オカシイ世の中覚え書き

映画『Nanking』へのネガティブ・キャンペーンおよび南京事件否定論に反対する日本のネットワーカーの共同声明 UP 2007.3.3

映画『Nanking』(テッド・レオンシス、ビル・グッテンタグほか制作、ビル・グッテンタグ、ダン・スターマン監督)のニュースが2006年11月に日本に伝えられた際、産經新聞はこの映画が「反日史観で知られる」中国人作家の著作を原作にしているという根拠のない報道を行ないました。これに続きいくつかのメディアは本作を「反日映画」「ブラック・プロパガンダ」だと決めつけています。この報道が引き金となり、映画関係者(レオンシス氏や出演した日本人俳優)のブログに悪意に満ちたコメントが多数投稿されるというかたちで、南京事件否定論者による攻撃が行なわれています。攻撃の対象となったブログは、南京大虐殺は中国の反日プロパガンダによってでっち上げられたフィクションであると主張するコメントでいっぱいになっています。こうした状況に鑑み、戦争犯罪に関心をもち、あるいは旧日本軍の戦争犯罪を否認する活動を憂慮する私たちは、次のように声明します。


一、南京事件ないし南京大虐殺は否定する余地のない歴史的事実です。私たちは1937年から38年にかけての冬で南京で行なわれた蛮行の詳細については各自の見解を保持する権利を保留しますが、「大虐殺 (atrocity ないし massacre) 」と呼ばれてしかるべきことはたしかに起きた、と考える点でみな一致しています。


二、この映画がまだ日本では公開されていない現段階において、私たちは映画それ自体についての評価は差し控えます。しかしながら、このような論争的なテーマについて映画を制作、公開する自由を私たちは全面的に擁護します。また、南京事件についての研究、議論を深めるきっかけとして、本作が日本公開されることを望みます。私たちは本作に対する、否定論的、人種差別的な動機に基づくネガティヴ・キャンペーンに反対します。


三、南京事件否定論は職業的な歴史研究者によっても日本政府によっても支持されていないことを私たちは知っています。私たちは各自の事情の許す範囲で南京事件否定論に異議を唱えてきましたし、これからもそうするでしょう。

2007年2月23日

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最終更新:2007年03月03日 15:19