アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「文房具」04_vol03
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- 159 愛のVIP戦士 sage 2007/02/21(水) 00:36:31.41 ID:OOn2jPhC0
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バイト終わったぁぁ!
毎度毎度、保守ってくれてありがとう。
んじゃ、書いてくる! - 160 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 00:39:41.26 ID:h4umuolc0
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キタ
- 161 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 00:41:15.29 ID:yCSancrZ0
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おかえり
- 165 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 01:33:00.69 ID:OOn2jPhC0
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それを見て思い出す、踏潰された俺の録音機と――万年筆の光景。
クソ!どうなった、アレ、どうなったんだ!?
襲ってくる不安に震えながら、その場所へ向かう。
見えてしまい、立ち竦(すく)んだ。
数多くの欠片に割れてしまった、録音機と万年筆がそこにあった。
- 166 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 01:41:22.19 ID:OOn2jPhC0
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モノにはココロがあることを知った俺にとって、
あの万年筆、
今、手の中にいる桜に抱かれた爺さんは俺が『殺した』も同然だった。
あの録音機だって、俺には感知し得ないがココロがあるのだろう。
それを俺の気の緩みであんな姿にしてしまった。 - 168 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 02:20:43.46 ID:yCSancrZ0
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おじいいいぃぃさあああぁぁぁんん!!!
保守 - 170 愛のVIP戦士 sage 2007/02/21(水) 03:47:06.79 ID:OOn2jPhC0
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すまない、俺も寝る…。
今日はとりあえずバイトないので、その分ガンガルから勘弁。
んじゃ、お、おやすみ - 183 愛のVIP戦士 sage 2007/02/21(水) 13:46:06.37 ID:OOn2jPhC0
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こんちは。
よしゃ、煮詰まってたけど、進んだんでのっけマス。
保守ってくれて、サンクスなぁぁ!
「ごめん、ごめんな…万年筆の爺さん」
後悔が口から溢れて、謝罪の言葉に代わり、
俺は手の中にいる爺さんに頭を垂れた。 - 184 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 14:00:05.91 ID:OOn2jPhC0
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「謝るな…、若造。おと…こに、
そんな悲しそうな声…で謝られたら気持ち悪い…ぞい」
苦しそうに途切れ途切れの爺さんの声が聞こえた。生きてた!?
爺さんの姿に、俺と桜が揃って顔を向ける。 - 185 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 14:02:39.05 ID:yeUZK94nO
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続きキタ―――(゚∀゚)―――!!
- 187 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 14:20:19.01 ID:yCSancrZ0
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生きてた―――――――(゚∀゚)―――!! !!
- 188 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 14:23:25.47 ID:3iIe1z7e0
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これは期待せざるをえないwwwwwwwww
- 192 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:05:02.66 ID:OOn2jPhC0
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俺達の表情から、言いたいことを感じ取ったのだろう。
「まだ…存在(い)きとるよ。
あ…んな、小僧っ子の踏み一つで、
主の胸の中で三十年間…っ、世を見てきたわしが
そう…簡単に…消えるものか」
口を大きくあけて、爺さんは無理に笑い、そして顔をしかめた。
一瞬、爺さんの向こう側の俺の手のひらが透けて見える。
万年筆としての爺さんのココロがもう、消えようとしているのがわかった。
- 193 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:11:33.79 ID:LbAXxh5q0
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じーーーーーーーさーーーーーーーーん
- 194 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:23:38.92 ID:OOn2jPhC0
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「…っ!爺さん、もう喋るな、消えちまうぞ」
「だめ…じゃ、もう、『器』は壊れて…っ、しもうた。
長いことは、こっちにいられん…のは自分でようわかっ…とる。
だから、せめて、伝える…ことは伝えんと…な」
「伝えたいことって、何だよ…」
爺さんは目をつぶると、
「若造、わしの主のため、…ここまで動いてくれたことを感謝する」
振り下ろされた金槌のような、さっき顔を殴られた以上の衝撃が、
俺の心を揺さぶった。 - 195 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:40:54.84 ID:OOn2jPhC0
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「そん…なことは、関係な…いんじゃ。
自分のため…に行動した…ことが…、誰か…のためになったというのは、
別段恥じる…ことじゃない、
結果として誰かが感謝しておるのなら、それでいいじゃ…ないか。
- 196 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:41:23.05 ID:eRA7F3UeQ
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お爺さんの最期、……。
起こってしまった事実、
変えようのない過去、
認めざるを得ない状況、
現代の人類にとって
意図的な操作が不可能と言われている「時」
人は今という時を生き、想いは経過という過去を持つ時間となる。
wktk保守
そういえば、今だかつて自分の様にIDの固定末尾が「Q」である人を見た事がないという現実……。
- 197 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:41:56.00 ID:OOn2jPhC0
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↑ウェ、失敗orz
――そんな、そんな
「そんな礼はいらない、受ける資格なんか俺にはない。
俺は俺のために行動したんだし、第一失敗して、
あんた、こんな目にあったじゃないか…っ!」
「そん…なことは、関係な…いんじゃ。
自分のため…に行動した…ことが…、誰か…のためになったというのは、
別段恥じる…ことじゃない、
結果として誰かが感謝しておるのなら、それでいいじゃ…ないか。
むしろ…、心底誰かのためを思って…行動…して結果を残す…ことの方が、
世の中…例外だと思うんじゃ…な。でき…た身内ぐらいなもの…じゃよ、そういうのは。
- 198 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:49:24.76 ID:OOn2jPhC0
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それに…な、若造。
助けられた…にしても、見てみぃ…、主の仇は転がっておる。
カッカ、役目を失った年寄りに、最後の最後に…いいものを…見せてくれたわい」
「でも…、でも――っ!」
「消え行くものが、感謝の言葉を告げてるんじゃ、…受け取ってくれ」
そんなこと言われたら、何も言えないじゃないか。クソ、卑怯だ、卑怯だよ。
視界がぼやける。溜まったものが零れ落ちそうになったけど、
両手で爺さん達を包んでいるのでふけない。クソぅ、ふかせてもらえないじゃないか。
- 199 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:54:57.52 ID:LbAXxh5q0
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ウッ…;;
- 200 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:55:58.99 ID:3iIe1z7e0
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これはいい俺の涙腺破壊兵器でつね;;
- 201 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 16:58:10.98 ID:OOn2jPhC0
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「わし…は、主が…昔持っていた力を失った時点で、
万年筆として…働ける場所を失っていた。
だが…、それでも…主はわしを、傍に置いてくれたん…じゃ。
肌身離さず、持っていてくれたんじゃ。
だから…、それをも失ってしまったわしは…これでいい。
- 202 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 17:04:11.05 ID:OOn2jPhC0
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主を持つ物…にとって、消滅(し)ぬことよりも、悲しいことが二つある。
一つは、自らの仕事を奪われること、一つは、主を失うことじゃ。
よく覚えて…おくといい、若造。
消えてしまうより悲しい…ことを、わしは…二つ味わった。
だから、な、いいんじゃ。
元より、こうなるはずじゃった。
器を失い、解き放たれた…わしは、向こうで主の傍に侍る。
だから、気にするなよ。
せっかく、自分と向き合って…、あまつさえ感謝を…してくれるモノがおるというのに…、
後悔ばかりを残して終わらしてはいかんぞ、いいな」 - 203 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 17:28:09.01 ID:OOn2jPhC0
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沈黙と流れる涙で答えることしかできなかった。少し吹く風が、俺の髪を撫でる。
――あの頃もそうだった、力が、力があれば、俺にもっと力があれば。
「あと、お嬢さん、…これをあの子に…返しておくれ。
サクラ…ソウの花言葉…、少し眩しく温かった…と
この老骨が…言っていたと伝えてくれると…嬉しい」
流れる涙でぼやけるけど、桜が頷いて何か受け取ったのはわかった。
- 204 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 17:34:03.14 ID:eeRiuSnxO
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- 205 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 17:37:10.94 ID:OOn2jPhC0
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そして、砂の城が、風に乗って散っていくように、爺さんの姿が消えていく。
「それ…じゃぁ…の、行ってくる…主の…元へ」
爺さんは最後に嬉しそうな笑みだけ残して、手の中からいなくなった。
――たくさんのモノをを失わずにすんだのに。 - 206 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 17:38:59.28 ID:OOn2jPhC0
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手の平の上の重さは変わってないはずなのに、
爺さんのココロの分だけ軽くなったような気がする。
その軽さから来る涙を見られたくなくて、手で桜を覆った。
見えなくなった爺さんがまだそこら辺にいる気がして、
橋の街頭で星が見えない空を見上げる、
遠くから近づいてくるサイレンを耳にしながら、
涙で滲む空を見続けた。 - 207 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:07:49.15 ID:yCSancrZ0
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じいさん……
- 208 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:23:19.27 ID:OOn2jPhC0
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3days after…
俺は、四日振りに先生の事務所に来ていた。
四日掃除をしなかった事務所の混沌を、覚悟してやって来たのだが、
覚悟していたほど汚れてはいなかった。
今度は紅茶でも仕入れたのだろうか、そもそも、
テーブルの上のティーカップが3個ほどしか置かれていない
- 209 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:33:43.25 ID:OOn2jPhC0
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「あれ?珍しいですね、掃除でもしたんですか?」先生が、掃除。
言った俺ですら絶対にないと思ったが、一応聞いてみる。
デスクで深緑のハードカバーの本を読んでいた先生が、こちらを向く。
「あぁ、どっかの誰かの後ろに張りついていたのと、その事後処理のお陰で、
ここにいたのは正味一日だ。
どこかの、誰かの、お陰さまで、な」 - 210 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:40:52.12 ID:eeRiuSnxO
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じいさんは天国で主と幸せになったんだな…。
- 211 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:45:30.22 ID:OOn2jPhC0
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「そのせつは、大変お世話になりました――っつうか、
視ているって俺に教えてくれればよかったんですよ。
そしたら、橋の下に来るときだけ助けて欲しいって言えたのに」
「君が犯人だったら、どうする」しれっと、先生はそんなことを言った。
- 212 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 18:51:34.16 ID:OOn2jPhC0
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「流石に、あれだけで完璧に君の話を信じるほど、
蒙昧な人間ではないのでね、もしかしたら何かのトリックでもあったのかもしれない。
君が何か行動すればよし、もし犯人だったら橋の下に転がった人物が違っていただけだ。
まあ、君が人を殺すとも思えなかったがな、念には念をだ。
それにだな、
一生懸命歩こうとしている子供を影ながら見守るっていうのも、
保護者の仕事だと思わないかな?」
本を閉じて、肘を立てて手を組み、ニヤニヤしながらこちらを見てくる。
- 214 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 19:12:24.10 ID:OOn2jPhC0
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「…流石に、子供を疑ってつけまわすストーカーちっくな母は持ちたくないです」
「ククッ、いや、そうだな、その通りだ。
でも、まあ助かったんだから、それでいいじゃないか」
先生のお陰で助かった、その通りだ。
脳裏に化け物じみたあの強さが浮かんで、少し背筋を撫でられたように震える、プルリ。
とりあえず、ゴミをナイロン袋に入れつつ先生に聞く。
「いいですけど…、先生って体術まで知ってるんですね。
証拠品の録音機投げて、突っ込むところなんて、
正直弁護士としてどうかと思います」 - 215 愛のVIP戦士 2007/02/21(水) 19:17:55.52 ID:LbAXxh5q0
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先生カッコヨス
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