状が出る患者もいる、脳にゴーシェ細胞が蓄積され、けいれん、斜視、開口困難などの症状
臓器摘出・切除法、酵素補充療法、骨髄移植、生後6か月までに発症して1~2歳で死亡
Niemann-Pick病:スフィンゴミエリナーゼ欠損によりスフィンゴミエリンが蓄積
A型(乳児神経型)は生後数か月から肝脾腫、退行が進行する、こっちの方が多い、3~4歳で死亡
B型(非神経型)は神経症状がなく、小児期から肝脾腫が出現する、こっちは予後が良い
骨髄移植により肝脾腫が縮小する
Fabry病:伴劣、αガラクトシダーゼA欠損により全身にセラミドトリヘキソシドが蓄積する
発熱と四肢痛、低汗症、皮膚に被角血管腫、腎障害、心筋障害、
四肢疼痛に対してカルバマゼピン、心不全症状に対して薬物療法など
Tay-Sachs病:GM2ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシド蓄積症、常劣
生後6カ月程度で発達遅滞で発症、2歳くらいで死亡、有効な治療法はなし
錐体路症状、腱反射亢進、知能障害、痙攣、巨頭症、眼底チェリー、失明
元にしたまとメモがあまりにもコンパクトすぎて笑えました。クエバンの情報量だけで作ったらそうなるわな。
こういった単純暗記に近い項目くらいは、多少行数を取ってまとめておくべきでしたね。
必ずしも量が多ければ多いほど覚えにくいというものではなく、
情報量が多いほどイメージを湧かせやすいということもあります。
そんな理由で覚え損ねてずるずる来たのがこのランキングなんでしょうね。
12位 GCS
いよいよ後半戦!年内に間に合うかなあ…?
JCSは一発で覚えたのに、GCSは完全にさっぱりです。
毎回問題を解くたびに出るな出るなと祈りながらやっています。
働きだしたらそんなわけにもいかないので、これを機に覚えてみます。
開眼:1~4
4:自然に開眼 3:命令すると開眼 2:痛みに対して開眼 1:開眼しない
きれいにJCSと対応しています。覚えやすい
言語機能:1~5 Verbalの5と覚える
5:見当識がある 4:意味のない会話をする 3:意味のない単語を発する
2:単語にならない発語のみ 1:反応なし
運動機能:1~6 MMTも6段階だからそれとこじつけて覚える
6:命令通りにできる 5:痛み刺激部位がわかる 4:痛みに対して手足を引っ込める
3:病的屈曲(除皮質硬直)、2:伸展反応(除脳硬直)、1:反応なし
言語と運動がとにかく覚えにくいですね。JCSとの差別化を図っているので当然っちゃあ当然ですが。
実際の問題を通して練習するしかなさそうです。
11位 内視鏡的治療の適応範囲
将来的に内視鏡専門医を取得するつもりなのに何事だ!
特に食道癌の適応範囲が良くあやふやになりますね。
内視鏡的治療という観点から、消化器疾患全体をまとめます。
食道癌
絶対的適応:壁深達度m2まで、かつ周在性2/3以下のもの
相対的適応:m3~Sm1でリンパ節転移(-)のもの
食道静脈瘤
内視鏡的硬化薬注入療法EIS:予防的治療、潰瘍の合併に注意する
緊急時・非代償性肝硬変例にも施行可能
内視鏡的静脈瘤結紮術EVL:単独では再発が多いので硬化療法との併用が多い、
胃癌
①分化型腺癌、②潰瘍所見を認めない、③20mm以下、④明らかなsm所見を認めない
胃ポリープ
胃腺腫に対してEMRが勧められる
大腸癌:リンパ節転移の可能性がほとんどなく、切除可能な大きさと部位である
①MおよびSMに軽度浸潤する癌、②最大径2cm以下、③肉眼型は問わない
術後の病理標本で浸潤(+)や低分化型であれば追加切除を行う
3か所で微妙に適応範囲が違うものですね。まとめてみて良かったです。
イヤーノートのまとめ方がややコンパクトすぎて戸惑いました。普通はあんまり注目しないところなんでしょうね。
この適応範囲も、機器の進歩によってどんどん拡大していくことでしょう。
さあ11位まで終了し、ベスト10を残すだけとなりました。
年内完成は無理かと思っていましたが、残った項目を見ると意外といけそうな気になって来ましたよ。
ちょっと豪華な食事を取って、酒が入って、紅白でも観ながらまとめを作っていきます。
10位 鼠径ヘルニア
そろそろ筋金入りに苦手なやつが登場してきます。
外鼠径、内鼠径、大腿の3つです。
半端な知識のおかげで余計に混乱するという厄介な項目の一つ。半端じゃなくしてやりましょう。
外鼠径ヘルニア:男性に多く、小児>成人、鼠径ヘルニアの大部分
内鼠径輪(外鼠径窩)から入って鼠径管を通って外鼠径輪から陰嚢へ出る
小児の外鼠径ヘルニアは先天性の腹膜腱鞘突起の開存による
1歳を過ぎると自然治癒は期待できない
立位・腹圧上昇で増大する鼠径部の腫瘤、乳児期には嵌頓が多い、silk sign
下腹壁動静脈の外側に位置する、触診にて動脈をヘルニア内側に触れる
治療は小児ではヘルニア嚢の高位結紮、鼠径管補強は行わない
成人では鼠径管後壁をメッシュで補強する
内鼠径ヘルニア:男性、中年、肥満に多い、ヘルニアの1%程度
鼠径三角(内鼠径窩)から腹壁を貫通して外鼠径輪から脱出する
鼠径部の半球状腫瘤、嵌頓は稀、下腹壁動静脈の内側に位置する
外鼠径と同じく鼠径管後壁を人工メッシュで覆う
大腿ヘルニア:中年以降の経産婦に多い、鼠径ヘルニアよりも稀
右>左、片側性が多い、鼠径靭帯の下の大腿管を通り、
大腿動静脈の内側に腫瘤が出現する、内容は大網・小網が多い、
嵌頓をおこしやすく腸管壊死を合併しやすい
メッシュにて大腿輪を覆う、診断がつけば速やかに根治術
内鼠径輪(外鼠径窩)を見て思わずつっこみました。どんだけ紛らわしいネーミングなんだ。
とはいえ発症頻度を考えると外鼠径ヘルニアを重点的に押さえておいて、
該当しないやつを残りの2つで補う感じでいいと思います。
9位 球麻痺と偽性球麻痺
脳神経系は全体的に意外と大丈夫なのに、この項目だけとにかく苦手です。
球麻痺:球(bulb)とは延髄のことで、昔の解剖学者が延髄を脊髄の球状延長とみていたために残っている呼び方
下位脳神経麻痺(嚥下障害や構音障害など)を指す、下位の麻痺なので舌萎縮や線維束性収縮(+)、
下顎反射低下、咽頭・催吐反射(+)、軟口蓋反射の消失は稀、半固形物が飲み込みにくくなる
ALS、MG、PM、ポリオ、Walenberg症候群で見られる
偽性球麻痺:症状的には延髄機能障害を示唆するけれども、皮質球路(corticobulbar tract)
とくに両側内包部の障害により下位脳神経麻痺を来した状態を言う。
すなわち延髄がやられていないのに延髄がやられたのと同様の症状を呈するため仮性球麻痺と言う
舌萎縮や線維束性収縮(-)、下顎反射・咽頭催吐反射は亢進する、軟口蓋反射は消失
両側の大脳、脳幹の血管病変が原因となる、水様物が飲み込みにくくなる
思ったとおりわかりにくい…問題を解きながらイメージをつかむしかなさそうですね。
8位 細菌性髄膜炎の年齢別の起炎菌
定番ですね。何度覚えてもまた忘れる猛者の一つです。
今回は治療に使う抗菌薬まで抑えてみたいと思います。
新生児:B連菌(50%)>大腸菌(25%)>インフル菌(20%)>リステリア(重篤)
リステリアを無視できないのでアンピシリン+3世代セフェムを使用
乳幼児:インフル菌(70%)>肺炎球菌(25%)
カルバペネム+3世代セフェム
成人:肺炎球菌(65%)>インフル菌(10%)>髄膜炎菌
カルバペネム or 3世代セフェム+バンコマイシン
サイトカインの放出抑制のため、抗菌薬の投与直前・あるいは同時にステロイドを投与する。
Waterhouse-Friderichsen症候群:電撃性菌血症
髄膜炎菌による敗血症に続発する出血性副腎不全
→低Na血症、高K血症、代謝アシを伴う、ショック、DICの症状
こんなもんか…ステロイドを同時に投与するというのは初めて知りました。
7位 1歳半でできること・3歳でできること
乳児期のは大丈夫なのに、この2つはノーマークな状態が続いてずっとあやふやです。
両者とも検診を行う時期の大切な所見なので見落とさないようにしないといけませんね。
1歳6か月:上手に歩く、なぐり書き、積み木を2つ、単語が増えだす
3歳:片足立ち、3輪車、靴をはく、名前と年齢を言える、自己中心的、反抗的、箸を使う、パジャマ
3つ物を数える、○を描く、会話ができる、2語文を使いこなす
羅列するしかないような気もしますがこんなもんです。
クエバンか何かの解説に、『健常な3歳時はタラちゃんをイメージするとよい』とあったのが強烈に印象に残っています。
タラちゃんは二語文どころじゃないでしょうに。運動面では確かにそんな感じかもしれませんね。
そもそも最近あんまりサザエさんを真剣に見ないので何とも言えません。
6位 ビショップスコア
Apgerスコアとは比べ物にならないほど覚えにくいです。
書いて覚えるというよりは、よく目を通す所に置いておきたいです。
点数 0 1 2 3
子宮開大度(cm) 0 1~2 3~4 5~6
展退(%) 0~30 40~50 60~70 80~
下降度 Sp-3 SP-2 Sp-1,0 Sp+1~
内子宮口の位置 後方 中央 前方
頸部の硬度 硬 中 軟
こういうのって余所に貼った時は絶対ずれるんだろうなあ…
1点と2点のやつを重点的に覚えれば0点と3点も自然とわかるという寸法です。
『病気が見える』でまた何度か確認して、本番でもすらすらと使える知識にしておきたいです。
6位まで終わりました。2010年は残すところあと3時間ちょい、頑張れば終わるぜ!
5位 学校感染症
ベスト5にもなると定番ネタばかりです。
麻疹とかインフルエンザとか、どうなったら登校可能になるかってやつ。
8割型は覚えているのに、あとちょっとの所があやふやです。
第1種:感染症法の1.2類感染症、ただし結核は除く、いずれも治癒するまで
第2種
インフル:解熱後2日、咽頭結膜炎:主要症状消退後2日
百日咳:特有の咳消失まで、流行性耳下腺炎:耳下腺の腫脹消失まで
麻疹:解熱後3日、風疹:発疹の消失まで、水痘:全ての発疹の痂皮化
結核:感染の恐れがないと認められるまで
第3種:その他、感染の恐れがないと認められるまで
文字面を眺めると、知らないことは何一つないのに、案外本番で出てこなかったりするんですよね。
もうベスト5以上のはトイレにでも張り付けておこうか。
4位 定期予防接種と生ワクチン
また感染症か。こいつもあとちょっとの所があやふやです。
予防接種を行う1類疾患(集団予防目的、小児が対象)
結核・ポリオ・ジフテリア・百日咳・破傷風・麻疹・風疹・日本脳炎
2類疾患(個人予防目的)インフルエンザ
生ワクチン:ポリオ、麻疹風疹、結核、ムンプス、水痘、黄熱
ワクチンが生なのか不活化なのかって、全くイメージがわかないので始末が悪いですよね。
これもトイレに貼っておきましょうか。
3位 Wiskott-Aldrich症候群
単一疾患でのランクインはこれだけです。
免疫異常のくせに免疫グロブリンの中には上昇するものがあったりして手がつけられません。
他の免疫疾患は、この疾患を見直すついでに何度も目を通していたら自然に思えてしまいました。
Wiskott-Aldrich症候群:機能細胞骨格蛋白の異常によりT,B細胞の接触不良、血小板の小型化
Tの異常により加齢とともにCD8が低下、
Bの異常によりIgM低値→肺炎球菌・ジフテリア・破傷風に易感染
IgEとIgAは上昇する、掻痒感を伴う湿疹は重症例で多い
自己免疫性疾患や悪性腫瘍を合併する
IgGが低下する一方で、IgEとAが上昇するんですね。
血小板減少と免疫異常が、細胞骨格蛋白の異常という同一の原因から生じているものというのがポイントです。
なんか上位のものほどシンプルな単純暗記が多くて若干拍子抜けですね。
まあ何度やっても覚えられない項目なんてそんなもんです。
第2位 血液検査で入れておく薬剤
ヘパリン?EDTA?とにかく何度やろうが毎回あやふやなのがこの項目です。
とにかくこの一覧を普段目に着く所に置いておきたいという一心です。
EDTA採血管:血球計算用の採血管、EDTAによって凝固しない検体を作成できる
ヘパリン採血管:ガス分析、アンチトロンビンの作用を高めることで凝固しない検体を作成する
クエン酸ナトリウム採血管:血液凝固検査(PT、APTTなど)用の採血管
EDTAほどではないがCaイオンをブロックする作用があり、このほどほどにブロックするのが凝固検査用に丁度いい。
採血して試験管レベルでカルシウムイオンを添加することにより、凝固が開始される。
フッ化ナトリウム(NaF)試験管:血糖用試験管として有名。
NaFは解糖系をブロックするため、採血後にも血糖の値が低下しない。
EDTA採血管を使用すると偽性血小板減少症が生じる可能性がある
高濃度ヘパリンには血小板を凝集する作用があるので一般には血球計算用には用いられない
解説付きだと何とわかりやすいことでしょうか。改めてこのランキング作って良かったと思います。
何度でもこの文章を読み返して、着実な知識を身につけたいですね。
第1位 神経皮膚症候群
1位と2位は接戦でした。この2つをどげんかしないとという思いからこのランキングは作られました。
本当に不思議なもので、たった4つくらいの疾患なのにこんなにも混同してしまうものなんでしょうね。
あやふや具合は2位と大差ありませんが、こっちの方が出題頻度は高いということで1位になりました。おめでとう!
レクリングハウゼン病(神経線維腫症1 型)
神経堤起源細胞由来の母斑症で,神経線維腫,色素斑,多臓器の神経系腫瘍を主徴とする。
NF1 は最も頻度が高く約3,000 出生に1 例の割合で生じる
常染色体優性遺伝.生下時から多発する色素斑(カフェオレ斑),
小児期以降で出現する軟らかい腫瘤(神経線維腫)、貧血母斑などが重要.
中枢神経病変として,脳神経および脊髄神経の神経線維腫,グリア細胞腫,髄膜腫など.
痙攣発作や知能低下,学習障害などもある.脊柱側彎や胸郭の変形および骨欠損などの
骨の異常が約半数の症例でみる.眼ではLisch 結節と呼ばれる虹彩の結節を生じる.
眼窩内に神経線維腫を形成し,眼球突出を生じることがある.まれに先天性緑内障や網膜腫瘍を生じる。
クロム親和性細胞腫の合併率も一般より高い.
治療はレーザー療法や外科的切除.進行性疾患であるため,中年期以降,全身に無数の神経線維腫の
発生をみることがあるが、一般的に生命予後はよい.
神経線維腫症2 型
両側聴神経の神経鞘腫(前庭神経鞘腫)など中枢病変が主体となる.聴力障害やめまいを起こし,
腫瘍の拡大によって四肢の麻痺や知覚低下を引き起こす.弾性硬で境界が明瞭な皮下の神経鞘腫症も認める.
NF1 でみられるカフェオレ斑とは異なる褐色斑がみられることもある
5 ~ 10 万人に1 人の割合で発生する常染色体優性遺伝形式の疾患
神経線維腫症1 型
以下の所見のうち,2 つ以上を有すること.
1.5 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期前)
15 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期後)
2.2 つ以上の神経線維腫か,末梢神経内に1 つ以
上の神経線維腫
3.腋窩あるいは鼠径部の色素斑
4.眼窩内の神経線維腫
5.2 個以上のLisch 結節
6.骨の異常
7.NF-1 の家族歴
神経線維腫症2 型
以下の所見のうち,1 つ以上を有すること.
1.CT かMRI での診断で認めた両側聴神経の腫瘍
2.NF-2 の家族歴があり,本人が一側性の聴神経腫
瘍を有するか,神経線維腫,髄膜腫,神経膠腫,
神経鞘腫,若年性白内障のうち2 つを有していること.
結節性硬化症 Bourneville-Pringle〔ブルヌヴィーユ・プリングル〕母斑症
顔面の血管線維腫,知能障害,痙攣発作の3 主徴.
常染色体優性遺伝.乳児期の葉状白斑,幼児期以降に多発する鼻周辺の丘疹(血管線維腫)が特徴的.
粒起革様皮膚,爪囲線維腫〔Koenen(ケネン)腫瘍〕も重要な所見.
・顔面の血管線維腫(angiofibroma)
常色~淡紅色で,直径2 ~ 10 mm までの硬い丘疹が多発する.鼻唇溝,頬部,鼻周辺に
対称性に出現するのが特徴的である(図20.29).約90 %の症例で認められ,また特異性も高いため
本徴候をもって診断できる.生下時には認められず,多くは3 ~ 4 歳頃から初発し,年齢とともに増加する.
成長とともに皮疹が融合し,腫瘤状や局面状の病変を呈する
・粒起革様皮膚(shagreen skin)
結合織母斑の一型.粒起革とは“表面がブツブツした,なめしていない革”という意味である.
主に腰や殿部に,直径3 cm大までの硬い扁平隆起性病変が生じて融合し,唐草模様のような外観を呈する.
思春期以降明らかになってくることが多い
・葉状白斑(white leaf-shaped macules)
体幹や下腿に好発する長楕円形の色素脱失.病変部位でのメラニン産生低下によって生じる.
本徴候は約半数の症例で出現し,乳幼児期から出現するため早期発見の手がかりとして重要であるが,
正常人でもまれにみる.慎重に観察しなければ見逃されることが多いが,Wood 灯を照射すると確認しやすい.
なお,白斑の増加はない
・中枢神経症状
痙攣発作および知能障害が主となる.痙攣発作は約半数の患者でみられ,生後1 年以内に始まる.
発作型は点頭てんかん,Lennox 症候群,強直間代発作など多様である.さまざまな程度の
知能低下が認められることがある.
頭部CT で側脳室壁や基底核での結節状石灰沈着と側脳室の拡大,MRI で大脳皮質などに結節状の腫瘤
〔病理学的には星状膠細胞性過誤腫(astrocytic hamartoma)〕を認める
Sturge-Weber:顔面の単純性血管腫に脳軟膜の血管腫による神経症状および
ブドウ膜の血管病変による眼症状を合併するもの。 常染色体優性遺伝病
顔面の単純性血管腫(ポートワイン母斑) :三叉神経の第1枝に一致して片側に生じることが多い。
神経症状:脳軟膜に血管腫が生じるとてんかんを来たすほか、片麻痺を生じることもある。
緑内障:脈絡膜の血管腫によって眼圧が亢進する。
頭部CT所見:脳軟膜血管腫が高吸収域に見える。
頭蓋内石灰化像 tramline calcification
脳回に一致した石灰化によって、頭部X線およびCTにて二重曲線の陰影を見る。
やたら詳しめの所から持ってきました。この程度の分量なら大元から覚えてしまった方が早いです。
4種類とも常染色体優性であるということに初めて気付きました。
まあどの疾患も名前の通り皮膚症状と神経症状があって紛らわしいことですね。
こんだけまとめた分、人より余計に覚えて優位に立ちたいものです。
2日間あっという間でしたが、無事に25項目まとめ終えることができました。
先日まとめた『いつおぼ!』と合わせて1月以降は早速印刷して、文字通り肌身離さず持ち歩いて
穴という穴を埋め尽くしていきたいと思います。
思ったよりも大変でしたが、おかげでメリハリの利いた年末を過ごすことができました。
頑張って作った分、ちゃんと役に立ってくれることを願っています。
最終更新:2011年01月02日 10:28