緋色の花

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六番目の記憶…

赦さない…赦さない…

昏い森に横たわる 手負いの兵を囚えた
少女は闇を見つめて 紅玉(ルビー)の微笑(えみ)を浮かべた…

緋い空を見上げてた 風に流される茜雲
沈まぬ夕陽を見上げてた 幾千の影が森を駈けてゆく

偽りの黄昏に染った 戦場を焦がした焔は揺れ躍る

唯守るべきモノの為『私』は戦う
けれど大地に縛られた身体は動かない…

忘レモノハ在リマセンカ…?

少女の囁きは森の魔性
我を穢す者には災いを
終わりなき呪われた輪廻を

忘レモノハ在リマセンカ…?

彼らを突き動かす法則
大切なモノを守る為
大切なモノを奪い続けるという矛盾

ねぇ…本当に大切な物って何?

指針となるのは主観と謂う名の怪物(モンスター)
鳴呼…また一輪…
兵隊が花を踏みつけて行く…

忘レモノハ在リマセンカ…?

狂った自我(エゴ)が視せる幻想(まぼろし) 歪な螺旋を描いて繰り返す

醒めない悪夢に苛まれ続ける『ワタシ』は
柘榴石の雨のような(Like the Rain of Garnet) 鮮血に染まった緋色の花(フラワー)

忘レモノハ在リマセンカ…?

森の彼方から足音響かせ駈けて来る
鳴呼…『私』が『ワタシ』を踏み潰しにやって来る…

(赦さない…赦さない…)

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最終更新:2021年02月13日 03:26