アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「無頼娘」01_vol02
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新ジャンル「無頼娘」
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- 26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:03:57.43 ID:IBMHIG34O
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新ジャンル「修羅」みたいに武器持ち歩いてる強気な子を想像して開いたら
なかなかいいじゃないか - 30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:06:58.80 ID:dgFfzCMXO
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男「女ー、差し入れ持ってきたぞー」
女「おー男ぉ、さんきゅーなー」
男「……なんかテンション高くね?」
女「ちょっくら酒をば食らっているところだ」
男「真っ昼間から飲酒とは、うらやましい限りだ」
女「そういうなよー、こちとら酒なんざ滅多に飲めないんだからさー」
女「そうだ、お前も一緒に飲まないか?」
男「悪いけど、午後一の講義に出とかないと単位やばいからさ」
女「ふーん、大学生も楽じゃないねー」ぐびぐび
男「お前さんの生活よりは楽だよ、間違いなく」 - 34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:10:51.60 ID:JVgVbHG50
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男「悩み事はなんですか~」
女「……」
男「思いつかないものなんですか~」
女「……」
男「記憶の中も、探したけれど見つからないのに~……なにか反応してくれよ」
女「……む、なんだいたのか」
男「こんなにアピールしてたのに! で、悩み事なら俺に相談してくれ」
女「いらぬ下世話だ。が、気持ちだけ受け取っておこう。ではな」
男「あいつ、一体何を悩んでたんだろう」 - 36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:18:15.47 ID:PcxvMfnM0
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恩着せがましく、援護する。
女「ふぅ、あたしらしくないことしちゃったなぁ。あんた平気?」
男「ど、どうも、助かりました」
女「立てるなら、逃げるよ。見つかったら大変だ」
男「は、はい」
女「……で、なんで絡まれてたわけ?」
男「いや、ただインネンつけられてただけっていうか、なんていうか」
女「へぇ、今時、古臭いやり方で金せびる輩もいたもんだ」
男「あの~、先ほどから何を漁っておられるんでしょうか」
女「さっきの連中から、ガメといたんだけどね……あんまり持ってなかったみたい。は~あ、ガッカリ」
男「……」
女「なに? まさか、タダで助けてあげたとでも思ってるわけ? にいさん、考え甘いよ。こっちだって生きてくためにゃ、拳でもブロックでも使うよ」
男「はぁ、そうなんですか……」
ううむ、もう少し考えた方が良さそうだ - 37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:20:32.73 ID:LrnX4eUu0
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男「女ー 一緒に飯・・・あれ?」
女友「女なら終わった途端にどっかいったわよー」
男「購買でも行ったのかな?」
女友「それとも過保護すぎるから逃げられちゃったとか?」
男「んー やっぱりうざったいのかなぁ・・・」
女友「女の方は満更でもない気もするけどねー」
男「まぁ たまには構わないのもいいかな というわけでお昼ご一緒してもいい?」
女友「そういうことなら喜んで」 - 39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:24:19.73 ID:JVgVbHG50
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「いらっしゃい」
女「主人、厨房を借りるぞ」
「え? ちょ、ちょっとお客さん!」
女「扱いやすい包丁はどれだ? 材料はどこに保管してある?」
「おとなしく席でお待ちください!」
女「構わん。自分が食う分くらい自分で作る。さあ早く教えろ」
「困りますよ~!」
男「またあいつか……外にいてもやりとりがはっきりと浮かぶわ」 - 40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:27:43.48 ID:LrnX4eUu0
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女「ふふふ・・・さすがに全力疾走しただけの事はあるな 男が全く追ってこないではないか!!」
女「全く、そもそも日ごろからあいつは何かと構ってくるし遠慮がないしそれでいて優しいし・・・」
女「いかんいかん あいつを褒めてどうする 追いついてきたときに何を言われるかわかったものではない」
女「・・・男 こないな」
女「・・・」
女「教室戻るか 財布忘れたから弁当もらわないとご飯ないし」
女「仕方ないから頂いてやるとするか・・・男ー!」(ガラッ
男「それでそのおばあちゃんがさ~・・・」
女友「へぇー 腹筋300回はすごいねー」
女「・・・」
女「・・・弁当なんか絶対もらうもんか!」(ピシャッ - 41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:28:25.44 ID:PcxvMfnM0
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男「うー、参ったな……」
女「おや、にいさん、またあったね」
男「そのにいさんての、やめてもらえません?」
女「じゃあ、もうちょい馴れ馴れしくするんだね。で、どうしたのさ?」
男「いや、置き引きに遭っちゃって、財布取られた」
女「あちゃー、間抜けだね」
男「まあ、全財産じゃないんで、問題ないんだけど、電車乗れないし、この時間じゃ知り合いも皆寝てるだろうし」
女「なんだ、見た目通りにお人好しさんだね。なら、うちに泊まってく?」
男「え、そんな悪いですよ」
女「あー、いいからいいから。それと敬語やめな。鳥肌立っちゃいそう」
男「そんな気持ち悪い……かな」
女「慣れてないだけなんだけどねー。ま、この辺を一人で歩いて帰るんなら、ケツの毛まで盗られる覚悟でなきゃいけないよ。どう?」
男「……しかし、女性の一人暮らしに転がり込むのは……」
女「あっはは、そんなことで? まったく、面白い子だなァ。別に、気にしないよ、あたしは。あ、ひょっとして食われちゃうかもとか思ってるワケ?」
男「いや、そういうわけでは……」 - 43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:32:43.68 ID:JVgVbHG50
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男「あの本を取りたいのか」
女「ああ」
男「取ってやろうか?」
女「いらん。下がっていろ」
男「遠慮すんなって」
女「はっ!」
男「な、棚を蹴飛ばして本を落とすか? 普通」
女「だからいらんと言ったんだ。ではな」
男「足場を使うなり方法はあったろうに……あーあ、どうすんだよこれ」
「片付けお願いしますね」
男「はあ……」 - 46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:44:02.35 ID:w+qWyYSR0
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男「ほれ、酒持ってきたぞ」
女「おー、珍しいね」
男「たまにはな。つまみは無いんだが……」
女「それくらいこっちで用意するって」
男「え?あんの?」
女「するめならあるよー」
男「へえ……ま、いいか。飲むべ」
女「飲むべ飲むべ」
男「いやー、外で飲むってのもいいもんだな」
女「でしょ?」
男「ちょっとだけこういう生活も羨ましいかな……って思ったり」
女「おすすめはしないけどね」
男「分かってるって」 - 47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:49:54.43 ID:RbVL0ydO0
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ぶ-らい【無頼】[史記高祖本紀]
①一定の職業なく無法な行いをすること。また、その人。
②たよるべきところのないこと。
-・かん【無頼漢】無頼な男。ならずもの。ごろつき。破落戸。
とりあえず学生ではないようだ。 - 48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 00:56:35.18 ID:JVgVbHG50
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「なんでもエベレストに単独登頂したんだと」
「いやいやキラウェアの火山口に突入したらしいぞ」
「ナイアガラでアイキャンフライしたって聞いたぜ?」
男「などと疑わしい噂が飛び交ってるが、お前の性格上気にしてないと思うけど」
女「無論。勝手に言わせておけばいい」
男「やろうなんて考えてないよな?」
女「そこに利益があればやるかもしれんが」
男「おいおい」
女「案ずるな。無謀と勇気の違いくらい弁えている」
男(こいつはやりそうだからなあ) - 50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:05:44.57 ID:r85ScwRTO
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男「たこ焼き一つ下さい」
女「らっしゃい! ってあるぇー、男じゃん!」
男「ブッ!! おまえなにやってんの?」
女「見てわかんないかな? テキ屋だよ、たこ焼きの」
男「いや、どうしてやってんだって事なんだが?」
女「話せば長くなるんだけど、ゲンさんに勧められてさー」
男「短ッ!! ゲンさんってだれ!?」 - 51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:09:34.24 ID:r85ScwRTO
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ゲン「女ちゃん、どうだい、売り上げは?」
女「あぁ、ゲンさん、ぼちぼちですわ」
ゲン「そうかい、一つ貰えかい」
女「まいど! 400円スッ!」
男「今のって……」
女「893の親分さん」
男「……」 - 52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:14:42.89 ID:r85ScwRTO
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女「男ー、飯食いに行こうぜ!」
男「金ねーよ」
女「心配すんな、私がもってる」
男「貯金しなさい」
女「やだ! 金なんて使ってなんぼだろ? ホラ、行くぞ」
男「強引だなぁ」 - 53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:18:44.97 ID:r85ScwRTO
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男「で……、何? ここ?」
女「中華屋さん」
男「あきらかに高そうなんだが?」
女「気にすんなって」
女「ふっー、食った、食ったー」
男「ゲプッ……お前の身体の何処にあの量が入るんだ?」 - 55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:25:45.12 ID:r85ScwRTO
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店員「〇Χ□△☆円になります」
女「あー、1万位たりないわ」
男「……金持ってねーぞ……ア〇ム行ってくるわ」
女「あー、待ちたまえ」
男「なんだ?」
女「我に秘策あり」
男「コレが秘策か」ジャブジャブ
女「いいじゃん、コレで許してくれるんだから」ジャブジャブ - 56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:33:33.44 ID:r85ScwRTO
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男「お前なにしてんの?」
女「雑誌探してんの」ガサゴソ
男「二百円や三百円位出してやるからやめなさい」
女「読みたいわけじゃないよ」
男「じゃあ、どうすんのさ?」
女「それはね……」
女「今日発売の雑誌が半額だよー」
男「……本当にたくましいな」 - 57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:38:49.57 ID:r85ScwRTO
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女「男ー、釣り行こうぜ!」
男「良いけど、お前できんの?」
女「なめるな!」
男「……」
男「大漁、大漁。女はどうかな?」
男「女、釣れたか?」
女「いや、コレ針ついてないから」
男「……」 - 59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:40:55.51 ID:dgFfzCMXO
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構わん、続けろ
- 61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:49:35.56 ID:r85ScwRTO
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>>59
じゃあ、お言葉に甘えてあと少しだけ……。
男「取った魚の数で勝負するんじゃなかったのか?」
女「ふふふっ……ハンデだよハンデ」
男「もう俺十匹は釣ったんだが?」
女「男……知っているか?ガッ〇ンコ漁を」
男「犯罪です!!」 - 62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 01:56:56.64 ID:r85ScwRTO
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女「ヘクチッ……ズビー」
男「風邪か?」
女「だぁ(あぁ)……ぞぶだじぃ(そうらしい)……」
男「今日は寝てろよ」
女「ごぶぅうどぎごぞ、ぶぢゃずるんだ(こういう時こそ無茶するんだ)」
男「あっ、まてって!」
女「ガボッ、ガボッ……」
男「たまには言うこと聞きなさい!」
女「ずびばぜん(すみません)」 - 63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:03:30.82 ID:RbVL0ydO0
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女「今日は雨が降るかな」
男「晴れてるけど?」
女「東の空が曇っているし、湿気もある。燕も地面すれすれを飛んでいる。
飛行機雲も消えないしな。十中八九、降るよ」
男「なるほど」
女「知識はいいぞー。役に立つし、荷物にもならない。
手に物を持たなくても生きていける」
男「羨ましいとは思わんね」
女「ふん。とりあえず段ボールハウスを移動させよう」
男「手伝おうか?」
女「いらん」 - 64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:05:24.13 ID:r85ScwRTO
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男「こんな時期に祭りがまたあるのか」
女「この辺りは多いんだよ」
男「そう言えば、テキ屋は今回はやらないのか?」
女「んー、お手伝いは頼まれたんだけど……あ、アレだ」
男「ちょ、待てよ!」
女「おっちゃん!一回」
男「祭りのクジなんかあたんねーぞ」
カラン!カラン!
親父「おめでとう!! 1等の大当りだ!」
男「へ?」 - 65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:13:11.25 ID:r85ScwRTO
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男「お前スゲーな、祭りのクジで当たった奴初めて見たよ」
女「あぁ、アレね……アレは嘘なんだ」
男「嘘?」
女「あらかじめ当たりのクジを握って箱に手を入れたわけ」
男「いや、バレるだろ」
女「あー、サクラだから、後でこのwi〇も返すし」
男「詐欺だな」
女「詐欺だね。でも、代わりに1等を一枚入れてもらったんだぜ?」
男「やっぱり当たりぬいての?」
女「当たり前じゃん」 - 66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:15:45.80 ID:RbVL0ydO0
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女「こうしてこうで……。皆が理牌している隙に、山に仕込んだのをすり替えるんだ」
男「イカサマ練習するなよ」
女「まぁ、どうしてもという時に使うだけだ。財布が空になる寸前とか」
男「バレたら出入り禁止になるだろ。そもそも雀荘でイカサマなんてな……」
女「その時はその時だよ。ただ一つ言える事は、自分の金は自分で稼げ、だ。
イカサマしても」
男「なんという無頼……」 - 67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:18:42.73 ID:r85ScwRTO
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女「ハハッハー! 来い流星丸ー!」
男「家の犬に変な名前つけないでくれ」
女「しょうがないなー、流星丸は気に入らなかったらしいな」
女「よし、決めた! お前の名前はカラアゲだ!」
男「お願いだから食べないで」 - 68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:22:36.96 ID:JVgVbHG50
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男「落ち葉で焼き芋。やっぱり秋はこうでなくちゃな!」
女「ああ」
男「焼けた焼けた。いただきます……うん、美味い」
女「あふいな」
男「火傷したか。待ってろ、今飲み物を
女「ふう……必要ない。これも醍醐味だ」
男「それもそうだな」 - 69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:24:50.33 ID:r85ScwRTO
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女「見て見てー」
男「何それ? 巫女さん?」
女「バイトの衣装、似合うだろ?」
男「うっ……悔しいが認める」
男「ちなみに下着履かないってマジ?」
女「そうなの? いつも履かないから……」
男「買ってやるから履け!!」 - 70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 02:25:36.29 ID:r85ScwRTO
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お疲れ様でした。
- 71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:26:53.02 ID:RbVL0ydO0
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お疲れ様でした
女「あ」
男「どうした?」
女「鼻緒が切れた。サンダルの」
男「お、本当だ。昔から使ってたから当然だろ」
女「参ったなー。直すにしても、道具は家だ。遠い」
男「おぶって行ってやろうか」
女「男に頼る義理は無い」
男「強情な……。かたっぽ裸足で帰るのか?」
女「いや、けんけんで帰る」
男「頑張れ」
女「――あ」
男「どうした」
女「もう片方も切れた。仕方ない、裸足で帰るか」
男「だからおぶってってやるから」 - 72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:34:42.33 ID:RbVL0ydO0
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女「あいたた」
男「女!? どうしたその怪我!」
女「野犬に噛まれた。食料を狙って来たから、追い払おうとしたんだが。
思ったより凶暴な奴だったよ」
男「いやいや駄目だろ! 狂犬病とかになったらどうする!」
女「それは私の運が悪かっただけさ。ここで発病して死ぬなら、
そこまでの人間だったというわけ」
男「……力ずくで病院まで引っ張ってくぞ」
女「どうぞご勝手に。男の金なら全く問題ない」
男「そもそもお前、保険証とかあるか?」
女「そういや無いなぁ」 - 73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:46:59.55 ID:RbVL0ydO0
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女「寝ているだけで金が貰えるアルバイトを見つけた。睡眠時の脳の動きが
どうこうとかいう実験で」
男「女にはぴったりな仕事だ」
女「金が入ったら何に使おうかなー」
男「これから冬に入るんだし、新しい暖房器具でも買え。さすがに
湯たんぽだけじゃ辛いだろう」
女「意味が無いよ、電気が無いから。やはり新しい服が欲しいな。
かわいいのが」
男「プッ」
女「何故に吹き出す」
男「いや、なんでも……」 - 74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 02:51:31.93 ID:JVgVbHG50
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女「釣りに行ってくる」
男「道具が見当たらないんだが」
女「一つ問う。魚は道具を持っているか?」
男「あるわけないだろ」
女「無手の相手に道具で挑むは人、それを卑怯と言う。
徒手空拳には徒手空拳で挑むのが定め。
道具に頼るは愚の骨頂!」
男「そもそもそれは釣りとは言わな
女「行ってくる。ではな」
男「う~ん、俺が間違ってるような気がしてきたぞ」 - 75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 03:00:17.11 ID:RbVL0ydO0
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男「今日は読書か。詩集?」
女「うん。暇そうな若者が捨てていった」
男「面白いのか、詩なんて」
女「別に。ただ、詩や文学を嗜むと心が豊かになるんだ。
物に乏しくても心が豊かであれば、良い人生が送れる。私はそう思う」
男「ふむ。一理ある」
女「おお、珍しい。男が賛同するなんて」
男「悪いかこら」
女「わっはっは」
もう寝る。 - 76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 03:01:42.32 ID:dgFfzCMXO
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ただいま帰りました
支援&保守感謝です
今日は起きていられる限り続けます - 79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 03:10:57.55 ID:dgFfzCMXO
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女「男ー、私ちょっくら旅に出てくるわー」
男「…旅?」
女「そう。流れ流れて自分の死に場所を探すんだよー」
男「そっか……どのくらいで帰ってくる?」
女「おいおい、無頼にそれを聞くのは野暮ってもんだろー?」
女「ま、しいて言うなら風がこっちに吹いた時かなー」
男「……そうか」
女「うん、ほいじゃ明日の朝には出ていくから」
男「おう、分かったよ」
女「餞別とかいらないからな?全然気にしなくていいからな?」
男「………了解、なんか食いもん持ってくるわ」
女「できるだけ日保ちするものがいいなー」
男「…おk、把握」 - 80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 03:21:05.65 ID:dgFfzCMXO
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女「旅立ちのっ、朝ー!」
男「今、朝五時だぞ……元気だなおい……」
女「旅に出る日の朝は、私はいつもこんな風だぞ?」
男「遠足前の子供かよ」
女「それに、こんな時間にわざわざ起きて、見送りに来てくれる奴もいることだしなー」
男「へいへい、どーせ俺はヒマですよ」
女「そんなに自分を卑下するもんじゃないぞ、男。お前がきてくれて嬉しかったのは本当なんだからな」
男「……」
女「ところで、餞別はどした?」
男「ん、ああ。ほれ、缶詰め類その他食料の詰め合わせだ」
女「おー、悪くないねー」
男「大事に食えよ?」
女「もっちろん!」 - 81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 03:33:08.73 ID:dgFfzCMXO
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女「ほいじゃー、準備も出来たし行きますか」
男「………あのよ、女」
女「『行ってくれるな』とかは、言ってくれるなよ?」
男「ぐっ……ば、バーカ。誰がそんなこと言うか」
女「なら良かった。お前なら私のしたいことは止めないからな」
女「これで心置きなく、旅に出ることができるよ」
男「…」
女「土産話しか持って帰れないけど、楽しみにしてろよー」
男「……おう」
女「じゃ、また会う日まで達者でな」
男「お前も元気でいろよ」
女「おー!」
男「……行っちまったか」
男「惚れた女の息災を願うしかできない俺って、無力だなぁ…」
男「………はぁ」 - 87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 04:45:03.03 ID:PcxvMfnM0
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真夜中を乗り切ってこそ、新ジャンルの華。なればこそ……
男「お、お邪魔します」
女「おーおー、何にも無いけど、寝床はあるよっと」
男「それにしても、予想してたよりも、ちゃんとした部屋だ」
女「ダンボールにでも住んでると思った?」
男「路地裏とか高架下とか」
女「ああ、そいつはいいかもね。でも、あたしも一応こんなナリだからさ、鍵のある部屋のほうが寝心地がいいわけさ」
男「なるほど。押し入られたらどうするんだ?」
女「殴るか、もしくはあの世に行ってもらう」
男「はは……」
女「ベッドは好きに使っていいけど、その前に付き合ってくんない?」
男「何に?」
女「お酒にきまってるじゃないさ。客人と酒を飲む。当たり前の事」
男「……そ、そうなんだー」 - 88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 04:51:44.15 ID:PcxvMfnM0
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男「……う、頭痛い……」
女「ん~、るせぇな」
男「え? あ、そういえば、女さんのところに泊まったんだっけ……えと、今何時……」
女「ん、寒いにゃ……」
男「えと……俺、パンツはいてるよな。やばい、記憶が無い」
女「ん~、んぁ? 誰、あんた?」
男「いや、昨日あったばっかだけど、一応、知り合いだよ」
女「……? あー、思い出した。お人好しのにいさん」
男「だから、それやめろって……」
女「んふ……一人で帰れる?」
男「大丈夫だと思う。頭痛いけど、もう明るいし。それより、大丈夫? 調子悪そうだけど」
女「……冷蔵庫、水、しんどい」
男「……朝食くらい、作っていくよ」
女「ん~……」 - 89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:01:12.43 ID:PcxvMfnM0
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女「もしもーし……んだよ、また荒事ォ? これでも女の子なンすけどォ……はいはい、金かかっちゃったら、やるっきゃないねぇ」
男「おや、マックで食事中かな……どうやって稼いでんだろ、あの人」
女「あいよ、ホストのいらない子ね。インネンつけられる前にケチョンケチョン……古い言い回し好きだね、アンタ」
男「……なんか、楽しそうだなぁ……恋人だったりして」
女「わかった、んじゃまたねー……ふぅ、ん? おーい、にいさんじゃないの?」
男「あ、うん、そうだけど……」
女「珍しいトコで会うね。お仕事?」
男「いや、今日は学校が午前で終わりだからさ」
女「あ、学生なんだ? ふーん、そういや、ハタチなんだっけ?」
男「そう。って、話したっけ?」
女「あたしとおんなじ。いやぁ、酒飲むと、口軽くなるよね」
男「あのときか……君は?」
女「学校? いってないよ。高校中退。大学行ってると思った?」
男「一応ね、きいてみただけ」
女「まったく、気がきくんだか、そうでないんだか」 - 90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:07:24.31 ID:Tyzg5hCb0
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何故か『当て屋の椿』が脳内再生される
- 91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:10:21.09 ID:PcxvMfnM0
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女「うー、さむさむ……熱燗でも欲しいなぁ、屋台とか無かったっけ、この辺……お」
男「あれ、よく会うね」
女「こんな町外れに、なんか用なわけ? この辺には廃港とかしかないよ」
男「いや、前にゼミの飲み会の帰りに、講師のおっさんと一緒に飲んだ屋台がこの辺りにあってさ、気紛れに探してたんだよ」
女「暇ねー。大学生って暇なの?」
男「まぁ、時間が余ることもあるよ。詰め方を考えれば、暇にも忙しくもなる」
女「ふーん、で、見つかったわけ? その屋台」
男「見つかってりゃ、こんな辺鄙な場所に居ないよ。ちょっと迷っちゃって」
女「ださっ、にいさんらしいね」
男「あのなぁ……そういや、君は何しに?」
女「ちょっと、おしごと。まあ、バイトみたいなもんかな」
男「へぇ……女の子をこんなところに一人にさせるなんて、ろくなバイトじゃないな」
女「かもねぇ……あ、じゃあ一緒に屋台探す? 反対側は、人住んでるとこ出るし」
男「いきあたりばったりだなぁ……付き合うよ」 - 92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:19:32.06 ID:PcxvMfnM0
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男「どうでもいいけどさ、君は酒強いな。さては、成人前から飲んでたクチだろ?」
女「成人? 高校行ってた時から飲んでたっつの」
男「あーやっぱり。その頃から、けっこうあくどい事やってたりしてな」
女「ん~、先公だまくらかして、病院送りにしたり、淫行デッチ上げて退職させたりとか?」
男「うわ、ひでえ……ほんとにやったの?」
女「だぁってさー、あいつら教師の風上にも置けないつーかさー」
男「あーあー、酒がこぼれてる……服、染みになるぞ、まったく」
女「……あんたさー、つくづくお人好しだよねぇ」
男「君がだらしないからだろ。あっと、胸元は自分で拭いてね。はばかられる」
女「クスッ、可愛いんだ。ほれほれ、好きにしていいんだぞ~」
男「やめろ、こっちもぬれる」
女「そんなこと言わずに~……お、ちくわぶ頂き」
男「俺の食いかけだっての……もー、おやっさん、ちくわぶもう一つ」 - 93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:29:38.68 ID:PcxvMfnM0
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女「……もしもしー? あ、にいさんか。珍しいね……今? 来てんの? ああ、開いてるよ」
男「急にごめん。雨降ってんのに傘忘れて、近くだったモンだから……あれ」
女「ああ、その辺座ってて」
男「まだ陽も落ちてない時間から、お酒ですか」
女「いいじゃん、仕事終りなんだし」
男「へぇ……それにしても、やっぱ……タイミング悪かったな」
女「ん? ああ、このカッコ? 気になるんなら、シャツとか着るけど」
男「お願いします。ていうか……アザだらけなのは、つっこんでいいの?」
女「別に、仕事上、そういうこともあるって事」
男「……殴られたとか、そういうのだよな」
女「めずらしかないよ。女殴りながら犯したいっていう、おかしなのも居るんだよ。けっこう、儲かった」
男「……」
女「なに、身体で稼いじゃいけない?」
男「そうは言わないけど……もっと大事にしたほうがいいと思って」
女「今更だけど、まぁ、アンタのそういうヘンな気遣い、嫌いじゃないよ」 - 95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:36:07.76 ID:PcxvMfnM0
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女「……雨、止まないね」
男「ああ、傘あったっけ?」
女「使わないよ、あたし」
男「だよねぇ……」
女「……軽蔑した?」
男「……なにが?」
女「こういうことしてるってのさ」
男「わかんない。でも、もう少し安全で確実な方法があるんじゃないかってのは」
女「……こういうナリじゃ、そういうのこそ難しいんだ」
男「そっか……ごめん」
女「なんで、あやまんのさ」
男「なんとなく」
女「なにそれ」
男「ごめん」
女「あやまんなっつーの。バーカ」 - 97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:42:40.29 ID:dgFfzCMXO
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男 「……」
悪友「おい、男」
男 「……」
悪友「おいってば」
男 「……はぁ」
悪友「こりゃあ重症だな」
男 「なぁ、悪友よぅ…」
悪友「今にも死にそうな顔をしてどうした」
男 「あいつ、今ごろどこで何してんのかなぁ……」
悪友「知るか。あいつって誰よ」
男 「教えねーよ馬鹿」
悪友「なんでだよアホ」
男 「無頼に惚れたって、ロクなことないからだよ」
悪友「意味分からん」 - 98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:49:23.87 ID:dgFfzCMXO
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男「……」
男「……」
男「……女にやるつもりで、学食から残り物もらってきちまった」
男「しょうがない、猫の餌にするか」 - 99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 05:56:49.54 ID:dgFfzCMXO
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一方その頃、女はというと----
女「潮風サイコー!」
女「やっぱ海はいいねぇ、一人になるには絶好の場所だ」
女「あそこで鳴いてんのは、ウミネコか?」
女「私って、つくづく猫に縁があるなぁ」 - 104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 07:44:04.31 ID:dgFfzCMXO
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女「ウミネコにゃーにゃー、ウミネコにゃーにゃー」
女「野良と渡りにゃ海が合う、ってね」
女「やっぱ私は、一人が好きだなぁ。死ぬにしろ生きるにしろ、全部一人でやるんだろうなぁ」
女「あ、でも男なら隣にいてくれてもいいかな」
女「あいつはいい奴だよ。私みたいなワケわからんもんにも優しいし、おっちょこちょいだけど根はしっかりもんだし」
女「……いかんいかん、人は一人、人は一人」
女「肝に銘じておかねーとねー」 - 105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 08:11:53.64 ID:dgFfzCMXO
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数日後
男「おっと、また公園きちまった」
男「女はいねぇっつうのに、俺も学習しないよなぁ」
女「どーおせおいーらーはヤクゥザなあにーきー、分かーっちゃいーるんだいーもおーとよー」
男「……ん!?この寅さんのテーマソングは……」
女「よっ、男!」
男「女!」
女「早すぎるけど、帰ってきちゃったよ」
男「そうか…でも、なんで?」
女「そうさねー、風に倣うのが無頼なら、風に抗うのも無頼だってことなんかねー」
男「お前の言い回しはいちいち小難しいが、帰ってきてくれて嬉しいよ」
女「そうだ、帰還祝いになんか飯おごれ」
男「いいぞ、なんでも食え」
女「マックとか、食ってみたいな」
男「おう、好きなだけ食えよ」 - 109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 09:03:33.66 ID:5MPBbot60
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涯じゃないのか
- 110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 09:11:33.58 ID:8edbOHWV0
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- 116 昼休みを利用して 2008/10/15(水) 13:06:10.79 ID:dgFfzCMXO
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女「よーす男、久しぶりー」
男「おぉ、女。なんか久々に顔見た気がするが、何してたんだ?」
女「そりゃもちろん、労働っすよー」
男「なんの?」
女「ストリップ劇場の仕事」
男「ブッ……まさか、脱いだのか!?」
女「んなわけないっしょー。舞台の証明とか雑用とかしてたんだよー」
男「そうか……んなら良かった」
女「大体、ぽっと出の新人がプロのストリッパーに叶うわけないだろ?お前はストリップをなめすぎだ!」
男「へいへい、すんませんでしたっと」 - 117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 13:17:12.95 ID:dgFfzCMXO
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女「さみーよー」ガタガタ
男「冬服、もってないのか?」
女「全部巣に置いてあるー」
男「なら、取りに帰れよ」
女「今は駄目ー、博打の負債取り立て人が来てるからー」
男「また麻雀か?懲りない奴…」
女「さーびー。段ボールの中もさみー」
男「ったく……これ着ろよ」
ふぁさ
女「ふぇ…いいのか?」
男「俺が見過ごして凍死させるよりはマシだ」
女「ふへへ、ありがとー」
男「後でちゃんと返せよ?」
女「ぬふふ、これ男の匂いがするー」
男「聞いてないし…」 - 122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 15:50:11.60 ID:PcxvMfnM0
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恩着せがましく保守するかな。
女「よ、にいさん」
男「おっ、ビックリしたぁ。妙なトコで会うな」
女「わざわざ会いに来たってのに、ずいぶんじゃないか」
男「そうなの? てっきり、大学に用でもあったのかと」
女「まったく……で、今夜あいてる? 飲み行かない?」
男「君はそればっかだな。別に空いてるよ」
女「よし、そう来なくちゃ」
男「そうして誘うってことは、いい飲み屋でもあるのか?」
女「オサレなところは勘弁、居酒屋で悪いけどさ」
男「はは、らしいな。付き合うよ」
女「おーし、飲むぞー」
男「……また、グダグダになるまで飲むのかぁ」
女「そしたら、また泊まればいいよ、ウチにさ」
男「……やばい、順応し始めてるなぁ、俺」 - 123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 16:00:24.81 ID:PcxvMfnM0
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女「……ぷふっ、参った参った……いってぇ、くそ」
男「おーい、遅れてすま……どうした!?」
女「ああ、にいさんか。格好悪いとこ、見せちゃったね」
男「大丈夫なのか?」
女「大丈夫、よくあること……ってて、口ン中いってぇや」
男「と、とりあえず俺の上着、使ってくれ」
女「あんがと、たく、せっかくの一張羅が台無しだよねぇ、まったく」
男「……歩けるか? 肩貸すぞ」
女「あはは、悪いね……あっ」
男「ダメみたいだな。ちょっと揺れるけど、我慢してな」
女「は? え、ちょ……」
男「叔父が近くで診療所やってるんだ。そこまで我慢」
女「都合がいいね……つか、重くない?」
男「じっとしてればな」
女「ったく、今日は厄日かね……あんまり強く持つな。痛い」 - 124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 16:11:37.09 ID:PcxvMfnM0
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女「すぅ……はぁ……まっず」
男「よ、見舞いに来た……煙たっ」
女「おーう、生きてるよー」
男「病人が煙草ふかしてんじゃねえよ」
女「飯は不味いし、酒もダメ。煙草くらいしか楽しみ無いんだよー。おまけにクソ不味い……サイアクだっつの」
男「叔父さんも注意してくれてないのかなァ……」
女「ま、気ィ使ってくれてんのかもね。お、果物かー。包丁あるから、梨さばいてよ。喉渇いちゃった」
男「気を遣う? どういうことだ?」
女「ほら、さっさと梨。ウサギさんとかいらないよ。指やら手首やら脱臼したり折れたりしてるんで、刃物は握れないんだよ」
男「言いたい事しか言わないのか、まったく……だいたい、梨でウサギさんはないだろ……」
女「ほほう、けっこう巧いじゃん」
男「……怪我、もうだいたいいいのか?」
女「だから、たいした事じゃないって……たかが昔のやり返しされただけで、因縁なんて無いし」
男「……」
女「ま、お陰で、子供とか産めなくなったらしいけど、お陰で病室で煙草吸える訳だけどね」 - 125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 16:22:30.67 ID:PcxvMfnM0
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男「……本当か?」
女「笑えんの。アンタの叔父さん、この世の終わりみたいな深刻そうなツラでさ、唇わなわなさせて話すんだもん。ビビっちゃって損したっつの」
男「大変な事だろ、それ……なんで笑ってられるんだよ?」
女「あたしにゃ、関係ねーよ。ガキ産む余裕も価値もないの。一生、一人でやってくつもりだし」
男「……」
女「なに? 手止まってるよ。はやく、梨……あっ」
男「自分勝手かもしれないけど、しばらくこうしてていいかな」
女「……あっついよ。それに痛い。あたし、病人。アバラ折れてんの」
男「ごめん。でも、もう少しだけ」
女「……同情なんて、クソ食らえだ。あたしは、別に悲しいわけじゃない」
男「俺が悲しい」
女「そりゃ……困ったな。勝手に悲しまれちゃ、なにもできね」
男「ごめん」
女「あやまんなっつの」 - 127 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 16:42:41.34 ID:PcxvMfnM0
-
女「あいてて……久々の我が家ですよ~と」
男「おい」
女「お、やあ、にいさん。意外なところで会うね」
男「病院抜け出したって聞いたから、もしかしたらと思って」
女「いい勘してるよ。悪いけど、あんなトコにながく居られないよ。腐っちゃう」
男「なぁ、もうこんなことやめないか?」
女「こんなことね。あたしにとっちゃ、生きる方法だよ」
男「他に手はあるだろ」
女「ねーよ。何にも知らないくせに、知った風なこと言うんじゃねっつの」
男「君が言わないからだろ」
女「言う必要もない。引き込む必要も、無い」
男「もう引き込まれてる」
女「まだ引き返せる」
男「置いていけない!」
女「じゃ、人殺せる?」 - 128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 16:50:57.63 ID:PcxvMfnM0
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男「……なんだって?」
女「あたしは、今までに何度かあるよ。どうでもいい人間は、居なくなっても、案外気付かれないんだよ」
男「……嘘だ」
女「どうでもいい人間て言うのは、つまり、あたしみたいな、ダメな連中さ」
男「どうでも? どうでもよくないだろ」
女「じゃあ、考えてみなよ。あたしみたいな人間が、試しに世間から消えたら……誰が困る? 誰も困らない」
男「俺は困る」
女「……うそだ」
男「俺は嫌だ。君が怪我するのも、居なくなるのも、嫌だぞ」
女「……居ないほうがいいんだ、こんな友達は。にいさんが損するだけだよ」
男「何がわかる。俺のことなんか、知らないくせに」
女「っ、てめぇのことなんざ、知りたくもねぇっつの!」
男「それ、本音か?」
女「……そうだよ、てめぇの事なんか、知ったこっちゃねえ。ほっとけよ、馬鹿!」 - 129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 17:00:50.04 ID:PcxvMfnM0
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女「馬鹿……住んでる世界が違うんだ。惚れた脹れたなんて、関係無い……巻き込めるワケないじゃんさ」
女「……焦げ臭……? チッ、馬鹿共が、まだやるつもりか……上等、こちとら機嫌が悪いんだ……」
女「そうだ、このまま、全部無かった事に。あたしなんて……最初から」
・ ・ ・
男「おい、居るか!? ……くそ、何も残ってない。全部、真っ黒か……初めから何も無かったみたいに」
男「くそ、どうすればいい、どうすれば……」 - 130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 17:14:00.24 ID:PcxvMfnM0
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上司「へぇ、確かにいい味してるな。こんな屋台、いつ探し出したんだ?」
男「大学の頃に……よく、友達と来てたんですよ」
上司「友達ね。ああ、君が探してるって、あの?」
男「お、覚えてたんですか? 酒の席だったんで、口が軽くなったのかな」
上司「はっはっは、よくあることだ。酒が入れば無礼講。まぁ、近頃の若いのは、無礼講が過ぎるがなぁ」
男「すいません」
上司「いやいや、君はよくやってる。今じゃ、一番所轄を巧く使ってるじゃないか」
男「やめてくださいよ。あの人たちの助力が無きゃ、捜査は成り立ちません。それに……」
上司「それに?」
男「いえ、個人的な目論みも無くはないですから」
上司「ほう、友達とやらをよほど心配しているのだな」
男「……多分、好きだったんだと思います」
上司「はは、美しい友情だな。きっと見つかるさ、きっとな」
男「はい……」 - 131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 17:23:09.10 ID:PcxvMfnM0
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上司「……」
男「ふぅ……あれ、寝ちゃいましたか。参ったな、こっからタクシー拾うの大変なのに」
「あれ、先客かな?」
男「ああ、どうぞ。そろそろお暇しようかと思ってたんで」
「そう、まぁそう言わず、付き合ってよ」
男「はぁ、まあいいですけど」
「あー、敬語はやめてくんないかな。鳥肌立っちゃうんだよね」
男「そりゃ……すまない……?」
「なに? どうかした?」
男「……いや、何注文する? 熱燗、にちくわぶ?」
「あれ、なんであたしの好物知ってるワケ?」
男「知ってるも何も……一緒に飲んだじゃないか」
「だっけ? 知らないなぁ。あんたとあたしは、初対面じゃん」
男「っ……そうか、そうなのか」
「ま、たまには、そういうのに付き合うのも、悪くないけどね、にいさん」 - 132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 17:25:04.65 ID:PcxvMfnM0
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しまった。保守なのに、終わらせてしまった。どうしようww
- 133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/15(水) 17:27:13.04 ID:BZfkZ65z0
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いいんでない?
こういうの好きよ - 137 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 18:17:44.78 ID:PcxvMfnM0
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- 140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 18:42:29.02 ID:42Bqi/mt0
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女「私は誰にも頼らない……いや、頼れない」
女「親は顔も知らない」
女「孤児院でも一人だけハブだった」
女「友達なんていなかった」
女「小中高、とな」
女「男、多分お前にも頼れないんだろうな」
女「……私はっ……こんなにも頼りたいのに……」
女「何でだろう……身体が勝手に拒んで……」
みたいなのを書いてくださいな(´・ω・`) - 141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 18:49:26.42 ID:mvQ9VHRxO
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- 147 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 20:38:38.87 ID:c8L4k4S+0
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女「私が替わりにやってあげるよ~!」
男「いや……」
女「ほら~」
男「あ…」
女「あれ?……動かなくなっちゃった~…」
男「げ…」
女「もともと壊れてたんだね~」
男「どないしょ…」 - 149 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ただいま帰りました 2008/10/15(水) 21:00:15.27 ID:dgFfzCMXO
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男「今までで一番ヤバかった仕事って何よ」
女「うーん、運び屋かなぁ」
女「指定された場所まで行って、何かがつまった鞄を渡すだけで百万ももらっちゃった!」
男「おい……それってかなりヤバいんじゃ……」
女「後をつけられなかったかとか、鞄の中身を見てないかとか色々聞かれたけど、結局なんもなかったよ?」
男「単なる結果論じゃんよ…」
女「危ない橋わたんないとお金なんか手に入んないよー」
男「頼む。お前の為じゃなくて俺の為にやめてくれ……聞いてるだけで胃がキリキリしてきた……」 - 150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 21:07:39.93 ID:dgFfzCMXO
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女「さー、今日も一発行きますかー!」
男「また麻雀か?よく飽きないなぁ」
女「生活のためっすからー」
男「他の賭け事はしないのか?競馬とかパチンコとか」
女「んー、なんちゅうかねー」
女「人と人との関係が希薄な博打は、打つ気がしないんだよー」
男「なるほどな。じゃあ花札とか丁半博打は得意な訳か」
女「お、いいねー!なんなら今度一緒に打つかい?」
男「ケツの毛までむしられそうだからやめとく」 - 151 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 21:16:31.49 ID:dgFfzCMXO
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男「もしも俺が、博打で負けた金を取り立てにきたヤクザだったらどうする?」
女「男がそう名乗り出た時点で、潔く死ぬ」
男「お……マジで?」
女「うん。だって一宿一飯の恩義を忘れたら、人間じゃあないもの」
男「そうか……なんかちょっと嬉しいな」
女「でも、死ぬ前に金玉蹴りあげて腕もぎ落とすくらいはするかもねー」
男「………」 - 152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 21:43:26.72 ID:dgFfzCMXO
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女「………」パラパラ
男「珍しく読書中か、何読んでんの?」
女「林芙美子ー」
男「聞かない名前だなぁ…」
女「知らないの?林芙美子はね、日本一の女無頼さんなんだよ!」
男「へー」
女「ひとつところに定住せず、人との馴れ合いを嫌った無頼人」
女「あぁ…私もこんな風になりたいなぁ…」
男「心配しなくても、充分なってるから」
女「いやー、まだまだ」 - 155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 22:30:24.24 ID:c8L4k4S+0
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男「む、こうでもないか…」
女「おや~? 男く~ん悩み事か~い? なんでも言ってごら~ん?」
男「あ、ここの問題なんだけどさ」
女「どれどれ~?」
女「え? これ発展問題なの~? 」
女「あはは~、そんなの解けなくてもいいんだよ~」
女「じゃ~ね~」
男「逃げ足早いな…」 - 156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 22:32:27.19 ID:nCocnmZU0
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女「・・・おつかれしたー」
女「・・・ったく。女殴りながらじゃないと、イケないなんて。世も末だぁね」
女「まぁ、顔だけは避けてくれたし?いい金にはなったかな」
女「ガキの頃から、殴られるのだけは慣れてるさ」
女「あ~あ、ったく。あいつらも金払ってくれればよかったのになぁ」
女「・・・っん?電気ついてる?」
女「滞納してた電気代、払ったっけか?」
男「おう、差し入れだぞ。・・・どうした?その格好?」
女「・・・なんでもねぇよ。こっちの事情だ」
男「・・・そうか。出来ることはあるか?」
女「サケとメシ、奢れ」
男「・・・おまえ、そればっかりだな」
女「それ以外にいる物なんて、ねーよ」 - 157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/15(水) 22:32:46.20 ID:nCocnmZU0
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男「・・・いつまで、こんな事を続けるんだ?」
女「すみませ~ん、焼酎ロック! ・・・で?」
男「聞けよ。」
女「聞いてるよ。お前、間違ってる。『こんな事』じゃない。『そんな事』だ」
男「・・・大して違わないだろう?」
女「違う・・・。決定的に違うね。お前と私は、所詮他人だ」
男「俺は、そんな事は・・・」
女「いいから聞けよ? まず、俺はお前の事は嫌いじゃない」
男「・・・おう」
女「だが、俺は俺のことが大っ嫌いだ」
男「なっ!?」
女「俺ってのは結局、何処まで行っても『半人前』で『不完全』で『役立たず』なんだ」
男「そんな事は・・・」
女「いいから聞け。これはお前の為に言ってるんだ。そんな『役立たず』にお前は何を期待してるんだ?
同情か?憐憫か? ・・・だったら要らない。今すぐ金置いて消えろ。
俺が好きなのか? 言っちゃ何だが・・・子供も産めないし、将来もないような女だぞ?」
男「そんなことは・・・ない」
女「お前には、感謝してる。・・・本当だ。
でも、だからこそ・・・俺を嫌いになれ? なっ?」
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