千葉県・房総半島沖で、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」(7750トン)がマグロはえ縄漁船「清徳丸」(7.3トン)と衝突し、清徳丸の父子が行方不明となった事故で、あたごが衝突1分前に漁船を認識し、全力で後進をかけて減速を試みていたことが19日、分かった。石破茂防衛相は右方向から漁船の接近を視認していたと説明し、あたご側に回避義務があった疑いが浮上した。
横須賀海上保安部は同日、業務上過失往来危険容疑で、あたご艦内を捜索。舩渡健艦長ら乗員の事情聴取も進め、事故原因の解明を急ぐ。
事故は、高い防衛上の機密を持つイージス艦が強制捜査を受ける異例の事態に発展した。
第3管区海上保安本部の調べなどによると、あたごの右舷艦首付近の傷が喫水線上で広がっていた。清徳丸は繊維強化プラスチック(FRP)製。損傷状況からあたごは、清徳丸と直角に近い角度で激しく衝突したとみられている。
[時事通信社]
[ 2008年2月19日18時42分 ]
最終更新:2008年02月22日 11:40