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新ジャンル「文房具」01_vol03

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new_jack

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新ジャンル 「文房具」
401 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 00:42:53.10 ID:nYf4GmX40
[Changing a viewpoint] 桜の不安

今さっきから、粘りつくような悲哀を私は感じていた。
身を乗り出した後、
すぐに引っ込み、主の呼吸音が聞こえる暗闇の中で、
自らを研ぎ澄ます。
これは、私個人の感情から来ているものではない。
きっと、私には関係のないものだ。
誰から発せられたものを、私が受け取っている感覚?
しかし、
誰からなのかはわからない、
これが何からくる感情なのかもわからなかった。

でも、これが何かは、わかる。
「黒い、絶望――」気づけば声に出ていた。

[Returning a viewpoint]

402 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 00:46:47.41 ID:66Rfh2RBO
話の節目が近づいてるような気がする

415 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 02:42:42.46 ID:nYf4GmX40
嫌な予感がすると言われても、
これといった不吉なこともなく、俺は家に辿りついた。
勘が効くコイツがあんな顔で言うものだから、
後ろから、ナイフを持った変質野郎から、
襲われるぐらいの覚悟はしていたんだが――。

416 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 02:48:46.51 ID:nYf4GmX40
本当になにごともなく、
俺は今、自分の部屋があるこのオンボロアパートを見上げているのだった。
桜は、あの後すぐに引っ込んで、今は出てくる気配すらない。
珍しいな、桜が勘を外すなんて。
俺は思いながら、鍵を開けて自分の部屋に入る。

417 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 03:01:15.63 ID:nYf4GmX40
扉を閉めるパタンという音が、切なげにこの部屋に響く。
自室に帰り、
この音に何かしらの哀愁を感じてしまった時は、
その人が心に何かしら気になることを抱えている時のかもしれないなと、
あの時、妙に詩的なことを考えてしまった。

428 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 07:38:58.25 ID:nYf4GmX40
…力尽きて、寝てしまったあとも、
 毎回スレが残ってある事実に感動。

 も前ら、何だ、そのヌクモリティ!!

430 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 08:10:38.50 ID:nYf4GmX40
後になって思えば、俺もまだ、
何となく事が終わってないことを心のスミで感じとっていたみたいだが、
正確には、俺にとって、まだまだ何も始まってもいなかったことを、
もう少したった後、知ることになる。


431 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 08:27:08.51 ID:nYf4GmX40
学生服を脱ぐついでに、
バイト先に着て行く服に着替えようと、とりあえず、
首下げ袋を机の上に置く。が、桜は出てきやしない。

何となく空けて中を覗くことを、躊躇われたおれは、
代わりに鞄の中からペンケースを出し、
中を覗いて姐さんに俺の手のひらに、ご足労願ってから、
聞いてみる、
桜が何か変な不安を感じているみたいだけど、心辺りある?と

432 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 08:33:12.91 ID:0aNyE34YO
ガンガレ、超ガンガレ

434 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 08:56:28.53 ID:nYf4GmX40
そう、とだけ姐さんが呟き、
私にはないわ、でも、まぁ安心なさいと言葉を繋ぐ。
そして、最後に、
「あの子がそういうなら、間違いなく何か起こるわ」と、
真顔をこちらに向けてソウ言った。
…どこを、どう安心しろとイウノデショウ、姐さん。

435 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 09:16:32.23 ID:kA5vHvPD0
消防の時さ、クラスに一人はねりけし持ってくる奴いたよな

439 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 09:43:50.17 ID:nYf4GmX40
[Changing a viewpoint]

薄汚いコンクリートに覆われたビルがならんだ通り。
背中にかかるほどの黒髪を持ち、
男性用のスーツを着込んだ長身の女性が、
パンプスの音を響かせながら進んでいる。
両手には中身の詰まった大き目のナイロン袋を抱えていた。

445 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 11:20:53.28 ID:dSypFeXYO
wktkwktk

446 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 11:28:30.47 ID:rWtrwMNlO
確認姉妹こないかな?

447 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 11:33:42.63 ID:OR/qHeht0
妹「あれ?ここの確認は?」
姉「なんか盛り上がってるみたいだしスルーしたんだけど。保守状態だわね…もう止めて
いつもの策略を準備し始めてたんだけど、まあ一応やっておきますか。」
妹「保守確認!」
姉・妹「確・認・姉・妹!」ビシッ(ポージング)

引き続きワクテカして待ちましょう。

449 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:03:36.90 ID:nYf4GmX40
大人の麗しい女性が、
野菜ジュースのペットボトルと10秒チャージなビニールパックが、
大量かつ無造作に放り込まれた袋を運んでいる姿は、中々にシュールだった。
通路を挟むコンクリートの壁を見ながら
「この退廃的な光景は気に入ってるのだが――」
駐車場から、少し歩かなければならないのが傷だなと、一人ごちる

450 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:07:31.65 ID:nYf4GmX40
しかし、あれだ、
wktkしながらお待ちして頂いてるみなさんに対して申し訳ないが





富樫の気持ちがわかるわ、コレwwwwwwwww

451 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:12:07.77 ID:8wV9ub1wO
>>450
こら!!!!11w

452 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:17:17.59 ID:ifofQLnqO
いつか完結させてくれるなら、書くのは作者のペースでいいと俺は思う。
ただ煮詰まったりして書けなくなって、長期に渡って休むなら連絡してくれると嬉しい。
ただ待つだけは辛い('А`)H×Hとかな・・。

読んでて楽しいので、まったり頑張ってくれ。
ノシ

453 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:25:56.59 ID:nYf4GmX40
いや、大丈夫だ、とりあえず安心してくれ。
気持ちがわかりそうだが、
スタイルを真似しなければならない状況にはまだなってないwwwww

んじゃ、続きに戻る   ノチチ


通路を挟むコンクリートの壁を見ながら
「この退廃的な光景は気に入ってるのだが――」
駐車場から、少し歩かなければならないのが傷だなと、一人ごちる。
自らの棲み処に到り、
肩にかけた黒の革鞄から鍵を探していると、水滴が顔にかかった。
灰色の壁に狭められた空を見上げると、
水を零れるほどに含んでいる、暗い雲が目に入る。

454 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:34:26.44 ID:nYf4GmX40
「雨、か」
あのバイト君は原付だから体を冷やしてやってくるに違いない。
そうだな、温かいものぐらいは用意しておいてやろう。
まぁ、いつもの通り、
片付けるのは彼になるのだろうなと自嘲しながら、
見つけた鍵を、穴に差し込んで回す。
扉を開けて、女性は、ビルの中へ消えていった。

[Returning a viewpoint]

455 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 12:52:29.69 ID:nYf4GmX40
原付でバイト先に向かう道すがら、
半キャップのヘルメットを被っている俺は、
雨が降ってきたのを顔で感じていた。
失敗した、やっぱり合羽を着てくるんだったなと、
布製の黒のジャケットが濡れていく音を耳で聞きながら、
後悔して、下唇を少し噛む。

456 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 13:23:21.15 ID:nYf4GmX40
濡れていき色を濃くするジャケットの両袖、
水を受け黒を濃くするアスファルトの地面。
俺も後悔を濃くして、ちくしょうとため息をついた。


457 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 13:48:14.33 ID:nYf4GmX40
ビルのある商店街に入る前、信号の機嫌を損ねてしまい、
俺は原付の両ブレーキをゆっくりと握る。
降りしきる雨の中、むき出しな二輪での停車は嫌なもんだ。
信号に、遠慮するな、もっと濡れてけと声をかけられている気分になる。
丁重に辞退したかったが、そんなわけもいかず、
黙って、雨に濡れたアスファルト特有の、土埃っぽい臭いを嗅ぎながら、
信号の機嫌が直るのを待った。

458 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 13:55:36.54 ID:k6BBTlDi0
主人公が交通事故・・・?(´・ω・`)

459 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 13:57:03.55 ID:kvexGYx90
>>458
怖いこと言うなよ……

461 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 13:58:21.42 ID:nYf4GmX40
交差する方の信号が、青から赤に変わる。
そろそろかなと、アクセルを持つ右手を構えなおしていると、
胸のアイツがもそもそと動いた。そちらを見つめる、何だ?
いつもとは違い、ややジャケットの隙間を両手でこじ開けるように、
やや乱暴に出てきて、何かを探しているように左右を素早く睨みつける。

462 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 14:05:02.93 ID:nYf4GmX40
「ねぇ――!」と、何か叫ぼうとしたが、後ろの車のクラクションに
かき消された。いつの間にやら信号が青に変わっている。
ちぃ、気の短いヤツが、と俺はサイドミラーごしにその車の主を睨みつけてから、
アクセルを入れた。

463 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 14:12:11.84 ID:nYf4GmX40
[Changing a viewpoint] 近づく気配

この方面?この方角?この道先?
まるで、
距離によって割れていた信号が、
近づくにつれ、鮮明になるように――
あの黒い絶望が、輪郭を露わにしていく。
もう、すでに事は終わってしまっているようだった、胸が痛む。
でも、取り残されたあの人のために向かわなきゃ。

464 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 14:20:24.64 ID:nYf4GmX40
もうじっとはしていられなかった、
袋を開け、ジャケットをこじ開ける。
あたりを見渡して、アレがどちらからか来るか確認する。
方向を定め、彼に伝えようと口を開いたけど、
後ろから来る凄い音でかき消されてしまった

470 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 14:41:53.70 ID:nYf4GmX40
その音で、彼が原付を走らせる。
何度か叫び直したけど、
甲高い排気音に邪魔されて、ダメ、ここからじゃ声が届かない。
どうすれば――ううん、わかりきったこと。
私は覚悟を決めて、ジャケットの中に引っ込んだ後、
その内側を登り始める。

[Returning a viewpoint]

476 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 15:08:26.43 ID:nYf4GmX40
順調に商店街を通って行く。あの先を左折すれば、先生のビルに――
「真っ直ぐ」突如、近距離で桜の声がした。???ど、どこから???
「いいから、真っ直ぐ!!!」今度は強く、はっきりと。
俺は桜に言われたとおり、左折するところをスルーする。
全く、なんて流されやすいんだろうね、俺って。

477 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 15:14:39.42 ID:QOX3C6C+0
よかった・・・事故じゃなかったんだ
ヒヤヒヤさせやがってwwwwww

479 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 15:25:46.96 ID:nYf4GmX40
大量の車が前に並び、俺の行く手をふさぐ。
桜がどこにいるか確認した。
どうやら桜は、俺のジャケットの右首筋の内側から、
指示を出しているらしかった。

483 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 15:42:20.42 ID:nYf4GmX40
大量の車が前に並び、俺の行く手をふさぐ。
桜がどこにいるか確認した。
どうやら桜は、俺のジャケットの右首筋の内側から、
指示を出しているらしかった。

486 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 15:52:44.08 ID:nYf4GmX40
コイツ、わざわざ登ってきたのか?
ロッククライマーも顔負けだぜ、こりゃ…。
まぁ、基本何でもありのこいつらだから、
比べられるだけでも、岩登り人にとっちゃ、反則みたいなものか。


488 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:07:10.97 ID:nYf4GmX40
流石にここからだと、顔を見ることができなかったが、
桜がどれだけ焦っているかは、必至の声色を聞けばわかる。
俺にはどこかはわからないが、
桜にはわかり、行かねばならない場所がある。
それが、痛いぐらい伝わってきた。

489 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:15:08.54 ID:nYf4GmX40
しかし、これは時間がかかりそうだな…。
心の中で先生に謝る。すいません、遅れます。

――車が、進み始めた

491 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:29:25.05 ID:nYf4GmX40
強くなってきた雨の音と、車の音に負けず、
そこを右、あそこを左と、
懸命に声を張り上げ指示を出す桜の言うとおりに原付を走らせ、
着いた先は、見知らぬ小山のふもとだった。
さらに指示が飛び、頂上に続く道路を、
俺はこのポンコツ二輪に無理をお願いして、上っていく。

493 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:44:18.27 ID:nYf4GmX40
途中まで上り見えたのは、
雨のせいで、煙立つように見える寺の白い漆喰の壁と、古びた門だった。
堅牢に鎮座(すわ)るその門の先を、桜は示す。「あの門の先――」
流石に、土足ならず、原付で寺に突撃するわけにも行かず、
俺は近くの駐車場に停めてから、門をくぐる。

495 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:54:11.00 ID:NnPq2Shp0
|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o旦o
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' 旦 <コトッ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


| ミ  ピャッ!
|    旦>>1

496 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:55:23.84 ID:pTq4VMz20
追いついた!
>>1乙!

wktkしてるぜ!!

497 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 16:56:40.39 ID:nYf4GmX40
門を越えると、視界が開けた。
左右に墓が広がり、奥にそびえ立つ巨大かつ立派な講堂が、入った俺を圧迫する。
雨に濡れて冷えたから、だけではない震えがやってきた。
古い家屋、古い寺社。それらの共通点は、
壁と門で来るものを拒み、開ける景色で入ってきたものを威圧する点だ。
昔の人は、これによって、人外の存在を空間そのものに演出したのだろう。

498 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 17:06:27.51 ID:nYf4GmX40
圧倒されていた俺を、桜が責める。「何してるの、はやく!」
俺は我に返り、冷えた体に鞭打って、
降りしきる雨の中、石畳の上を走った。

499 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 17:13:50.54 ID:nYf4GmX40
桜が言う門の先は、この寺を指していたわけではなかった。
寺内を越えて、隣接する公園に俺達は出る。
そこは流石に山の公園で、
土地を何とか切り取った風な街の公園と比べ、
少し細長いが奥に伸びる広がりを持っていた。




スマン、そろそろ、バイトに行ってくる。残ってると助かる。

541 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 21:09:12.94 ID:uV7/ORc80
遊びながら見てたらやっと追いついたぜ
>>1の構成力に嫉妬。事故るかと思ったらそれはお約束過ぎて
読まれるのが辛いよなw


542 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 21:16:20.92 ID:WpIGp2tY0
やっと追いついた……。
ここまで来る道のり、結構長かった。
というか、>>1の頑張りが凄いね、文章力にも惹かれるものがあるし、
何より物語の内容が良く出来てると思う。
この状況だとPart2に伸びるよね?

543 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 21:27:06.88 ID:RWjgkBYu0
そろそろ落ちる?

545 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 21:28:52.79 ID:8wV9ub1wO
ほんとだ
…新ジャンルスレだけどこれは次スレ要るよな?

547 愛のVIP戦士 2007/02/10(土) 21:30:38.65 ID:PgQ/L+crO
追いついた
>>1の文体は心地いい



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