早押しクイズの「人数」の限界
「
クイズイベント」の欄でもご説明しましたが、現在クイズをやりたいと思っている人の大半は、早押しクイズが好きな人が多いです。
ところが、たくさんの人数が同時にできるペーパークイズやボードクイズ、択一クイズに比べ、早押しクイズは同時にできる人数が限られます。
まず、早押し機の端子の数やステージの広さに限界があります。
また、大人数でクイズをやればやるほど、一人一人がなかなか解答権をとりにくくなります。仮に参加者が全員同じ実力だったとして、6人でやれば1/6の確率で解答権がとれますが、40人でやったら1/40の確率でしかない。しかも、解答権がとりにくくなると、誤答を覚悟してでも解答権をとりにいこうとする人が増え、結果として誤答が多くテンポの悪い状況となります。
☆麻雀になぞらえて、よく「場が荒れる」といいます。高校生クイズの「全チーム早押し」は、放送されていない部分ではいつもとんでもない量の誤答があるそうです。
…といったわけで、早押しクイズはそんなに大人数ではできません。荒屋さんや「匠」製の早押し機の端子数は12~20といったところですが、これで十分こと足りるのです。
一般的なクイズサークル・イベント=「1部屋制」
にも関わらず、普通サークルでもイベントでも、早押し機は一つ、部屋も一部屋なのが普通です。複数の機材や部屋を用意するのは手間がかかりますし、スタッフもそれだけ何倍か必要となってくるからです。早押しクイズはけっこううるさいので、部屋を区切って2グループ以上が同時進行する…ということも厳しいです。
つまり。
みんな早押しクイズがやりたいと思っているにも関わらず、同時にクイズができる人数は限られているし、クイズができる「場(部屋、早押し機)」は普通一つである。だから、需要が供給が追いついていない…という状況です。
「1部屋制」の制約の下での工夫
「早押しクイズをやりたい」という需要に対して、おいついていない供給。
この状況に対して、いろいろな手法がとられました。
まず、「供給が追いつかないのは仕方がない」と割り切り、他の要素でカバーしようとする手法。
「勝った人は次のラウンドに進み、負けた人は以後クイズができない」という、クイズ以外でもポピュラーな「勝ち進み形式」を導入することで、負けた人にも納得してもらう。
団体戦にすることで、実際にクイズをする機会は変わらなくても、チームメートを応援して楽しむ、という雰囲気を作る。
演出に凝ることで、観客として見ても面白いイベントにする・・・などなど。
その一方で、なんとかして効率的に「供給」しようとする工夫もありました。
敗者復活や最初のラウンドなどで、全員に1回ずつ早押し機を押す機会を作る。
強いプレーヤーを「シード」にして出場機会を減らすことで、出場者の参加機会を平等に近づける。
参加資格を制限することで、今まであまりクイズができなかった人にもクイズをやってもらう…などなど。
いろいろな工夫が、ここ10年されてきました。
…「早押し機は一つ、部屋も一つ」という制約の下で。
xyzは「複数会場制」のイベントです。
テニスサークルにたとえると、部員達はテニスをやりたい、でもテニスコートは一面しかない。
そこで、1セット交代制にしたり、リーグ戦をやってみたり、もしくは選手のパンフレットを配ったりして、なんとか盛り上げようとしてみた。でも、需要に供給が全然追いつかない。
一番効率的で根本的な解決は…テニスコートを増やすことです。複数面借りることです。
もちろん、テニスコートを増やすことはかなりのコストがかかります。なかなかできることではない。
でも、クイズだったら?
早押し機と会場とスタッフ、これを複数揃えることのコストと、それによるメリットを考えたら?
…ということを検討した結果、このxyzでは、「複数会場制」を導入しました。
この複数会場制をとることで、「お客様がクイズに触れる機会を極力増やす」ことはもちろん、今まではできなかったいろいろなことが可能となりました。
最終更新:2008年03月23日 00:56