アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「女地蔵」01_vol01
最終更新:
new_jack
-
view
新ジャンル「女地蔵」
PREV :
NEXT : 新ジャンル「女地蔵」01_vol02
- 1 はじまりはじまり 2007/11/19(月) 22:31:19.66 ID:+Z1ACzjQ0
-
昔々――というわけではないけども、
あるところに「これ、ミロのビーナスちゃうん」という感じの
それはそれは立派なお地蔵様があったそうな
そんなお地蔵様を近くに住む人々は、親しみを込めて
『女地蔵』と呼んだそうな…… - 2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/11/19(月) 22:32:34.53 ID:dGk+Kq4HO
-
期待
- 4 まずは定番 2007/11/19(月) 22:34:03.54 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「おや、こんな所にミロのビ…… じゃなかったお地蔵様が」
男「こんな雪の中寒いだろう」
男「よし、俺の帽子を貸してやろう。これで少しは寒さが防げるだろう」
地(せめて、服をよこせよ……) - 5 素朴な質問 2007/11/19(月) 22:38:53.91 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「しかしこれだけじゃまだ寒そうだな」
男「そうだ! 俺の上着を貸してあげよう」
男「よし! これで寒くないぞ~」
その夜
男「戸を叩く音がする…… 誰か来た? はーい、今出ます!」
男「あれ? 誰も居ないぞ…… これは、手紙?」
手紙「お前、頭は大丈夫か? 女地蔵より」 - 6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/11/19(月) 22:39:38.32 ID:7+lj4iZmO
-
わくてか
- 8 お手紙ありがとう 2007/11/19(月) 22:43:43.07 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「昨日は手紙ありがとう」
男「俺、友達居ないから、正直嬉しいよ」
男「よかったら、また手紙くれると嬉しいな……」
その夜
手紙「もう一度自分がしていることをよく考えてみろ。見てて、痛々しいぞ 女地蔵より」 - 11 おしるこ 2007/11/19(月) 22:50:26.10 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「今日は寒いね」
男「はい、これお供え物のおしるこ」
男「これで気分だけでも、温まってね」
その夜
男「また戸を叩く音が…… はーい!」
男「いつもの手紙…… それとこれはおしるこの…… 空き缶?」
手紙「ちゃんと分別するように 女地蔵より」 - 12 大理石 2007/11/19(月) 22:56:00.45 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「綺麗な肌してるね」
男「すごく真っ白で、とてもこの世のものとは思えないよ」
男「あぁそっか、君は石像だったね。ごめん、すっかり忘れてたよ……」
その夜
手紙「汚い手で触るな、美術品なんだぞ 女地蔵より」 - 13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/11/19(月) 23:00:00.40 ID:wRMfYFIOO
-
ツンデレ地蔵ハァハァ
- 14 お賽銭 2007/11/19(月) 23:09:00.45 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「へぇ、お賽銭を置いてく人も居るんだ」
男「けど小銭ばかりだね」
男「そうだ。せっかくだから両替してあげるよ」
その夜
手紙「このお金で自販機でジュース買って来い 女地蔵より」 - 15 動かない石造 2007/11/19(月) 23:18:35.49 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「今日も良い天気だね」
男「こんなに良い天気だと、フラフラと散歩に出かけたくなるよ」
男「そうそう、向こうの畑のあたりでね、大きな蛙を……」
その夜
手紙「嫌味か? 女地蔵より」 - 16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/11/19(月) 23:22:44.10 ID:7+lj4iZmO
-
なんか好きこれ
- 17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/11/19(月) 23:23:43.66 ID:sWhcbqUK0
-
女「何故に家に帰ったら地蔵がこたつにみかんしてるんだ……」
地蔵「56億7千万年の暇つぶしに来てやったんだ
ありがたく思え」
女「っていうか、それ今日無くした私のマフラーじゃん!
何でアンタがさも当然のように首に巻いてるのさ!?」
地蔵「知れた事を
今朝急な寒波に震えてた私に寄こしてくれただろ」
女「落したところにお前が居たのか
どうせなら河の藻屑にでもなれば良かったのに」
地蔵「という訳で恩返しに来ました
しばらくやっかいになるんでヨロシク」 - 20 私のお墓の前で泣かないでください 2007/11/19(月) 23:31:53.15 ID:+Z1ACzjQ0
-
おばさん「うぅ…… よしこちゃん……」
おじさん「泣くな、おまえ……」
男(そっか。なんだかんだで彼女はお地蔵様なんだよな……)
その夜
手紙「あの勘違いババアに、てめえの娘の地蔵は隣町だと言っておいてくれ 女地蔵より」 - 21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/11/19(月) 23:34:31.34 ID:sWhcbqUK0
-
女「何が悲しくて地蔵と一夜過ごさにゃならんのか」
地蔵「釈迦がくたばってから弥勒が来るまでの暇つぶしだから
空気みたいに思ってくれておk」
女「恩返しとか言ってなかったっけ?」
地蔵「死んだとき極楽に連れて行ってやるから、それで我慢しろよー」
女「お前、曲がりなりにも地蔵だろうが
地獄に落ちた衆生を救ってくれるんじゃないの」
地蔵「垂迹説だと閻魔も兼ねるんで、そこんところはアバウトなのよー」
女「いい加減だな、本当に」 - 22 死んでも体に悪い 2007/11/19(月) 23:39:42.24 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「はい、お供え物のお団子だよ」
男「ふふふ、喜んでくれると良いなぁ……」
その夜
手紙「もっとこう、ハンバーガーとか食べたい 女地蔵より」 - 23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/11/19(月) 23:43:27.84 ID:T2yb0qlJ0
-
ハイカラwwwwwwwwwww
- 24 ゴミはゴミ箱へ 2007/11/19(月) 23:45:29.54 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「あれ? 女地蔵の前に本が置いてある」
男「誰かが捨てるの面倒で置いていったな」
男「まったく、なんて奴らだ。処分する人の気持ちも考えろよな」
その夜
手紙「まだ読んでる途中だったんだが。とりあえず、読む奴のペースも考えろ 女地蔵より」 - 25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/11/19(月) 23:47:46.43 ID:sWhcbqUK0
-
地蔵「何、これ」
女「飯だよ、飯!
お前が腹減ったとか抜かすから、作ってやったんだよ!」
地蔵「お湯沸かして三分、を作ったとは恐れ入る
それに地蔵に供えるならお菓子類だろ、常識的に考えて」
女「地蔵がコタツでテレビでスマスマ見て、なお常識を持ち出す気?」
地蔵「まあいいや、とりあえず腹減ったって泣いてる子どもに分けてくるか」
女「え? 子どもに分けるつもりだったのかって消えた……」
地蔵「くそっ」
女「そして、幾ばくもなく現れた!」
地蔵「昨日この美顔に小便垂れやがったクソガキだった!
3発ほどぶん殴ってやったから鬱憤は晴れたけど」
女「お前、本当に地蔵菩薩なのか?」 - 27 読経 2007/11/19(月) 23:54:18.83 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「昨日はごめんね、君が読んでるとは思わなくて」
男「というわけで、今日は僕が読んであげるね」
男「我輩は。猫である名前は、まだ無いどこで生まれ、たか……」
その夜
手紙「墓の坊主に話し通しといたから、読経習って読む練習しろ 女地蔵より」 - 28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2007/11/19(月) 23:57:34.92 ID:sWhcbqUK0
-
地蔵「今思ったんだけど、女地蔵でアンタは女」
女「だからどうした」
地蔵「……百合展開?」
女「石塊相手に百合る位なら六道を経巡った方がマシだ!」 - 29 いっぱい生えてる 2007/11/19(月) 23:59:54.86 ID:+Z1ACzjQ0
-
男「はい、お花」
男「いつもなにも備えられてなくて殺風景だったからね」
男「うん、これでちょっと華やかになったかな」
その夜
手紙「お花ありがとう。お礼として、私からお前に抱えきれないほどの花を贈ろう 女地蔵より」
男「彼岸花……」
PREV :
NEXT : 新ジャンル「女地蔵」01_vol02