*西国人+猫妖精+サイボーグ

#新記述

L:西国人+猫妖精+サイボーグ = {
 t:要点 = 砂避け,日焼け対策された服装,エキゾチックな人材,灰色の髪,猫耳,尻尾,一部機械
 t:周辺環境 = 交易路・涼しい家・巨大な港・蜃気楼・オアシス・機械化工房

 t:評価 =

  体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
西国人 0 -1 0 0 1 1 1 0 0
猫妖精 -1 0 0 1 1 -1 1 -1 0
サイボーグ 1 1 1 -1 -1 -1 1 0 -1
0 0 1 0 1 -1 3 -1 -1

 t:特殊 = {
  *西国人の人カテゴリ = ,,,基本人アイドレス。
  *西国人の生産 = ,,,(生産フェイズごとに)燃料+1万t、資源-1万t。
  *西国人のイベント時食料消費 = ,,,(一般行為判定を伴うイベントに参加するごとに)食料-1万t。
  *猫妖精の職業カテゴリ = ,,,基本職業アイドレス。
  *猫妖精の位置づけ = ,,,猫系。
  *猫妖精のコパイロット資格 = ,,,搭乗可能(すべて)。
  *猫妖精のオペレート行為 = オペレート行為,歩兵,条件発動,なし。
  *サイボーグの職業カテゴリ = ,,,基本職業アイドレス。
  *サイボーグの位置づけ = ,,,サイボーグ系。
  *サイボーグの局地活動能力 = ,,,宇宙。
  *サイボーグのナショナルネット接続能力 = ,,条件発動,ナショナルネットに接続することができる。
  *サイボーグの筋力・耐久力補正 = ,歩兵,任意発動,{筋力,耐久力}、評価+2、燃料-3万t。

 }
 t:→次のアイドレス = 猫妖精(職業),サイボーグ(職業),ドラッガー(職業),歩兵(職業),パイロット(職業),整備士(職業),観光地(施設),国歌(絶技),アイドレス工場(施設),燃料生産地(施設),高位西国人(人),共和国大統領選挙(イベント),猫(職業),猫先生(職業),泥棒猫(職業),ウォードレスダンサー(職業),ハッカー(職業),宇宙軍(職業)

 

#旧記述

要点:・砂避け、日焼け対策された服装・エキゾチックな人材・灰色の髪・猫耳・尻尾・一部機械

周辺環境:・交易路・涼しい家・巨大な港・蜃気楼・オアシス・機械化工房
  *西国人の人カテゴリ = 基本人アイドレスとして扱う。
  *西国人は一人につきターン開始時に燃料1万tが増加する代わりに資源1万tを消費する。
  *西国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  *猫妖精の職業カテゴリ = 基本職業アイドレスとして扱う。
  *猫妖精はコパイロット行為ができる。
  *猫妖精はオペレーター行為ができる。
  *猫妖精は夜間戦闘行為ができ、この時、攻撃、防御、移動判定は評価+1され、燃料は必ず-1万tされる。
  *猫妖精は白兵戦行為ができ、この時、攻撃、防御、移動判定は評価+1され、燃料は必ず-1万tされる。
  *サイボーグの職業カテゴリ = 基本職業アイドレスとして扱う。
  *サイボーグは宇宙戦行為ができる。
  *サイボーグはナショナルネット接続行為ができる。
  *サイボーグは筋力、耐久力の評価を評価+2補正することが選択でき、この時燃料3万tを消費する。

 }
→次のアイドレス:共和国大統領選挙(イベント)、猫(職業)、猫先生(職業)、泥棒猫(職業)、ウォードレスダンサー(職業)、ハッカー(職業)、宇宙軍(職業)

 

  体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
西国人 0 -1 0 0 1 1 1 0 0
猫妖精 -1 0 0 1 1 -1 1 -1 0
サイボーグ 1 1 1 -1 -1 -1 1 0 -1
0 0 1 0 1 -1 3 -1 -1



(絵:マグノリア)

猫妖精、という職業がある。

アイドレス世界においては主にI=Dコパイロットやオペレーターといった分野で活躍し、猫耳・猫尻尾・たまに口をつく語尾の「にゃん」などその愛らしさでもって戦場に癒しを与える存在として有名であるが、彼ら・彼女らにはもう一つ特筆すべき側面がある。
白兵戦、しかも夜目がきくので夜間戦闘行為も可能である、という点だ。

なんだかよくわからんが根元種族には低根源力の者を視線を交わすだけでやっつける能力があるらしい、でもその能力は夜だと発揮できないらしい、という情報を聞いたレンジャー連邦は、猫妖精の強化に踏み切った。猫妖精のサイボーグ化である。
これにより、コパイロットに必要な感覚力を殺すことなく、それまでやや難のあった身体面での能力を改善することに成功した。外見評価はただの猫妖精より落ちるものの、目鼻立ちのはっきりしたエキゾチックな西国人の魅力が失われることはなく、つややかな灰色の毛並みと一部が機械化されていることによる硬質さがあいまって、生身とは違った特殊な魅力を放っていた。ありていに言えば、メカにゃんこ萌え、である。愛こそすべて、萌えこそわが命と豪語するものが少なくないこの国で、猫妖精のサイボーグ化はすんなりと可決されることとなった。

また、もともと歩兵強化のためにサイボーグ技術を有していたレンジャー連邦において、猫妖精のサイボーグ化は技術的にも容易であった。海に囲まれた砂漠という風土に対応するために、防砂機能・日焼け防止処理・防水加工の施された人工皮膚などが既に開発されており、
「砂漠でごろごろ遊んだり、オアシスの湖とか北の都のでっかい港とかでお魚取ったり水遊びしたりしても大丈夫なら、サイボーグになってもぜんぜんかまわないにゃん。むしろ日焼けしにくくなって怪我もすぐ直せるようになるなら、サイボーグになった方がお得だにゃん。」
と、サイボーグ化を希望する猫妖精たちも後を絶たず、唯一心配されていた人材確保の面も難なくクリア、連邦メカにゃんこの誕生と相成ったのである。

あなたがレンジャー連邦に来ることがあれば、砂と日差しを防ぐためのマントを翻し、都と都をつなぐ交易路を四足で走る猫妖精の姿を見ることがあるかもしれない。もしくは、厚いレンガ造りの涼しい家の小さな窓から顔だけを出して、砂漠にゆれる蜃気楼を見ながら猫耳をぴくぴくさせている姿を。平時はのんびり気ままににゃーんと鳴いている彼ら・彼女らこそ、戦時においてはパイロットのサポートとして、夜戦行為のスペシャリストとして凛々しく活躍する、サイボーグ猫妖精たちなのである。
(文責:蝶子)

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歯車を体内で噛み合わせる感覚。
もちろん、連邦製サイボーグにそんな旧式のからくりが使われているはずがない。これはただのイメージだ。
電速の疾さで五体を繰る。秒の間に ぱ ぱ ぱ ぱ ぱ と左右左拳右肘落とし回転水面蹴り。

「……」

悪くない仕上がりだ。これ以上出来たら拳法家の領域になる。趣味を言えばその方がいいのだが、猫にその道は今のところ開かれていない。ひらん、とやわらかな尻尾を揺らし、耳型センサーをぴこぴこ。

この間にも、体の中に、あるイメージが沸々と満たされ続けている。

それを感知するセンサーも微小で、また意識とは直結されていないはずの、五体に流れる電気信号が、絡み合う稲妻のように胴体の中で一つに束ねられている身体感覚。

脊髄を中心に、この稲妻の形を変えることが体を操ることというイメージ。

イメージは脳髄を活性化させその処理速度と反応速度を高める効果がある。物理的に言うならば思考を必要としないレベルにまで動作を体へと定着し柔軟に操るための訓練兼つなぎになる。東都大学で行われたサイボーグ化に際しての軍事研究を待つまでもなく、イメージトレーニングの有用性については、その答えはYESであると現実の社会でも出ていることだ。

イメージは電子的に直結されただけの感覚をより有機的に活性化し、サイボーグパーツとの拒絶反応を軽減するためのメンテナンス用に使用される神経活性剤とは違い、それをイメージすることが当たり前にさえなれば、意識せずとも常にその効果を表わす、実に合理的な強化手段である。

歯車は、動きの型の集成だ。

内臓レベルでの重心の感知、その位置を自由に整えるための姿勢の型、足運び、足指の微細なグリップ感覚、手指の動き、腕の振り、上体と下体をつなぐ腰を切り回す全身統御のための動きの鋭さ、膝関節の今日の軋み具合から四肢を流れるエネルギーの燃焼効率に至るまで、すべてが密接に絡み合い脳髄の名の元に感知・管轄・支配されている。

サイボーグにおける身体運用の極意とは、いかに生身の感覚をそこに取り戻すかにこそあり、それはとりもなおさず自然の偉大にして完全なる機構に人工の叡智と研鑚がどこまで迫れるかの探求そのものでもある。脳を鍛え上げることすなわちサイボーグ体における訓練。脳の反射をいかに鍛え、レスポンスをコンマレベルで削っていくかが重要になる。

と同時に、サイボーグ体を万全に仕上げるためには、それを使用する本人のみならず、素材研究や機能をコンパクトにデザインする思想と技術、また性能向上による機能そのものの磨き上げも欠かせない。レンジャー連邦はこの作業を、東都大学の工房をメインとし、整備士のアイドレスと大学研究員のワークチームに一任した。

元々歩兵用にサイボーグ技術が開発されていたレンジャー連邦において、猫士改め猫妖精のサイボーグ化は極めて順調に進んだ。前述の技術を前提とした学習&訓練プログラムが上層部により組み始められ、これに国家猫士が提言。思考訓練と実地訓練の中にLOVE諸島を利用したサバイバルを組み込むことを発案。

数値には表れない、猫妖精、ならではの能力というものがある。それは、肉食獣としての集中力だ。人も猫もアイドレスのような文明化された世界の中では失いがちなその本能を活発化させることによって、歯車感覚を一気に洗練していく、というのが、その大意だった。

これが採用されただちに訓練課程へと実践が開始される。

電流が走る。絡み合う。五体の中をかけずりまわるそれらが体の中でしっかり一つに束ねられている。

鋼の肉が、意識と融け合う。

ある人はこの感覚の究極をアルス・マグナと呼び習わし、またその感覚への見識を深めるために、着用者たちへはサイバー格闘漫画が推奨された。絶対的な到達点であるイメージの確立と、そのイメージを実現するための訓練でありトライアル&エラーだという意識を徹底させることにより、学習効果のアップをも図ったのだ。目的がはっきりしていれば、訓練成果は目に見えて変化を起こす。

これら設定面のみならず、運用面においても研究が進められた。スタイルとしては、潤沢な燃料生産を背景にありったけの修正を前提として性能をフルにぶん回す形と見なされ、体格的には恵まれていないが、夜間の白兵戦なら評価3まではたたき出せる。防御でもそれくらいは出るだろう。

優れたアイドレスであるかと聞かれれば、長所と短所が食い合った、能力値的には平凡と答えるより他には正しくなかったろうが、宇宙における何でも屋と捉えた場合には事情が違ってくる。コパイとオペレーターが務められる組み合わせは他にはないのだ。これはI=Dの高ARを活かして先行移動し機体を降りて建物内部への侵入・奇襲を行えるという利点を持っていることを意味する。毒の一刺し、そういう運用のされ方が相応しい、アイドレスだった。猫らしく表現するならば、猫式ねこいらずとでも言おうか。

従来通りパーツはメンテナンスフリー、迷彩と砂避けを兼ねたマントを制式採用、連邦ならではのキャラ萌え的見地からは「めかにゃんこって言葉の響き自体がそもそも可愛いよね」とお墨付きが出、柔のしなやかさを持つ猫の美しさと、剛の力強さを持つサイボーグの美しさとの両方を兼ね備えたデザイン稿が採用された。

生活レベルの耐水・耐塵加工が施された彼らの余暇の楽しみは、オアシスやシャワーで放熱するべく、四都を結ぶ交易路であるにゃーロードを散歩することと、食事である。皮膚感覚の大半が機械化されてしまったとはいえ、そのように人間らしい楽しみを設けることで、心のゆとりを生み、また機能向上を同時に図っているのだ。その光景は、レンジャー連邦らしい微笑ましさと暖かさでもって、国民達にも迎えられている。
(文責:城華一郎)

最終更新:2009年07月08日 21:03
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