海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」がマグロはえ縄漁船「清徳丸」と衝突し、乗り組んでいた父子が行方不明となった事故で、横須賀海上保安部は19日、業務上過失往来危険容疑で、あたご艦内の捜査に乗り出す方針を固めた。海保は舩渡健艦長ら乗員の事情聴取も進め、事故原因の解明を急ぐ。
事故は、高い防衛上の機密を持つイージス艦が強制捜査を受ける異例の事態に発展する。
第3管区海上保安本部の調べなどによると、あたごの右舷艦首付近の傷が喫水上で広がっていた。清徳丸は繊維強化プラスチック(FRP)製。損傷状況からあたごは、清徳丸と直角に近い角度で激しく衝突したとみられている。
あたごは同日午後、横須賀港に入港した。海保は捜索差し押さえ令状に基づき、捜査員約35人が艦内の捜索に着手する。航海日誌やレーダーの記録などを押収し、事故前後の航跡を確認するほか、乗員らの聴取を通じ当時の見張り態勢なども調べる方針。
一方、同本部は巡視船や航空機による現場海域の捜索を続けているが、清徳丸に乗り込んでいた吉清治夫さん(58)と長男哲大さん(23)の行方は依然として分かっていない。
[時事通信社]
[ 2008年2月19日17時47分 ]
最終更新:2008年02月22日 11:39