オカシイ世の中覚え書き

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<本間氏辞任>「官邸主導」態勢に陰り [ 12月21日 13時30分 ]

 政府税制調査会会長への本間正明氏の起用は、経済成長重視の「上げ潮」路線を掲げる安倍晋三首相―塩崎恭久官房長官が主導した人事。そこでの早々のつまずきは、首相の任命責任が問われるだけでなく、「官邸主導」態勢に大きな陰りを差すことになる。辞任劇をめぐっては、安倍首相が最後まで本間氏を擁護するなど判断を誤り、危機管理の甘さも露呈した。復党問題やタウンミーティングのやらせ質問問題などによる支持率急落に拍車をかけることは間違いない。

 法人減税に積極的な本間氏の起用は、経済成長を重視する安倍政権の「上げ潮路線」のシンボル。当初、財務省が増税の必要性を訴える石弘光前会長の起用を考えていたが、塩崎長官がこれを退け、本間氏を押し込んだ。安倍首相も了承した経緯がある。

 それだけに、官邸にとって本間氏は「切りたくても切れない」(政府高官)存在だった。塩崎長官は、問題発覚した時点で「宿舎に入ることはルールにのっとったもの」と語り、状況分析が不十分なまま「問題視せず」と早々に判断。与党内や閣僚から公然と進退問題に言及する発言が相次いでも、安倍首相が辞任は必要ないとの考えを表明するなど、対応は後手に回った。

 しかし、首相が擁護するのとは裏腹に、首相周辺からは「本間問題で年を越すのは嫌だ」などと早期の幕引きを求める声も出始めた。最後は辞任に向け、塩崎長官と本間氏が水面下で協議した模様だが、危機管理の甘さをさらけ出し、政権の未熟さを指摘されてもやむを得ない結果となった。

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最終更新:2006年12月22日 00:45