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新ジャンル「文房具」04_vol02

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new_jack

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旧ジャンル「文房具」5
81 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 00:14:30.82 ID:MRugXwKG0
「他に何か持ってないか調べろ」
来たヤツが俺の胸、右、左ポケットを弄(まさぐ)り、万年筆の爺さん、
録音機を見つけ出す。
「ふん、サツ気取りか。バカだろお前」

82 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 00:33:28.95 ID:MRugXwKG0
冷たい声と同時に、右の方で物が踏みつけられて壊れる音がした。
顔を、向ける。
踏み下ろされた先に見えたのは、録音機の破片と――

ひび割れた万年筆と、傍に倒れる爺さんだった。

83 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 01:06:34.37 ID:MRugXwKG0
首下げ袋を外から見えないように隠しておいたおかげで、
無事だった桜が爺さんに駆け寄る。
「お爺さん、しっかりして」
桜は爺さんを抱きかかえたが、ぐったりとして動かない。

85 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 01:36:31.44 ID:/iTcIihVQ
ふむふむ……
って、コレって絶体絶命的展開orz

つ、続きwktk

89 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 03:01:49.47 ID:uDNlEaEI0
パソ修理出してなきゃこのシーン書くのになぁ
wktkほしゅ

90 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 04:06:23.89 ID:MRugXwKG0
―爺さんが俺のせいで。
――爺さんが俺のせいで。
―――爺さんが俺のせいでっ!
歯噛みする。同じ言葉が頭の中で繰返されすぎて、
桜が抱く、その姿をただ見つめることしかできなかった。
いや、見つめることすらやらせてくれないらしい。
何ぼぅっとしてやがると、顔を鷲掴みにされて、正面を向かされる。

91 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 04:09:14.48 ID:MRugXwKG0
「いやぁ、一人のわりによくやったよ。褒めてやる。
 その点に免じて、最後にいいことを教えてやろう。
 俺らはこういう時、いつも四人で行動しているんだ。
 二人は実行、二人は見張りだ。 
 オーソドックスだろう?」と、
上にいるヤツは俺の顔を鷲掴んだまま、頭を捻り込むように地面に押し付ける。

92 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 04:10:54.91 ID:MRugXwKG0
「んでよ。
 先の二人がたっぷりお世話になったみたいだし。
 心からお礼をしたいんだけど、どうかな?」
狂気が零れんばかりに満ちた目。振り上げられた拳。動かせない俺の体。
万事窮すな俺になすすべはない。

104 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 11:50:14.17 ID:Fk6s/m3Y0
やっと見つけた
1の説明を勝手に作った者だが
重荷になってしまったのならすまない

105 愛のVIP戦士 sage 2007/02/20(火) 11:58:46.49 ID:MRugXwKG0
>>104
ノン。そういう意味でいったわけじゃぁナス。
ここまでカッコイイ文章のっけられちゃうと、
尻すぼみにならないように踏ん張って終わらせないといけないなと思って書いただけ。
あの文章は感謝してる、ホントホント。

106 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 12:08:46.68 ID:Fk6s/m3Y0
>>105
そういってもらえると助かる

ありがとう

109 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 13:36:11.98 ID:MRugXwKG0
振り上げられた拳は、しかし、振り下ろされることはなかった。

「いや、参ったな、そこの跨っている『後衛』君は、私か?
 『ウチの』に言いおうと思っていた言葉を見事に取られてしまった」
あの、男性を演じる女性声優のような、
凛々しい声が橋の近くのこの場所に響く。

110 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 13:53:51.65 ID:MRugXwKG0
ありえない。
しかし、あの人がどうしてここにいるんだ?という疑問の前に、
あぁ、あの人なら『ありうる』と思い直してしまった。
俺の顔を掴んでいる手の力が弱まって、その声の方を向く。
姿はまだ見えないが、下だ、多分川原の草むらかどこかに隠れてたのか?。

111 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:05:53.44 ID:MRugXwKG0
「端から見守るだけにしようと思っていたのだが、
 最後のつめが甘すぎだぞ、『遠足は帰るまで』って教わらなかったか?」
現れる先生、服がいつもと違う。
スーツ姿ではなく、
ところどころに枯れ草や菜がついた灰色のロングコートを羽織り、
靴は軍人が履くようなしっかりとした茶色の皮のブーツを履いている

112 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:07:04.63 ID:MRugXwKG0
その姿は、人を圧迫させるだけの何かを持っていた。
今の俺の状況なんておかまいなしに、先生は汚れたロングコートを手はたきながら、
普段歩くのと変わらない足取りで俺のほうへ近寄ってくる。
上のヤツが先生にたじろいでるのがわかる。
「誰だよ、お前」答えない。「止まれよ」あの先生が、言われて止まるわけがない。

113 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:18:52.52 ID:+2eNpQyU0
wkwktktk

118 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:28:33.59 ID:MRugXwKG0
先生はそのまま進み、
距離にしてあと八歩か、といったところでついに上のヤツが切れた。
「止まれつってんだろうがぁぁぁぁ!」
俺の顔を掴んでいないほうの手で、
ポケットから刃が飛び出す型のナイフを取り出し、俺の首にあてた。
ちびりそうになる。先生、コレ、余計に事態が悪化してませんか?
もはや、首も動かせないので、横目でもう一人の方を見ると、
そいつも何か光るものを構えている。
悪化とかそういう問題じゃねえな、コレ。最悪だ。

120 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:35:27.37 ID:MRugXwKG0
それを見て、流石に先生も止まった。しかし慌てた様子は微塵もない。
「ああ刺激したか、すまない。
 ところで、その下にいる少年を解放する気はないか?」
「ねえよ、消えろよ」上にのっているやつを庇うように、少し前に出たヤツが言った。
「そうか、なら、取引だ」「取引?」先生が右ポケットに手を入れる。

121 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:38:43.89 ID:MRugXwKG0
そして、プラプラと揺らしながら見せてきたのは、
今さっき踏み潰された俺のと同じ録音機。
「私も興味深い話を聞かせてもらったところだったんだ。
 これと交換というのは?」
「しねえよ、それ置いてとっとと消えろ。
 いい加減にしろよ、こいつの首、かき切るぞ」

123 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 14:54:45.37 ID:MRugXwKG0
言葉がなくなった。
橋の下で呻くやつらの声と、橋の上を時々通る車の音だけが聞こえてくる。
先生がそう簡単に物を渡すわけないじゃないかと思っていると、
先生の口から出たのは意外な言葉だった。
「…わかった。じゃぁ、受け取れ」
ため息一つあと、録音機を放り投げた。
大げさなぐらい大きく弧を描かせて投げられたソレは、
スローモーションのようにその頂点に達する。
二人の注意が、先生や俺ではなく、
録音機に少しだけ移った。先生の口に笑みが浮かぶ。

124 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 15:08:08.53 ID:MRugXwKG0
その刹那、土を蹴る音。
先生が、八歩の距離を一瞬で詰める。
その姿は、まさに灰色の狼。
獲物に飛ぶ肉食獣のような動きに、
狩られるものは適切に素早く動くことができなかった。

125 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 15:09:00.48 ID:MRugXwKG0
前を守ろうとするヤツの右手の肩を押しあげて、バランスを崩し、
がら空きになった俺の上のヤツの頬に、丈夫そうなブーツの踵をめり込ませた。
吹き飛び、動かない。助かったと立ちあがった俺に、指示が飛ぶ。
「距離をおけ、邪魔だ」爺さんを抱える桜をつまみ上げて、
急いで離れる。
「さて、あとはお前一人になったわけだ。
 どうする?おとなしく、警察の戸を叩くつもりはないか?」
ナイフ構えなおしたもう一人の少年に、先生が話しかける。

126 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 15:10:04.59 ID:+2eNpQyU0
先生強ーー

127 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 15:10:40.14 ID:MRugXwKG0
ソイツは返事代わりの絶叫を搾り出し、
ナイフを腰にあて体当たろうとしたが、
先生に身をずらしてかわされた。
そして、その勢いを殺さないよう首に右手を掛け一気に地面に叩きつける。
最後に後頭部だけは打たないように、胸を掴んで寸止めすると、
コートの内側に素早く手を突っ込んでスタンガンを取り出し、首にバチリとやった。

128 愛のVIP戦士 2007/02/20(火) 15:16:27.27 ID:MRugXwKG0
死んではないが、倒れているヤツが累々。
これだけを見れば、どちらが暴漢なのかわかったもんじゃねぇ。
他に危険がないことを確認した先生が、落ちた録音機を拾い上げた。

130 愛のVIP戦士 sage 2007/02/20(火) 15:32:32.22 ID:MRugXwKG0
スマヌ、ちぃと、お風呂さ入って来る。
ノチチ

132 愛のVIP戦士 sage 2007/02/20(火) 16:58:38.22 ID:MRugXwKG0
待たせて申し訳ないんだけど、またバイトorz
帰ってきたら続きかくから、勘弁。
あ、石投げないで。

133 愛のVIP戦士 sage 2007/02/20(火) 17:00:11.56 ID:uUxDjxKv0
ノシ -石

バイトがんばってら



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