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新秋ジャンル「案山子」01_vol01

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新秋ジャンル「案山子」
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:42:27.13 ID:B0cP+pZ90
  烏  「メシ~、メシメシ~、今日も畑は野菜がいっぱいですにゃ~」
案山子「……」
  烏  「おっおっ?」
案山子「……」
  烏  「誰だお前?」
案山子「……」
  烏  「あーあー」
案山子「……」
  烏  「案山子?」
案山子「……」
  烏  「おーおー」
案山子「……」
  烏  「いにしえの久延毘古の神かー」
案山子「……」
  烏  「まだ夏の盛りなのに、早稲の番は大変だなー」
案山子「……」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:43:20.18 ID:B0cP+pZ90
  烏  「しっかしその磔ポーズはないんじゃね?」
案山子「……」
  烏  「ほれ、紛らわしいじゃん。どこぞの大工のこせがれと」
案山子「……」
  烏  「あいつは神の子でお前は神かー」
案山子「……」
  烏  「どう思うよ?」
案山子「……」
  烏  「いっぺん勝負してみる?」
案山子「……」
  烏  「こっちの田んぼにはお前、あっちにはイエス、そっちには仁王とか」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「個々のブツはまともなのに一堂に会すると急にアレだな……」
案山子「……」

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:46:59.35 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お盆だねー」
案山子「……」
  烏  「魂が還ってくるもクソも、生まれ変わってりゃ意味ねーじゃーん」
案山子「……」
  烏  「極楽あたりにいった連中だけが還ってくんのかねー?」
案山子「……」
  烏  「えー? それマジ?」
案山子「……」
  烏  「阿弥陀四十八願? いやいやいや、マニフェストは読まれねーのがデフォよ?」
案山子「……」
  烏  「布教目的以外じゃ極楽から出してやんねーって阿弥陀言ってたの?」
案山子「……」
  烏  「思ったよりひでーとこだなー」
案山子「……」
  烏  「久しぶりに連絡のあった友達は学会員でしたーみたいなー?」
案山子「……」

4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:49:23.53 ID:B0cP+pZ90
  烏  「くねくねって化け物いるってゆーじゃーん?」
案山子「……」
  烏  「案山子的にはどうよ?」
案山子「……」
  烏  「あーあー、お前は絶対にくねらないイメージあるよなー」
案山子「……」
  烏  「くねくねもむなしいだけかもなー」
案山子「……」
  烏  「必死こいてくねってる最中に隣でクールに突っ立ってられちゃよー」
案山子「……」
  烏  「俺も見たことはないんだけどさー、どんな奴だろーな、実際」
案山子「……」
  烏  「きっと二コレットのCMのみたいな奴だぜー」
案山子「……」
  烏  「見てみたいよなー」
案山子「……」

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:53:18.05 ID:B0cP+pZ90
  烏  「麦って奴ぁ不遜だよなー」
案山子「……」
  烏  「連中、絶対頭下げねーじゃん?」
案山子「……」
  烏  「麦畑に神はおらんのか!!」
案山子「……」
  烏  「これだから宗教教育は必要なんだ」
案山子「……」
  烏  「お前も麦畑に行ってなんかガツンと言ってやれよ」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「そっか」
案山子「……」
  烏  「こっちが忙しいんじゃ仕方ないよな」
案山子「……」

6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 04:57:57.10 ID:B0cP+pZ90
  烏  「うひゃー、雨降ってきやがったー!」
案山子「……」
  烏  「なんか雨宿りするとこ雨宿りするとこ……」
案山子「……」
  烏  「ボロ小屋あるなー」
案山子「……」
  烏  「雨宿りには十分かー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「しゃーねーなー、いてやるよ」
案山子「……」
  烏  「いいっていいって、俺には野生のスピリットがあるからー」
案山子「……」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:01:21.22 ID:B0cP+pZ90
  烏  「七夕かー」
案山子「……」
  烏  「んー、旧ね、旧のほう」
案山子「……」
  烏  「晴れるかなー」
案山子「……」
  烏  「いや、星の恋より今日のメシだしー」
案山子「……」
  烏  「ぶっちゃけどうでもいいんだけどさー」
案山子「……」
  烏  「え? そこまでやるのお前?」
案山子「……」
  烏  「あーあー、いま下手に雨降りまくったら早稲が腐るわなー」
案山子「……」
  烏  「いろいろやってんのなー、お前って」
案山子「……」

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:04:22.61 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お」
案山子「……」
  烏  「頭に蜻蛉とまってるぞー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「飛び立ったら追っかけてみようと思ってんのに」
案山子「……」
  烏  「ちょっと飛んではまた戻りやがる」
案山子「……」
  烏  「俺ほどじゃないけど視野広そうだしなー
案山子「……」
  烏  「この野郎、まさか俺をおちょくってんのかー?」
案山子「……」

9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:08:51.85 ID:B0cP+pZ90
  烏  「俺たちゃねぐらとかじゃ集団でよー」
案山子「……」
  烏  「冬ともなりゃ千万の単位で固まるよー」
案山子「……」
  烏  「一年の情報を交換し合ったりとか、春の結婚シーズンに備えてお見合いとかしてんだけどさー」
案山子「……」
  烏  「お前らは集まんないのな」
案山子「……」
  烏  「もう何もかも知ってるから集まる必要ねーのか?」
案山子「……」
  烏  「……ひょっとして俺と話しててつまんない?」
案山子「……」
  烏  「そうか」
案山子「……」
  烏  「いい奴だなー、お前」
案山子「……」

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:13:25.36 ID:B0cP+pZ90
  烏  「なんか付いてるぞー」
案山子「……」
  烏  「うりゃ!」
案山子「……」
  烏  「蝉の抜け殻かー」
案山子「……」
  烏  「こいつらってたまーに予想外なとこにくっついてるよなー?」
案山子「……」
  烏  「しっかし誕生を神様に見守ってもらうって、贅沢な蝉だねー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「でもひと夏の命なんだよなー」
案山子「……」
  烏  「せいぜいいい恋しろよー」
案山子「……」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:18:46.73 ID:B0cP+pZ90
  烏  「今年使ってないそこの田んぼ、なんで水張ったままなのかねー?」
案山子「……」
  烏  「今日も残暑が厳しいなー」
案山子「……」
  烏  「ちょうどいいし、ちょっくら水浴びしてくるわー」
案山子「……」
  烏  「うはwwwきもちいいー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「お前は暑いときは突っ立ったままで、雨のときに濡れっぱなんだよなー」
案山子「……」
  烏  「よし、少しだけど水かけてやろう! うりゃっ!」
案山子「……」
  烏  「どうだー? 少しは涼しくなったかー?」
案山子「……」

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:21:25.17 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ちょいと失礼」
案山子「……」
  烏  「小腹が減ったときにつまむからよー」
案山子「……」
  烏  「ちょいとここに食いもん隠しとくなー?」
案山子「……」
  烏  「田んぼのついでに見張っといてくれやー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「ずっと立ちっぱなしで腹減ったら食ってもいいよー?」
案山子「……」
  烏  「俺は田んぼの蛙でもつまむからよー」
案山子「……」
  烏  「だいじょーぶー、俺には野生のバイタリティーがあるからさー」
案山子「……」


13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:25:30.34 ID:B0cP+pZ90
  烏  「この樹、巣作りにいいなー」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「将来嫁さんもらったときになー」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいやいやー」
案山子「……」
  烏  「お前は田んぼ見てろよー」
案山子「……」
  烏  「自分の家族ぐらい自分で守らせろってー」
案山子「……」
  烏  「いいっていいって」
案山子「……」
  烏  「気持ちだけもらっとくよー」
案山子「……」

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:27:07.32 ID:B0cP+pZ90
  烏  「この辺はいねーみてーだけどよー」
案山子「……」
  烏  「どっかじゃー田植えしたそばから鹿が食い荒らしに来るんだとー」
案山子「……」
  烏  「でもって案山子も春からずっと立ってるんだとー」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「あいつら一応春日の神の使いだろー?」
案山子「……」
  烏  「あと、厳島とかー」
案山子「……」
  烏  「でもお前は神様そのものだからなー」
案山子「……」
  烏  「大丈夫、もしここに来てもお前なら勝てるー」
案山子「……」

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:29:25.01 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お前も神様ってかご神像なのに、国宝とかなんねーのな」
案山子「……」
  烏  「まー人間なんかに勝手にランク付けされる神様ってのも情けねーけどさー」
案山子「……」
  烏  「あー、そういや俺も神様だったわ」
案山子「……」
  烏  「ほれ、八咫烏八咫烏」
案山子「……」
  烏  「中国じゃ太陽の中にいたこともあったっけなー」
案山子「……」
  烏  「焼け死ぬじゃん俺!!」
案山子「……」
  烏  「案山子の語源は嗅がしで、焼いた獣吊るして臭いで害獣追っ払ったともゆーわな」
案山子「……」
  烏  「あれ? ってことは俺がお前で、お前が俺……?」
案山子「……」

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:34:39.68 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お前ってさ、ひょっとして嫌われてんの?」
案山子「……」
  烏  「いやさ、いちおう神様じゃん?」
案山子「……」
  烏  「田んぼの守り神じゃん?」
案山子「……」
  烏  「そこの土手の野仏なんかさ、もう形もはっきりしねー石塊なのにお供え物いつもあるし」
案山子「……」
  烏  「あーあー、アレたまにつまんでんの内緒な? 風にも蜻蛉にも言うなよ?」
案山子「……」
  烏  「お前お供えものしてもらったことってあんの?」
案山子「……」
  烏  「アレをみんなでつまみながらみんなでわいわいやんのが神様の楽しみじゃん?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいや、俺がつまみたいだけじゃねーよ?」
案山子「……」

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:37:28.46 ID:B0cP+pZ90
  烏  「大賢は愚なるが如しってか」
案山子「……」
  烏  「お前物識りなんだってなー」
案山子「……」
  烏  「歩けないけど天下のことを知る……ってよー」
案山子「……」
  烏  「物識りだから動く必要ねーのか?」
案山子「……」
  烏  「それとも動けねーから物識りなの?」
案山子「……」
  烏  「物識りだから無口なのか?」
案山子「……」
  烏  「無口だから物識りなの?」
案山子「……」
  烏  「そういやこないだ街のほうでさ――――」
案山子「……」

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:38:43.25 ID:B0cP+pZ90
  烏  「田んぼ干からびた?」
案山子「……」
  烏  「おーおー」
案山子「……」
  烏  「からからだなー」
案山子「……」
  烏  「うわー、うわー」
案山子「……」
  烏  「田螺真っ白に燃え尽きて死んでるよー」
案山子「……」
  烏  「こんなでかいのにもったいねーなー」
案山子「……」
  烏  「でも俺、はやにえにしとく趣味ないしなー」
案山子「……」
  烏  「しかもアレ、刺した奴たいてい忘れてるしなー」
案山子「……」

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:41:50.61 ID:B0cP+pZ90
  烏  「田んぼの水抜けてんならちょっくら稲の森探検してくるわー」
案山子「……」
  烏  「空から見るだけだったしよー、いっぺん中見てみたかったんよ」
案山子「……」
  烏  「どれどれー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「ねずみが稲の茎かじってたー」
案山子「……」
  烏  「捕まえようとしたけど俺の図体じゃダメだったわー」
案山子「……」
  烏  「こいつは盲点だったなー」
案山子「……」
  烏  「よーし、俺が定期的に見回ってやるわー」
案山子「……」

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:43:23.53 ID:B0cP+pZ90
  烏  「柿はまだ固いかなー?」
案山子「……」
  烏  「どれどれー」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「ぅおおおおおぅっ!?」
案山子「……」
  烏  「びびったー」
案山子「……」
  烏  「まーた威銃(おどしづつ)かよー」
案山子「……」
  烏  「ここは鐘の音だろーがよー」
案山子「……」



※威銃
  田畑からたまに聞こえる例の爆発音。鳥獣を脅し追い払う

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:44:51.82 ID:sB1l4YhG0
勉強になるなぁ

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:46:38.80 ID:B0cP+pZ90
  烏  「仁王ってでかいよなー」
案山子「……」
  烏  「魔除けだろー?」
案山子「……」
  烏  「お前もさー、もうちょっと怖い顔してムキムキになったほうがいいんじゃね?」
案山子「……」
  烏  「むしろ田んぼに仁王!」
案山子「……」
  烏  「シュールすぎるか」
案山子「……」
  烏  「でもあいつら個室付きだしなー、意外と見かけによらず惰弱かもしれん」
案山子「……」
  烏  「そういやあのざーとらしい筋肉、見せかけっぽい気もするわww」
案山子「……」
  烏  「――お前、野ざらしでよくやるよなー」
案山子「……」

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:48:55.93 ID:B0cP+pZ90
  烏  「なんだなんだー?」
案山子「……」
  烏  「腕になに提げてんだー?」
案山子「……」
  烏  「風鈴かー」
案山子「……」
  烏  「その程度の音じゃー鳥よけにはならんなー」
案山子「……」
  烏  「っつか聞く人間もいねーじゃーん」
案山子「……」
  烏  「誰が吊ってったんだよ」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「こういうときに限って風吹かねーなー」
案山子「……」

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:50:48.73 ID:B0cP+pZ90
  烏  「冬の間は山に帰って春になったら降りてくる田の神ってさー」
案山子「……」
  烏  「んー、どっかで聞いたことあるよなー」
案山子「……」
  烏  「なんだっけなー」
案山子「……」
  烏  「あ、ペルセフォネ?」
案山子「……」
  烏  「アレは冥府だけどなー」
案山子「……」
  烏  「農作物関係の神様ってのは一緒だろ?」
案山子「……」
  烏  「お前、仏頂面だけど、実は美少女?」
案山子「……」
  烏  「まさかなー」
案山子「……」

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:53:09.00 ID:B0cP+pZ90
  烏  「同じ野生でもなー」
案山子「……」
  烏  「しょせん雑草かねー」
案山子「……」
  烏  「俺みたいな野生のインテリジェンスは望むべくもないかー」
案山子「……」
  烏  「せっかく稲に擬態して生えてたのによー」
案山子「……」
  烏  「最後の最後で頭飛び出してちゃーバレバレじゃーん?」
案山子「……」
  烏  「ちょっとあせりすぎたなー」
案山子「……」
  烏  「そこはぐっとおさえてクールにいかなきゃなー」
案山子「……」

26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:55:39.25 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お前いつも一人だよなー」
案山子「……」
  烏  「土手の野仏んとこにはさー、いっつもひま人がいるんだけどなー」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいや、お前が平気なら別にいいんだけどよ」
案山子「……」
  烏  「あれか? ひょっとして独り神ってやつか?」
案山子「……」
  烏  「宇摩志阿斯訶備比古遲神とか国之常立神みたいなー?」
案山子「……」
  烏  「誰も知らない神様の名前も知ってたしー」
案山子「……」
  烏  「お前ってひょっとして想像以上にものすごい神様なんじゃね?」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「また明日来るわー」
案山子「……」

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 05:58:47.76 ID:B0cP+pZ90
  烏  「お前の別名のさー」
案山子「……」
  烏  「やまだのそほど?」
案山子「……」
  烏  「山田の僧都?」
案山子「……」
  烏  「なんだそりゃー?」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「なんかさー」
案山子「……」
  烏  「化け猫とかの通り名みてーだなー」
案山子「……」
  烏  「でも猫じゃないよなー?」
案山子「……」

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:02:14.65 ID:B0cP+pZ90
  烏  「んあー?」
案山子「……」
  烏  「田んぼが割れてるときはさー」
案山子「……」
  烏  「田螺真っ白に干からびて全滅してたよなー?」
案山子「……」
  烏  「水張ったとたんなんかめちゃくちゃ増えてるよー」
案山子「……」
  烏  「どっから沸いて出たんだこいつらは?」
案山子「……」
  烏  「むー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「田螺うめぇwwwwww」
案山子「……」

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:05:15.28 ID:B0cP+pZ90
  烏  「おーおー」
案山子「……」
  烏  「人間のガキが真っ黒だぜー」
案山子「……」
  烏  「ははーん」
案山子「……」
  烏  「さては俺にあこがれたなー」
案山子「……」
  烏  「お前にあこがれるガキはあんましいねーなー」
案山子「……」
  烏  「まー気にすんな」
案山子「……」
  烏  「真の賢者はいつだって理解されんもんよ」
案山子「……」
  烏  「でも俺はちゃーんとわかってるからなー」
案山子「……」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:07:08.86 ID:B0cP+pZ90
  烏  「うわっ、なにそれなにそれ?」
案山子「……」
  烏  「コスプレってやつー?」
案山子「……」
  烏  「消防士?」
案山子「……」
  烏  「あー、防災週間かー」
案山子「……」
  烏  「田んぼと関係あんの?」
案山子「……」
  烏  「あーあー、神様だからかー?」
案山子「……」
  烏  「ちゃんとメインのご利益あるのに何でもかんでも頼みまくっからなー、ジャポネーゼって奴ぁ」
案山子「……」
  烏  「で、実際ご利益あんの、防災のほうは?」
案山子「……」

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:09:30.44 ID:B0cP+pZ90
  烏  「田んぼカラカラだなー」
案山子「……」
  烏  「ひびすっげーなー」
案山子「……」
  烏  「どこまで続いてんだろうなー、このひび」
案山子「……」
  烏  「なんか潜んでそうだよなー」
案山子「……」
  烏  「知ってるんだろー、お前?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいやいやー」
案山子「……」
  烏  「言わなくていいよ」
案山子「……」
  烏  「こーゆーのは知っちゃったらがっかりするもんだからなー」
案山子「……」

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:11:51.13 ID:B0cP+pZ90
  烏  「なんだー?」
案山子「……」
  烏  「あっちの畑、ビニールべたぁって張っちゃってさー」
案山子「……」
  烏  「穴も開いてねーし」
案山子「……」
  烏  「あれじゃー中の虫とか雑草の種とか蒸されて死んじゃうぞー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「ひょっとして蒸し殺してんのかね?」
案山子「……」
  烏  「もったいねー!」
案山子「……」
  烏  「俺がぜんぶ食ってやるのにー」
案山子「……」

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:14:11.26 ID:B0cP+pZ90
  烏  「でもやっぱ気になるよなー、田んぼのひび」
案山子「……」
  烏  「わかったー」
案山子「……」
  烏  「水がないあいだ田螺はひび底の異世界に潜んでるんだ」
案山子「……」
  烏  「あの中はきっと黄金楽土」
案山子「……」
  烏  「ぬぬぬ……」
案山子「……」
  烏  「どんなもんかちょっくら田螺に訊いてくるー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「やっぱ田螺うめぇwwwwww」
案山子「……」

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:17:58.77 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ねぐら近くでさ」
案山子「……」
  烏  「牛蛙うるせーのよ」
案山子「……」
  烏  「仕方ないからさー」
案山子「……」
  烏  「鳴き声マスターした」
案山子「……」
  烏  「電線の上でグェッグェッてやってたら人間がびびってやんのwww」
案山子「……」
  烏  「ここの田んぼも普通の蛙いるよなー?」
案山子「……」
  烏  「なんでも知ってるお前なら俺より物まね上手なんじゃね?」
案山子「……」
  烏  「でもやらねーか……」
案山子「……」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:20:21.45 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ちょっくら水浴びしてくるわ」
案山子「……」
  烏  「烏ほどきれい好きな鳥もいねーよ?」
案山子「……」
  烏  「あっちこっちうろちょろしてるからよー」
案山子「……」
  烏  「いつも身奇麗にしてるんだわ」
案山子「……」
  烏  「もちろん真冬でもなー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「お?」
案山子「……」
  烏  「いま水面に映ってたのって……秋か?」
案山子「……」

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:22:13.84 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ねぐらでほけーってしてたらさー」
案山子「……」
  烏  「人間がいてよー」
案山子「……」
  烏  「闇夜の烏ですよーとか言ってさー」
案山子「……」
  烏  「じーっと見上げてんの」
案山子「……」
  烏  「そりゃ神様の寝顔なんてめったに見られないレア寝顔だけどさー」
案山子「……」
  烏  「落ちつかねーからやめろっての」
案山子「……」
  烏  「お前は寝てるときも今とおんなじクール顔なんだろうなー」
案山子「……」
  烏  「俺ももっとクールに寝てみるかねー」
案山子「……」

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:23:03.71 ID:2C5/j/hhO
ひっそりとやってるのに萌えた
さる防止に保守

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:23:56.25 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ひょっとしてよー」
案山子「……」
  烏  「田んぼに立ってるから案山子なのかー?」
案山子「……」
  烏  「お前も教会に立てばイエスになるのかー?」
案山子「……」
  烏  「同じものでも場所やご利益で名前が変わるって神仏ではよくあること」
案山子「……」
  烏  「誰か試してみんもんかねー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「で」
案山子「……」
  烏  「結局のとこ、どうなのよー?」
案山子「……」

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:27:21.13 ID:B0cP+pZ90
  烏  「犬だー」
案山子「……」
  烏  「ん?」
案山子「……」
  烏  「あの匂いの嗅ぎかたは……やばい!」
案山子「……」
  烏  「逃げろ案山子ー!」
案山子「……」
  烏  「引っ掛けられるぞー!」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「なにもせず行ったなー」
案山子「……」
  烏  「これはこれでなんだかなー」
案山子「……」

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:31:58.63 ID:B0cP+pZ90
  烏  「かちん太? 映画村のー?」
案山子「……」
  烏  「妹と似てねーよなー」
案山子「……」
  烏  「俺の家族ー?」
案山子「……」
  烏  「川向こうで縄張り張って元気にやってるぜー」
案山子「……」
  烏  「そういやお前の家族の話ってぜんぜん聞かねーなー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「いや」
案山子「……」
  烏  「誰しも話したくないことはあるもんさー」
案山子「……」

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:33:52.98 ID:B0cP+pZ90
  烏  「あー」
案山子「……」
  烏  「雲発生ー」
案山子「……」
  烏  「日本晴れだったのになー」
案山子「……」
  烏  「なんもないとなんか生みたくなるのかねー、空も」
案山子「……」
  烏  「俺も来年は彼女つくって子供もつくるよー」
案山子「……」
  烏  「お前はどうよー?」
案山子「……」
  烏  「……そっか」
案山子「……」
  烏  「田んぼの実りがお前の子供か……」
案山子「……」

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:36:41.60 ID:B0cP+pZ90
  烏  「某神話によりますとー」
案山子「……」
  烏  「太陽は黒点が気になって気になって洗い流そうとして」
案山子「……」
  烏  「毎日のように夕暮れになると海に潜ってるんだそうでー」
案山子「……」
  烏  「その禊で毎日のように生まれてるのが俺たちなんだとー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「ごめーん」
案山子「……」
  烏  「俺、嘘ついたー」
案山子「……」
  烏  「やっぱ物識りのお前はだませんわー」
案山子「……」

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:39:16.66 ID:B0cP+pZ90
  烏  「案山子祭りってあるんだってなー」
案山子「……」
  烏  「いろんな案山子作ってさー」
案山子「……」
  烏  「お前は参加してみたくねーの?」
案山子「……」
  烏  「あー、あれかー」
案山子「……」
  烏  「宝物庫で甲羅祭られるより泥田の中はいずってたいタイプかー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやw」
案山子「……」
  烏  「結構いけると思うよ、お前なら」
案山子「……」

45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:41:42.48 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ふーむ」
案山子「……」
  烏  「こっちは鳴子かー」
案山子「……」
  烏  「引っ張る奴ぁ……今はお留守かー」
案山子「……」
  烏  「しゃーねーなー」
案山子「……」
  烏  「鳴らなきゃ鳥よけにならねーじゃーん」
案山子「……」
  烏  「ちょっくら鳴らしてくるわー」
案山子「……」
  烏  「うはwww鳴る鳴るー」
案山子「……」
  烏  「おもすれーwwwこれ、くせになりそうwwwwww」
案山子「……」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:44:47.31 ID:B0cP+pZ90
  烏  「あれ?」
案山子「……」
  烏  「今までお前のこと田の神だと思ってたけどさー」
案山子「……」
  烏  「ひょっとして別物?」
案山子「……」
  烏  「お前はもともと路傍の物識りさんだしー」
案山子「……」
  烏  「それが何でこんな肉体労働やってんだー?」
案山子「……」
  烏  「ひょっとしてアレか、ポルポトか? インテリを無理やり下放した?」
案山子「……」
  烏  「インテリってどこでも嫌われるよなー」
案山子「……」
  烏  「俺も鳥の中じゃかなり賢いからさー、嫌われるんだよなー」
案山子「……」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:47:28.24 ID:B0cP+pZ90
  烏  「それとも逆?」
案山子「……」
  烏  「路傍の物識りさんが田の神と一緒くたにされたんじゃなくて」
案山子「……」
  烏  「田の神が路傍の物識りさんにされた?」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「まあいいかー」
案山子「……」
  烏  「その辺の信仰だの経緯だのなんていい加減なもんだしなー」
案山子「……」
  烏  「どっちにしてもお前が俺のベストフレンドってのは変わんないさー」
案山子「……」

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:50:04.21 ID:B0cP+pZ90
  烏  「蝉、鳴かなくなったなー」
案山子「……」
  烏  「鳴いてるだけっぽいくせして食ってみようとしたら逃げるの素早いんよ、あいつら」
案山子「……」
  烏  「ひと夏の恋は実ったのかねー?」
案山子「……」
  烏  「いや、俺のことは訊くな」
案山子「……」
  烏  「お前さ、毎年毎年、夏の終わりの蝉の恋と秋の虫の恋、じーっと聴いてるわけだけど」
案山子「……」
  烏  「恋してみたいなーとか思ったことない?」
案山子「……」
  烏  「あー」
案山子「……」
  烏  「いや、いいよいいよ、うん」
案山子「……」

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:51:58.27 ID:B0cP+pZ90
  烏  「ん?」
案山子「……」
  烏  「あれ?」
案山子「……」
  烏  「なんかさー」
案山子「……」
  烏  「空気の色、変わった?」
案山子「……」
  烏  「変わったよね?」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「変わったよー」
案山子「……」
  烏  「ようやく本格的な秋が来たんだなー」
案山子「……」

50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:54:40.23 ID:B0cP+pZ90
  烏  「おーおー」
案山子「……」
  烏  「今年も豊作やねー」
案山子「……」
  烏  「雀はいいよなー」
案山子「……」
  烏  「ちっちゃいから小器用に稲穂に止まってついばめるじゃーん?」
案山子「……」
  烏  「こちとら図体でかいしよー」
案山子「……」
  烏  「早く刈り入れおわんねーかなー」
案山子「……」
  烏  「そしたらみんなでなんかつつきに来るわ」
案山子「……」
  烏  「そいじゃなー」
案山子「……」

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:57:47.91 ID:B0cP+pZ90
女「神に実体はなく田んぼに立ってる案山子は依り代にすぎんわけでしょ~?」
男「ぶっちゃけな」
女「じゃあもっと強そうな依り代考えて日本の食の安全を守ろうぜ!」
男「はぁ?」
女「案山子の新ジャンルを考えてみようってことよ」
男「ビールだか萌えキャラだかみたいに」
女「その萌えキャラ……特にクール系を試してみようと思う」
男「ああ、案山子って一応クールに突っ立ってるしねー」
女「っていうかあいつら全然クールじゃないし、久延毘古の神に仕えるクール教大神官として
  奴らの性根を叩き直そうと思う所存」
男「……なんか私怨混じってないか? それとそんな宗教しらねー」

52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 06:59:51.24 ID:B0cP+pZ90
女「というわけで【タイプ:学習型クール】をつれてきたよ」
男「どんなものでもクールにラーニングするタイプの人か」


学「……」

女「うん。いい具合にぼろをまとって無表情の奥にも叡智を感じる田園の賢者になってる」
男「まあ人間がずっと立ってられりゃそれに越したはないんだけどさ」
女「じゃあ最終テストとしゃれ込もうか」

   ぬちゃっ

男「……なに、その名状しがたい生命体?」
女「本物の案山子は誰も知らなかった少彦名の神の名前知ってたしね」
男「これはどう見ても少彦名命じゃねぇだろ」
女「伊邪那岐だか天照だか、まーなんか偉そうな神様がなんかの折に禊したときにうっかり生まれちゃった
  なんだかよくわかんない神様~」
男「確かにあの人たちは禊のたびに無節操にいろいろ生んでるけどさ!」
女「記紀にも載ってないし、コレ、何かわかんないんだよね」
男「むしろお前がそれをどっから調達してきたのかが激しく気になる」
女「農耕民族は稲作のためならなんだってやりますにゃ~。はーい、これなーんだ?」
学「……」



女「知らなかったか……あと一歩のところで……残念無念珍念」
男「それはそうとコレ、どうすんのよ?」
神「……」 (ぬちゃっ……べちゃっ……ぼこっ)
女「んあー? 収穫後に藁屑と一緒に田んぼに鋤き込んどきゃいいんじゃないのー?」
男「ママン! 怖いよ、この農耕民族!!」

53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:01:37.69 ID:B0cP+pZ90
  烏  「うほっ! キラキラテープ! 今年もキラキラテープキタコレ!」
案山子「……」
  烏  「案山子的にはどーよ?」
案山子「……」
  烏  「役目はおんなじだしよー」
案山子「……」
  烏  「形は違うけどこいつも田の神なんかねー?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいや、こいつは少彦名の名前なんかしらねーだろーwww」
案山子「……」
  烏  「まあ……天使だって昔はけったいな形してたらしいしよー」
案山子「……」
  烏  「でもテープはお前より新しいじゃん?」
案山子「……」
  烏  「マジ気になるよなー」
案山子「……」

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:04:09.33 ID:B0cP+pZ90
女「はーい、クール系第二弾~【タイプ:対人恐怖素直クール】どうぞ~」
男「人見知り激しいのによくつれてこられ――いや、あえて訊くまい」
女「人を見ると逃げるってことは、動けないよう案山子として固定すれば
  その反発力で稲泥棒や害鳥の方が近寄れない、ということ!」
男「おまえ、対人恐怖の意味わかってる?」
女「大丈夫。ゆで理論に従えば――」
男「確かにゆで理論の世界ならその理屈でも納得できるけどさー」
女「やってみて無理だったら捨てときゃいいじゃん。
  人間のすばらしいとこはどんな英傑でも結局は代替が効くってとこなんだからさ」
男「マジ農耕の鬼だなお前」

55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:06:16.41 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:アホの子クール/ドジクール/抜けクール】は物識りの神である案山子にあわないからカット」
男「無能無用の材ゆえに狂気の農耕民族に刈られることなく大樹となりえたか……」
女「【タイプ:甘えクール】でGO!」


甘「パラソルを立ててくれない? ほら、案山子が倒れて捨て案山子になるのは収穫後でしょ?
  いま熱中症で倒れられたら困るのはそっちじゃないのかな?」

甘「退屈だねー。話し相手ぐらい呼んでもらえないかなー。数が多いほうが鳥よけも効果あるだろ」

甘「立ちっぱなしはないでしょ。ちゃんとした栄養補給と休養がないとね。スポーツ生理学の応用だよ」




女「甘ったれたことばっか抜かしてんじゃねぇ――――――――ッ!」
男「でも言ってることはきわめて冷静な判断だよ」
女「コイ! だめだ!! 甘えクールはあてにならねぇ!!」
男「おまえいつからジャンボになったよ? それに俺はよつばのとーちゃんじゃねえ」

56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:08:36.56 ID:B0cP+pZ90
  烏  「鷹か?」
案山子「……」
  烏  「いや、どこぞの田んぼでさー、鷹のおもちゃつらさげてたんよー」
案山子「……」
  烏  「風でゆらゆらしてるからさー、ひょっとしてお前より利くんじゃないかなーって」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」
  烏  「でもさー」
案山子「……」
  烏  「お前ほど物識りそうにゃ見えんかったなー」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやー、お世辞じゃねーよ?」
案山子「……」


57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:09:32.77 ID:UYtfJ0C60
てめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:11:12.34 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:優しいクール】は雀を追い払うのをためらう恐れがあるからあらかじめ始末しておいた」
男(この農耕民族、今さらっととんでもないことぬかさなかったか?)
女「案山子には秋を秋とする風流の精神も重要! ってなわけで【タイプ:ザルクール(風情クール)】」
男「まあ稲筵を愛でつつのんびり立っててくれそうではあるけど」




女「アルコールの利尿作用をなめてたな……」
男「日中の立ち仕事は脱水症状的に無理があったか」

59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:14:12.70 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:暗記クール】は【タイプ:学習型クール】とかぶるからまとめて邪教の館に放り込んどいた」
男「お前の人脈の広さには恐れ入るばかりだよ」
女「ここで【タイプ:犬クール】を試してみるのもまた一つの解」
男「犬……いや、番犬という意味じゃ案外いいかもな」


犬「……」
烏「……」 (つんつん)
犬「……」


男「か……烏に毛つつかれとる……」
女「雀は雀で田んぼに群がり放題だし」
男「それでも犬はクールだな……超然とした面持ちで秋の虚空を見上げてやがる」
女「鳴かない鶏は絞められ、逐わない犬は煮られる……かわいそうだがそれがルールだ」
男「容赦ないなこの農耕民族」

60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:15:56.98 ID:B0cP+pZ90
  烏  「実ってるなー」
案山子「……」
  烏  「稲刈り泥棒来た?」
案山子「……」
  烏  「いや、俺も夜はねぐらに帰らなきゃいかんから田んぼの見張りはできんし」
案山子「……」
  烏  「……よく垂れてるなこいつら」
案山子「……」
  烏  「ふーむ、田の神のお前に遠慮してんのかねー?」
案山子「……」
  烏  「ちょっと頭とまるぞー」
案山子「……」
  烏  「稲魂ども、図が高ーい!」
案山子「……」
  烏  「うはwwwこれ面白wwwwww」
案山子「……」

61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:18:30.18 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:かぶりものクール】いってみよう!」
男「たしかに案山子に近いような気はしないでもないわな」



被「……」

男「頭に案山子かぶってたらさ……」
女「ピグマン子爵思い出した」
男「おまえ年いくつだよ」
女「たしかに案山子は案山子やってるけど、被ってる本体は涼しい顔で日常生活してるよ」
男「あれじゃダメだな」
女「ちょっくら言ってくる」



被「…………」

男「まさか稲田のかぶりものを追加してくるとは予想GAI!」
女「害鳥のかぶりものかぶせて害鳥駆除祈願神事のときに神矢で射殺すからいいよ」
男「いや、殺しちゃダメだろ」
女「あ、殺される前にかぶりものの自重で自沈した」

62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:20:56.34 ID:B0cP+pZ90
女「案山子は田んぼでじっと我慢の子ォ! 【タイプ:我慢クール】発進!!」
男「これは期待」


我「………………」


男「我慢してる! 雀についばまれようと稲刈り泥棒に邪魔だと蹴倒されようと、
  古き良き大和撫子の如く涼しい顔でじっと耐えてるよ!!」
女「厨子王呼んで来い。竹鋸で千回かけて挽き殺し畑にばら撒いて肥料にしてやる」
男「落ち着けよ、動物性肥料至上主義者」

63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:22:17.11 ID:B0cP+pZ90
  烏  「月かー」
案山子「……」
  烏  「アレも神様だよなー」
案山子「……」
  烏  「うん、月読月読ー」
案山子「……」
  烏  「のくせして刈田泥棒瓜盗人は夜中にやりたい放題じゃーん?」
案山子「……」
  烏  「そのくせ名月だ名月だってありがたがってさー」
案山子「……」
  烏  「同じ時期に一日中頑張ってるお前に失礼だよなー」
案山子「……」
  烏  「夜だけ顔出す引きこもりのくせによー」
案山子「……」
  烏  「雨で見えなきゃそれはそれで雨名月で風情ありって何様だよなー?」
案山子「……」

64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:25:42.35 ID:B0cP+pZ90
  烏  「野菜が一面に実ってんのに、収穫もせず腐らせるがまま、雑草だらけってのあるじゃーん?」
案山子「……」
  烏  「あれって何のために植えたんだろーなー」
案山子「……」
  烏  「もったいないから食いに行ってやってるけどさー」
案山子「……」
  烏  「ひとりじゃ食い切れねーよ」
案山子「……」
  烏  「お前にいてもらってるってことは、ここはちゃんと収穫する気なんだろーなー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「あー、うん、ごめん……」
案山子「……」
  烏  「大丈夫だってー、いざとなったら山のみんなで食いにきてやるからよー」
案山子「……」

65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:27:52.88 ID:B0cP+pZ90
  烏  「おーぅ」
案山子「……」
  烏  「目の玉太郎じゃーん」
案山子「……」
  烏  「これってホントに効くのかよー?」
案山子「……」
  烏  「うりゃ!」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「やべっ、穴開いたwwww」
案山子「……」
  烏  「内緒な、内緒な?」
案山子「……」
  烏  「お前は口堅いからこーゆーとき頼もしーよなー」
案山子「……」

66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:32:35.55 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:顔だけクール】……」
男「ああ……案山子の如く、超然とした表情で……」
女「熱中症でぶっ倒れて烏につつかれてる……」

67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:34:36.77 ID:B0cP+pZ90
  烏  「うぉう! 雷っ!」
案山子「……」
  烏  「やべーやべー」
案山子「……」
  烏  「この辺で一番突っ立ってんの、おまえじゃーん」
案山子「……」
  烏  「いや、そこの栴檀か?」
案山子「……」
  烏  「待て待て、鳴るも神ならお前も神だよなー?」
案山子「……」
  烏  「よーし、俺はお前を信じるぞー」
案山子「……」
  烏  「とりあえず夜まではここにいてやるー」
案山子「……」
  烏  「自分を信じろー、お前なら勝てるー」
案山子「……」

68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:36:50.94 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:クール幽霊】はやる気は満々だけど実際のとこ使えやしないんで祓っといた」
男「もういいよそれで」
女「【タイプ:気だるげクール】もあまりの使えなさにむかついたから
  水汲みに往復四時間かかるとこに捨てといた。あの世界じゃ気だるげなままだと死ぬね」
男「お前すごい権力持ってるよな」
女「【タイプ:高速クール】なら雀を上回る速度で対応可能だと思った。豊かな実りを守れると思った」
男「速いだけで飛べねーだろ、高速クールは」
女「稲穂にとまった雀には対応できるけど、高速の風圧とステップで田んぼが荒れた」
男「だろうね」
女「無駄に動きは速いからね。すっ転ばしてやったらありえない大怪我しやがったよ。アヒャヒャヒャヒャ」
男「ねぇ、なんで役に立たないクールをいちいち始末するの? ほっときゃいいじゃん」
女「え? わたし、案山子以外のクールって大っ嫌いだしさぁ! 
  案山子になりきれなかったクールはみんな死ねばいいと思うよ^^」
男「……この新ジャンル模索は……修羅の道だ……」

69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:38:51.05 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:エイプリルクール】のホラ力にすべてを託そう!」
男「田んぼの真ん中で嘘を叫んでどうなるんだよ」



嘘「せっかく立ってたのに昨日は雀こなかったよ」

男(隠しビデオには何も映ってないんだけど……こいつも含めて!)
女(嘘つきに重要な仕事は任せられないなぁ、やっぱ)

70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:40:21.10 ID:B0cP+pZ90
  烏  「あー」
案山子「……」
  烏  「もう今日も終わりかー」
案山子「……」
  烏  「また明日なー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「きれーな稲穂だなー」
案山子「……」
  烏  「んー?」
案山子「……」
  烏  「お前、なんか微妙に愛くるしくね?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいやいやー、夕日は嘘つかねーよ」
案山子「……」

71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:43:06.14 ID:B0cP+pZ90
  烏  「おー、かまきりじゃーん」
案山子「……」
  烏  「神様相手に威勢いいなー」
案山子「……」
  烏  「どーれ、一つ神罰を与えてやりましょうかにゃー」
案山子「……」
  烏  「えー?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいやいやー、俺に喧嘩売ってんでしょー、これは」
案山子「……」
  烏  「えー?」
案山子「……」
  烏  「ならいいけどさー」
案山子「……」
  烏  「お前もいい加減アレだよなー」
案山子「……」

72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:45:42.15 ID:B0cP+pZ90
  烏  「夏の短夜、秋の夜長かー」
案山子「……」
  烏  「星落つ秋風五丈原、丞相病あつかりき……」
案山子「……」
  烏  「いや、星はきれいだから退屈はしないかー?」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「あー」
案山子「……」
  烏  「お前、田んぼしか見てねーもんな」
案山子「……」
  烏  「真上だけとか見えねーもんなー」
案山子「……」
  烏  「んー」
案山子「……」

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:47:07.22 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:大袈裟クール/デマクール】も【タイプ:エイプリルクール】と同じ理由で却下」
男「報告を大げさにされても正確な被害等が把握できないしね」
女「VIPの新ジャンル厨どもが無用にクールを粗製濫造してくれたおかげで弾はまだ十分! いくよ!」
男「そんな言い方はないだろ」
女「【タイプ:オタクール】!」
男「また濃厚なやつを持ってきたな、この農耕民族さんは」



女「案山子と農耕儀礼についての薀蓄を語ってくれるのはいいんだけどねぇ」
男「さすがオタク、すごい知識だったなぁ」
女「物識りでありクール……」
男「案山子そのものじゃん。アレでいけば?」
女「でもオタクだけあって知識が一分野に偏りすぎてて汎用性がない……あれは真の物識りじゃない」
男「いろいろこだわりがあるんだな、お前も」
女「おまけに案山子知識・案山子グッズ・案山子イベントを求めてほっつき歩くから……」
男「『田んぼでじっとしてる』っていう案山子最大の属性が欠けてたか……難しいなぁ」

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:48:45.38 ID:B0cP+pZ90
  烏  「今日も今日とてクールに突っ立ってるねー」
案山子「……」
  烏  「おまえ、クール教の神様かー?」
案山子「……」
  烏  「俺かー? 俺はサッカーの神様ー」
案山子「……」
  烏  「マスコット?」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいやいやー」
案山子「……」
  烏  「俺、神様よー?」
案山子「……」
  烏  「下手すりゃ太陽神よー?」
案山子「……」
  烏  「だからサッカーの神様よー」
案山子「……」

75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:50:19.01 ID:B0cP+pZ90
  烏  「そーいやクール教ってなんだー?」
案山子「……」
  烏  「そもそも布教してるのか?」
案山子「……」
  烏  「桃李もの言わざれど、下、自ずと蹊を成すってか?」
案山子「……」
  烏  「でも今は宣伝の時代だぜー?」
案山子「……」
  烏  「物識りの神様なんだからそこんとこもっと宣伝すりゃーいいのによー」
案山子「……」
  烏  「でもまーホントにクールな奴はそんなことしねーわなー」
案山子「……」
  烏  「うーん」
案山子「……」
  烏  「やっぱお前はクールな神様だなー」
案山子「……」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:52:11.12 ID:B0cP+pZ90
  烏  「うぉうっ!?」
案山子「……」
  烏  「爆発した? いまなんか爆発しなかった!?」
案山子「……」
  烏  「あーあー」
案山子「……」
  烏  「また威銃か!」
案山子「……」
  烏  「びびったなー、もぉー」
案山子「……」
  烏  「俺みたいな善良かつ大胆に生きてる神様脅かすなよー」
案山子「……」
  烏  「あんなもん鳴らすってこたー、お前ひょっとして信用されてねーの?」
案山子「……」
  烏  「いや……そんなことないってー」
案山子「……」

77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:54:52.57 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:崖っぷちクール】というこの選択!」
男「もはや何がどうなるのか見当もつかねぇよ」


崖「案山子? いいよ。
  稲が食い荒らされて食い荒らされて、来年の種籾確保ぎりぎりになったとき……

    わ  た  し  が  立  と  う  !  」


男「なんかかっこいいけどそれじゃ遅いんだよ!」
女「あいつは田の神を山に送り返す儀式のときに生贄にしろ。生かしておかんでもいい」

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:56:22.71 ID:B0cP+pZ90
女「神をその身に宿すには尋常の器では無理だ! というわけで【タイプ:サイコクール】!」
男「超能力者ときましたか!」
女「超能力で収穫直前の台風直撃だって何とかしてくれるよ!」


サ「ふふっ。久延毘古の神か……わたしの中で消滅したよ。いや、直前にどこかに逃げたかな?」


男「……だそうですけど? 依り代になりませんが?」
女「物語がこれ以上厨バトル漫画化する前に次いこうか」

79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 07:58:49.49 ID:B0cP+pZ90
女「【タイプ:敬語わがままクール】は言葉面からして嫌な予感がぷんぷんするんで
  肥溜めに突き落としてふたしてきた」
男「ねぇ、なんでお前ってそこまでやりたい放題なの?」
女「日本の食卓のためだよー。次は【タイプ:クルクール】」
男「回ってるものを冷静に観察するのが好きなアレか」



女「ダメだ! 台風は大喜びで見上げてるだけだし、稲田にミステリーサークル勝手に作りやがった!」
男「うっわー、想像以上に使えねぇ~」
女「脱穀水車にくくりつけて回しとけッ!」

80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 08:00:19.99 ID:B0cP+pZ90
  烏  「蝉だ」
案山子「……」
  烏  「もう死んでるかなー?」
案山子「……」
  烏  「つつきゃまだ恋歌の一つも歌うかもなー」
案山子「……」
  烏  「……」
案山子「……」
  烏  「やらねーよ、別に」
案山子「……」
  烏  「そだねー」
案山子「……」
  烏  「いよいよ秋だなー」
案山子「……」
  烏  「空、なんか遠いなー」
案山子「……」

81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 08:03:04.12 ID:B0cP+pZ90
  烏  「なんか光もん拾ったー」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいや、拾ったんだってばさー」
案山子「……」
  烏  「メダルってのかー?」
案山子「……」
  烏  「なんかすごい奴の首にかけるもん」
案山子「……」
  烏  「よし、お前にやろう!」
案山子「……」
  烏  「いやいやいやいや、お前頑張ってるじゃーん」
案山子「……」
  烏  「なんかすごい奴の首にかけるもんなんだしさー」
案山子「……」
  烏  「おー、似合う似合うー」
案山子「……」

82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/08/18(土) 08:03:15.64 ID:UYtfJ0C60
支援支援っと
しかしどこへ向かっているんだこのスレww



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