<<2.産業構造 -ニチジョウ->>


『 そらいろの こい 』
―ばーど、らびんにゅー!―

『 私にする? 私にする? それともわ・た・し? 』
『 めし! めか! そしておまえじゃあああああああ!!!!! 』

-舞踏子ズ、勉強中の図


Factor1.乗り出す先はどんなところ? ~土台建設~

既に国内の幹線道路(にゃーロード)や共和国環状線で陸路を、
航法オペレートによって海路を切り開いてきたレンジャー連邦にとって、
航空産業は、経済のための、もっとも大きな歯車としても光を浴びた。

莫大な輸送力の海運、日常に根付いた陸運、長距離超高速の空運、
組み合わさってこそ、互いに力を高め合う。

それは、例えば航空機の部品が船や鉄道で運ばれる代わり、
空港への鉄道やバス路線が敷設されたり、領海上での防衛力を担うことで安定をもたらす、
といった相互作用に基づいているのである。


運輸産業は、人と物の行き来を活発化させ、
多くの技術や設備投資を長期的に求め続ける、安定した雇用先である。

その先達であり、天秤棒一本あれば財を成すと言われた羅幻王国の民の、
まず真っ先に申し込んできた業務提携を受け、マーケティング・需要予測を立てることにより、
政府は方針への自信を深めると共に、民間航空創業への道をつけた。

大統領府からの支援も受けたそれは、共和国の空を守る、これまでよりも、
遥かに多くの世界と触れることになる道であった。


運輸産業は、各地の多様性を保つことによって、
移動によって、価値を育て、利益を得る産業構造であるため、
空港の建設を含めた、文化侵略への配慮は最大に成された。

航空機は、点から点へ移動することが出来る上に、
海法よけ藩国の新技術・メガフロートを、海上空港とするプランを取り入れ、
広い土地を拓く必要がある造成問題について、大きく前進が見込めたのだ。

また、その際には、紅葉国の優れた浄水技術や、
リワマヒ国運営の資源ゴミ・リサイクル施設の導入によって、
海上・陸上を問わず、汚染対策が講じられた。

土地に合わせた空港の建設自体も、第2バッジシステム構築の際、
防空司令所建設を、各国方々で行っている経験があったため、
利用時間帯の立ち入りをシャットアウトして、浜辺や道路をそのまま滑走路にする、
大胆な開設プランすら可能なことも、シミュレーションによって説明されていった。

後は、僻地へも高速路を開けるというメリットがある反面、
長期計画になるので採算の見通しが立てにくく、設備投資にも時間がかかるという、
経営努力がなければ安易に採算が取れる事業でもないことを、併せて説明して回る、
丁寧な対話を中心に、計画の前段階は進められていったのである。


『 はなさないぞ。 』
『 もう、2度と、誰の手もはなすもんか。 』



Factor2.公共交通機関に必要なもの ~制度準備~

採算については、各地の産業と結びつくことによる収益増と、
予算の整理方法を、自らモデルケースとなることで例示した。

まず、法制面だが、
あくまでレンジャー連邦版として、整備を進めたため、
参考にする場合、各国の大法院によるローカライズを、
前もって推奨しておく。

燃料生産地であったレンジャー連邦の、政府としての取り組みは、
『航空機燃料税』廃止することにより、運賃の低下に協力し、
公益性が高いものの、開いても利用者が見込めない地方路線に、
一般会計予算から定常補助金を充てる、『エッセンシャル・エアサービス・システム』導入
これのために、関連して公共交通機関そのものの管理を一元化する、
『総合交通基本法』への制度変更に踏み切った。

これらは国民すべての基本的人権としてある、『移動する権利』を守るための取り計らいである。

この『移動する権利』については、
格安路線を追求する航空会社による、余裕のない発着スケジュールを制限するため、
乗客保護を目的としても、運用された。

飛行量との従量制でパイロットの給与を決定し、コスト削減を図った場合、
パイロットと管制塔との間でギリギリまで悪天候時の離陸が検討されてしまう可能性があり、
機内に乗客や貨物が閉じ込められてしまうという予測が立てられたのである。

また、空港自体の予算を公開することで、採算性を明らかにし、
より適切に『エッセンシャル・エアサービス・システム』を適用できるよう、
国内法に手が加えられた。

(法制関連の起草者:城 華一郎@摂政/法の司5級)
(チェック・記述指摘:むつき・萩野・ドラケン/法の司4級)


『 ぜんぶだ!!!! 』
『 とにかくなんでも絡んでいけ、なんでも!!!! 』


Factor3.異なりあうということ ~出会いの妙~

高速な輸送方法が広まるということは、時間の管理方法が代わるということであり、
これまで地元でしか消費されていなかった、生鮮食品や、お祭りといったイベントも、
広く享受されるようになるということでもある。

空弁、空港で利用できるレストラン、土産物などの商機はもちろんのこと、
機内での代わりに工場で腕を振るう、ケータリング会社も、各地で求められるようになり、
ファーストクラスの中には、MILのような、ハイクオリティ路線を行くエアラインで、
本格的な料理人を雇い入れる処も、後に出るようになっていった。

安全のため、制限が多い機内調理において、地方色豊かな食事を提供するべく、
これを補助する、工夫を凝らした料理や、スチームオーブン、電子レンジといった、
調理器具を、開発し、使いこなす、プロフェッショナルたちのニーズが出たのだ。

移動そのもので価値を育て、利益を生む運輸業は、
『ここではないどこか』の手触りを、機内にいる間から、旅客に提供できることも、
重要な資質なのである。

そのため、機内食同様、制服にも、路線ごとの特色を感じさせるべく、
競って地元のデザイナーと、エアライン所属のデザイナーとのコラボレーションが行われた。

衣食住と言われる3大需要の、
残る1つ、つまり旅行先の環境を味わう、観光業についても、
レジャーフライト専門のHALを代表とする、遊覧飛行企画や、
ピンポイントの旅客輸送自体で、地方経済へも働きかけた。

互いに違いあうことを楽しむ、という発想が、
直接的にも、互いの利益につながったのだ。


『 足りないものが多すぎる? 』
『 ええい、みんなごと全部引っ張ってこい!!!! 』


Factor4.いざ発進! 1 ~機体建造~

異なるだけでなく、同じ物を競って磨きあうことも重要だ。

技術の多様性や、顧客の裾野を広げる低価格化につながるので、
機械類の納入元については、綿密な検討による入札が行われた。

たとえば心臓部であるエンジンについては、
航空立国というブランドを追求するために、提携した工場へと技術者を派遣する、
国内メーカーも現れる一方、技術強国のメーカーとの契約も積極的に行われていた。

電子航法機器に関しては、戦闘機時代から、昔ながらの十八番であり、
堅固な安定性を持つ電子妖精の発祥国なこともあり、国外企業と競いつつも、
他国とは別路線を行くように、国内の情報技術を発展させることになった。

整備については、技術水準そのものは、大抵の国で困らないが、
清掃・補給・整備を並行して行う民間航空に要求される難易度は、また別種類な部分もあるので、
各社での合同研修会を、定期的に開くことが決定された。

その他、種々の部品製造やオーバーホールについては、
きゃりっじにより民間航空の先鞭をつけた、リワマヒ国に厚く信頼を寄せ、
国産エンジンの、実際の製造場所を含め、主要国内メーカーは、
多くをこの、古くからの友に頼ることになった。

そのリワマヒ国と並び、かつての航空三羽ガラスの同僚だった、
芥辺境藩国の出身者は、民間航空そのものを一足早く経験していたキャリアから、
特に厚く遇されたが、経営体制でも多様性を確保するために、
独自路線でノウハウを築き上げるSHWのような会社も、中にはあった。


『 誰が何を得意で何をやろうとしてるか、 』
『 これからガッチリ!! 押さえるんだ!! 』


Factor5.いざ発進! 2 ~安全第一~

燃料に関しては、テラ領域の共和国の半分以上が生産しているため、
生成技術保有国全般を利用することで、リスクコントロールとした。

トラブルが起こっても機能し続けることこそが、
航空機にもっとも求められる性能であり、これは、高所という危険な領域では、
致命傷を負うことが許されないための、全機種全会社共通の大原則であった。

エンジンにしても、1つあれば飛べるのだが、
歴史的には、信頼性が高まったので、初めて双発、つまり2個だけで済むようになり、
従来の四発仕様という、厳重なセイフティ設計からの転換が開始された経緯すらある。

コクピットでも、ビニールとガラスの層を重ねた窓は、
鳥が激突しても割れず、また、幾つかが割れても正常に機能するのだ。

なお、衝撃吸収のためにあるビニール内には、結露対策として電線を通し、
電熱で温める機能もあったりするなど、多機能性も、随所で持たされている。

このように、肝心の航空機の機体素材についても、
部品の多い航空機は、とにかく技術革新に貪欲にであり、
自社製品への取り込みのため、投資も活発に行われた。

一例を挙げるなら、
快適さのために、加湿器を導入できるよう、非金属製の軽量強度な、
炭素繊維焼き上げが行える技術やガラス等が、強く求められており、
炭素繊維・ガラス繊維の研究開発に着手したナニワアームズ商藩国への先行投資が開始された。

軽量多機能で、信頼性が高く、なにより安全につながる。
こうした製品は、結果的に顧客のブランドイメージを育てるので、
よほどの高価格でもなければ、資金投入はためらわれなかった。


『 代わりに私たちは、未来を差し出す。 』
『 ありったけ、必要とする限りの技術は、成長すればするほど、買う!!!! 』


Factor6.いざ発進! 3 ~内容充実~

機体というハード面のみならず、中に入れるソフト面でも、
航空機は貪欲である。

保安対策としては、数えきれない危難をくぐり抜けた経験から、
機内にはゴロネコ藩国のマジカルポリスを雇用、玄霧藩国の特務警護官とも現在契約の手続きが進んでいる。

これによって、安全の確保と共に、
彼ら森国の民もまた、欠かせない仲間であり、常にそばにいる存在なのだという、
文化的な理解にも、積極的に取り組んでいった。

フライト中の行動は大きく制限されるので、
音楽や映像といった娯楽コンテンツも豊富に取り揃えた。

akiharu国や【えいつく】の映画、【キミプロ!】配信の、アイドルのステージ・楽曲といった、
人気の高いソフトの配信に踏み切ったのである。

また、akiharu国の映像産業については、
スタッフ育成用の教材としても効果が上がると考え、
ほぼすべての国内エアラインが発注をかけている。

パイロットや管制官、客室乗務員、整備員以外にも、
グランドスタッフと言われる、カウンター業務を務める社員や、
機長にフライトプランを作って打ち合わせする、
もう1人のパイロットと呼ばれる運行管理者(ディスパッチャー)など、
どの人材も欠かせないので、専門の航空大学の設立も行われた程、
ソフト面への注力もまた、重きを置かれたのだ。

※レンジャー連邦では、
 東西南北の四都にある以外での国立大学は、これが初めてとなった。


『 そしたらさ、ぼくたちわたしたち、ほんとうに、ともだち……だよな? 』
『 本気でお互いのそばにいたくなるから、さ。 』





最終更新:2010年09月20日 23:13