アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「文房具」03_vol03
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- 162 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:16:56.99 ID:M+vL8r+I0
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――Changing a viewpoint [傍ら]
教室に帰った彼は、すぐに荷物をしまって、
隣の本を読む同級生の女子に、
気分が悪いので早退すると先生に伝えてくれるよう頼んで学校を抜け出た。
全然気分の悪そうに見えないその姿に、
私が授業ぐらい受けるべきだと抗議すると、
「無理。最短で今日、長くて三日程は早退して向かうところがある」
と真顔で言ってきた。 - 163 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:18:57.14 ID:M+vL8r+I0
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「怪物が人の皮をかぶって暮らしているところ」なのだそうだ。
怪物。昨日、万年筆のお爺さんが殺人者達を形容して言った言葉。
ということは、彼にはその慈悲なき人物がどこにいるのかわかったらしい。
でも、会ってどうするのだろう。何をするのだろう。
彼の真剣な顔にそれを質問できない私は、
こんな近くにいるのに、置いてかれていく気分を感じる。
- 164 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(木) 22:19:42.87 ID:M+vL8r+I0
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OH,飛ばしてるとこがあったZOI。
場所を聞くと
「怪物が人の皮をかぶって暮らしているところ」なのだそうだ。
怪物。昨日、万年筆のお爺さんが殺人者達を形容して言った言葉。
ということは、彼にはその慈悲なき人物がどこにいるのかわかったらしい。
でも、会ってどうするのだろう。何をするのだろう。
彼の真剣な顔にそれを質問できない私は、
こんな近くにいるのに、置いてかれていく気分を感じる。
- 165 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:21:53.27 ID:M+vL8r+I0
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自転車をこぐ彼の学生服の隙間から、下を覗き見る。
彼がおいている今の状況のように、凄い速さで地面が流れていく。
私は祈る。
――どうか、どうか。
この速さに彼が振り落とされることがありませんように。
――Returning a viewpoint [傍ら] - 167 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:28:59.05 ID:ms2CI8Fw0
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- 168 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(木) 22:33:51.01 ID:M+vL8r+I0
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- 169 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:49:26.20 ID:M+vL8r+I0
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マズは家で私服に着替えて、首下げ袋、胸に爺さんを挟んでから、
近くの大型格安用具店にある護身具コーナーによった。
意外と豊富な護身具の品揃えに、日本の安全神話の崩壊を感じながら、
ストレート型の催涙スプレーを買った。 - 170 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 22:58:26.09 ID:M+vL8r+I0
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ストレートとは別に、外の形状がそうなのではなく、
噴射するときに出る液剤が水鉄砲のように一直線に遠くまで届くもの…だそうだ。
買って、説明書を開いてからそれを知った俺は、適当すぎる。
それを早速、ジャケットの内側の左胸ポケットに入れる。
- 171 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:02:15.84 ID:M+vL8r+I0
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そして、目的の工業高校に向かう。
場所は先生の家を基準にすると、東。
紡錘状の犯行現場の分布図を基準にすると、
東南の位置にある丘の上にその高校はあった。
原付でぐるりと一周してみると、どうやら門は一つしかないらしい。
好都合だ。全校生徒1126名のほぼ全員が、
あの巨大な門をくぐって外に出ることになる。
裏門から出られて二度手間を食らうことも無い。 - 174 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:29:25.70 ID:M+vL8r+I0
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それを確認して、高校から少し離れたレストランに原付をおくと、
門の前のくねった坂道を抜けた目先にあるコンビニの中に入る。
この最高の立地条件の上に建てられたコンビニは、
あの高校が廃校にでもならない限り売り上げを保障されてるようなものだ。
下校時にはさぞ繁盛するだろう。
そして、門を見張らなければならない俺にとっても最高の立地だった。
- 175 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:31:05.64 ID:M+vL8r+I0
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ここなら、あまり怪しまれずに見張ることができる。
立ち読みもできるしな。
門に続く道を見るが、まだ下校する高校生の姿は見えない。
腕時計を見ると、俺の高校の下校時間まであと半時間といったところだ。
この高校がどうだかしらないが、そうそう変わりはしないだろう。
- 176 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:35:24.38 ID:M+vL8r+I0
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本を立ち読みする風に見せながら、いや、白状すれば少し読んでいたが、俺は注意を払う。
しかし、わき見をする様に見張る俺とは違って、
胸の爺さんは憑かれたかのようにずっとその道を見続けている。
そう――主の仇を決して見逃すまいとするように、ずっと。
- 177 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:38:17.63 ID:ms2CI8Fw0
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wktk&定規戦士と巫女ンパス
http://vipmomizi.jog.buttobi.net/cgi-bin/uploader/src/8370.jpg
桜が消しゴムとしての機能がタオルだとすると
他をどうつけていいか悩んだ末とりあえず装備オフで
またご指摘あらば。
- 178 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(木) 23:41:22.12 ID:+a+nbYQi0
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人の心を持たないことが怪物の定義、か。
怪物の範囲ってどこまでだろうね?
正義ってのは思ってるより不確かかも知れないぜ。 - 179 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(木) 23:42:30.67 ID:+a+nbYQi0
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- 180 愛のVIP戦士 2007/02/15(木) 23:47:24.28 ID:UYjvij310
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- 181 愛のVIP戦士 sage 2007/02/15(木) 23:52:37.69 ID:M+vL8r+I0
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>>177
鼻血吹いた。
基本的に彼女達は、現物そのままの文房具を手にしてます。
ちなみに、巫女さんは、朱色のコンパス。
セーラーは、白と青が上下に別れた20cmの定規。デス
桜が特別なのです。なぜか彼女だけがタオルなのです。
なぜかって?
メイドが床を一生懸命拭く姿は、必須だから!!スマン、取り乱した。
しかし、いいな、鼻血吹いた。 - 182 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 00:01:19.54 ID:knX4ZONF0
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>>181
なるほど
文房具としての姿が器、人としての姿が魂と考えていいわけか
んで二つは離れちゃいかんからってことかな
でもやっぱそうすると桜が気になってしょうがなくなるなw
実は何か表に出てない設定が…あったらあったで聞くのは無粋か。
- 183 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 00:10:36.15 ID:EWV4c5r60
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――Changing a viewpoint [胸の中の憤怒]
――見えるのか?
愚問だ。私達に、視力という概念はない。映るものは確実に見える。
――覚えているのか?
愚問だ。私は、あの光景を未来永劫忘れないだろう。
――今現れたとして、判別できるのか?
愚問だ。私の前にさえ現れれば、例え百万の人ごみの中からも見つけてみせよう。
>>182
ちょ、やめてwww
各人の設定なんて、半分、書いてるうちに決めてるような俺に、
深い裏まで求めないで、は、恥ずかしくて死にたくなるwwww
- 184 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 00:13:03.45 ID:EWV4c5r60
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主を失いし私の悲哀は、主を奪われたことへの憤怒と変わる。
しかし、私にはあのヒト共に報いる腕はない。
ならばせめて…、この少年の目となり、ソレら見つけ伝えよう。
――必ず、見つけ伝えよう。
――Returning a viewpoint [胸の中の憤怒]了 - 185 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 00:27:11.62 ID:knX4ZONF0
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- 191 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 03:48:16.78 ID:EWV4c5r60
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だんだんと下校する生徒が目に映り始めた。
工業高校らしくほとんどが男子だったが、ちらほらと女子も混じっている。
それを見た俺はコンビニを出て、三叉路で止まる。
くねった坂道の下から、ぽっかり空いた様に聳える巨大な門を見つめる。
それは胃の入り口の噴門から、食道を通して口を覗くような不思議な感覚。
これじゃ爺さんが言ってた例えと逆じゃないか、
食う怪物は俺ってことになると少し下を向いて頭を掻いた。
「おった」爺さんの短い声が響く。
顔を上げる。二人並んで、自転車に乗って降りてくるのを見つけた。
「左じゃ、おそらく…ヨーヘイ」と爺さんは呟いた。 - 192 愛のVIP戦士 sage 2007/02/16(金) 03:53:02.04 ID:EWV4c5r60
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すまない、少し煮詰まって、
頭を悩ましてたら時間切れになっちまったorz
少し用事で東京さ行ってくる。
帰ってきたら、スレさ建てるけっから、すまねが、安心してねでぐれ。
必ず、続きは書ぐ。
毎度待たせて本当にすまねが、必ず終わらせるからそれだけは、信じて欲しい。
ゴメンネ。 - 193 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 03:53:07.25 ID:9i1AwNMAO
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徹夜の供に、ここ見るのが日課になりつつあるぜ
- 194 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 04:15:13.29 ID:EWV4c5r60
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最後に投下していく。
俺は手をあげて、自転車の二人を止めた。
いぶかしむ右の生徒と、眉をひそめ睨んでくるヨーヘイ。
「すいません、ヨーヘイ…さんですかね?」
「そうだが、テメェ誰だ?」テメェ。初対面でテメェはねぇだろ。そりゃ怪しいけどさ。
「とある人から、言伝を頼まれまして」嘘、俺が考えただけ。
ヨーヘイが趣味の悪いメタルリングを嵌めた手を振って先にいってろと、
右のヤツに促す。一対一か、まぁ丁度いいさ。 - 195 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 04:17:57.07 ID:EWV4c5r60
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「へぇ、んで、何って?」口を下卑に歪めながら、聞いてくる。
「ホームレスを襲うなんて、いい趣味をしてますね、だそうです」
汚い笑みを浮かべたまま人が凍りつく瞬間を見た。
「あん!?テメェそれ、誰に!?」
我に返り、声を荒げ掴みかからんばかりのヨーヘイに冷静に伝える。
「私はそれを伝えてくれと言われただけです。
いいですか?伝えましたよ」くるりと背をむけその場をあとにする。
後ろからおいっと声が聞こえたが知るか。
言葉使いがなってないやつに丁寧語を話すのは疲れるんだ、これ以上話しかけるな。
ある程度はなれると、声もしなくなった。
原付の置いてある場所に向かう。ここでやることは終わった。
んじゃ、行ってくるさー、ノチチ - 196 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 04:21:21.52 ID:aCwpaPOpO
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乙。気をつけてナー。ノチチ
- 199 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 09:00:42.95 ID:oWFyHK0z0
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- 202 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 09:26:47.95 ID:yGFNM7yIQ
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>>199
俺なら、まず根本的に過去に喧嘩を売ったこと自体ないから、
その時の思考とか分かんないし、
何より前提に喧嘩するという行為自体嫌いかな。
だから俺の場合、普通に相手と平等な位置で話したいと思う。初対面ならなおさら。
それが礼儀みたくものだと思うから。
なんか堅苦しい考え方しか出来ないけど、
まぁだからそんな自分にも困ってもいるんだが……。 - 203 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 09:41:06.92 ID:oWFyHK0z0
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- 204 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 10:07:14.22 ID:yGFNM7yIQ
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>>203
こちらこそ変な意見出してごめんorz
自分 1じゃないし、
それに>>202の意見はあくまで自分の性格と比較したものだから……。
そういうのってやっぱり各々の主観によるものが多いと思うんだよね。
俺にレスしてくれるだけで嬉しいのに。
いや、ホントに……気分害したらごめん。 - 205 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 10:31:42.43 ID:4osFnIl+O
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- 226 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 21:38:18.95 ID:OO1xwvua0
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ある日突然、男は文房具達の「魂の形」が見えるようになってしまった。
文房具達と「会話」し、一緒に食卓を囲む……
そんな非日常が当たり前になったころ、男は人間の死体を発見する。
その死体の傍らには主人を失った一本の、もとい一人の老人の姿。
老人の目撃証言により、二人の高校生の犯行が露呈した。
人の皮を被った怪物、老人がそう称した二人の内の一人に接触する男……
果たして作者は新ジャンルという枠を打ち破り、新たなカテゴリーを創り出せるのか!?
次回『東京を目指した>>1』を、みんなで読もう!
勝手にまとめてみた。
こんな感じだったっけ?
- 234 愛のVIP戦士 2007/02/16(金) 23:04:41.92 ID:uN8kziAQ0
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