吉川栄治・海上幕僚長は19日午後1時からの会見で、イージス艦「あたご」が衝突前に漁船「清徳丸」に気づき、「回避動作を取っていた」と述べた。また、左右や後方を確認するため艦橋に約10人の乗組員を配置し艦橋前部の水上レーダーは正常に作動していたと説明した。
主な一問一答は次の通り。
--「あたご」は衝突まで気づかなかったのか。
回避動作を取ったと聞いているが、どのようにどの時点かは捜査に委ねたい。
--漁船の明かりで気づいたのか。
何によって認識したのかは捜査のポイント。漁業のライトなのか、航海灯なのか、捜査の過程で明らかになると思う。
--海上衝突予防法は相手が右舷側に見える船が回避することになっている。あたごはどちらにいたのか。
どのような状況で視認し衝突したかは、捜査に委ねたい。
--右と左のどちらに回避したか。
細部は捜査に委ねたい。
--監視体制は。
通常と同じ。
--レーダーは正常に作動していたか。
はい。
--レーダーで漁船を把握していたか。
レーダーは調整や行き会う船の状況などで「ゴースト」が映ることもある。今回は視界も悪くなく、海面状況も平穏なので、通常のレーダーの能力はあっただろう。
--レーダーに映るのは確実では。
漁船は非常に小さい目標で、どうなるかはその時の状況による。
--連絡体制の問題点は。
私に報告が来たのは5時ごろ。発生から1時間かかっている。内局を経て報告する体制だが、一報体制について検証したい。
--大臣に情報が上がるまで1時間半はかかり過ぎでは。
検証しながら改善していきたい。
--「なだしお」事故から20年。教訓は生かされているか。
年度当初に船を全部集め、安全講習や実技訓練をずっと実施してきている。効果があるのか、再発防止策とあわせてよく検証したい。
[ 2008年2月20日0時28分 ]
最終更新:2008年02月22日 11:49