海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故で、衝突の12分前に清徳丸のものとみられる灯火を確認したという見張り員の情報が、レーダーを監視する宿直員に伝わっていなかったことが分かった。見張り員はこの直前に当直勤務を交代したばかりだった。この見張り員を含む艦橋の当直10人はこの前後に順次交代しており、横須賀海上保安部などは、情報伝達の状況などを詳しく調べている。
関係者によると、見張り員は19日午前4時の交代に合わせ、他の当直員とともにいったん艦橋内に集合。その後、持ち場で引き継ぎをし前任者と交代。同3時55分ごろ、清徳丸のものとみられるマストの白い灯火と、右から左に航行していることを示す左舷の赤い灯火を目視で確認した。
見張り員の情報は艦橋の伝令を通して、レーダーを監視する宿直員に伝わるシステムになっている。危険な情報が艦橋内に伝達されないことは通常考えにくいことから、横須賀海保などは、交代時間だったことが情報伝達に影響を与えた可能性もあるとみて調べる。
[毎日新聞2月21日]
[ 2008年2月21日15時00分 ]
最終更新:2008年02月22日 12:17