アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「常連客」01_vol04
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新ジャンル「常連客」
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- 417 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:31:07.72 ID:HmmpBySJ0
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男「はい、味噌汁。」
女「あ、ありがとう……」
男「まあ、あれだけ飲めば潰れてもしかたない……か。」
女「……ご迷惑をおかけしました。」
男「いいって。こういう商売をやってるとそういう人もいるんでね。」
女「あう……」
ずずー
男「二日酔いにはシジミの味噌汁がいちばんだ。なんでも肝機能を高めてくれるんだと。
あとは……熱いシャワーを浴びるのも効果的らしいが、浴びるかい?」
女「!? ごほっごほっ……」
男「おっと、大丈夫かい?」
女「は、はい……」 - 418 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:44:22.60 ID:p8ygBa5vO
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ガララララ―
男「お、いらっしゃい」
女「いつものー」
男「はいよ」
男「はい、おまたせ」コトリ
女「ん、ありがと」
女「…それでさぁ――で…」
男「…うん…それで?…」
女「お勘定ー」
男「はい、1800円ね」
女「ん」
男「はい、毎度」
女「……ごめんね、いつも愚痴っちゃって」
男「気にせんでいいさ、こちとらどうせ暇だ」
男「俺ぁ会社の事なんざわからないけど、こうやって愚痴くらいなら聞けるからさ。
ま、またいつでも来てくれや」
女「……ありがと」
なんとなく書きたかっただけなんだ保守 - 419 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:47:31.17 ID:oNvM+s4Z0
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男「いらっしゃい、今日は遅いですね」
女「仕事がちょっと多くて疲れました」
男「お疲れ様です。あんまり頑張り過ぎて体調崩さないようにね」
女「私はちょっとくらい頑張らないとついて行けないから、あはは」
男「そうやって強がる所はちょっと心配ですよ。はい、おまたせ」
女「ありがとうございます。美味しそう……これだけが楽しみで今日残業してたんですよ」
男「……最近ずっと帰り遅いじゃないですか。本当に無理はしないようにしてくださいね」
女「ここによれば元気出ますから多少の無理はきくんですよ。だから大丈夫です!」
男「なんだか複雑です」 - 420 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:48:48.99 ID:oNvM+s4Z0
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「いつもの」もいいけど、何も言わなくてもいつものが出てくるのも良いと思うんだ
- 421 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:51:50.75 ID:oNvM+s4Z0
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- 422 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 00:51:54.84 ID:HmmpBySJ0
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- 424 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:03:32.26 ID:oNvM+s4Z0
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男「いらっしゃい。今日は早かったですね」
女「えへへ、やっと仕事の山越えたんですよ」
男「だから嬉しそうなんですね。はい、お待たせ」
女「ありがとう……ん? 冷酒が付いてるけど……?」
男「珍しい焼酎が手に入ったんで。私からお祝いの代わりです」
女「なんか気を使わせちゃいましたね」
男「まぁまぁ。飲んでみてください」
女「頂きます。――ストレートなのに飲みやすいですね」
男「それ、『魔王』って名前なんですよ」
女「へぇ~。とてもそんな名前のお酒とは思えないな」
男「気に入ってもらえたら今度から出しましょうか」
女「あんまり手に入らないんでしょ?」
男「だから女さん用に、ということで」 - 425 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:03:53.53 ID:ArbIlxb8O
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男「…お客さん、注文の料理、少し待ってくれるかな」
女「え、ええ…」
男「済みません、お待たせしました」
女「いつもより、少し遅かったけど…どうかしたの?」
男「…済みません」
男「お客さん専用の箸が見つからなくて…」
女「……私の?」
男「ええ。きちんと近くに置いていたはずだったんですが…。本当に、申し訳ない事をしました」
女「この箸、私のだったんだ…。知らなかった……」
女「御主人」
男「はい」
女「頂きます」
男「ええ、どうぞ」
女「……ありがとう」 - 427 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:11:57.08 ID:HmmpBySJ0
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ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「ど、どうも。こんばんは……」
女「あ、あの……この間は、すみませんでした……」
男「気にするない。人生長けりゃあんな日もあるもんさ。」
女「で、でも……」
男「いいよ。また飲みたくなったらいつでも付き合うぜ。
と、いつものだね?」
女「あ……はい。」
女(店員さん……いい人、だな……) - 428 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 01:12:56.98 ID:CWzgB9mt0
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- 429 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 01:15:53.82 ID:avbLTHLj0
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>>413
名前呼びのほうが親しいからだろうね。そして妄想
女「こんばんは」
男「お、もう女さんが来る時間だったか。いけないな、ついつい話し込んじゃって。
ご注文はいつもので?」
女「……お願いします」
男「はい。いつもより少し時間かかるよ。……すまないね」
客「もしかして常連さんで?」
男「ええ。女さんが来たら店じまいの準備を始めることにしているんですよ」
客「ほほう。そりゃもしかしてこれですかい?」(小指立てる)
男「からかわないでくださいよお客さんw」
客「ああ、でもたしかにもういい時間だ。それが終わったら会計お願いできるかい」
男「はい分かりました」
- 430 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 01:16:06.52 ID:avbLTHLj0
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客「初めて入ったが気に入ったよ。また来ることにするわ」
男「ありがとうございます」
客「今度はもう少し早めにしとくかね。お邪魔になんないように」
男「お客さん、だからt……ってもう出て行かれたか」
女「……」
男「……」
女「……にぎやかな人でしたね。いいな。楽しそう」
男「そうだね。話題が豊富な人で面白かったよ」
女「私もっと色んな話できたらなあ」
男「?」
女「ほら、私そんなに話上手じゃないですし、男さんも楽しくないかなって……」
男「そんなことないな」
女「え?」
男「女さんが居るとなんとなく気分が華やぐしね。僕は今のほうがいいなあ」
女「……褒めても、何も出せません」
男「ははは。女さんはお客さんだからしなくてかまわないよ。
むしろお客さんに出されたら僕は店を畳まなきゃ」
女「それは嫌っ」
男「……大丈夫。女さんが閉めろというまでは開けておきますよ」
女(り、リップサービス、これは多分リップサービスなのよ女!落ち着け私!) - 431 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:19:58.61 ID:HmmpBySJ0
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- 432 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:20:48.91 ID:oNvM+s4Z0
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男「――どうしました? 作ってるところじっと見て。もうすぐですよ」
女「もー、私はそんなに食いしん坊じゃないですよ。ちょっと参考に、と思って」
男「参考?」
女「はい、家でも作ってみようかと思って」
男「あ、じゃあ見せられませんよ」
女「え~」
男「女さんすぐ作れそうだから、ここに来なくなりそうじゃないですか」
女「ふふ、冗談です。ちょっと興味があっただけですよ。ここがある限り来ますから」
男「それを聞いて安心しました。はい、お待たせ」
女「まったく同じの作れても、自分が作ったのと男さんが作ったのじゃ違いますよ、やっぱり」
- 433 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:22:13.26 ID:oNvM+s4Z0
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- 436 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:32:37.23 ID:7/4qj2Gw0
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色々考えた末に結局喫茶店にした。
チリーン
男「いらっしゃいませ」
女「こんにちわ、お席空いてますか?」
男「ええ、いつもの席がそちらに」
女「ありがとうございますっ。すいません、何だか強要しているみたいで」
男「構いませんよ、この時間はいつもあまりお客様は来られませんし。いわば貴女の特等席ですから」
女「そう言ってもらえると嬉しいなぁ」
男「ところで今日は何にしますか」
女「いつものセットを。飲み物は濃いブラックで」
男「ははぁ……実は徹夜明けですね」
女「あら、やっぱり分かっちゃう?」
男「目にクマができていますよ、化粧で隠し切れていません」
女「本当?うわっ、最悪……」
男「仕事も大切ですが体も大事にしてくださいよ。はい、特製コーヒーです」
女「ありがと。……うん、温かいなぁこの味」
スレ汚し&長文ごめん。本当は駄菓子屋とか考えてたんだけど、ジャンル「常連客」から外れそうだったから止めた……。 - 438 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:35:03.47 ID:HmmpBySJ0
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>>433
そうか……清酒で我慢するわ。
女「……」
もぐもぐ
「今晩の○○地方の天気は大雨。そりゃあもうバケツをひっくり返したような大雨です。
ですがそれも一時的で、日付が変わる頃には小降りになっているでしょう。」
男「ほー……って、これだけ音がひどけりゃあわかってるんだけどな。」
女「……」
ずずー
女「ごちそうさまでした。」
男「お客さん、今出て行ったらずぶ濡れになるぜ? ちょっと雨宿りしていきなよ。」
女「あ、はい……」
男「しかしここに来る頃はまだ弱かったよなあ。」
女「はい……」
男「まあ一時的だって言ってるし、通り雨なんだろうさ。」
女(それまで二人きり……ど、どうしよう。) - 440 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:40:30.78 ID:049J5D2dO
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深夜に何というラブラブ連作祭り
静かに悶えるって苦しいわ…
そして支援しえーん
>>370 http://imepita.jp/20080202/043360
おにゃのこ変えてみた
>>435 おつー!
期待以上の供給品に病院のベッドでのたうったwww
書き手さん達みんな乙なんだぜ!!
- 441 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:51:21.61 ID:HmmpBySJ0
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- 442 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:51:24.42 ID:7/4qj2Gw0
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男「ところで初めて来たとき一緒にいた女の子達はどうしたんですか?あれ以来あまり見ていませんが」
女「あっ……うん、どうしたんだろうねー。皆でいいお店見つけたねって言ってたんだけど」
男「うーん、他のお店に取られちゃったかなぁ」
女「た、多分忙しいんですよ皆!あは、あはははっ」
男「そうですか、また今度皆さんでいらしてくださいね」
女「は、はいっそうですね!ではここにお勘定置いておきますので!ご馳走様でしたっ」
バンッ!チリリリーン
女(言えないっ……。皆が私に気をつかって店に行かないなんて言えないっ!)
- 443 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 01:52:27.25 ID:HmmpBySJ0
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まだ誰も書いてないみたいだから書いてみる。
最初に店に来たときの話だぜ。
女(今晩、どこで食べよう……あまりにぎやかな場所は得意じゃないし……
ちょっと離れた場所なら静か……だよね。)
ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「あ……こんばんは。」
男「ゆっくりしていってくれよな。」
女「は、はい……」
女(う~……元気な店員さんだなあ……)
女「じゃあ、これを……」
男「あいよ。ちょっと待ってな。」
女(他にお客さん……いないみたい。大丈夫なのかな……)
男「お待ち。」
女「あ、ありがとうございます……」
もぐもぐ
女「!! おいしい……」
男「だろう? 人に食べてもらうんだ、まずい物なんか出せるわけがないよ。」
女「でも……」
男「まあ、見てのとおりのあばら屋だけどな。いつかは綺麗な店を作るのが夢なんだ。」
女「そう、ですか……」
女(味はおいしいのに……でも静かで、どこか温かい感じがする……) - 446 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 02:09:10.81 ID:Sli9Fu/tO
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- 447 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 02:21:16.81 ID:HmmpBySJ0
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しかし……>>1さん来てくれないかなあ。
「都心部では雪の影響で電車のダイヤに影響を及ぼしてるようです。いやあ、都会は大変ですねえ。」
男「まったくだなあ、都会じゃなくてよかったよ。しかし今日は冷えるなあ。」
女「……そうですね。」
もぐもぐ
女「ごちそうさまでした。……おいしかったです。」
男「おう、ありがとう。暗いから気をつけてな。」
女「はい、それでは……」
ガラガラ
女「あ……」
男「……こっちでも雪、降ってたんだな。」
女「そうみたい、ですね。」
男「うちの傘使っていきな。たくさんあるから一本くらいあげるよ。」
女「あ……はい、ありがとうございます。」
女(店員さんにもらったものだから……大切に使おう。) - 449 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 02:49:36.45 ID:HmmpBySJ0
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女(欲しい物も買えた……ちょっと休憩していこうかな。)
カランカラン
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
女「は、はい……」
「少々お待ちくださいませ。」
女「込んでる……」
「お客様、大変申し訳ありませんが、相席でもよろしいでしょうか?」
女「あ、はい。」
「では、席にご案内致します。」
男「あれ? お客さん?」
女「あ……店員さん。」
男「偶然だな。」
女「そうですね……あの、今日お店は?」
男「ああ。休みなんで、たまには外食でもと思ってね。」
女(私服姿の店員さん……初めてだ……) - 451 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 03:08:42.92 ID:HmmpBySJ0
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>>449の続き。
「ご注文はお決まりですか?」
女「え? あの……」
男「まだ決まってないから、あとで呼ぶよ。」
「かしこまりました。」
女「あの……」
男「焦ることはないさ、ゆっくり決めるといいよ。」
女「はい……ありがとうございます。」
女「えと……店員さんは、何を注文されたんですか?」
男「はは。自分の店にいないのに店員さんは変だな。男でいいよ。
あとお客さんと呼ぶのもおかしいな……よかったら名前で呼ばせてくれるかい?。」
女「え? あ……女、です。」
男「女さん、だね。俺はチーズが好きだからカルボナーラを頼んだんだ。」
女「カルボナーラですか……いいですね。」
男「女さんも好きかい?」
女「は、はい……」
男「そっか……じゃあ、今度チーズを使った料理を考えてみるか。」
女(男性に名前で呼ばれたの……初めてだ。) - 452 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 03:12:42.75 ID:HmmpBySJ0
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>>451の続き。
「ご注文を賜ります。」
男「カルボナーラ一つね。」
「かしこまりました。 お客様はお決まりでしょうか?」
女「え? あ、あの……私も、同じのを……」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」
男「すみません。あと、食後にバニラアイスを……二つ頼むよ。」
「はい、かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」
女「ふふ……」
男「? 男で甘い物が好きなのはおかしいかい?」
女「あ、いえ……二つもなんて、食べ過ぎじゃないかな……と。」
男「さすがにね。一つはお客……いや、女さんの分だよ。」
女「え? えと……」
男「いつも贔屓にしてくれているから、せめてものお礼さ。」
女「でも……」
男「ただし、今後ともうちをご贔屓に……というのは反則か。」
女「いえ。店員さん……男さんのお店はおいしいですから。」
女(それに……男さんのお店にいると安心できるから……)
なんだか方向が外れてきたな。ここまでにしておくんだぜ。 - 453 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 03:44:48.27 ID:HmmpBySJ0
-
ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「こ、こんばんは……」
男「今日はいいものを作るから、楽しみに待ってな。」
女「?」
男「お待たせ。もう匂いでわかっちゃったかもしれないけど、チーズを使った料理を作ってみた。」
女「おいしそう……」
男「だろ? まあうちの感じとちょっと違ってくるが……裏メニューってところだな。」
女「裏メニュー……ですか。」
男「いかにも常連さんしか知らない、って感じでいいだろ?
冷めないうちに食べちゃってよ。」
女「あ、はい。いただきます。」
もぐもぐ
女「おいしいです。」
男「……本当、うまそうだなあ。よし、もう一つ作って自分で食う。」
女「え? お店は……」
男「今日は閉店だ。個人経営だし誰にも文句は言わせないさ。」
もぐもぐ
男「うん、これはうまいな。」
女「ふふ……自画自賛、ですよ?」
男「ははは、そいつは言わない約束だぜ?」
女(私の分を分けてあげたんだけど……でも、これでもいいかな。) - 458 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:28:51.99 ID:Z0FKAiIaO
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保守ついでに投下
男「お、おいっ!」
女「……」
男「おいっ、アンタ」
女「な…んれすか?」
男「いやいや、店の前で倒れられてちゃ困るよっ!」
女「……ふぇ?」
男(う……目がうつろ)
女「……おなか、すいた」
男「か、かつえてんのかよ」
女「もう3日も食べてないし、いい匂いがしたから……」
男「むぅ……」
ぐぅきゅるるーーーー
女「また、おなかが……」
男「えーい! もう!」
女「ふぇ?」
男「とにかく店ん中入れ! 周りの目が気になってかなわん!」
- 461 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:33:06.10 ID:Z0FKAiIaO
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男「食え」
ドン!
女「……えぇっ、ウチお金持ってないよ」
男「いいから、食え」
女「でもっ」
男「いいから! 食いモン屋の前で飢え死にされちゃ困るんだ」
女「は、はい」
男「ご馳走してやるんだから、素直に食いやがれ」
女「じゃ、あの……いただきます」
男「おぅ、食え食え」
女「ぁ……」
男「……ん?」
女「……おいしい」
男(……うわ)
女「おいしいよっ!!」
男(……泣いてる)
女「すごいっ! すごいよ! こんなに美味しいものっ初めて!」
男「あー、わかったから。黙って早く食え、麺が伸びんだろ」
女「はっ、はぃ!」
男(……お、俺のラーメン食って泣く奴とかいるんだな)
女「…ガツガツ」
男(良い食いっぷりだわ)
- 462 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:35:42.82 ID:HmmpBySJ0
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- 463 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:38:22.05 ID:Z0FKAiIaO
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女「あの、ご馳走さまでした」
男「おぅ、よく食ったな」
女「本当に、あのっ」
男「良いよ良いよ、気にすんな」
女「でっ、でも、ウチはどうやってお礼すれば……」
男「お礼なんて要らねーよ。あんな美味そうに食ってくれただけで十分さ」
女「ありがとうございますっ」
男「……へへん、久しぶりに良い気分だ」
女「ウチ……絶対、このご恩は忘れません!」
男「もう気にすんなって」
女「……でも」
男「まぁ、そんなに言うなら、また食いに来てくれよ!」
女「はいっ! 必ず!」
男「……しかし、何でぶっ倒れちまうほど何にも食えなかったんだよ」
女「あの、実はウチ、山から降りてきたばかっかりで、都会の事がまったくわからなくて」
男「山から……?」
女「ウチ、タヌキなんです」
男「……はぁ?」 - 464 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:40:53.69 ID:GLpPYunuO
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なんという変化球。
これにはらにやにせざるを得ない。 - 465 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:41:24.85 ID:Z0FKAiIaO
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客「おーい、てんちょー」
男「へい、なんでしょう」
客「生中をもう一杯」
男「へい、わかりました」
客「なぁ、ところで、てんちょーさんよ」
男「なんですか?」
客「今日もそこのカウンターの席に、可愛らしい姉ちゃんが座ってるけど、ありゃーなんだ?」
男「へ? ……あぁ」
客「何も注文せんとただ座ってるだけやから、気になって気になって」
男「えーと、まぁ、常連客ですよ、彼女は」
客「へへへっ、てんちょーにもついに女が出来たかー」
男「べっ、別にそういうわけじゃ! 彼女はワケありで」
客「おっ、図星かよ! へへへっ」
女(にこにこ)
客「……くぅー、可愛いねぇ。てんちょーの事ずっと笑顔で見てやがるんだもん」
男「……はは」
客「いやー、あんなベッピンさん、どこでたらしこんできやがったんだか」
男「まぁ、色々ありまして」 - 467 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 04:59:25.88 ID:HmmpBySJ0
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女「こんばんは、店員さ……男さん。」
男「やあ。いらっしゃい、お客……女さん。」
女「……」
男「……」
女「ふふ……」
男「ははは。」
女「やっぱりだめですね……呼び慣れてる方じゃないと。」
男「だなあ。ついついお客さんと言いかけちまう。もうこのままでいいか。」
女「そうですね……」
男「と、いつもの作っちゃうからちょっと待ってな。」
女「あ、はい。」
女(女さんと言われて嬉しかったけど……今のままでも十分、かな。) - 468 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 05:02:28.00 ID:SNguZrLQ0
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- 470 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 05:20:25.33 ID:Z0FKAiIaO
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はいけい、母上さま。
もう、ぽんぽこ山には雪がつもってますか?
わたしは今日も、にんげんの社会でがんばってきました。
てんちょうさんに会ってから、こっちにようやくなれてきたところです。
てんちょうさんというのは、とてもやさしいにんげんの事です。
このまえ、てんちょうさんの作ってくれたラーメンというものを食べました。
すごくおいしかったです。
山のみんなにも、食べさせてあげたいです。
わたしはすっかりラーメンというものにハマってしまい、
ここのところ、てんちょうさんに甘えてばっかりです。
にんげんは悪い人ばっかりじゃないですよ?
そういえば、はっぱのお札を出したら、てんちょうさんに「アホ」と怒られてしまいました。
なぜ。
- 471 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 05:21:35.50 ID:HmmpBySJ0
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>>468
んなことはないだろ……確かに見えるな。
投下順番間違えたか……
女「ごちそうさま、でした。」
男「おそまつさま。」
ガラガラ
女「あ……流れ星。」
男「ん?」
女(男さんと……いつまでもいい関係でいられますよう……あ、なくなった。)
男「綺麗だったかい?」
女「……はい。」
女(残念……だったな。) - 472 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 05:39:45.70 ID:HmmpBySJ0
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- 473 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 05:46:26.33 ID:aU1CVFBj0
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絵をかこーかなーとか思っちゃったりなんかしてるんだが、女は長髪なのか?短髪のほうがいいのか?
- 474 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:00:01.39 ID:GX1l8f1l0
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- 475 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:08:59.97 ID:HmmpBySJ0
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>>473
正確な答えなんてないんだぜ?
それぞれの脳内イメージなんて全て合致するはずがないさ。
>>474の意見のとおりだと私も思う。
とんとんとん
じゃー
男「お待ちどうさま。」
女「ありがとうございます。」
もぐもぐ
女(あ……店員さんが、私を見ている……)
男「いつもうまそうに食ってくれるなあ。」
女「え……?」
男「ああごめんごめん、俺はやっぱり料理人だからさ、お客さんの反応が気になるんだよ。」
女「そうですか……」
男「逆に渋い顔して食べられると、どうにかして巻き返してやるぜ、と意欲も沸くんだ。」
女「強いんですね……」
男「なあに、ただのひねくれものなだけさ。」
女(店員さんの強さ……私にも分けてほしい……な。) - 476 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:30:09.78 ID:HmmpBySJ0
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女「男さん、おかわりはまだ?」
男「……ちょっと待ってな。」
男(まさか隠し味の日本酒で反応するとは思わなかった。
ちゃんと熱を加えてアルコールを飛ばしたはずなんだがなあ……)
男「お待たせ。」
女「待ってました~」
ごくごく
男「お、おい。今日はあまり飲みすぎるなよ? この間みたいに二日酔いで苦しむことに――」
女「大丈夫だよ~、自分の加減はわかってるから~」
男「……酔っ払いの言うことほどあてにならん。」
~そして翌日~
男「お客さん、おはよう。」
女「あ……店員さん。おはよう、ございます……」
男「今回は大丈夫かい? 夕べも大分飲んでたけど。」
女「え? いたたた……」
男「ほら言わんこっちゃない……案の定、味噌汁作っておいて正解だったよ。」 - 477 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:32:35.68 ID:aU1CVFBj0
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クオリティ低いけど
ttp://www.uploda.org/uporg1230119.jpg
- 478 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:36:05.10 ID:eNiXjkIUO
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ガラカラ
男「あっ、いらっしゃいませー」
女「いつも…」
㌧
女「よくわかったわねw」
男「だって、他のすすめても無駄だったじゃないすか」
女「そうだったけ?まぁいいや、お前も飲め!!!」
男「まだ営業ちゅ 女「え?」
男「いただかせていただきまーす!」
女「かわいいなお前www」 - 479 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 06:49:11.76 ID:XwwjUVNDO
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男「優秀な書き手と細やかな保守…このスレのおいしさの秘密さ」
- 480 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 07:13:08.27 ID:HmmpBySJ0
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『準備中』
女「あ……今日はまだなんだ……」
ガラガラ
男「あれ? お客さん、いつものを食べに来たのかい?」
女「はい……」
男「そっか、まだ準備中なんだが……まあいい、外は寒いし中に入りなよ。」
女「え、でも……」
男「いいから入った。」
男「すぐに準備するからちょっと待っててくれ。」
女(準備中なのに……いいのかな。)
男「お待たせっと。」
女「あ……ありがとうございます。」
もぐもぐ
女(なんでだろう……いつもよりおいしく感じる……) - 481 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 07:45:56.32 ID:HmmpBySJ0
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ガラガラ
男「今日はいい天気になりそうだな。」
さっさっさっ
男「よし……こんなもんだろ。」
男「さ、準備準備……と。」
ガラガラ
女「こんにちは……」
男「いらっしゃい。今日は明るいうちにいらっしゃいませ。」
女「今日は……仕事もお休み、ですから。用事のついでに……と。」
男「なるほど……すぐに作っちまうからな。」
男「お待たせ。」
女「ど、どうも。」
もぐもぐ
女「あの……しばらくここに居ても、いいですか?」
男「ん? 何か用事があるんじゃないのかい?」
女「え? あ、あの。そ、外は寒いから……」
女(店員さんに会いたかった……なんて言えないよ。) - 484 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 08:30:46.72 ID:HmmpBySJ0
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「ちは~、注文取りに来ました。」
「あらジロウちゃん。いらっしゃい、待ってたのよ。」
「え……? それって……」
「そう、ジロウちゃんのことが忘れられなくて……」
「お、奥さん!」
「ジロウちゃん!」
男「……」
女「……」
男「チャンネル……変えてもいいかな。」
女「は、はい……」
男(ちょっと気まずいな……二人きりだし。)
女(私も……いつか店員さんと……) - 486 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 09:04:28.15 ID:HmmpBySJ0
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男「なんだかんだ言って……うちに来てくれるのはお客さんが多いね。」
女「え……?」
男「常連さんができたのは嬉しいよ。でももっと多くの人に食べてもらいたいとも思ってるんだ。」
女「はい……」
男「ちょっと宣伝してみようかなあ……」
女「あ、あの……」
男「宣伝費も結構かかるだろうし……やっぱりビラを配るのが定石かな?」
女(そうなったら……お客さんが増えたら、ここに来づらくなるかもしれない……)
男「でもなあ……店もそんなに広いわけじゃないし、外観も古いし……今のままでも十分か。」
女(よかった……しばらくは大丈夫そう……) - 497 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 11:16:19.72 ID:6NYcLKbS0
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女「いつもの」
男「なんだっけ?」 - 498 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 11:20:10.58 ID:p8ygBa5vO
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- 501 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 11:54:39.33 ID:oNvM+s4Z0
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男「はい、どうぞ」
女「ありがとう」
男「休日に来るなんて珍しいですね」
女「なんか家にいても落ち着かなくて。やることもないし」
男「他のお客さんも居ませんし、ゆっくりしていってくださいよ」
女「家よりここの方が落ち着くって、考えたら変ですよね」
男「嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。今日はコーヒーお代わりサービスでいいですよ」
女「本当ですか? やった!」
男「この時間あんまりお客さん来ないんで、私も保守に付き合いますよ」
というわけで保守 - 502 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 12:11:16.60 ID:oNvM+s4Z0
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女「一緒に飲みませんか? カウンターでカップ拭いてるのも飽きたでしょう?」
男「邪魔したら悪いと思って。実は手持ち無沙汰だったんです」
女「邪魔だって思うなら来ませんよ」
男「じゃ、失礼して」
女「モカ・マタリですか」
男「香りで当てられるとは思わなかったな」
女「何年通ってると思ってるんですか? 後で一口下さいね」
男「一口と言わず一杯淹れますよ」
女「そうじゃないんだけどなぁ」
男「?」 - 507 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 12:30:51.61 ID:oNvM+s4Z0
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女「お客さん、来ませんね」
男「そうですねぇ。元々あんまり来ませんけど、今日は寒いからますます来ませんね」
女「いっそ今日は閉めちゃうとか」
男「……やめときましょう。せっかく寒い中来てくれるお客さんもいるかもしれないですから」
女「真面目だなぁ。そういうところが良いんだけど」
男「え? 何か言いました?」
女「いーえ、何も?」
男「定休日に来てください。そうだ、土曜日は定休日にしましょうか」
女「本当ですか?」
男「嘘は付きませんよ。定休日でも女さんが来るならいつも通りお待ちしてます」 - 509 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 13:12:47.18 ID:oNvM+s4Z0
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男「……どうですか?」
女「う~ん……ここのコーヒーと合わせるならもうちょっと味は軽めが良いと思います」
男「ちょっと濃すぎましたか」
女「普通のお店だったらこれで良いと思いますよ。でも喫茶店の軽食メニューですからね」
男「そうですか。お客さんに出す前に女さんに味見てもらってよかったですよ」
女「あ、ひどい。私お客さんじゃないんだ」
男「そ、そういう訳じゃないですって」 - 510 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 13:13:12.14 ID:oNvM+s4Z0
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常連の特権:新メニューをお披露目前に味わえる
- 511 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 13:27:17.33 ID:oNvM+s4Z0
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女「あ、今度は良いですね。コーヒーとも相性ばっちりですよ」
男「よかった」
女「今度からこっちもたまに頼もうかな」
男「女さんのお墨付きですから、こっちも自身をもって出せますよ」
女「でも他の人には出して欲しくないかなぁ」
男「え?」
女「嘘ですよ。きっと人気でますよ」 - 513 442 2008/02/02(土) 13:40:47.14 ID:eDAzTQ8jO
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女、あるオフの日
女「久しぶりの休暇だし、たまにはお昼頃に行ってみようかな」
女「って、あれ……開いてない。どうしたんだろ、いつもなら朝からなのに」
試しにドアを押してみるものの、やはり鍵がかかっており中に入ることはできない。
女「お休み……なのかなぁ、残念」
がくりと肩を落とし喫茶店から立ち去ろうとすると、突如先程まで閉まっていた扉が勢いよく開いた。
男「女さん、いらっしゃいませ。すみませんそろそろ開けようと思っていたんですが……」
女「マ、マスター……」
長くなりそうなので分割。
ネットが朝から繋がらなくなったんで携帯からなんだ……。
誰も読んでいないとは思うが、保守代わりに投下しとく。 - 514 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 13:48:27.88 ID:049J5D2dO
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- 517 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:17:00.05 ID:eDAzTQ8jO
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男「ちょうど今日は女さんに試食してもらいたい商品を作っていたんですよ」
女「……」
男「あれ。どうしたんですか」
女「いや、あの……お聞きたいことが一度に沢山出てきたので」
男「はい、なんでしょう」
女「まず一つ目なんですが、ここのケーキってマスターの手作りだったんですか?」
男「ええ。男がケーキ作りだなんておかしいとは思われるかもしれませんが、趣味でして」
女「いや変じゃないですよ!とっても美味しいですし」
男「ありがとうございます。そう言ってくれるのは女さんくらいですよ」
女「……っ!そ、それで次の質問なんですがっ、その……どうして私の名前を?」
男「ああっ、すいません!初めて来られた時にお友達が呼ばれていたのを覚えていまして」
女「そうなんですか」
男「客商売の困った癖とでもいうんでしょうか。いや、失礼しました」
女「いえとんでもない!むしろ嬉しいです……」
- 518 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:17:05.51 ID:ViUc2vX50
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>>401続き・・・2週間後・・・
下っ端「マグロ食いたきゃいつでもきやがれ~♪っと・・・・あら?」
下っ端「女さんこんばんは!えらく早いっスねwまだ開店前っスよww」
女「あ・・・!こんばんは・・・今日は休みだったから・・・」
下っ端「お!そのリボン付きな紙袋はもしかして・・・」
女「えっと・・・そうなんだけど・・・こんなの喜んでもらえない・・・ヨウナ・・・」
下っ端(・・・・・・)
下っ端「そんな事言ってていいんスか?」
女「え・・・?」
下っ端「今日は店長誰かから誘いあったみたいで、開店準備は俺任されてるんスから」
女「えぇ!?」
下っ端「誰かは詳しく聞いてないッスけど・・・女性だったら・・・?」
女「そ・・・そんな・・・」
下っ端「一応場所は聞いてるっス!今ならまだ間に合うかも・・・」
女「でも・・・その人と、相思相愛だったら・・・店主さんに悪い・・・」
下っ端「何言ってんスか!!」
女「!?」
下っ端「今まで思い続けてたのに、横から取られて悔しくないんスか!?」
女「そ・・・ソレは・・・」
下っ端「まだ待ち合わせまで時間は有るっス!先に会って渡しちまえばいいんスよ!」
女「・・・待ち合わせ場所・・・どこ?」
下っ端「新ジャンル公園のデカイ噴水の前!
店長は30分は先に行く人だから今なら二人が会う前に先に会えるっスよ!」
女「わかった・・・ありがと!」
下っ端(やれやれ・・・)
- 519 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:22:28.91 ID:ViUc2vX50
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店主「う~ぃ、今戻った。開店準備出来てるか?」
下っ端「あ、おかえり~っス・・・って生樽直持ちじゃないっスか!配送は!?」
店主「いや、昨日酒屋に配送の注文忘れちまってな」
下っ端「あの距離生樽持って来たんスか!?バカじゃないスか!?」
店主「バカの力ってすげぇんだぞ 試してみるか?」
下っ端「あ、いや、ゴメンなさい、だから止めて・・・」
下っ端「まったく・・・開店任せた、酒屋いってくるって言ったから何事かと思ったっスよ」
店主「スマンスマン、次は気をつけるよ」
下っ端「あ、そういえば・・・」
店主「うん?」
下っ端「さっき女さん来てましたよ」
店主「ほぉ、随分早いな・・・で、開店前だからって帰ったのか?」
下っ端「いや、何か店長に渡したい物が有るとか何とかで・・・」
店主「ほぉ・・・で、後で持って来るって?」
下っ端「いや、新ジャンル公園のデカイ噴水の前で待ってるって言ってたっス」
店主「なんでだ?持ってくればいいのに」
下っ端「(呆れるぐらい鈍感だな・・・)どうせ今日は暇だろうし、行ってあげたらいいじゃないスか」
店主「それもそうだな」
下っ端「ちょっとの間ぐらい俺だけで何とかしますよ」
店主「悪いな、じゃあちょっと任せるわ」
下っ端「45分ぐらいゆっくりしてきていいっスよ~www」
店主「何言ってやがんだ馬鹿野郎!!」 - 520 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:25:11.94 ID:ViUc2vX50
-
女(はぁ・・・まだダレも来ない・・・もしかして・・・遅かったのかな・・・)
店主「お、いたいた」
女「・・・!?」
店主「こんばんは、女さん ちょっと待たせちまったかな?」
女「え・・・?あの・・・その・・・?え・・・?」
店主「いやぁ、開店前に来てもらったのに留守にしてて悪かった ちょっと酒屋の方に行っててな」
女「え?ダレかと待ち合わせだった・・・んじゃ・・・?」
店主「うん?何の事だ?」
女(あ・・・!下っ端君にやられた・・・!!///)
店主「それよりも、何か俺に渡したい物があるとか何とか・・・?」
女「(逃げ場無し・・・)あ、あの・・・コレ・・・////」
店主「え・・・?どうしたんだコレ・・・?」
女「今日は誕生日だって聞いたからさ・・・それに、いつも美味しいもの食べさせてもらってるし///」
店主「あ!そういえばそうか!自分の誕生日なんてすっかり忘れてたよ」
女「フフッ、店主さんらしいわ」
店主「開けさせてもらっていいかい?」
女「うん・・・喜んでもらえるか・・・解んないけど・・・///」
店主「おお・・・マフラーか もしかして・・・手編み?」
女「へ、下手っぴだけどさ///」
店主「暖かいよ・・・最近買出しとかが寒くてな・・・ありがと///」
女「い、いや・・・そんな・・・///」
店主「そうだ、今から店来ないか?」
女「え?」
店主「前言ってた新メニューが完成したからさ、一番に食ってもらおうと思ってな」
女「い・・・いいの?」
店主「ああ!ってか、断っても引きずって行くぜw」
女「フフッ・・・じゃあお言葉に甘えようかな///」 - 521 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:25:56.78 ID:ViUc2vX50
-
そして店前・・・
店主「あら?電気消えてるし、鍵も閉まってら」
女「店主さん・・・コレ・・・」
店主「ん?張り紙・・・?」
ゆっくりしてきてもいいっつっても店長の事だからスグ戻ってくるんでしょう
だから今日は強制臨時休業にします
俺はこないだの代休っつー事でどうかよろしく!!
どうぞお二人でごゆっくり~
かっこよすぎる下っ端様より
店主「あの馬鹿野郎・・・!いらん気きかせやがって・・・///」
女(下っ端君・・・ありがと・・・)
店主「ま、こーなったからにゃしょうがない
今日は女さんの貸切って事で二人で飲み明かすか!」
女「いいの・・・?」
店主「あぁ、誕生日だし多少の贅沢はいいだろうよ
それに、一番気の休まる人と飲みたいしな・・・///」
女「う、うん・・・ありがと・・・///」
とりあえずコレにて閉幕、連投&駄文失礼!! - 522 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:35:38.37 ID:eDAzTQ8jO
-
女「えっと最後の質問なんですが」
男「はい、なんでしょう」
女「……その、いつもはこの時間にお店を開けているんですか?」
男「あまり細かくは決めていませんが、そうですね。だいたいこれくらいです」
女「だったらなんで私が来る時はあんなに早く……」
男「……以前も今日みたいな事が一度ありましたよね」
女「え、ええ。あまりにも早い時間だったから半ば諦めて来てみたけど、やっぱり閉まってて」
男「実はあの時、私も店にいまして。色々と仕込みをしていたんですよ。気付くのが遅くて呼び止められませんでしたが」
女「えっ」
男「がっかりとした女さんを見るのがしのびなくて、それ以来、朝少しだけ開けているんですよ」
女「ごめんなさいっ!そんな迷惑をかけているなんて私、気が付かなかった」
男「いえ、いいんですよ。私が勝手にやっている事ですから。いや、それにしても今日は間に合ってよかった」
女(またそんな風に笑って、卑怯だよマスター。そんなんだと私、ますます……)
一旦区切り。 - 523 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:41:37.86 ID:Lk4INS5pO
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もうね。四方八方甘すぎてね。
マスター。コーヒー一杯 - 524 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 14:53:55.77 ID:ZrRT7gIS0
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ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
カラン・・・
女「あ~当たらねぇ・・・ムッカツク~・・・」
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
女「何で当たんないのかぁ・・・ムカツク~・・・」
女「あ~何でこんなムカツクんだぁ・・・」
女「あのハゲ課長がぁ・・・」
店「(何時まで続けんだろ、あの客・・・)」
店「(しかもスーツにヒールじゃなぁ・・・)」
店「(ここんトコ毎日来てるしな・・・)」 - 525 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 15:04:53.72 ID:ZrRT7gIS0
-
ブンッ・・・
女「あ~マジ当たんない・・・も帰ろ・・・」
カラン・・・
店「ありがとうございましたぁ」」
女「(ブツブツブツ・・・)」カツカツカツカツ・・・・・
店「何か変な人だなぁ・・・」
- 526 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 15:14:10.68 ID:G0TOzl3e0
-
男「いらっしゃい」
女「どもー。今日も寒いですね」
男「ゆっくり暖まっていってください。はい、どうぞ」
女「ありがとう。あれ? ケーキセット?」
男「私からのプレゼントですよ」
女「え? あ、今日私の誕生日なんだ」
男「自分で忘れてるあたりが女さんらしいですね」
女「男さんだって自分の誕生日忘れてたくせに~」
男「いやいや、この年になればそんなもんですって」
女「そうですか? 私は嬉しいなぁ。こうやって覚えててくれる人がいるし」
男「なるほど……。じゃあ私も嬉しいって事で」
女「ふふふ、何それ?」
- 528 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 15:15:31.69 ID:ZrRT7gIS0
-
店「いっらしゃいませ~」
女「また打ちに来たよぉ」
店「(いや、当たった事無いじゃ・・)」
女「ん?何か言った?」
店「いやっ、何でもないッス!!」
女「じゃ今日も借りるよぉ」
店「(何か今日はテンション高いなぁ・・)」
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
店「やっぱ当たんねーじゃん・・・」 - 531 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 15:25:56.23 ID:G0TOzl3e0
-
男「お帰りですか? お会計、こちらになります」
女「えーと……はい」
男「丁度お預かり……この箱は?」
女「誕生日プレゼントのお返しって訳じゃないんですけど、私からプレゼントです」
男「今日何かありましたっけ……?」
女「今日は何月何日ですか?」
男「2月14日……あ!」
女「男さんいっぱい貰ってそうだけど」
男「そんな事ないですよ。ありがとうございます」
女「あんまり良い出来じゃないかもしれないですけど」
男「手作りですか? 嬉しいなそれは」
女「毎年本命1個しか作らないんですよ、義理ってなんだか好きじゃなくて」
男「え?」
女「それじゃ、ごちそうさまでした~」
男「え? あ、あわ、ありがとうございました……」 - 533 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 15:44:18.55 ID:ZrRT7gIS0
-
需要があるか知らんが、気にせず書いてみるぜ!
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
女「っあ~疲れたぁ。休憩休憩。」
女「お兄さん、冷たい飲み物貰える~?」
店「あ、ポカリでいいッスか?・・150円になります」
女「(ゴクッゴクッゴクッ)ップハァー!!やっぱこれだねぇ~」
店「今日は何かゴキゲンッスね」
女「・・何?いつもは機嫌が悪いと?」
店「いっいやっ!何でもないッス!」
女「まぁ確かにちょっとイラついてたよねぇ」
店「今日はいい事あったんスか?」
女「ん~何となく寄ってみただけ。いつも来てたしね」
店「あ、当たらなかったのが悔しかったとか?ww」
女「うっさい、蹴るよ!?」
店「ゴメンなさいっ、冗談ッスよ!?」
女「あ~何かまたムカついてきた!絶対当ててやるっ!」
女「って事で休憩は終わりっ!あ、飲み物冷やしといてね」
店「あっハイっ!」
ウィーーン・・・ガシュッ!
ブンッ!!
店「(当たったら、もう来なくなるんかな・・・?)」
- 536 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 16:37:55.45 ID:RZjMvJvJO
-
新ジャンルで今回は『当たったか?』と思ったが、流石に1000はいかないか・・・・悔しいぜ
- 538 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 16:42:49.12 ID:p8ygBa5vO
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男「それもここの空気だ、無理に1000行く必要はねぇさ」
- 539 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 16:51:11.05 ID:HmmpBySJ0
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今現在まで残っているだけでも十分なんだぜ。
男「あうち!」
女「? ……どうかしたんですか?」
男「ちょっとね……野菜を切ってたら指を切っちまった。料理人失格だな。」
女「!! そんなこと、言っている場合じゃないです。手当てしないと。」
男「そうだな……絆創膏貼ってくるよ。いつものはちょっと遅くなるのはごめんな。」
女「いえ……それよりも絆創膏を……」
さっ
男「ああ、ありがとう。使わせてもらうよ。」
女(見たところ傷もひどくなさそう……よかった。) - 541 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:01:19.19 ID:G0TOzl3e0
-
女「ここ、もうちょっと宣伝すればもっとお客さん増えると思いますよ」
男「にぎやかな雰囲気ってあんまり好きになれないんですよ」
女「よかった。お客さんいっぱい居たら、多分私……」
男「だから、これからもちょくちょく顔出してくださいよ」
女「ご心配なく。男さんが『もう飽きた』って言うまで顔出し続けますから」
男「じゃ、私も『もう飽きた』って女さんに言われるまで、コーヒー出し続けますか」
女「それなら一生淹れ続けてもらわないとなぁ」
男「じゃ、女さんも一生常連で居てくれないと困りますね」
女「お、結構大胆発言ですね」
男「女さんには敵いませんよ」 - 542 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:01:50.12 ID:G0TOzl3e0
-
ちょっと甘くしすぎたか
- 543 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:13:18.71 ID:049J5D2dO
-
>>541
それ既に相思相愛の公言www
次はパー速だと嬉しいなぁ
これだけまったりした和み空間を維持して500超えてんだ、かなりの大当たりだよ
個人的に最近の法律・妄想男に次ぐヒットだしな
>>458~ 行き倒れタヌキ娘
http://imepita.jp/20080202/601260
どう見てもみみっ娘幼女です
- 546 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:23:39.31 ID:eDAzTQ8jO
-
用事終わったんで続き。とその前に。
>>523
男「はいどうぞ。濃いブラックにしておきました。苦味も楽しんでください」
翌日。
友「へーっ。それって脈アリなんじゃない?」
女「そ、そうかなっ」
友「普通常連だからってそこまでしないでしょ。やったじゃん、女」
女「う、うんっ!」
女(そっかぁ、もしかしたらマスターも私の事を特別に思ってくれてるのかなぁ……)
同僚「あ、友ー。あの教えてくれた喫茶店凄くいい感じだね。教えてくれてありがと」
友「いえいえ。ケーキとかも美味しいでしょ?」
同「うん、マスターもいい人だし。もう名前を覚えてくれたんだー」
女「えっ」
同「それに普段開けていない時間なのに次に来たらわざわざ開けてくれてて……もう最高っ!……て、あれ、どうしたの女?」
女「ううん、なんでもない……(しくしく)」
友「あー……、ごめんね女」
正直、スレの寿命までに書ききれる自信が全く無いんだぜ。
- 547 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:26:32.72 ID:G0TOzl3e0
-
- 548 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:28:12.01 ID:udxomGwKO
-
タクシー
男「いらっしゃい。あ、女さんですか」
女「ええ、また、なんです」
男「無理もないですよ。このどしゃぶりですからね
今日はどちらまで?」
女「え?あっ!決める前に乗っちゃいました!
今決めるんでちょっと待っててください!」
男「はは、困ったお客さんですね。ごゆっくりどうぞ」
女「くー…」
男「せめて決めてから寝てもらえないかな」
スマン、勢いでやった。ROMるわ - 549 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 17:29:30.13 ID:p8ygBa5vO
-
- 555 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 18:48:00.25 ID:HmmpBySJ0
-
それは例年稀にない寒い日のこと。
いつもどおり”いつもの”を食べに……いや、店員に会うために来た。
ガラガラ
男「いらっしゃい。」
女「あ……こんばんは。」
長い事来店し、今では常連と呼ばれるようになったが、まだ人と話すとどもってしまう。
相手がたとえ店員だとしても、だ。
男「ちょっと待ってな。」
何も言わなくても何を食べるかわかってくれる、そんな関係が好きだった。
話すのが得意でないため、それが安心できた。
男「お待ち。」
女「あ、ありがとうございます。」
もぐもぐ
こんな関係がいつまで続くかはわからない。
もしかしたら明日には最後になるかもしれない。
でもそれでもいい。
そう。この瞬間が幸せなのだから……
女「あ、あの……また、来ますね。」
男「ああ。いつでも来な。」
~To be continued?~ - 560 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 19:47:10.19 ID:RZjMvJvJO
-
見さらせぇ!
女 「ねぇ、お兄さん」
何時もの通り女が彼の店で食事をしている時に、ふと店主に問う。
女 「不躾な質問するけど、ここって利益出てるの?」
いつも女が来るときは決まって誰も居ないのだ。たまにであったら偶然だが、女はここに通い始めてから一度も他の客の顔を見たことがない。
店主 「・・・・・・ああ」
店主の方もそういえばとこの事実に気付き、納得したような声を上げた。
店主 「・・・・・それなりに食べていけるくらいには・・・来てますよ」
女 「ほんと?私見たこと無いわよ?」
店主 「・・・・・・お客さんが来るときは・・・いつも・・・開くんですよ」
困った様なその様子が、嘘ではなく、本当に必ず入れ違いになっている事を彼女に教えた。
ほっと息を吐く。安心したのだ。いつも客が居ないからいつかここに来れなくなってしまうのではないかという不安がよぎったのだった。
女 「常連さんなのかしら?」
店主 「・・・・・・・・親父の頃からの馴染みですよ・・・・・・皆さんね・・・」
『親父』・・・・その言葉が意味する事は、この店は親子代々続いてきたということか。
女 「お父さんが始めた店なの?」
店主 「ええ・・・・・・親父も・・・こうやって・・・静かにやってましたから・・・・・」
店主の脳裏に浮かぶのは、幼き頃の記憶。父も今の自分の様に度々足を運ぶ客相手に淡々と料理を出していた。いつも話すのは客ばかり。寡黙な父は聞き上手だった。それをよく店の中で眺めていたものだったが、『・・・・・邪魔するなよ』とだけ告げられ、静かにしていた。
当然父に、構う暇など無かった。いつも構ってくれたのは常連の客だった。
父親に不満は無かった。客商売が忙しいのは『そういうものなのか』と思ってたし、暇な時があればたまには構ってくれたりもした。
- 561 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 19:47:47.67 ID:RZjMvJvJO
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女 「父親に似たのね」
店主 「・・・・・・らしい・ですね」
女 「お父さんは?」
店主 「・・・・6年前に死にました・・・・母も後を追うようにすぐに逝きましたから・・・・」
女はまずったと思い、苦い顔をした。それを見て
店主 「・・・・・いいんですよ・・・・・・十分長生きでしたし・・・」
女 「・・・ごめんなさいね」
店主 「・・・・・・・いいえ」
ここにきて気まずい雰囲気が流れる。なんとも居づらい。そんな空気を払拭しようと思ったのか
店主 「・・・・・最期の日も・・・・ここに立っていたんですよ」
天寿を全うするその日まで、父親はカウンターに立っていた。閉店まで客の相手をし、全ての片付けを終えた後、全てを終わらせたかのように安らか逝った。一応遺言もあった。
『・・・・・うまくやれよ』
高校を卒業してからすぐに父親の下で修行して四年。今思えば父親は何か急いでいた様な気もする。きっと自分を一人前に鍛えたかったのだろう。
そこまで語った後、店主は柄になく話過ぎたと思って女を見ていたが、
女 「良い話ね・・・・」
彼女の目尻には涙が溜まっていた。感動した故に、そしてこんなことを自分に話してくれた嬉しさ故に。
- 562 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 19:56:01.93 ID:RZjMvJvJO
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コトッ
そこに照れ隠しのように置かれる料理
女 「この『気紛れ』も似たのかしら?」
店主 「・・・・・みたいですね」
気に入った客相手には、良くサービスする事もあったがいつも決まって『・・・・気紛れだよ』とのたまうのだ。
女 「(気に入った客だけ・・・・か。嬉しいな)」
その事実に無性に胸が熱くなる女であった・・・
ガララララ
そこに戸を開ける音が響く。
客1 「やぁ、男ちゃん。お邪魔するよ」
客2 「おや、なんだかえらい別嬪さんがおるのぉ」
客3 「若大将いつの間に連れ込んだんだい?」
中年の三人組だった。
店主 「・・・・・・・件の人達です」
初めて見る顔触れ。自分よりも彼と付き合いが長いことにちょっと妬きながらも
女 「こんばんは。私も長いこと来てるんですよ?ちょうど皆さんの話題をしてて」
その日はとても賑やかだったが、女にとっては新鮮だった。 - 563 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 20:13:12.73 ID:HmmpBySJ0
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- 567 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 20:41:57.72 ID:p8ygBa5vO
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- 570 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:03:04.51 ID:G0TOzl3e0
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男「女さん、そろそろ……ん?」
女「……」
男「寝ちゃったのか。どうしたものか……」
男「……これでよしと」
女「……ふぁ……はっ!」
男「おはようございます。良く眠れました?」
女「ご、ごめんなさい! あぁ、もうこんな時間!」
男「ほかのお客さんは来ませんでしたからご安心を」
女「本当にごめんなさい……閉店時間とっくに過ぎたのに」
男「二人だけですから、閉店時間なんてあってないようなもんですよ」
女「じゃ、申し訳ないけど、目覚まし代わりのコーヒーを一杯……」
男「分かりました。目を覚まして、体を温めてから帰ってください」 - 571 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:04:34.81 ID:G0TOzl3e0
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しまった、上着かけてあげたことが分かる描写入れ忘れた
男が怪しいことをしたように見えるw - 572 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 21:09:02.48 ID:gfDzo5V20
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男からのアプローチはまだかのぅ
- 574 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:24:16.50 ID:HmmpBySJ0
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いかにも最後っぽい話を。
ありがちな展開か、または別の展開なのか。
どう想像するかは君たちの自由だ。
―某街の飲食店にて―
ガラガラ
男「おや、お客さん方おそろいで。」
女「いらっしゃい。あ、ちょっと片付けるから待っててね。」
男「と……できたよ、運んでくれるかい。」
女「あいよ。」
女「お待たせ。これ、うちの自信作だから。おいしいよ~。」
男「それだけじゃないさ。俺が作るものはなんでもうまいよ。」
女「まったく……まあおいしいのは確かだけど。あ、冷めないうちにどうぞ。」
外観はまるで営業していないように寂れても見える。
客を呼ぶのは味、そして店の空気。決して外観だけじゃない……それを証明するいい実例だ。
この店は今日も大盛況のようである。 - 575 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:32:06.61 ID:049J5D2dO
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締めに相応しいねぇ、イイ!
さてそろそろ閉店時刻も迫ってるんでオマケ付き移転案内しちゃうぞ☆
今宵も当店へと脚をお運び下さいまして、誠に有難う御座います。
さて、既に馴染みと成られました皆様方にはお伝えするにも心苦しいばかりでは御座いますが、
今宵をもちまして当店、この地での商いを仕舞う事と相成りました。
長らくの御贔屓・御愛顧、誠に有難う御座いました。
尚、今後に尽きましては新店舗
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/part4vip/1201952381/
にて、皆様方の御来店を心よりお待ち申しております。
店主
http://imepita.jp/20080202/769270
- 579 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:40:17.21 ID:G0TOzl3e0
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便乗して最終回っぽい話を
女「そろそろ帰りますね」
男「外もう暗いですから、気をつけて」
女「寒そうだなぁ……。今日は男さんの家に泊めてもらおうかなぁ」
男「いいですよ、ぜひ泊まっていってください」
女「な~んて、冗談……え?」
男「はは、毎回私がからかわれてますから、今度はお返しです」
女「も~。やめてくださいよ、本気にしたくなるじゃないですか」
男「しても構いませんよ。喜んで受けて立ちます」
女「ふふっ、受けて立つはないでしょう」
男「すいません、締まらない決め台詞で」
女「でも今のは嬉しかったから覚えておきます」
男「思わぬところで言質をとられてしまいましたね」
女「この証拠は後で使いますから、覚悟しておいてください」
男「分かりました。楽しみにしてますよ」 - 580 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:40:49.84 ID:G0TOzl3e0
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なんかあんまり最終回っぽっくならなかった
- 582 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:44:39.17 ID:HmmpBySJ0
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ここで常連のみんなに挨拶を。
この三日間、楽しかったよ。
ここはもうすぐ終わるが、向こうに行ってもがんばってくれ。
影ながら応援してるんだぜ。
お別れなんか言わないんだからっ! - 583 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:44:48.65 ID:RZjMvJvJO
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店主 「・・・まだ・・・・・店は閉めませんから・・・・また来てください・・・」 - 584 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:45:17.15 ID:8cXCUVOu0
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まあ、近場に引っ越すだけだから、またよらせてもらうよ
- 586 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/02(土) 21:47:23.32 ID:G0TOzl3e0
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- 588 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/02(土) 21:52:10.11 ID:HF2TLtLZ0
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ご馳走様
またくるよ
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