アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「文房具」03_vol01
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- 4 愛のVIP戦士 sage 2007/02/13(火) 23:29:02.92 ID:eV8ssIY10
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世の中には二種類の男がいる。
熱でも学校に行く漢と、少しの熱でも学校に行かない野郎。
もちろん俺は絶対的に後者な人間なので、
ここぞとばかりに学校を休むことにする、無理はヨクねぇよな、うん。
- 9 愛のVIP戦士 sage 2007/02/13(火) 23:41:51.54 ID:uOQA9b/S0
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お、立ってたか
wktkwktk - 11 愛のVIP戦士 2007/02/13(火) 23:45:19.83 ID:eV8ssIY10
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今日も朝練がないと言っていたアイツに、
熱があるから俺んチにはよらなくていいとメールを打つ。
時計を見あげると、学校に連絡できる時間まで少し時間があった。
こういう時はテレビに限る。リモコンリモコンと探す俺に
「軟弱者」と桜は辛らつな言葉を浴びせてきた。
そんな言葉は、華麗にスルー。
リモコンを探し当てた俺は、テレビに向けて赤い電源ボタンを押す。
- 14 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 00:08:17.38 ID:6P73Sf930
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ブラウン管の機動音。暗かった電子箱が、
朝一番から頑張るニュースキャスターを映し出した。
様々なテロップが流れていく。
政治家の失言、著名な某の死去。
交通事故に、コンビニ強盗、バラバラ殺人。 - 15 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 00:14:01.42 ID:UaJBliKYQ
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日付が変わってIDも変わる。
だが、おかしい点が一つ、バレンタインデーは昨日だったのか……
- 16 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 00:17:29.04 ID:6P73Sf930
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朝からスバラシイ話題を提供してくれるこの報道局に感心する。
まるで日本のモラルは地に落ちきったかに見せきる、その技法。
変わらない少年犯罪の発生件数も、年々増加傾向にあると感じるわけだ。
もはや感心せずにはいられない。
…バレンタインデーなぞ、魔法の言葉だ。
少なくとも俺には、『関係がない』 - 17 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 00:18:02.13 ID:Lbyv3Kgb0
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- 19 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 00:27:12.61 ID:6P73Sf930
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そして、今日外に出ない俺には関係ないだろう天気予報を眺めて、
星座占いになったところでTVの電源を落とした。
ああいうの、信じないんだ。
俺の恋愛運が生まれてこのかた、
体感1を越えたことがねぇんだから、信じれるわけがねぇ。
いや、最近はある意味急上…何でもない。
>>17
いい言葉、使うじゃまいかwwww - 23 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:08:43.19 ID:6P73Sf930
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そろそろいい頃かなと、時計を見上げると、
学校に連絡できる時間を示していた。
電話し、初老の事務員の方に学校にいけない旨を伝える。
とりあえず、朝やるべきことは終わった。
霧がかかったように霞む頭を抱えながら、
体温残るベッドに戻ろうとすると、ねぇと桜がまた声をかけてきた。
- 24 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:09:49.35 ID:6P73Sf930
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「なんだ?悪いが、あまり気のきいたことを言える状態じゃないぞ、
頭と顔が火照ってしょうがない」
「別に、しゃべらなくていいわよ、
あたしをそこのベッドに連れてって」何ですと? - 25 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:11:32.10 ID:6P73Sf930
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「――っ!!??な、なんだ?流石にお前相手じゃ、小さすぎ――」
「な、な、何、飛んだ発想してるのよ、この助平バカッ!
ただ、ほら…あたしの連れ出したせいで、
あなたがこうなってるから…せめて…その…」
最後のほうは俯いてしまって聞こえなかった。
責任でも感じてるのか?いいって言ったのに律儀なやつだ。
- 26 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:13:10.26 ID:dj2DYjKvO
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前に同じスレ立てたことがあるが害出害出で叩かれまくったビターな思い出が
- 27 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:13:43.43 ID:6P73Sf930
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「俺、寝相が悪いから、いつの間にか飛ばされてもしらねえぞ」
「大丈夫よ、あなたほどドジじゃないわ」顔を上げて意地悪く笑う。
このっ、口だけは相変わらず減りやしねぇ。
ほれと、俺は手を差し出す。
手に乗った桜が、耳にかかる髪をかき上げながら、
あひる座りにゆっくりと腰を下ろしていく。
こういう仕草は流石に女の子で――その、正直可愛かった。
今、顔が火照ってるのは、きっと熱だけのせいじゃない。
- 28 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:20:56.55 ID:6P73Sf930
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そして桜を枕元に下ろすと、
俺は布団に入って天井を見上げた。
すぐ隣には桜がいる。
そして、視線を感じるけど目をつぶった。眠れないけど目をつぶり続ける。
こんな近くで桜をみてしまうと、どうにかなってしまいそうで――。
そんな顔を見られるのが、男としてやっぱり恥ずかしくて――。
強く、強く目蓋を閉じ続けた。
>>26
いやー、俺もスレ立てた時は叩かれて、ドウシヨウカオモタヨ
- 30 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:33:57.90 ID:UaJBliKYQ
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- 32 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(水) 01:47:42.34 ID:6P73Sf930
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とりあえず、キリのいいとこまで書いた。
明日は、少し早い時間に車の教習があるので、
このスレ見てくれる人には悪いけど、そろそろ寝るよ。
おやすみ ノチチ - 34 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 01:51:42.82 ID:Lbyv3Kgb0
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>>32乙~
- 46 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(水) 07:55:34.64 ID:6P73Sf930
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おはよう。教習まで、時間があるから、少し書く。
よかったら、ちょっと待つんだぜ?? - 47 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 08:13:00.47 ID:6P73Sf930
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――Changing a viewpoint [If――]
彼の眉間に寄せられた皺も、徐々になくなっていき、
静かに寝息をたてはじめた。
深く、静かに、でも少し苦しそうに。
私は、文房具の消しゴムだ。
それは揺らぎの無い事実で、私の誇り。
でも、私が無理を聞いてしまったせいで、体調を崩してしまった彼を見ると、
もしもと考えてしまう。 - 48 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 08:17:36.47 ID:6P73Sf930
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もし、彼ほどの大きさが私にあったなら。
――熱に惑う彼の頭に、冷たいタオルをかけることも、
――熱に弱る彼の口に、温かい粥を運ぶこともできるのに。
私は桜、あなたの消しゴム。
決して無力なんかじゃないけど、今の状況では限りなく力不足。
なら、せめて――
あなたの傍で見守ろう。あなたの傍に寄り添おう。
これが今、私ができる唯一のことだと思うから。
――Returinig a viewpoint [If――]了 - 49 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(水) 08:40:26.48 ID:6P73Sf930
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んじゃ、サクリと教習と、ホームページ作るための初心者本買ってくる。
- 52 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 11:34:25.93 ID:UaJBliKYQ
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- 54 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(水) 13:29:45.85 ID:6P73Sf930
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- 55 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 14:15:24.88 ID:6P73Sf930
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いつの間にか眠ってしまったらしい。
眠気で重い頭を振って、目蓋をあける。
目の前に膝を揃えて座り、
こちらを見つめる桜の姿が飛び込んできた。
眠気が頭の後ろ、延髄側から一気に抜ける。 - 56 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 14:30:53.58 ID:6P73Sf930
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う…そういえばコイツ俺の枕元にいたんだった、すっかり忘れてた。
普段、ハッキリとは見ることのできない桜の顔が鮮明に映る。
彼女の性格を表すような少しだけ斜めに上がった薄い眉、
触れることができれば柔らかそうな桃色の唇、
黒い真珠のような光を湛えた丸い瞳、
それが距離にして一こぶし分先にあった。 - 57 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 14:54:49.27 ID:UaJBliKYQ
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- 59 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 15:29:54.74 ID:FDD3/d7uO
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- 61 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 16:29:23.23 ID:6P73Sf930
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その近さと整った顔は、
俺の呼吸を止めるに十分過ぎるほどの威力があり、
目をそらせることができずに人形のように固まっていると、
「起きた?携帯、鳴ってたわよ」桜は振り返って机の上を指差した。
俺は、「ああ、ありがとう」とだけ桜に告げ、ベッドから急いで這い出る。
>>54
もし、あれなら、ある程度誤字がたまってきたときに、
バサッと頼む。貼り付けた後、気づいたらいちおう直してるんだが、
見落としてるとこもあるかもしれないかぬー。 - 62 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 16:44:25.26 ID:6P73Sf930
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ケータイを手にしながら、助かったと思った。
あのまま桜がずっと黙っていれば、息を止めていたのに気づいて大きく深呼吸する姿か、
顔が馬鹿みたいに赤く上気するところを、
あんな近距離で桜に見られてしまうところだった。
折りたたまれたケータイを開けると、
[Eメール受信]の文字と、今の時刻が目に入る。 - 63 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 16:55:38.75 ID:6P73Sf930
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すでに、昼をとっくに過ぎていることを、ソレは告げる。
どうりで、カーテンの間から少し錆びたような光が差し込んでいるし、
朝から栄養補給をしていない体が空腹を訴えるわけだ。
って、その前に。 - 64 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 17:15:37.64 ID:6P73Sf930
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「…桜。もしかして、今の時間までずっと俺の顔見てたのか?」頷く桜。
いや、流石にさ、普通、飽きない?」
「別に?面白かったわよ、十分。
あんなことを寝言で言うし、それに間抜けに顔をコロコロ変えるし」
「何、言った!何言ったんだ、俺は!?」「ダーメ、教えない」
と転がる毬(まり)のように笑いながら、
腰に手を当てて、舌を突き出してきた。 - 65 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 17:29:41.39 ID:6P73Sf930
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クソぅ、カワイクなくせに、可愛い!その仕草はずるいぞ。
俺は後に続く言葉を失って、ケータイの方に視線を戻す。
メールの内容を確認する。
ヤツからで、[件名:バカへ]。…うぜぇ。
内容にOKを押して、さらに進める。 - 66 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 17:30:41.51 ID:UaJBliKYQ
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- 68 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 17:36:19.66 ID:6P73Sf930
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<熱か。だが、まぁ丁度いい。
俺と妹の部活が終わったら、
お前の家に昨日言っていた野菜を妹が、俺は米を持って突撃するぜ。
ゆっくり寝て待ってな>
あぁ、そういえば昨日そんなこと言ってたよな。
わざわざ持ってきてくれるなんてありがてぇこったと思いながら、
机にケータイを戻す。 - 69 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 17:45:16.92 ID:6P73Sf930
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机にケータイを戻す。
閉じられたペンケースが目に入り、そういえばあの爺さん大丈夫かなと、
ファスナーを開けて中を覗く。
流石に元気とまでは言えないが、
コンパスの巫女さんと、ちゃんと会話している姿があって少しだけほっとする。
――あの絶望に満ちた暗い顔ではなくなっていた。 - 70 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(水) 18:01:43.97 ID:6P73Sf930
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スマン、そろそろバイトに行ってくる。
とりあえず、この話は今日と明日で終わらせるよう、
気合入れてガンガルから、よかったら長い目で見て欲しい。
では、ノチチ - 72 愛のVIP戦士 2007/02/15(水) 18:30:51.34 ID:3XU9Kq5r0
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