海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故で、清徳丸とともに出漁していた僚船の船長らが21日、千葉県勝浦市の川津漁港で記者会見し、自衛隊側が「衝突前に(船の右舷にある)緑の灯火を視認した」としている点について、「船団の進行方向を考えると、(左舷の)赤の灯火が複数見えているはず。もし見えていなかったならば、見張りが十分ではなかった」と指摘した。
船団の先頭を走っていたという「幸運丸」の堀川宣明船長(51)は「自分の船が最初にあたごの前を右から左に横切って回避した。あたごがしっかり見張りをしていれば、自分の船の赤灯がまず見えたはず」と振り返る。
「金平丸」の市原義次船長(54)も「よほど目が悪くなければ、5マイル(8キロ)くらいの距離から灯火は見えるはず。監視態勢が全然無かったんだろう」とした上で、「自分は回避のため左にかじを切ったので、(イージス艦が見た)緑の灯火は自分の船のものだと思う」と話した。
さらに「方向転換が難しい大型船にありがちな考えで、小型船が避けてくれると思っていたのでは」と話した。
[時事通信社]
[ 2008年2月21日13時11分 ]
最終更新:2008年02月22日 12:13