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*防空リバース小説(2)「導入の風景:RANGER Side-B」
(→RIWAMAHI Sideは[[こちら>http://www24.atwiki.jp/riwamahi/pages/513.html]])
有事に備え、24時間体制でパイロットが待機しているレンジャー連邦の航空基地にスクランブル要請のサイレンが鳴り響く。この日待機していた七周シナモンと彩貴はサイレンに驚いたが、すぐにラスターチカの元へ走った。
要請から離陸まで1分1秒も無駄にはできない。
「Dama、フライトチェック。チェックが完了次第すぐにエンジンかけて発進待機にします。」
パイロットの七周シナモンは機体に素早く搭乗しフライトチェックを開始した。
彩貴もそれに続き計器のチェックに入る。
「わあ、スクランブル体制強化したばかりなのに、もう役に立ちましたね~」
「そうだねえ。あ、彩貴ちゃん、敵を見つけたのはにわとりさんと、ダムレイさんと、冬摩さんらしいよ」
にわとり、ダムレイ、冬摩彼方は七周シナモンと彩貴が所属していた初心者騎士団の同期である。初心者騎士団の仲間たちはそれぞれの場所でそれぞれの役目を立派にこなしている。それがとても嬉しかった。
「そうらしいですねえ。懐かしいです。あ~でも大丈夫かな。ちゃんとやれるかな」
今は訓練ではなく任務だ、そう自覚してますます緊張したのか彩貴の声は固い。
無意識におさげの髪を触った。
「まあ、なんとかなるっしょ。」
七周が答えたその時、Damaからフライトチェック完了と離陸許可のサインが表示される。
「こちらラスターチカ。システムオールグリーン、出撃します。彩貴ちゃん、一気にGがかかるからね。」
スクランブル要請から5分、こうしてラスターチカは天空へと飛び立った。
/*/
「防空基地管制室より通信、回線を開きます。未確認機をアルファ1に設定、AWACSと航空基地でコール及び解析中です。AWACSと防空レーダーの情報をこちらに反映しますね。」
AWACSと芥辺境空港航空基地、バッジシステムはみごとに連携して索敵範囲をカバーしあいながら死角をなくし、リアルタイムで情報がラスターチカに伝わった。彩貴はその情報を処理し、機体のレーダーに反映をしていく。
未確認機はまっすぐ同じ速度で芥辺境藩国を目指していた。
「七周さん、彩貴さん、聞こえますか?こちら上空オペレーターのダムレイです。今のところ未確認機はアルファ1の一機のみ。おとりかもしれませんが今はアルファ1の方に当たってください。」
上空オペレートの担当であるダムレイが通信を開いて声を掛ける。落ち着いて情報を分析しサポートしてくれる彼はとても心強い。
「レンジャー連邦ラスターチカさん。芥航空基地よりにわとりです。アルファ1を誘導着陸または領空外へ退去させて下さい。あと、すぐに対応できるようにアルファ1への迎撃戦の準備をお願いします。どうか気をつけてください~。」
芥辺境航空基地から地上オペレートをしているにわとりも基地からの指令を伝えるために通信を送った。
「アルファ1と他の侵入機の索敵、警戒はこちらにまかせて。絶対に見失いません。迎撃は任せました!」
「こちらレンジャー連邦ラスターチカ、わかりました。ダムレイさん、冬摩さん、にわとりさんもありがとうー!」
冬摩も通信で声をかける。次々と懐かしい仲間の声に背中を押され七周が3人の声に応えた。彩貴も、はい、行きましょう!と大きく頷く。
ラスターチカはスピードを上げて侵入機を追っていった。
/*/
「機体速度そのまま、進路徐々に合わせて」
「よっし!理想的な航路だ!その調子!」
冬摩、ダムレイ、にわとりによる地上と空からのオペレーションの支援を受けているおかげでラスターチカは順調に侵入機との距離を縮めていく。
「上手に後ろを取ってみせる。」
七周は、コンピューターがはじき出す未来予測と、絶妙な感覚を駆使して侵入機の背後を取るコースを繰り返し繰り返しイメージした。
「はい。もう少し…目視可能距離まで時間にして60秒…」
彩貴も計器に目を配りつつ迎撃戦のためのミサイルの準備を整えていった。
30…20…近付く航空機の機体の黒い点。そのとき、七周が異変に気がついた。
「え…あれ?」
彩貴も風防越しにその異変に気がついた。疑惑は確信に変わる。
「彩貴ちゃん、あれって…もしかして!」
「はい、はい?ラ、ラスターチカ!?」
未確認機は、自分が乗っているものと全く同じレンジャー連邦所属のラスターチカだった。それを聞いて早期警戒システム、空港航空基地も混乱しかけた。その時 …
『そこまで!訓練終了!』
三人の藩王の声が、ラスターチカの通信回線から響いてきた。オペレーションをしてくれていたAWACSと芥辺境空港航空基地からの回線からも聞こえる。
「彩貴さん、シナモンさん、おつかれさまでしたー!芥さんの航空基地で反省会をしますのでオペレーターの指示に従って帰還してくださいね。」
未確認機の正体であるラスターチカのパイロット、蝶子藩王はそれだけを2人に伝えると早々に帰還して行った。固まる七周と彩貴の2人。距離を詰めていた機体も上空で待機状態となってしまった。
「わーん!蝶子さんすみませんー!」
「え、えー!?ミサイル向けてご、ごめんなさい!蝶子さーん!」
2人は機内でわたわたと混乱しはじめる。AWACSの方も芥辺境空港航空基地も混乱したようで、場の混乱が落ち着きを取り戻し、結局全員が帰還するのにかなり時間がかかった。NWの空は青く、平和に広がっていた…
(文:彩貴)
*防空リバース小説(2)「導入の風景:RANGER Side-B」
(→RIWAMAHI Sideは[[こちら>http://www24.atwiki.jp/riwamahi/pages/513.html]])
有事に備え、24時間体制でパイロットが待機しているレンジャー連邦の航空基地にスクランブル要請のサイレンが鳴り響く。この日待機していた七周シナモンと彩貴はサイレンに驚いたが、すぐにラスターチカの元へ走った。
要請から離陸まで1分1秒も無駄にはできない。
「Dama、フライトチェック。チェックが完了次第すぐにエンジンかけて発進待機にします。」
パイロットの七周シナモンは機体に素早く搭乗しフライトチェックを開始した。
彩貴もそれに続き計器のチェックに入る。
「わあ、スクランブル体制強化したばかりなのに、もう役に立ちましたね~」
「そうだねえ。あ、彩貴ちゃん、敵を見つけたのはにわとりさんと、ダムレイさんと、冬摩さんらしいよ」
にわとり、ダムレイ、冬摩彼方は七周シナモンと彩貴が所属していた初心者騎士団の同期である。初心者騎士団の仲間たちはそれぞれの場所でそれぞれの役目を立派にこなしている。それがとても嬉しかった。
「そうらしいですねえ。懐かしいです。あ~でも大丈夫かな。ちゃんとやれるかな」
今は訓練ではなく任務だ、そう自覚してますます緊張したのか彩貴の声は固い。
無意識におさげの髪を触った。
「まあ、なんとかなるっしょ。」
七周が答えたその時、Damaからフライトチェック完了と離陸許可のサインが表示される。
「こちらラスターチカ。システムオールグリーン、出撃します。彩貴ちゃん、一気にGがかかるからね。」
スクランブル要請から5分、こうしてラスターチカは天空へと飛び立った。
/*/
「防空基地管制室より通信、回線を開きます。未確認機をアルファ1に設定、AWACSと航空基地でコール及び解析中です。AWACSと防空レーダーの情報をこちらに反映しますね。」
AWACSと芥辺境空港航空基地、バッジシステムはみごとに連携して索敵範囲をカバーしあいながら死角をなくし、リアルタイムで情報がラスターチカに伝わった。彩貴はその情報を処理し、機体のレーダーに反映をしていく。
未確認機はまっすぐ同じ速度で芥辺境藩国を目指していた。
「七周さん、彩貴さん、聞こえますか?こちら上空オペレーターのダムレイです。今のところ未確認機はアルファ1の一機のみ。おとりかもしれませんが今はアルファ1の方に当たってください。」
上空オペレートの担当であるダムレイが通信を開いて声を掛ける。落ち着いて情報を分析しサポートしてくれる彼はとても心強い。
「レンジャー連邦ラスターチカさん。芥航空基地よりにわとりです。アルファ1を誘導着陸または領空外へ退去させて下さい。あと、すぐに対応できるようにアルファ1への迎撃戦の準備をお願いします。どうか気をつけてください~。」
芥辺境航空基地から地上オペレートをしているにわとりも基地からの指令を伝えるために通信を送った。
「アルファ1と他の侵入機の索敵、警戒はこちらにまかせて。絶対に見失いません。迎撃は任せました!」
「こちらレンジャー連邦ラスターチカ、わかりました。ダムレイさん、冬摩さん、にわとりさんもありがとうー!」
冬摩も通信で声をかける。次々と懐かしい仲間の声に背中を押され七周が3人の声に応えた。彩貴も、はい、行きましょう!と大きく頷く。
ラスターチカはスピードを上げて侵入機を追っていった。
/*/
「機体速度そのまま、進路徐々に合わせて」
「よっし!理想的な航路だ!その調子!」
冬摩、ダムレイ、にわとりによる地上と空からのオペレーションの支援を受けているおかげでラスターチカは順調に侵入機との距離を縮めていく。
「上手に後ろを取ってみせる。」
七周は、コンピューターがはじき出す未来予測と、絶妙な感覚を駆使して侵入機の背後を取るコースを繰り返し繰り返しイメージした。
「はい。もう少し…目視可能距離まで時間にして60秒…」
彩貴も計器に目を配りつつ迎撃戦のためのミサイルの準備を整えていった。
30…20…近付く航空機の機体の黒い点。そのとき、七周が異変に気がついた。
「え…あれ?」
彩貴も風防越しにその異変に気がついた。疑惑は確信に変わる。
「彩貴ちゃん、あれって…もしかして!」
「はい、はい?ラ、ラスターチカ!?」
未確認機は、自分が乗っているものと全く同じレンジャー連邦所属のラスターチカだった。それを聞いて早期警戒システム、空港航空基地も混乱しかけた。その時 …
『そこまで!訓練終了!』
三人の藩王の声が、ラスターチカの通信回線から響いてきた。オペレーションをしてくれていたAWACSと芥辺境空港航空基地からの回線からも聞こえる。
「彩貴さん、シナモンさん、おつかれさまでしたー!芥さんの航空基地で反省会をしますのでオペレーターの指示に従って帰還してくださいね。」
未確認機の正体であるラスターチカのパイロット、蝶子藩王はそれだけを2人に伝えると早々に帰還して行った。固まる七周と彩貴の2人。距離を詰めていた機体も上空で待機状態となってしまった。
「わーん!蝶子さんすみませんー!」
「え、えー!?ミサイル向けてご、ごめんなさい!蝶子さーん!」
2人は機内でわたわたと混乱しはじめる。AWACSの方も芥辺境空港航空基地も混乱したようで、場の混乱が落ち着きを取り戻し、結局全員が帰還するのにかなり時間がかかった。NWの空は青く、平和に広がっていた…
(文:彩貴)