401 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/28(月) 23:31:18 ID:8pGAe6ho
>>398-399
風花が我が道を歩んでるなあw
他のキャラの未来もちらほら見えて良いな
>>400
もはや誰だかwwww
402 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 01:49:41 ID:19Y/UVwX
分割してでも毎日にして欲しいわ。
403 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 02:03:31 ID:tygsI+AU
>>398-399
面白いじゃないか。続きに期待。
404 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 03:28:35 ID:z/lMj5j5
>>398-399
普通に良作じゃないですか。
続きまだー?
てかガキさん?ガキさん生存フラグですか?
405 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 04:29:09 ID:7n2JdAkb
うちのキタローと風花は、真夏の夜の夢とオラクルが大好きなとんでもカップルです。
406 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 09:51:13 ID:128Tpww2
ペルソナ3の山岸風花は能登かわいい
407 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 10:24:56 ID:uw6NFVx7
>>405
運任せで全てを乗り切れ!
408 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 20:32:06 ID:qMyw8MTU
>>323
しかしタッチパッド神はどんどん前衛的に上手になってるよな。
409 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 20:40:36 ID:CRYjXgcs
>>394
おお!すごい。ありがと~!
今までの絵が一同に見れてうれしいっす。
・・・ググり方が悪いのか、ほかの人の保管庫とやらは発見できずorz
>>398-399
続きをwktkしつつまってるぜ。
410 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 21:07:09 ID:uw6NFVx7
風花のペルソナコスはこのスレの文化だよなw
411 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 21:20:20 ID:lTClBxbA
フェスでもタルタロでのコス変化無かったしね……
412 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/29(火) 23:33:12 ID:p9aRIlks
>風花が手料理を振舞ってくれるらしい…
風花「お待たせしました
/´ ̄`ヽ
/ 人 l
/ /爻ヽ ヽ
{ /∠⌒ヽ } }
レ'彡イ {Uj }ヾミイ
⌒)ノ | ドこzン八三}
(ソ⌒ヽ! ト--イ ⌒__,ハ ,ィシvく}了ミy'´7´l}_, -‐┴-、 `ヽ
レ) ! ト--イ ( ノ `ーべ⌒ヽ>y' 〃, -┴┴ミ、_}_}_}_j ヽ⌒) j
ヽ)、___,>、ト--イ ))〈 ト㍉チrく // ̄ヽ、_) / / _..._
'⌒>‐ミ、 \)こZヾ--ヘ{{ l| y' ゝ ヾミ゙)'}|≧>、 / /バ⌒ヽn V/ 〃⌒ヽ
(⌒ヾ>ニKド、⌒Yく_/ヽj} 人_ゝ__>==1 r彡"´/ / | | /y'}[__// .`
巌戸台駅ベンチのさわやかハンバーグです」
キタロー「さわやかじゃないだろこの形!明らかにこれ…その例のアレだろ!!」
風花「キタロー君のペルソナをイメージしてみたの」
キタロー「いいよ言わなくて!セルフフェラかよ!」
413 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 00:09:43 ID:jIBYfWkI
っていうかハンバーグなのかw
414 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 03:49:38 ID:bHgxRnu8
高校教師山岸風花 第三話
うちの臨時担任はすっかりクラスの男の子の間でアイドル扱いだ。
ちんまりな身長とアンバランスな胸部とかが人気らしい。見た感じのちんまりな印象に反して出るとこ出てるよね。
……身長は私より低いんだけどなー…。って私が気にしてもしょうがないんだけど。
そもそも高等部では若い先生が珍しいのもあるかな。
女教師って響きがいいとか年上に見えないとかちんまりなのが堪んないとか胸がーとか言ってるのを耳にすると、解り易いな君達って感じだ。
この間の騒動なんて特に男の子達の入れ込みっぷりがよく解って驚くやら呆れるやらだった。
「今は携帯でメアドを交換すれば気軽に好きな子と話したりメールのやりとりしたり出来るよね。昔は携帯どころかメールも、
それどころか郵便すら無かったの。色んな人達と色んな方法で繋がっていられるのって凄く恵まれてるよね。あ、今更かな。
梓弓は…心が繋がっていても、離れ離れになってしまったらそれを確認するのがとっても難しかった時代の悲劇です。
みんな伊勢物語のジャンルは覚えてるかな?…うん、そう歌物語だよね。じゃあまずは歌から状況を想像してみようか。
"あらたまの 年の三年(みとせ)を待ちわびて ただ今宵こそ新枕すれ"…」
この臨時担任の説明を聞いていると教える題材を趣味で選んでるんじゃないかって気がしてくるのはなんでなんだろう。
何か凄い感情移入してる感じなんだよね。その凄く澄んだ声で読み上げられるとなんだか私まで切ない気分になってくる。
今思うとさぞ言い出し難かっただろうなって思うんだけど…一番後ろの席の子が挙手して臨時担任の説明を遮ったのはそんな時だった。
「先生、すいませんちょっといいですか?」
「あ、はい、何かな?」
「黒板が見づらいです」
もうね、教室内の空気が凍ったって言うのかな、静まり返っちゃって…いっそざわついてくれた方がびっくりしなかったよ。
確かに黒板の文字は遠いと見づらいんだよね。なんでって、臨時担任は手を伸ばしてるんだけど…それでも黒板の下半分しか使えてないから。
私も気付いてはいたんだけど…何故か誰も指摘しなかったんだ。今思えば男の子達にとっては「それが良い」って事だったんじゃないかな。
何かもう教室の凄い空気に見づらいって言った子が泣きそうになっちゃって。
臨時担任も動転したのか「ご、ごめんね!先生頑張って大きくなるから…!」とか言い出しちゃって、貴女まだ育つつもりですかと。
その場はまあそれで一応収まったんだけど…翌日がまたなんて言うか解り易くも情けなくてねー…。
臨時担任がすっごいピンヒール履いてきたの。ああ、やっぱりって感じだけど…履きなれないと転ぶんだよね、あれ。見事にふらふらしてるし。
もうみんなでふらついてる臨時担任見てハラハラしてたと思う。クラス全員が授業中あんなに一つに事に集中したのは初めてなんじゃないかな。
案の定転んだ時の教室内の呻き?はなんとも形容しがたかったよ…。臨時担任はその後ずっと震えながら涙目で授業してた。
周りを見渡すと殆どの男子が一緒になって目をうるうるさせてた。なんて言うか…ちょっと情けない。
415 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 03:51:30 ID:bHgxRnu8
やっぱり男の子は小さい子が好きなのかな。少なくともクラスの男子は年下の小さい子がタイプな気がする。
つまりはロリ?何かやるせないよね、付き合うなら絶対年上だと思うんだけどな。
…ん?…高校生から見たら小学四年生も十分以上に年下の小さい子な気がする…。…あの人もロリだったのかな…。
もしそうだとするとあの人も臨時担任みたいなのが好み…?うう、考えたくない。
イライラしながらクリックする。答えは合ってるんだけど全然反応がない。ああもう…フリーズ?再起動…ああ、駄目みたい。
おかしいと思ったら隣の子も固まった画面を見つめて慌てていた。ふと気付くと隣どころかPC教室中大騒ぎだ。
数学の宮原もアフロ揺らして慌ててる。教師側のパソコンにも何かトラブルみたい。
ネット見てメール送る位しか解らない私達には当然どうしようもなくて「授業中止かな」とかお喋りしてたら、何故か臨時担任が呼ばれてきた。
確かに職員室の机の上はなにやら凄かったけど、現役数学教師で解決出来ないトラブルに古典の教師が対応するってなんだか変。
ああ、そう言えば理事長さんが理系の教科も教えられるって言ってたっけ…。
臨時担任は抱えてたノートPCを教壇脇に置いて幾つか太いケーブルを繋ぐと気楽な口調で言った。
「なんだか大変でしたね。ちょっと待っててね」
ちょっとで済んだらそこの数学教師の立つ瀬が無い気がするんだけど…なんだか宮原のアフロが萎んで見えるのは気のせい?
「ああ、ちょっと桐条グループ本社のメインサーバールームが止まってる…ネットワーク全域で具合悪いみたいですね」
…ええっと、それって大災害なんじゃ…。
「幸いこのノートにバックアップがありますので、一時的にこのノートに全体のデータを移してから全て構築し直しますね」
なんで臨時担任のノートPCにバックアップがあるの?とか、全体のデータを移すって簡単に言ったけど容量足りるの?とか、
クラス中ツッコミ入れたい空気になっているのに全然気付かない様子で、臨時担任は軽やかにノートPCのキーを叩いていた。
見ても解るとは思えなかったけど思わずノートPCの画面を覗きに行ったら、釣り針を見て悩んでる可愛いクマのアイコンがピコピコ点滅してた。
「可愛いでしょう。これ、実行し終えたら釣り針で画面の外に引きずられて行くんだよ」
そ、そうですか…もうなんて言っていいやら。ああ、よく見るとウィンドウが画面いっぱいに大量に重なっていて凄い勢いで文字が上に流れていく。
何か凄い作業をしているっぽい事だけは私にも解った。解ったけど…。
臨時担任がぼそっと口にした「あ、この痕跡昔私が…」って呟きの意味は解りたくないと思った。
翌朝ニュースは桐条グループの大規模システム災害の話題で持ちきりだった。
臨時担任が5分で直した…らしい、あのトラブルが桐条グループ全体に与えた損害は一億を上回る見込みだそうだ。
一億かぁ…どう考えても臨時担任が元凶な気がしてしょうがない。でも空耳かもしれないし、全然確証は無いんだよね…。
疑惑に苛まれながら教室に入ったらクラス中が携帯やパソコンの話題でもちきりだった。どうも臨時担任とメアド交換したらしくって特に男の子達が浮かれてる。
ああ、確かにパソコンや携帯に強い大人って希少だよね…。凄いはしゃいじゃってまあ…私は単純な君達がちょっと羨ましいよ。
放課後中庭でオクトパシーのタコ焼きをつつきながらスケールの大きな問題に頭を抱えて悶えていたら、部活帰りの天田君に笑われた。ヒドい。
「山岸先生の昔?」
「うん、何か桐条グループと関係があったのかなって」
何故かニュースでは全然出てこなかったけれど、校内は臨時担任の話で持ちきりだったから、軽率な聞き方だったかも。
「関係も何も、風……山岸先生はこの学校のOGだね。メカ部の創始者だから僕の先輩って事になるかな」
「メカ部の創始者…って言うと、やっぱりパソコンをいじったりするのが好き?」
「うん。プログラムや設計で使うからね。なんでも部活を立ち上げたいって思った時に部員が居ないと話にならないって言われたらしくて」
「ふむふむ」
「それからあちこちのロボットコンテストや大会を総なめにして、学校側が体裁上部活の存在を認めざるを得ない状況にしたみたい」
「ふうん…詳しいね」
「ああ…ええっと、そう、部の伝説だからね、本当かどうかは本人に聞いてみるといいんじゃないかな」
この学校は桐条グループが出資している訳で、学生時代に部活を認めてもらえなかった恨み…とか?こんな事本人になんて聞けないんですけど…。
何か天田君の話で確信が深まった気がして、その日は普段よりさらになかなか寝付けなかった。
三話了
416 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 08:32:11 ID:cGDQfHSG
おい!!すげー面白いぞ!!
417 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 09:57:10 ID:kdZt6SJU
もうすぐ風花さんも半袖の時期ですね。
吊り革に捕まる腕の、ブラウスの袖の隙間からムッフッフ…
418 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 10:07:38 ID:ZKa8xflw
>>414-415
これもグッジョブ!第四話にも期待!
419 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 12:46:24 ID:k9KRKI/n
見ても解るとは思えなかったけど思わずノートPCの画面を覗きに行ったら、釣り針を見て悩んでる可愛いクマのアイコンがピコピコ点滅してた。
風花「可愛いでしょう。これ、実行し終えたら釣り針で画面の外に引きずらr(ry」
∩___∩ |
|ノ\ ヽ |
/ ●゛ ●| |
|∪ (_●_) ミ j
彡、 |∪| | J
`/ ∩ノ ⊃ヽ
( \ / _ノ| |
`\ “ /__| |
\ /___/
舞子「ちょwwwww2ちゃんねらー乙wwwww」
420 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 12:47:21 ID:jIBYfWkI
クマーwww
421 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 22:54:30 ID:JctUta00
後日談たった今クリアした・・・
風花の出番少ないなおいorz
ラストで風花は何を思っていたのだろうか・・・
422 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 22:56:19 ID:JctUta00
>412
あ、マララギダインな人だ!
で、マララギダインてどんなスキルなんですかい?(攻略本参照)
423 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/30(水) 23:15:13 ID:jIBYfWkI
>>421
もうちょっと何とかならなかったのかねえ
424 :名無したんはエロカワイイ :2007/05/30(水) 23:34:16 ID:g5wKMhFZ
後日談の風花は切り替えが凄い。
仲間と戦う時も口じゃ嫌がってるが速攻でアナライズに応じてくれるw
425 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 00:24:53 ID:u9hfcw6D
拒否したらそれはそれで面白いけどなw
426 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 02:15:36 ID:59s4GJPs
高校教師山岸風花 第四話
昼に友達が時価ネットで買ったらしいダイエットサプリセットを広げてたので試しにって一粒貰ってみた。
体に良いのかどうかとか全然解らないけど、少なくとも空腹は満たされないね。まあ当然か。
何食べようかなぁと購買へ向かっていたら校内放送で理事長室に呼び出された。な、名指しで呼び出しって軽く晒し者だ…。
別に呼び出される様な悪いことはしてないと思うんだけどな。褒められるような事もしてないけどね。
絶対後で呼び出しって舞子何したのーとか笑われるに決まってるし、校内放送に気付かなかったふりでもしようかなってちょっと悩んだんだけど、
一昨日の臨時担任の様子をあの美人理事長さんに告発出来るかも?って思って大人しく向かう事にした。
「山岸の推測通りだったぞ。今朝になって白戸からメールが入った。思わず苦笑したよ、読んでみるか?」
「はい。ええと…
『そう言えばそんなん仕込んでましたわ、わいが破れかぶれやった頃やから何年前やろ…えらい前やからすっかり忘れてましたわ。
最初は情報収集だけでも出来れば御の字言う感じやったんですが、余りにもセキュリティがザルなんで…ついカッとなってやった、今でも反省していない。
…いや冗談やからプロジェクトの資金は切らんといて下さい。仕込んだ後実際に使わんと放置したのはそんなつまらん事に執着して何になるー言うて諭されたからですわ。
間接的に隆也は桐条の恩人って事になりますな~WFのおらん当時やったら被害は今回と比較にならん事になっとったやろし。
まあいらん事言うようやけども、何年も気付かんと偶発的に起動してまうまでほったらかしたネットワーク部門の技術者連中をクビにした方がええのとちゃいますか』」
「…ま、全く謝ってませんね」
「ああ、いっそ清清しいな」
「相変わらずですね…あの、被害は実際の所どうだったんですか?」
「まあ二億と言った所だな。グループ全体の収益を考えれば大した事は無い。白戸の言うとおりだ、山岸が月光館に居てくれたのは本当に運が良かったよ。
お陰で社員を切ったり減給したりせずに済みそうだし、怪我人や死者も出ていない。万々歳さ。」
「二億…とか聞いちゃうと、よ、喜んでいいのか…」
「それで、白戸さんはどうなるんですか?」
「どうなるも何も、これからも頑張って貰うだけさ。利益だの損失だのと一喜一憂出来るのも人が人らしくあればこそだろう。
世界中の人間の意識がほんの少しだけ前向きに変わる、そんな未来を作れさえすれば本当の平穏がやってくる。
君達同様、彼らはその為の欠かせない才能だ。その才能の大きさを再確認出来たんだ、安心を買ったと思えば安い物さ」
「…やっぱり桐条先輩って大きいですね」
「やめてくれ、皆で決めた生き方じゃないか」
427 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 02:16:24 ID:59s4GJPs
…何か二億の損害が安いとか世界がどうとか生き方がどうとか…理事長室のドアを叩ける雰囲気じゃないんですけれど…。
生徒を校内放送で呼び出しておいて忘れてる方が悪いんだろうけど…でも立ち聞きしちゃってる状態なのもちょっとまずいよね…。
理事長が山岸のお陰って言ってるから臨時担任犯人疑惑は晴れたと思っていいのかな…。
もう一人男性の声はくぐもっていてよく聞こえないけど先輩とか呼んでる…?話の内容は解らない事も多かったけど、今こうしてるのがばれたら絶対まずいよね。
罪悪感と危機感からひとまず撤退しようとそっと後ずさりした時だった。軽く肩を叩かれて振り向いたら金髪の凄い綺麗なお姉さんが!
凄くびっくりしたけど思わず唾を飲み込んじゃったお陰で幸い声は出さずに済んだ。この学校は帰国子女や留学生も多いけど、どうも生徒じゃなさそう。
ゆったり目の淡いピンクのロングドレス着たお姉さんは…北欧系なのかな…その白くて綺麗な顔立ちで私に微笑みかけると、人差し指をそっと唇に添えた。
『お待たせしてしまってすいません。理事長は多忙な方なので、中々風花様達とゆっくり話している時間が無くて…それでつい長くなってしまうのだと思います』
慮った控えめな声でそう言いながら、お姉さんは理事長室の隣の応接室で紅茶を淹れてくれた。テーブルの上にはチョコレートが艶々輝いてるザッハトルテがなんと1ホール丸ごと。
甘いチョコレートと紅茶の香りでくらくらする。そう言えばお昼まだ食べてないんだった…。丁寧に切り分けてくれたお姉さんに勧められて迷わず頂いちゃいました。
お姉さん日本語上手いな…とか、前髪を切るなりして目元を出せばきっともっと素敵なのにな~とか思いながらも視線はお皿のケーキに釘付けです。
思う存分チョコの程よい甘さとスポンジの柔らかさを堪能していたら…数分後かな、「待たせて済まなかった」と理事長さんと臨時担任が応接室に入ってきた。
慌てて理事長に挨拶して、金髪のお姉さんにお礼を言おうと振り返ったら、いつの間にか姿が見えなくなっていた。…あ!お礼言いそびれちゃった…。
って、この状況、ひょっとして私…勝手に応接室物色して飲み食いしちゃった痛い生徒?こっこれは、その、あの…っ!あーもー!
428 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 02:18:49 ID:59s4GJPs
「どうやら気を利かせてくれたみたいだな。丁度いい、皆で頂こうか」
飢えるあまり盗み食いした!なんて言う女子高生にとって切な過ぎる汚名を被る事態は、理事長さんが何か勝手に納得してくれたお陰で回避出来たみたい。
心底ほっとしていたら、天田君に笑われた。そう、もう一人居た男性は天田君だったんだ。先輩って事は理事長さんもOGなのかな。
安心してスポンジを崩す作業を再開する。シンプルなケーキだけど、物がいいのか凄く美味しい。臨時担任も幸せそうにケーキをつついてる。
和やかなお茶会といった雰囲気で、私はごちそうさまって言ってそのまま帰りたい気分になったんだけど…現実はそう甘く無かったんだ。
「急に呼び出してすまなかった、舞子君だったね。実は君に折り入って相談があるんだ」
「えっと…なんでしょぅ…」
いかにも仕事が出来ますって感じのクールビューティーにこんな風に切り出されたら嫌な予感しちゃうよね。私だけ?
よくよく考えるともうお茶ご馳走になっちゃってる以上断りづらいし…私は思わずちょっとだけ、あの金髪のお姉さんを恨めしく思った。
「簡単な事なんだ、こちらの山岸先生に、天田君と二人で協力して欲しい」
ここでうっかり「そんな事でいいんですか?」とか口を滑らそう物なら後に引けなくなる…既に十分後に引けない状態か、うう。
「…協力って何でしょう?」
「実は…これは君を信じて打ち明けるんだが、江古田先生が入院していると言うのは虚偽でね」
「え?」
429 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 02:20:55 ID:sgiRkbyW
支援
430 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 02:21:50 ID:59s4GJPs
「ちょっと山岸先生に学園内での捜査を頼む都合でね、休んでもらう事にした。何心配はいらない、山岸先生の為だと知ったら喜んで協力してくれたよ」
理事長の瞳にちらりと掠めた小悪魔めいた煌きは何だったんだろう。よく解らないけど思わずエコ田に合掌…。
「関係者なら校内に居ても問題無いからね。まあそんな訳で、君には学園内での山岸先生の調査に協力して欲しいんだ。ああ、天田君からはもう了解が貰えている」
…な、何か一切無駄無くきっちり退路を絶たれていっている気がするんですけど…。
口では勝てない確信めいた謎のプレッシャーを感じつつも必死に逃げ道を探して「別に協力出来るような事なんて無いと思うんですけれど…」と返したら、
完璧に返答を予想されていたのか「それが在るんだ、大事な役目がね」って微笑まれた。
「実は今日まで月光館内の人達を生徒も教師も全員、そっと観察していたんだ。でも人間には問題は無いみたいなの」
「山岸先生は…そう、霊能力者みたいな才能をお持ちでね。ここ最近良からぬ気配を学園内に感じると言うので調査を頼んだんだ」
「え、そんな理由でわざわざ臨時教師に?」
「ああ、そんな理由なんだ。小心者って思ってくれてもいい。理事長としては学園内の安全は気になる所でね」
うっ…口が滑ったかも。…でもそんな、夏の特番じゃあるまいし幽霊や妖怪が実在するとでも?
「何簡単な事さ、噂とか…何でもいい、心当たりや違和感がある場所に山岸先生を案内してくれればいいんだ」
「ごめんね、舞子ちゃん。どうもおぼろげで上手く捕らえられなくて…近づけばはっきり解ると思うんだけど、この広い学園を虱潰しに探す時間も無くて」
「そんなの私なんて当てになるんですか?…私一般人で霊感とかそう言うのさっぱりなんですけど…」
「校内の事は生徒が一番敏感だと思ってね。もし駄目なら違う方法を考えるだけだから、気楽に協力してくれると助かる」
全く期待されないのはそれはそれで癪に障るんですけど…。
「勿論只でとは言わない。引き受けてくれるなら"あねはづる"は勿論、ポロニアンモールとポートアイランド周辺、巖戸台商店街の各店で使えるこのプリペイドカードを進呈しよう」
「…いつの間にそんなカードが出来たんですか」
「ああ、昔手持ちのクレジットカードが使えなくて不自由に感じたのを思い出してね。地域活性化という名目で企画を通して各店に出資して端末を配置したんだ」
「そ、そんな理由でですか…」
何かとてつもなく嫌な予感はするんだよね…でも、この状況で断る上手い言い方があるなら誰か私に教えて欲しい。ちょっと臨時担任を連れ歩くだけでお小遣いかぁ…。
「わあ、それって五万円分のプリペイドカードですか…。高いものだとすぐだけど、ワックやオクトパシーなら何ヶ月ももちそうですね」
…こうして私は臨時担任に付き合う羽目になった。私の名誉の為に断っておくと物に釣られたんじゃない、あくまで善意です。善意ですってば。
って、早速明日からですか、そうですか。うう、なんで私が…。霊能者だかなんだか知らないけれど、私にとっては最早立派に疫病神だ。
教室に戻る道すがら悲嘆に暮れていたら、天田君に「大丈夫、山岸先生は有能な人だよ」って請合われた。全然嬉しくない。
四話了
**本当は二回投稿する分で収めるつもりだったんだけど書き過ぎて本文長すぎってオコられた。切れ方変なのとレス消費ご勘弁
431 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 03:22:11 ID:3v71h9QB
>>426-429
今回もグッジョブ!
金髪北欧で一瞬ギンコが浮かんだがアイギスだたのね・・・w
432 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 07:24:42 ID:uJi9tr99
GJGJ!!
さり気なくストレガも生存ルートですな
みんな生きてるって素晴らしい!
433 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 07:32:45 ID:2UzQbAei
超GJ!
もうこの物語が後日談でいいよw
434 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 09:49:59 ID:Pd1mRBcn
かつて天田にこんなに日が当たる事があったろうか
435 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 10:23:33 ID:u9hfcw6D
まあ、天田は次世代代表みたいなもんだしな
436 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 12:06:23 ID:yuaNSDmq
59s4GJPs先生次回作
ネクストジェネェレーション~エピソードオブ天田~
みんな応援よろしくな!
437 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 12:07:36 ID:fgjLt8zY
>>433
違うよ。全然違うよ。あの後日談なんて目の錯覚だよ。
高校教師山岸風花が正史だよ。
438 :名無したんはエロカワイイ :2007/05/31(木) 18:21:27 ID:aE07HdWG
なんて希望に溢れた後日談なんだ。
439 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 18:28:45 ID:jxJv2iER
俺も後日談は否定派だが、風花先生褒めすぎだろw
440 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 18:30:46 ID:y2XPo6W+
ところでキタローは生存してるのかしら?
441 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 19:11:01 ID:uwM+X3xr
きっと、この話の最終話は、
廃人になってベッドの上でブツブツ言っている風花を
みんなが見守っているんだよ
全部風花の妄想さ
442 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 19:37:45 ID:pqWD3cNx
>>440
ガキさん(っぽい人)いるしな
最終話に舞子と再開とかあるんだろうか?
>>441
OK表へでろ
443 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 19:40:02 ID:hCpY7hyC
風花の妄想に全世界を巻き込む装置が完成されたと聞いて飛んでまいりました
444 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 19:52:20 ID:y2XPo6W+
>>443
最終的にはキタローと風花が融合してフウタ君になるわけですね
445 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 19:56:11 ID:Usu8BnFZ
これはデヴァシステムと融合した風花の作り出した
理想の世界のお話かもしれないな…
446 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 20:32:02 ID:yuaNSDmq
なるほど!ここでネミッサ風花の出番ですね!!!
447 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 20:32:48 ID:uGEYy6nX
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、ゝ l ヽ、__ / 人 、 ゝ
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てq.゙ <、_,> ヽ .:i 盛り上がってまいりました
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448 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 20:49:17 ID:59s4GJPs
高校教師山岸風花 第五話
「舞子さんを教室まで送ってきました。一応慰めてみましたけど、厄介ごとに巻き込まれたってぐったりしてる感じでしたね。…まあ無理も無いですけど」
「ご苦労様。確かに大した説明も出来ない都合で少々乱暴な迫り方をしてしまったな。すまないが出来るだけ彼女をフォローしてやって欲しい」
「解りました」
「そう言えば、桐条先輩…。舞子ちゃんの前で私だけ霊能者扱いってちょっとひどいです…」
「ああ…すまない、話がややこしくなりそうだったのでつい、な」
「実際は桐条先輩が最初に気付いたんですよね」
「そうだ。…思えば影時間では象徴化によって一般人が除外されていたからこそ私でもある程度探知出来ていたんだろう。
今となっては感じる気配が多すぎて本当におぼろげにしか掴めなくてな…」
「それは私も同じです…。精度を上げたいと思ったらかなり範囲を絞らないと、反応が多すぎて厳しいですよね」
「本当は鼻が利くコロマルが頼れれば心強かったんだが、今は子供達の為にもそっとしておいてやりたいしな」
「そうですね」
「防衛戦を控えて調整中の王者の邪魔をするのも、世界中のファンの皆さんに申し訳ないですしね…」
「ああ。あと近場に居る能力者はゆかり位だが、独立したばかりで何かと忙しいだろう。それに、深夜の学園の調査など頼んだら泣いて恨まれそうだしな」
「念願叶って今や立派に経営者ですもんね。…本当頑張ってるな、ゆかりさん」
「他人が生み出した物を守る事より、新しく生み出す事の方がずっと困難だ。全く大したものさ。
…最後に入った連絡によれば次はレバノンに向かうらしいアイギス達は、一応国内に居る明彦達よりさらに呼び戻すのが難しくてな…」
「アイギスさん
『哲学は自己を否定する事から始まる、そう月光館の倫理の授業で習いました。つまり私が兵器を否定する事も哲学なんです。
私が哲学する事で争いが無くなって、血の連鎖が止まるのなら…私が皆さんと一緒に思い悩みながら生きて行く事に、より意義が見出せそうな気がするんです』
って言ってましたね」
「本当にほぼ丸腰で出国すると知った時は心配した物だが、同行を申し出て下さったお二人のお陰で上手くいっている様だな」
「交番や眞宵堂でお逢いできなくなったのは寂しいですけれど、元特殊部隊員に一流科学者のお二人がついていて下さって頼もしいですよね」
「本当にお二人の正義感には頭が下がるよ。私もああやって行動で示せる大人でありたいと思う」
「そう言えば順平さんはまだ海外ですか?」
「おそらくそうだろう。まあ仮に日本に戻っていたとしても、伊織の力を頼ると彼女も巻き込んでしまうからな。
荒垣もそうだが、危険が予測される以上ペルソナ能力から解放された者を巻き込むのは出来れば避けたい。
彼女を巻き込んだなんて知れたら榊貴や白戸に何て責められるか知れた物ではないしな…。
まあ…そんな状況でな。止む無く彼に頼んで天海市に居た山岸を呼び寄せて貰った訳だ」
「直接連絡を下さればあまりお待たせせずにすみましたのに…」
「彼から連絡を貰う方が喜ぶと思ってな」
「!」
「それに山岸が着く前に私自身で極力調査しておこうと考えたんだ。残念ながら芳しく無かったのが、我ながら不甲斐ないがな。
山岸にはいつも苦労をかけてすまないが…可能な限り早急にこの負の気配の元凶を探し出して解決して貰いたい。
嫌な予感がするんだ。なにせここは、何が起きても不思議では無い場所だからな…」
「そうですね…」
「それに…このまま悪戯に時間を浪費して、その間に万一接触でもしたら、最悪その刺激で暴走などと言う事態になりかねない。
確証は無いが…警戒はしておくべきだろう」
「先輩もそう思いますか…私の気のせいって訳じゃなさそうですね…」
「させませんよ、そんな事。悲しい想いをするのは僕達だけで十分です」
449 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 20:50:00 ID:59s4GJPs
鼻がむずむずする。くしゃみをしたら「理事長に怒られて冷や汗でもかいた?」って笑われた。失礼な。
お説教された訳じゃないんだけど…心霊スポット巡りの手伝いみたいな事を頼まれたなんて言っても笑われるだけだし、江古田の事は言えないしで答えに困る。
「ううん、風邪じゃない。モテる女は噂が絶えないってホントなんだね」って返したら大爆笑された。
そんなにマジ笑い転げられると結構傷つくんですけど…。
「はーい、そこ静かに、今は講義中。口は災いの元、嘲笑うテルシテスが如く救いの無い終わりを迎えるでしょう、アーメン」
うぅ、疫病神に憑かれたと思ったら今度は江戸川にまで呪われたっぽい。
どっと疲れた私は帰りがけに久しぶりに長鳴神社に行ってみる事にした。毎日のように一人で遊んでいて…そしてあの人と出会った思い出の場所。
ここはあの頃と全然変わらないな…。ベンチに腰掛けて背もたれに寄りかかると当時と変わらぬ緑が飛び込んできて、少し気分が落ち着いた。
そう言えば縞々のお兄さんは今も元気だろうか。いつの間にか見かけなくなってしまったけれど、優しかったあのお兄さんにももう一度逢いたいな。
縞々のお兄さんがよく座ってノートを広げていたベンチをふと見ると、綺麗な赤毛の女の人と、タンクトップに白衣の快活そうな男の人が寄り添っていた。
「…ごめんね、私が急にまたこっちの景色が見たいなんて言っちゃったから…」
「いいっていいって。やっぱこーなんてーの、色々あったけど落ち着くよな、この街は。見たとこあんまり変わってないみたいで安心したぜー」
「でも順平仕事が途中だったのに…」
「ホント気にするなって。俺っちの仕事はどこでだって出来る!…ここのご神木も未だに元気みたいだし土壌に興味が沸いてたとこ」
「…ありがとう」
「礼を言いたいのはこっちなんだけどな。…あーその、今の俺があるのは君のお陰だ、本当感謝してる。
…俺っち一人になった時にずっと考えてたんだ、チドリんから預かった力の意味を。君が帰ってきてくれた時、マジ嬉しくてさ。
ボロボロ泣いちまったんだけど…その時気付いたんだ。俺っちにも出来ることがあるんだって」
「順平…」
「「いつか砂漠だろうが荒野だろうがチドリんを救ってくれた花で世界中を埋め尽くしてやるぜー」」
「…ってハモったら締らないっしょ…」
「だってもう何度も聞いたもん」
「くーこうなったら死ぬまで何度でも言ってやる!……今さ、この力がいいヒントになってもうちょっとで実現できそうなんだ、砂漠でも自生出来る花」
「うん」
「完成したら真っ先に贈るからさ。一枚描いて欲しいんだ、その花の絵を」
「…うん」
研究者さんと恋人さんなのかな…アテられっぱなしでこっちが恥ずかしいんですけど。
でもいいなぁ…正直羨ましい。私もあの人と素敵な恋愛がしたかった。もう一度逢えたら叶うかな。叶うといいな…なんて夢見すぎだろうか。
出来ればもうちょっと淡い想いに浸っていたかったんだけど、突然発せられた聞き覚えのある声にあっさり覚まされた。現実は非情です。
「…あれ、順平君!千鳥ちゃん!日本に帰ってきてたの?」
なんで臨時担任がここに…しかもお知り合いですか?ああ、私の憩いの場所にまで疫病神が…私に安住の地は無いの?
五話了
450 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 21:11:07 ID:3v71h9QB
>>448-449
グッジョブ!
順平が・・・・順平ガァアアアアアアア!!!w
451 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 21:30:45 ID:nHfLXTTD
>>448-449
GJとしか言いようが無いぜ。
しかし天海市か。久し振りに聞く地名だ。
あと( ・∀・)テレッテノクセニナマイキナ。
452 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 21:34:14 ID:u9hfcw6D
チドリが幸せならそれでいいさww
この話のチドリも風花と仲良しだといいな
453 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 21:46:50 ID:WRkNsLTh
第二話で、ワックで風花に大サービスしたのは、てっきり順平かゆかりかと…
>>431
>金髪の凄い綺麗なお姉さん
>ゆったり目の淡いピンクのロングドレス
>北欧系なのかな…その白くて綺麗な顔立ち
>いつの間にか姿が見えなくなっていた
>前髪を切るなりして目元を出せば
ルキアでは? ユノも独立した存在としてどこかにいるのでは。
もしくはエリザベス。
454 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 21:47:11 ID:jfD1yyx1
\ /
X ,ィ´ ̄ ̄ ̄``ヽ
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∠___,ィ´ ̄ ̄ ̄`ヽ、\_}
トニ| <●) /、(●>、 ||||
|.. | ,, <、_,> ヽ、, |
\ | ト‐=‐ァ' .::::| さっすが俺!
. \ `ニニ´ .:::/ やったぜ俺!
ン ゝ ''''''/>ー、_
/ イ( / / \
/ | Y | / 入 \
( | :、 | / / ヽ、 l
j | : | / ィ | |
くV ヽヘ_ ヽ \ 仁 」
ー 〕 \ 〉(⌒ノ
455 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 22:28:26 ID:WRkNsLTh
舞子のアルカナ予想。
本命:刑死者→チドリ→死亡フラグ
対抗:愚者→キタロー→死亡(ry
大穴:太陽→神木(神社ーズつながり)→死亡(ry
天田→絆の力で法王のアルカナ追加→ガキさんとメティス→どちらでも(ry
アルカナが2つで、でゅあるかな?
456 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 22:48:32 ID:ls/9zxYT
天田の将来は洗濯屋じゃないかと予想
下の名前ケンだし
457 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 22:48:56 ID:u9hfcw6D
>>454は調子に乗るなw
そして>>455は幾月自爆しろw
458 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/05/31(木) 23:16:04 ID:3v71h9QB
>>453
ルキアはペルソナだから違うんじゃない?
エリザべスだと青い服だろうと思うし・・・。
てっきりアイギスに服着せてたんかな~って思ったんだ・・・。
5話でこんな展開になるとは・・・!って感じかな?
とにかくwktkして次待ってるよw
459 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 00:17:15 ID:7vjR3Tws
リアルタイムでこんな良作が読めるとはなー
全キャラをしっかり出せる、その才能にGJ!
なんかこっちもSS書く気になってきたぜ
一度長めのを書き切ってみたいなぁ
460 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 00:29:47 ID:rFkDkCfs
〟-´  ̄ ̄`ヽ‐、
、. / ゙ \
./ V\ `
、ゝ l ヽ、__ / 人 、 ゝ
丶=ゝ..ゝ、` 、 彡 /‐‐、 、ヽ、_フ
<彳 イ`^ニ=、 ´ =‐、ゝ ;- >
`'4ヽ、<●) /、(●>、 .:レア . 僕もね、いい歳こいて「カーラ・ネミッ!」とか叫ぶの恥ずかしいんですよ
てq.゙ <、_,> ヽ .:i
. | mj |=‐ァ' ..::|
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461 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 01:10:25 ID:8Fxxdbi5
無達さんと古本屋のおじいちゃんおばあちゃんが見たい俺は間違いなく異端。
小田桐は政治関係に進んでそうだな
462 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 02:48:46 ID:XI0NTXif
>>458
ヒント:ここは風花スレ
463 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 03:04:48 ID:6HRH/Umh
ちょっち前にはユノやルキアが一人歩きするSSもあったしな。
464 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 06:45:38 ID:8Fxxdbi5
>>463
そんなのあったっけ?
いまいち覚えてない…
465 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 07:00:34 ID:QFkJN7wb
這いずってはいたけど歩いてはないな
466 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 07:16:35 ID:WMMYoXwH
魔法少女ネタのユノは一人歩きしていたと言えないこともない
467 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 07:41:39 ID:EmrE85Oe
>>461
ボケちゃって風花を娘と勘違いするのか
468 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 08:59:41 ID:J2WLkC5O
スク水風花を見て俺にスク水属性が追加されました
469 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 11:17:23 ID:m83cmHzV
(折角キタロー君が買ってくれたんだし、我慢して着よう…)
やや小さめのスク水を、一生懸命くいこみを直しながら思う風花さんであった。
470 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 15:58:13 ID:2wHJ35hZ
風花の部屋から歌声が聞こえる
風花「ふふふっふふふ~ふん~♪ふふふっふふふ~ふん~♪
…やってきた~♪順平くんを受け流す~♪
…キタローくんは受け流さない~♪(はぁと」
471 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 17:04:03 ID:sx8asLmN
>>462
住人達の絆の力(One for Fuuka, All for Fuuka)により、
風花さんスレは宇宙と同等の存在となり、
あらゆる事象は もはや奇跡ではなくなります。
これはまさに、群青色のユニバースや~っ!
472 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 17:30:39 ID:EmrE85Oe
>>470
CD出してくれw
473 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 18:55:23 ID:awVS5/8t
>>472
かごめかごめを聴くんだ
そんな意見は2度と口にできんはずだ
474 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 19:38:05 ID:m83cmHzV
かごめかごめ …篭稚=胎児
かごのなかのとりは …酉=風水で飢饉、凶作等を指す事がある
いついつであう …時代劇の悪代官の"であえ"のニュアンス、つまり"産まれる"
よあけのばんに …夜明の晩、この場合は産まれる直前
つるとかめがすべった …鶴亀が滑る=吉兆の反転、死産や流産を指す
うしろのしょうめんだあれ?
("浮世の償怨たれ"が変化したもの、つまり
"産まれて来られなかった怨みや悲しみは円の中心の子供を捧げますので鎮めて下さい")
風花「あれはね、元は降霊術が変化した鎮魂歌だったんだよ…」
キタロー「そうなんだ…」
風花「産まれて来られなかった悲しい子供達へのレクイエム…」
キタロー「や、やめてよ風花!能登ボイスでそんな事言うのやめてよ!」
475 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 19:51:21 ID:oBmu0bPQ
>>474
なんてエリーポジションな風花w
>>472が聞きたいのはムーディ勝山ソングの替え歌だと思うんだが、
なんで>>473はかごめかごめにしたの?
476 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 20:05:23 ID:y9iKmp6+
サッカーの山岸がんばれ!
477 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 20:31:27 ID:WMMYoXwH
>>475
多分歌唱力が…
478 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 20:44:06 ID:RPab22W1
殺人料理だけでなく殺人歌も身につけさせる気か!
479 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 21:33:26 ID:v74WhhmO
だが石田キタローにはかなうまい>歌
480 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 22:52:25 ID:EmrE85Oe
能登の歌は、アレはアレで味があって良い
石田は歌わなくて良いw
481 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 22:59:35 ID:QTuOgc3v
能登ってなんかでかごめかごめうたっとったんちゃうけ?
482 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 23:13:40 ID:DiY9UteN
日本語でおk
483 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 23:52:00 ID:8bBHSEXz
高校教師山岸風花 第六話
いつからだろう、夜はなんだか…心がざわついて落ち着かない。
全く眠れない訳じゃないから不眠症って程でも無いんだろうけど…たまに眠くなって授業中うとうとしちゃうから、それで悪循環になってるのかな…。
悶々としちゃって尚更寝付けずに居た私は、枕を抱えて転がりながら夕方の出来事を思い出していた。
「風花は相変わらず小さくて柔らかくて抱き心地がいい…」
「千鳥ちゃんも相変わらずだね。本当二人とも元気そうで良かった」
「あのー…もしもし吉野さん?そのー何かな」
「…あ、順平君私に嫉妬してる」
「うん、でもいいの、悦ぶから放置プレイ」
「し、嫉妬違ぇー!って俺っちマゾかよ!あー…、こういう時の息の合いっぷりも相変わらずでマジ切ねぇ…」
「…拗ねちゃった。…ほらほら、順平もぎゅー」
「相変わらず甘々だね」
「そっちは激甘でしょ。彼とは今は別行動?」
「うん。ちょっと用事があってね」
「そっか、相変わらず二人とも頑張ってんだな。あいつ風花が居なくて困ってるんじゃねーの?何かと寂しいだろうしな!」
「順平じゃあるまいし…急に寂しくなって真夜中に泣きながら電話してきたりとかはしなさそう」
「ノォォォォォォ!……す、スンゲー恥ずかしいんですけど…俺っち、マジ泣きたくなってきた…」
「あはは。大丈夫、困らないように色々預けてあるから」
臨時担任とベンチの二人は凄く仲がいいみたいで会話も弾んでたんだけど…すぐ近くに居る私は完全に無視。
私ここに居ちゃまずかったかな。まあ私も別に臨時担任と仲良くしたかった訳じゃないけど、挨拶も無しは結構ムッときたね。
「そうそう、昼に二人でそこのワック行ったんだけどさ、ほら、クラス同じで風花の誕生会の時寮にも遊びに来た森山さんが居たんだけど、知ってた?」
「あ、二人も夏紀ちゃんに逢えたんだね。私もこの間ワックに行ってびっくりしたんだ。私のメール見て、あわよくば逢えるかもって巖戸台店に来てくれてたみたい」
「巖戸台店に来てくれてた…って、そんなに融通利くものなの?」
「うん、県内の全店舗の総括みたいな事をしてるらしくって、それで出来たみたい。『就活落ち着く前に、高一からやってたバイトの方で芽が出ちゃった』って笑ってた」
「叩き上げの管理職って感じかーカッコいいねぇ」
「『サービスしたげるからさ、ピースダイナー行かないでウチ来な、出来たら今度は彼と一緒にね』って言って、二人分注文したのに五人分位包んでくれて…」
「…しっかり食べて元気な赤ちゃん産むんだぞって?」
「うっ…千鳥ちゃんひょっとして、見てた?」
「ううん、なんとなく」
「『頑張ってもっと大きく育ちな』みたいな事も言われてそうだよなー」
「うん」
「うう…。そ、それにしても、折角二人で居るんだし、もっとしっとりした所で食事すれば良かったのに…」
「昔は毎日のように食べてたのにね、手軽で安かったから。本当飽きる位食べていたのに、何故だか久しぶりにまた食べたくなっちゃって…」
「ワック、カップラーメン、海牛特盛…たまに無性に喰いたくなるんだよな~ああ懐かしき青春の味!」
そう言う事だったんだ、臨時担任自身はかなりツッコミどころと言うか色々問題アリだけど、友達には恵まれてるんだなー。
ワックの偉い人には感謝だね、本当その節はごちそう様でした。お陰様で食費が助かりました。
子犬が産まれた話とか、赤毛の女性の個展の話とか、積もる話は尽きないーって感じだったんだけど、時間になったのかな?
先輩の配慮でいつでも使えるようになってるから寮を使うといいって勧める臨時担任に、
今回急だったしねーホテル取っちゃった、また顔出すからさ、皆に宜しく!って言い残して、二人は手を繋いで駅の方へと歩いていった。
484 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/01(金) 23:53:09 ID:8bBHSEXz
「舞子ちゃんごめんね、あの二人も月光館の卒業生なんだけど、事情があって今起きている事は話せなくって…」
本当は二人に私を紹介したかったんだけど、何も知らない私が理事長と臨時担任に調査協力を求められた話をする可能性があって、出来なかったそうだ。
「私には話して良くて、あっちは駄目って言うのがよく解りませーん」
「そうだよね、やっぱりそう思うよね…」
友達は巻き込みたくないけど、私だったら巻き込んでいいって風にも取れるもんね。さすがに酷いと自覚はしてくれているみたいだけど。
「うーん…とにかくごめんなさい。あの二人が日本に戻ってきているのも本当に予想外で、どうしていいのか咄嗟に思いつかなくて…」
「まあ、いいです。別に細かい事情には興味無いですし、ビジネスですから」
現実はままならない物だって事は小さい頃に骨身に染みたつもり。だからその場では大人ぶってみたけど…ああ、やっぱり納得行かなーい!
今日も寝起きは最悪だ。昨晩悶え転げすぎたせいか髪が酷い事になってるし…。ぼーっとしながらテレビをつけたら、朝からアニメがやっていた。
真っ赤なリボンを付けた白い水着姿の可愛い女の子が凄い速さで銃弾を掻い潜りながら兵士達の銃を次々とへし折っていく。
さらに戦車に飛び乗って中の人をそっと引っ張り出して、トドメとばかりに主砲を捻じ曲げてオマケにご丁寧にひっくり返してから、軽々とバリケードを飛び越えて走り去って行った。
最近のアニメは本当にリアルだな…。
『ご覧頂きました映像はソマリア、アフガニスタンなどで銃器や兵器などの破壊工作を執拗に繰り返し、内戦を実質停止状態に追い込んだとされている、
謎の組織"イージス"によるものと思われる破壊活動の様子を、レバノン当局の記者が世界で初めてカメラに捉える事に成功したものです。
今回も今まで同様犯行声明などは一切無く、また犠牲者も出ませんでした。未だ実態はおろか目的も規模も組織名すら正確には明らかにされておらず、
反戦派の現地住人達から歓迎の声と共に"イージス"と呼ばれている呼称を、各国メディアもそのまま伝えているのが現状です。
今回の映像の公開を受けて、イージスシステムを艦載している艦艇を公式に保有するアメリカ、日本、スペイン、ノルウェー等各国は声明で公式に関連性を否定しており…』
…オバケや霊能者なんてありえないって思ってたけど、現実はもっとアリエナイ事になっていた。
一日取り立てて何事もなく放課後になった、妙に平穏だったのがかえって恨めしい。ああ、正直行きたくない。
でもあの臨時担任相手に天田君一人にしちゃうのも義理に反する気がするし、昨日ビジネスですからとかカッコつけちゃったしね…。
観念して一人とぼとぼと理事長室に向かったら、先に天田君が来ていた。でも何故かデッキブラシ持参だし…。
それは何、ひょっとしてツッコミ待ち?軽く途方にくれつつも仕方が無いので適当にツッコんであげた。我ながら優しいと思う。
「それはどこを洗うつもり?」
「ああ、まだ洗ってないよ。大丈夫、備品置き場から拝借してきた新品だから綺麗だよ」
「…えーっと、そうじゃなくて」
「ん?」
「清掃用具で何をどうするつもりなの?」
「調査中何か出たりしたら使えると思ってね」
「…オバケでも洗い殺すの?」
「洗わないよ」
「じゃあどう使おうって言うのよ」
「普通に…武器として。古くはさる御曹司も使ってたんだけど…」
「御曹司ならそんな物も使わないし、そもそも自分で掃除しないんじゃない?」
「命中高くてスリップし難いし、いい品なんだけどな…。昔は誰でも使えたみたいだね、扱い方は違ったみたいだけど」
「…洗った床は滑ると思うんだけど」
「だから洗わないって」
おかしいな、天田君頭いいのに、今日に限って微妙に日本語が通じてない気がする。
なんとなく噛み合わないやり取りを二人で続けていたら、ノートPCを抱えて入ってきた臨時担任に「仲良しさんだね」って笑われた。
ちょっとこの勘違い教師をデッキブラシで軽く洗い殺したい。
六話了
485 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 00:01:22 ID:N2OXHEIt
>>483-484
今回もグッジョブ!!
ち、チドリン・・・///
486 :名無したんはエロカワイイ :2007/06/02(土) 00:38:42 ID:BXFMJlnN
キタローひょっこり出てきそうだ。
487 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 00:45:00 ID:KZ36Alb8
ヒョッコリ死ンダー!!
488 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 01:51:14 ID:PKcQnLxN
スレちだが順平眼鏡似合いそうだなとかオモタ
489 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 06:16:33 ID:bi/NMJY3
チドリwwwww
490 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 07:58:19 ID:JoRjKDJA
アイギスの装甲白い水着てwww
つか丸腰でも超つええ
491 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 09:50:05 ID:YhbGilVw
>>490
アイギス「いいえ。本気を出した風花さんには遠く及びません。」
492 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 10:34:34 ID:bi/NMJY3
風花のオラクルなら日本にいながら相手の本拠地を壊滅させることも可能だし、
一切の毒物検出にも引っ掛からない風花弁当を、人道支援として配給すれば勝ったも同然だw
493 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 14:23:58 ID:nIUZbmFY
>>276
お前のせいでこのまえのらき☆すたの
ハードルを倒しまくるつかさが
風花にしか見えなくなったじゃないか!!
494 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 17:13:22 ID:Ex2zv/yo
>>490
>戦場でも徒手空拳
オルギア(orgia)モード時に、
背中の人工筋肉が鬼(ogre)の形相になるとか。
495 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/02(土) 17:49:59 ID:bi/NMJY3
>>494
幾月……ではないな
496 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 03:30:28 ID:TUxlQLrV
高校教師山岸風花 第七話
その年は信じられない位転入生の多い年であった…。そして何故か全ての転入生が同じクラスに編入された。
それだけでも十分珍しい出来事だったのだが…なんと転入してきた男子も女子も皆美形だったのだ!
「別に…いい事だと思うけど」
「私もそう思うけど、まだ続きがあるんです」
最後に転校してきたのは男子だった。やはり美形だったのだが、この男子は多少性格に問題があったのだ。
転校してきたその日から、その男子は校内の女性を片っ端から口説き始めた。
見た目だけでなく人当たりも良かったから、その男子の周りには常に女子生徒や女教師が居る様になった。
他の男子生徒がそれを疎ましく想ったのも無理は無い事だった…。中でも彼女を取られた男子生徒は激しく呪い、憎しみのあまり自殺した…。
それ以来自殺した男子生徒の呪いで月光館学園の転入生のレベルは下がったのだった…!
「なんて言うか…さりげなく転入生に失礼だね」
私も転校してきて初めてこの話聞いたときはそう思ったな。さりげなくどころか大いに失礼です。
でもとりあえず呪いだのって化けて出そうでそれっぽい話かなって思って話したんだけど…。
「…その話、シチュエーションに微妙に心当たりがあるかも、あはは…は」
「…あ!もしかして綾時さんですか?…そう言えば三人とも同じクラスでしたね…」
また臨時担任のお知り合いですか…って思ったら天田君も知ってるんだ。こんな話が残る位だからかっこいい人だったんだろうな。
軽いのはちょっと遠慮したいけど…。それにしても臨時担任、本っ当に友達多いなー。私が呆れて見せたら臨時担任に謝られた。
よくよく考えれば友達が多いのは良い事だし、何か謝って貰うのもちょっと違う気がする。
「え、えっと…ごめん、舞子ちゃん。校内の場所とか物に絡む様な噂話とかは無いかな?」
「場所とか物って言うと…机の中に購買で買った焼きそばパンと三色コロネを入れておいたらいつの間にか無くなっていた…。
気がついたら隣の席の子の歯に青海苔がついていたのだ…!とかそんな感じの話ですか?」
「うん、どっちかって言うとそんな感じの方が参考になるかな」
「…それって体験談なんじゃ…」
「先生、天田君がうるさいです」
「ま、まあまあ」
「…うーん、そう言う感じなら…あれかな、月光館学園七不思議。異次元に繋がる無限階段、夜の校舎に徘徊する死神、
覗き込むモーツァルトの肖像画、あとええと…消える体育館、祟られるCD、呪われた冷蔵庫、笑うニュートンの肖像画…で七つだったかな?」
「それ面白そうですね、早速今日から順番に回ってみましょう」
「風花さん、面白そうってちょっと不謹慎ですよ」
「あ、ごめんなさい…。怪しいですね、ってことで」
497 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 03:31:30 ID:TUxlQLrV
月光館学園七不思議、その壱『異次元に繋がる無限階段』その階段に捕らわれると意図しない場所に登ってしまうという…。
ええっと、一番有名な話は二階から三階へと上がった筈がいつの間にか屋上についてしまったってパターンかな…?
酷いのだと、二階から幾ら登ってもどこにも辿り着けない無限に続く登り階段に捕らわれてしまった生徒が居て、
その生徒が校門の前で気を失っているのが発見された時には行方不明になってから一週間も経っていた…なんて話もある。
だからか知らないけど、殆どの人は三階に登る時はこっちの階段を避けて職員室側の階段を使うんだよね。この階段は本当屋上行く人しか使ってない。
まあ私は気にしてないけど、確かにたまに屋上に着いてから「あれ、三階通ったっけ」って思うことがあるなー。
ぼーっとしてただけかもしれないけど。
「うーん、特に妖しい気配はしないみたい。なんだろうね…うーん、未だにこの校舎は空間が安定していないとか…」
「そう言えば僕も高等部はAからFまで教室が並んでるのに、たまにいつの間にか歩きすぎてE組の辺りまで来ちゃう事があるな…」
「普段何も考えずに歩いてるからじゃないの?」
「三階通ったっけなんて言ってる人に言われたくないような気がしない?」
「…ほほぉー」
「ま、まあまあ…と、とりあえず妖しい気配の発生源はここでは無いらしいから、次に行ってみようか」
天田君今日は妙に突っかかるな…気のせい?まさかデッキブラシの事を引きずってるとか…。
それにしても臨時担任、無意識なのかもしれないけど「みたい」とか「らしい」とか伝聞推定なのがちょっと気になる。
古典の教師って日本語にうるさそうな印象があるんだけどな。ああ、理系の教科の方が本職とか?
やたらコンピューターに詳しいみたいだし理系の方がイメージは合うかも。でも霊能者なんだよね…霊能者は文系の方がらしい気がする。
色々矛盾してるなー。ちんまりだけど出るところ出てるとか見た目中学生だけど一応年上とか挙げたらきりが無いよ。
次は『夜の校舎に徘徊する死神』って事で、応接室で暗くなるのを待つ事になったんだけど…。
「僕は寮だから問題ないけど、舞子さんは帰りが遅くなると心配されるかな」
普段呼び捨てな癖に人前だと突然さん付けになるんだよね。解っては居るんだけど今日微妙にとげとげしい気がするから気になっちゃうな…。
でも、まあ確かに仰るとおりです。帰っていいですか?って聞いたら臨時担任に笑顔で提案された。
「今日は天体観測の授業なんです、とか駄目かな。何だったら私に代わってくれたらご両親に説明するよ」
親に電話してみろって事ですか。それって説明じゃなくて言い訳の間違いなんじゃないかな…。
何度も言うようだけど、私じゃなきゃ駄目な理由が今一解らないんだよね…だから何で臨時担任が引き止めたがるのかもよく解らないんだけど。
…ああもう、そんなににこにこされてると無下に出来ないし。可愛いのってずるいよなーってしみじみ思う。
「あ、もしもし、私だけど…」
『ピー。舞子ごめんね、メモにも書いておいたけど、ちょっとお父さんと出かけてくるわ。ちゃんとお土産買ってくるからお留守番お願いね。
何時もの所にお金入れておくから、ちゃんと食べること。出来れば朝御飯もね。後、学校に遅刻しちゃだめよ。ピー。ブツッ』
…いや、また仲良くなってくれたのは心底嬉しいけどね、嬉しいけどさ…娘がグレたらどうする気なんだろう。
まあこんな年になって家出なんてしても恥ずかしいだけだし別にいいけどさ…せめていつ帰るか位言っておこうよ。本当そそっかしいの治らないなー。
「はぁ…」
「…えーっと…だ、大丈夫?…舞子ちゃん?」
498 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 03:32:47 ID:TUxlQLrV
月光館学園七不思議、その弐『夜の校舎に徘徊する死神』夜の校舎には死神が徘徊していて、出会ってしまうと魂が抜かれてしまうという…。
えーと…校舎全体を徘徊している死神とすれ違ってしまうと、文字通り魂を抜かれて抜け殻人間にされて、そのまま…死んでしまうらしい。
もし万が一夜の学園に入る羽目になったら死神にだけは逢わないようにしなければ生きて朝日は拝めないだろうって言う話。
何でもぐるぐると歩き回っているそうで、一箇所に長く留まっていると死神と遭遇してしまう危険性が高い、生き延びたかったら兎に角逃げろ!って話が定番かな。
「じゃあ同じ場所でじっとしてなきゃだね」
だからなんでそう貴女は楽しそうなんですか…。光が外に漏れたら怪しまれるからって真っ暗なまま廊下でじっとしてるんだけど…夜の学校薄気味悪いです。
廊下なら両側に教室があるし、光漏れるとか気にしなくても大丈夫だと思うんだけどなー。窓が無いから月明かりすら入らなくて本気で真っ暗でやばい。
さすがにこんな状態で一人にされたらヤなので、天田君の制服の上着の裾の端っこを摘んでるのはあれです、遭難防止の命綱みたいなものだからセーフ。
…と言うか、黙ってる必要は無いんだよね?…ね?
「えーっと、く、暗いね」
「そうだね」
……話が終わっちゃったし。本当に気が利かないなー。ええっと…。
「舞子さん」
「な…何?」
うっ、裾掴んでるのバレたかなぁ…。
「寒くない?」
「…なんだ…」
「え?」
「ああ、ううん、なんでもない。寒くは無いです、大丈夫」
「そう」
意外と気が利くんだ、ちょっとびっくりした。…そう言えば転入してきた直後は案内してもらったり何かと教えて貰ったりしたんだった。
意外と、とか言っちゃ失礼だったね、ちょっと反省。負けん気が強くて子供っぽいけど、なんだかんだで配慮は大人なんだよね…一才の年の差をしみじみ感じちゃう。
そう言う所が人気なんだよね…。冷静に考えると夜一緒に居たなんて知れたらまた何て言われるか解らないなー。人目には気をつけなきゃ。
「舞子、あのさ…冷静に聞いてくれる?」
「な、何、改まって」
人前で呼び捨てにするなんて珍しいじゃない。
「風花さんが居なくなった」
「ええええーーーー!!?」
「…こ、声が大きいってば…大丈夫だから落ち着いて」
もごもご。…ううっ…わ、解ったから私が悪かったからもう暴れないからその大きい手をどけて…。…ちょっと苦しい。
私が落ち着いたのを確認したら、口を塞いでいた手をどけてくれた。
「…どういう事?まさか…死神に…?」
「いや、それは大丈夫じゃないかな」
「なんでよ」
「なんでって…鬼ごっこであの人を捕まえられるのは世界で一人だけだから」
「…それ全然意味が解らないんですけど」
「一応そのままの意味なんだけど…」
「うーん、じゃあ山岸先生はどうしたって言うの?まさか逃げた?」
「責任感強い人だから、逃げたとは思えないな。たぶん…」
「多分?」
「探検しに行った、とか…」
ああ…真っ暗な校舎内で楽しそうにスキップする臨時担任をありありと想像しちゃったよ。全然違和感無いし、アハハ。
はーぁ、人を巻き込んでおいて自分は何やってるんだか。PC教室のトラブルの時もそうだったけど、本当緊張感無いよね、あの人。
呆れていたら遠くから微かに足音が聞こえた、気がした。
「…あ、帰ってきたかも」
「…いや、あの足音は…」
コツリ。今度はもっとはっきり聞こえた。…重い足跡が……。
「ちょ、今!今の足音!」
「しー、静かに、落ち着いて」
「違ったよね!?別の人だよね?死神!?」
「いいから落ち着けって」
「に、逃げなきゃ!ほら、逃げなきゃ!」
摘んでた天田君の制服の裾を引っ張って逃げようとしたら「舞子ごめん」って口を塞がれて後ろから抱きかかえられてそのまま近くの物陰に引っ張り込まれた。
ちょっ…力が強くて全然びくともしないんですけど!それに天田君の腕が私のお腹に当たってるー!!いやーーーー!!暴力反対ーーー!!!
「んー!んー!!」
「しー…大丈夫だから、落ち着いて。…いたた」
こんな…こんな…抱きかかえられて天田君の胸に背中が密着しててお腹触られてて真っ暗で二人で物陰で……落ち着けるかぁぁぁぁ!!!!
499 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 03:34:18 ID:TUxlQLrV
迫って来た足音は私達が居る物陰の近くを軽くライトで照らして「気のせいか…」って呟いて引き返して行った。
「何で警備員なんて居るのこの学校は!?」
「声が大きいよ…初等部からこの学校だから解らないけど、普通は居ないの?」
「さすがに夜は誰も居ない…と思う。…そうじゃなくて、ええと、何で理事長公認で調査してるのに警備員なんて居るの?」
「普段見回りしてるのに、見回りしてる人が居なくなったら無用心だからじゃないかな」
「うー…理事長さん話は通しておくみたいな事言ってなかったっけ…?」
「言ってたっけ?オバケ調査するからとはさすがに言えないと思うけどな…」
我ながら八つ当たりだけど…「まあ今後の事もあるし、次桐条先輩に会えたら確認しよう」って妙に冷静な天田君が恨めしい。
こっちはなんかもうぐったりする位慌てたんですけど…。そう平然としてられるとなんかむかつく。何か泣きたくなってきた…ら、いつの間にか臨時担任が戻ってきてた。
「なんだか大変だったね」
「ちょっとどこ行ってたんですか!」
「まあまあ…死神の正体は警備員さんみたいだし、特に妖しい気配は動き回って無かったらしいし、めでたしめでたしって事で」
そう纏めた臨時担任がにこにこと本っ当に楽しそうだったので、思わず叩き易い位置にある頭にチョップした。
「まあ、昔は本当に死神が居たんだけどね」
「え」
七話了
**またえらく遅くなっちゃったし…会話多くなると止まらなくて予定より長くなりがちで困ります。
毎日投下したかったんだけど、明日、って言うか今夜はちょっと厳しいかもしれません。申し訳ない。
500 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 09:31:08 ID:vLlTyAar
>>499
いつもながら楽しませてもらった! GJ!
会話が増えれば文量が増えるのは仕方ないし、あんまり気にしないほうがいいよ
月曜日の夜に読めるのを楽しみにしているぜ
501 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 13:31:48 ID:Vnh4t3EN
>>496-499
今回もグッジョブ!あんま無理しないように続けてくださいw
502 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 14:17:15 ID:kwzErbSC
高校教師風花さん
ttp://vista.crap.jp/img/vi8084764725.jpg
503 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 14:43:04 ID:wR/s4jNM
>>502
なんだそのハイスペックな机はw
504 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 17:49:10 ID:Bv7JNUKL
>>502
大人になってもカワイイなw
505 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 18:40:51 ID:JHRndKNv
ってか外見全然成長してなくねぇ?
…そこが良い所だけど
506 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 19:31:52 ID:cQXeRexf
40代半ばの男性「(ウロウロ)」
美鶴「すみませんが、私たちの寮に何か御用ですか?」
男性「い…いや…」
美鶴「その割には先程から行ったり来たり…それもこんな深夜に…」
男性「あ…い…いえ…」
美鶴「それとこの場所には似つかわしくない装束…失礼ですが何か身分証を見せていただけませんか?」
男性「いや…私は…山岸風花の父親で…」
美鶴「……なるほど…では娘さんを呼んでまいりましょう」
男性「い…いや…このことは内緒に…」
美鶴「おかしいですね…あなたの言うことは矛盾点があります…本当に彼女の娘なら確認するのに躊躇いも無いのでは?」
男性「え?いえ…」
美鶴「…もしもし、夜分遅くすみません黒岩さん…いえ…実は不振な…はい……はい…お願いします…」
男性「どこに電話を…」
美鶴「然るべきところです…本当に山岸の父親であるなら少しお待ちいただいてもよろしいですか?」
~翌日~
風花「………」
ゆかり「風花どうしたの?なんか浮かない顔してない」
風花「サンタさん来なかったの…」
ゆかり「はい?」
風花「今年サンタさん来てくれなかったの!ゆかりちゃんは!?」
ゆかり「えっと~…来てない…けど…」
風花「ほら!この寮って煙突無いよね!だからかな?」
ゆかり「そ、そうかもね……」
風花「もしかしたら、私やゆかりちゃんがこの寮に入ったってサンタさん知らなかったかも…」
ゆかり「イヤイヤイヤ………」
風花「もしかしたら、実家にサンタさん行ったのかな…」
ゆかり「そ…そうかもね…」
風花「でも、実家に靴下準備していなかったし…」
ゆかり「………どうすればいいのかな…あたし…」
風花「うん…ホントにどうすれば良いんだろ」
ゆかり「……………」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
美鶴「昨夜、寮に近づく不振人物を発見してな・・・」
順平「ああ、なんかリボンでコーティングした女の子って奴ですか?」
美鶴「いや…いい年をした大人だったんだが、サンタの装束をしていてな」
順平「へぇ~」
美鶴「全く…嫌な世の中になったものだな」
順平「ほんとッスね~」
507 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 19:58:33 ID:4vWdqGV6
ハイパー黒岩タイムキタ―――(゚∀゚)―――!!
508 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/03(日) 19:59:42 ID:Bv7JNUKL
だが、実は風花が言ってるのは本当に存在する悪魔サンタクロースのことだったりしてw
509 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 00:10:16 ID:s1uszz/G
ブラックサンタなら…
510 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 00:36:01 ID:exaTkDTW
サンタの代わりにサタンでひとつご勘弁を
511 :名無したんはエロカワイイ :2007/06/04(月) 03:38:42 ID:eUP4HQvh
風花の私服が一番好きだ
512 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 07:06:57 ID:lTWHmBE5
黒沢巡査……
513 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 07:31:04 ID:YN+evoht
まぁ翌日はキタローとデートな訳だけれども
514 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 09:55:24 ID:r4NY30o6
巡査とか
515 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 14:32:03 ID:y2CgBT1l
夏紀「あの…さ、補習手伝ってくんない?知ってる顔誰もいなくてさ。」
風花「いいよ、行こう夏紀ちゃん。」
キタロー「あー風花が行ってしまうー」
キタロー「ウワーン知らない奴に風花を寝取られたー」
キタロー「風花は僕よりその女の方が大切なんだー」
キタロー「きっと風花は男より女の方が好きなんだー」
キタロー「みなさーん二年E組の山岸風花さんはレズですよー」
516 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 14:57:30 ID:CoC4xowC
,,. --─- 、
,. '´ `ヽ.
, '.,. '" ,、/!,.ヘ,ヘ、, ',
./ / / レ'-'‐' ー i , i
i ! ハ,!.ォ-!、 ,ォ.、!ハ,.! 「>>515のキタローくんを抹消してください」…っと
i iヽレ !〈 !._リ !リ〉! i ジンさんへ
!ヘ ゝ.ハ."´ _ " ハ/
'ヽヘ/i>.、.,__,,.イV
_,.イ,ヘ>--'ト/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
/::::::::i::::!,, / / カチャ
|:::::,::-‐rr''7 / カチャ
517 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 15:21:12 ID:BEUK+bIc
自分の手は決して汚さない!!
そこがイイ!そこがしびれるぅ!!!
______ __________
∨
_ィ" ̄ ̄ ̄\
/::::::::::::\
厶…―――-、::|
∠_ィ" ̄ ̄ ̄\\_}
|<●)/、(< 、川 パチッ!
| _ <、_,>ヽ_ |
| ト-=-ァ ::|
\ `ニニ′::/
/`ー川川/―"\
518 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 16:08:54 ID:/3eyDytq
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
_ノ _ノ _ノ /| ノ ノ 。。
lヽ、 ノヽ
ヽヽ,)ii(,r' ノ,
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,ィ´ ̄ ̄ ̄``ヽ:::|,r-r-r|::::::::::
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厶 -…ー─‐--、:::::::::::|_::::::::::::::::::::::::三 ニ =―
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(]) ト‐=‐ァ(コ__〉__>::,.'
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519 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 18:30:13 ID:BUbhHSOF
エレボスはいつも皆を見守ってるんですねw
520 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 18:44:43 ID:y2CgBT1l
風花「おはようからおやすみまで暮らしを見つめる私。」
キタロー「やめてよ!夢枕に立つのやめてよ風花!」
521 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 18:53:48 ID:CoC4xowC
>>520
,,. --─- 、
,. '´ `ヽ.
, '.,. '" ,、/!,.ヘ,ヘ、, ',
./ / / レ'-'‐' ー i , i
i ! ハ,!.ォ-!、 ,ォ.、!ハ,.! 「キタローくんの夢や寝顔をHDDに保存」…っと
i iヽレ !〈 !._リ !リ〉! i
!ヘ ゝ.ハ."´ _ " ハ/
'ヽヘ/i>.、.,__,,.イV
_,.イ,ヘ>--'ト/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
/::::::::i::::!,, / / カチャ
|:::::,::-‐rr''7 / カチャ
522 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 18:57:19 ID:ZuKBWyqW
>>518
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,ィ´ ̄ ̄ ̄``ヽ
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| <●) /、(●>、 |||| トロ過ぎ侍じゃねーの?
| ,, <、_,> ヽ、, |
| ト‐=‐ァ' .::::|
\ `ニニ´ .:::/
lヽ、 ノヽ \三 ニ =―
ヽヽ,)ii(,r' ノ, .___> `ヽ/ | :三 ニ =―
!? . (]○::::::○::( (コ__〉__>..ヽ ./三 ニ =―
(]):::トェェェェイ:::;(コ__〉__>.〉/三 ニ =―
(]):|,r-r-r|::::::::::(コ__〉__> .'三 ニ =―
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: <ガシッ
523 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 20:37:31 ID:s1uszz/G
>>520
実はオヤスミの後が真骨頂なんだろ?
524 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 22:15:03 ID:/3eyDytq
lヽ、 ノヽ
ヽヽ,)ii(,r' ノ,
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:::::::トェェェェイ:::::::::
,ィ´ ̄ ̄ ̄``ヽ:::|,r-r-r|::::::::::
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厶 -…ー─‐--、:::::::::::|_::::::::::::::::::::::::三 ニ =―
∠___,ィ´ ̄ ̄ ̄`___> `ヽ/::::::::::::::::::三 ニ =―
(])●) /、( (コ__〉__>::ヽ::::::::/三 ニ =―
(]) ,, <、_,> (コ__〉__>:::::〉/ ニ =― 、, |
(]) ト‐=‐ァ(コ__〉__>::,.'
\ `ニニ´ .::`――'―'"
/` ||||||||/―´´\ <コキャ
lヽ、 ノヽ \三 ニ =―
ヽヽ,)ii(,r' ノ, .___> `ヽ/ | :三 ニ =―
. (]○::::::○::(コ__〉__>..ヽ ./三 ニ =―
(]):::トェェェェイ:(コ__〉__>.〉/三 ニ =―
(]):|,r-r-r|:::(コ__〉__> .'三 ニ =― <Caution!>
::::: ー‐‐´::::::::: `――'―'" エレボスの身体は
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: <ガシッ 頭が2つ、腕は四本。
525 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 23:28:14 ID:3CqLQsOX
http://bannsato.nobody.jp/manga/p3/p3-01.html
既出だったら御免
なんというか・・・・何故ネットの海の風花は黒いのが多いんだ
いやそれがいいんだけども
526 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/04(月) 23:31:08 ID:ZuKBWyqW
何気に全員ジョジョ立ちワロタ
527 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 00:28:36 ID:1qmBsqRI
>>525
黒も白も群青も、全てを内包した魅力が風花にはあるのさ
528 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 02:24:39 ID:25plX4fs
>>524
うまいっ!
529 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 04:26:25 ID:kjzJdcMD
高校教師山岸風花 第八話
テーブルの上にあったメモによると、母は父と三泊四日で京都奈良、らしい。
今時下手に海外行くよりもお金かかりそうな気がしないでもない。まあ、まだ二人ともまだ働いてるしね。
新婚旅行やり直してくるって事みたい。旅先で喧嘩とか最悪だし、無事に楽しんできて同居から再婚にステップしてくれるといいな。
メモには出来れば朝ご飯食べて、学校にも遅刻しないようになんて事まで書いてあった。うん、無理。真夜中にあんなに大騒ぎした後で寝られる訳無いし。
置いてくれてあった食費をお財布にねじ込んで、身だしなみだけ整えてよろめきながら玄関を出た。アスファルトが眩しい。
黒板にマメに書いてくれる先生は助かるな、うつらうつらしていて話半分でも手さえ動かしていれば後で復習出来るしね。
竹ノ塚もまあ、投げっぱなしな部分も多いけどかなりマメに書いてくれるから助かった。相変わらず黒板の字は汚いけど、まあなんとか。
そんな調子で二時限目や三時限目位まで切り抜けるとようやく目が覚めてきて、その代わりに今度はお腹が空いてくる。
朝ご飯食べてないしね、食べたほうが体にはいいのは知ってるんだけど、出来るだけ寝ていたいしなー。
そんな訳で今日もお腹を空かせて休み時間にふらふらしていたら、購買の前で体育の結子先生と臨時担任が話してるのに出くわした。
うう、そこで立ち話されていると、購買のおばちゃんにこっそりかにパン売って貰って四時限目始まるまでに急いで食べるって言う裏技が…。
とりあえずジュースか水ででも空腹をごまかそうかとか考えていたらうっかり立ち聞きしちゃった。嘘です、ちょっと興味がありました。
なんでも結子先生が幼馴染の陸上選手と婚約したらしい。臨時担任も自分のことのように喜んでる。
名前を聞いてスポーツに疎い私でも思い出せた、前回のロンドンオリンピックの男子400mで根性って書いたハチマキ締めて見事銀メダルに輝いた選手だ。
日本の選手は全体的にあまりいい結果を残せなくてメダルが少なかった所に、長距離以外の陸上競技でメダルは珍しいって話題になったんだよね。
「ミヤさ、二年の時明王杯出られなかったでしょ?その時優勝した早瀬君が家庭の事情で走れなくなってさ、準優勝した彼も忙しく飛び回ってるじゃない。
だからさ、あいつらの分まで俺が走る!あいつらに笑われる様な走りは出来ないってずーっと言っててさ、私がちょっと目を離すとすぐ無理すんのね。
怪我治すの本当苦労したのにすっかり忘れてるんだもん、ほんっと馬鹿」
「結ちゃんが見ていてくれるからだよ、信頼してるんだと思う」
「付き合わされる方の身にもなれって言うのね。腹たったから、首に縄つけとく事にしたの」
「そうなんだ…素敵だね。結ちゃんにも宮本君にもお礼言わなきゃ、走り続けてくれていて有難うって」
「大げさだよ。アイツは走る事しか考えられない馬鹿なだけ」
「ううん、大げさじゃないよ。宮本君が走る姿が見ている人に希望とか勇気とか頑張ろうって気持ちを与えてるんだもん、素敵なことだよ」
「うーん…ありがと。…でもミヤには伝えないでおくよ、絶対調子に乗るから」
「しっかり手綱握ってるって感じだね」
結子先生も臨時担任と友達だったんだね。ちんまりで見た目中学生で理系の古典教師で霊能者って言うどう考えても変な人なのに、本当友達多いよね…。
口調からするとタメっぽいけど、臨時担任は運動さっぱり駄目そうだし全然タイプ違うのにどこに接点があったんだろう。
それにしても幼馴染と婚約か…高校時代も一緒に同じ部活で汗を流したみたいだし、運命って感じでいいなー。正直羨ましい。
結子先生さっぱりした性格だし健康的な色気って言うのかな、魅力的でやっぱり人気あるんだよね。男子がこの事知ったら何人も泣くんだろうな。
「ところでそっちはどうなの?絶対まだ続いてると思うんだけど」
「え?ええっと…その…」
あーあー聞きたくない、臨時担任のノロケ話なんてごめんです。正直嫌な予感しかしないしね。急いで階段を駆け上がった所で予鈴が鳴っちゃった。
うう、お腹に物を入れ損ねた…臨時担任の疫病神度が確実にレベルアップしてる気がする。ひょっとして私も霊能者を雇うべき?
530 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 04:27:05 ID:kjzJdcMD
今日は理事長が来ていると言うので、昼休みに購買に行ったその足で理事長室へ向かう事にした。
運良くなかなか買えないカツサンドが買えてちょっとご満悦です。なんて言うか、安上がりな自分に乾杯。
ちょっと運気も上向いた気がする事だし、頑張って警備員の件を理事長さんに問いたださないとね。
「すまない、配慮が足りなかった様だな。どうか気分を害さないで欲しい、この通りだ」
話が解るし誠実だしで本当に助かるんだけど…何かかえって凄く申し訳ない気分。国会の偉い人とかにもこの理事長さんを見習って欲しいな。
「報告が遅れたが、三人とも宗家から派遣された調査員と言う名目で学園内の警備部に通達が済んだ。次からは警備の人間を気にせず、安心して調査に専念して欲しい」
「…昨日何かあったんですか?」
「ああ…もうニュースで見たかもしれないが、昨日の早朝ちょっとしたトラブルがあって国防総省方面と防衛省から少々探りを入れられてね。
どの筋から話が行ったのか今の所定かじゃないんだが、官房長官が直電までかけてきた物だから対策を講ずる必要が出てきてな…」
「あ、それってアイギス達の件ですか?」
「そうだ。何、今のところ全く問題ないさ。一応念の為に南条の御当主にも話を通したし、補給には一層注意する様にと黒沢さんに伝言も頼んである」
「そうですか、良かった…」
「まあ、実現は極めて難しいが…もし仮に、世界からあらゆる武器と暴力を根絶出来たら…それは人類史上前例の無い偉大な精神的革命になるだろう。s
少々手段が直接的過ぎる嫌いはあるが、人道的にも意義のある活動だと思う。私は何があってもアイギス達の行動を支持するつもりだ」
国防総省ってアメリカのペンタゴンだよね、他に無いよね…。それに防衛省って…官房長官から電話かかってくるって…どれだけ偉い人なんですか。
と言うか理事長なんてやってる場合なの?どう考えても学園内のオバケ調査とかよりよっぽど大事だと思うんですけど…。
「ん、不思議か?そうだな…一人を変えられなくて世界が変えられるだろうか、一人を救えなくて世界を救えるだろうか、答えはどちらも否だと私は思う。
私にとっては一人の生徒を案じて学園内の安全を保つ事も、組織を相手に世相の安定を保つ事も等しく大事なのさ」
「弱い人、持たない人、優しい人…誰かの犠牲の上に成り立つ平和なんて、本当の平和とは言えないですものね」
「…あの、すいません。私ちょっと思ったんですけれど、いいですか?」
「ああ」
「理事長さん総理大臣になるといいと思います」
「それは…褒め言葉と受け取っておこう。…だが、私は恐らく政治には向かないな」
「既に十分深く政治に関わっている様に思いますけど…」
「私の様に裏表の多い人間には人民を導く真のリーダーたる資格は無いよ。それに、資質も無い」
「桐条グループの総帥を務め上げている時点で申し分ない実力な気がするな…」
「企業の人事と政治活動は比較にならないさ。政治は思想の異なる者や能力の無い物を切り捨てる事は出来ないからな。より強い指導力、求心力が求められる」
「…ちょっと残念ですね。桐条先輩なら日本を素敵な国にしてくれそうなのにな」
「ふふ、三人とも国政に関して多少思うところがある様だな…だが、実は私はそれほど悲観はして無いんだ」
「そうなんですか?」
「ああ。昨年この学校のOBが若くして初当選していてね。今は政治基盤を固める為に日々奔走している筈さ。だからもう少し、出来たら長い目で見守ってやって欲しい。
私が生徒会長を勤めた年に副会長を、翌年生徒会長も務めてくれたんだが…彼ならきっと変えてくれる、そんな気にさせてくれる人物なんだ」
す、凄いな…この理事長さんに一目置かれるってどんな立派な人なんだろう。ちょっと気が遠くなっちゃうんですけど…。
一目置かれるって言えば臨時担任や天田君もか、前に立ち聞きしちゃった時に"君達も貴重な才能~"みたいな事言ってたもんね。
臨時担任は…霊能者らしいし、そうでなくてもとんでもないしでまあ解るんだけど、普通の男の子に見える天田君も才能があるって事だよね。
何か臨時担任が来てからどんどん日常とか価値観とかがが揺らいじゃってる気がするな。
二億とか言う大金もはした金扱いだったり、大真面目にオバケ調査なんて頼まれたり、水着の女の子が素手で戦車ひっくり返したり…。
私の知っている日常なんて現実のほんの一部分に過ぎないって言うか、なんだか凄く自分が平凡でちっぽけな存在に思えて…ちょっと憂鬱かも。
531 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 04:28:22 ID:kjzJdcMD
「そうそう、順平君と千鳥ちゃんが巖戸台に帰ってきていました」
「何?…スタンフォードで研究室長になったと聞いて居たのだが、まさか突然戻ってくるとは…油断したな」
「安心してください、今のところ巻き込まずに済んでいると思います」
「そうか、良かった。二人が戻っている事に最初に気付いたのが山岸で助かったよ」
「いえいえ…舞子ちゃんのお陰です」
理事長に報告を終えた臨時担任が「あの時は本当にごめんね」って謝ってきて気がついた。
「ああ、あの時の…」
「舞子君にも礼を言わねばな、有難う。君にはこうして協力して貰っている手前申し訳ないんだが、実は女性の方に少々特殊な事情があって、巻き込む訳にいかなくてね」
「いえ、私は大してお役に立ててないですし…」
「そんなこと無いよ、助かってる」
臨時担任にフォローされるとますます凹むんですけど…。昨日もなんだかんだで一人で大騒ぎしちゃっただけって気がするしね。
…まあでも愚痴ってもしょうがない、成果が出せるかはともかく、色々頑張ってる理事長さんが安心出来る様に、私も頑張るしかないかな。
なんて、臨時担任の前で言うのもなんだか癪だったので、臨時担任はとりあえず置いておいて、思い切って聞いてみたいことを聞いてみた。
「えっと、あのお二人は学者さんなんですか?」
「いや女性は画家だな。男性は…扱っている分野が多岐にわたるようだが大まかに生物学者と言って差し支えないだろう。…何か面白い話でも聞けたのか?」
「その、砂漠を一面花畑にしてやるぜーって…」
「…順平君らしいね」
「そうだな。伊織なら間違いなく本気で言っているだろうしな」
「そ、そうなんですか…?」
「ああ。彼は間違いなく"毎年広がり続ける死の砂漠を、緑と花の楽土に変えてくれるかもしれない男"さ。
…実は彼は高校二年の終わり頃までは、学業の成績があまり褒められた状態では無くてね。私も何度か学生の本分は学業だと諭していたものさ。
それが…ある奇蹟をきっかけに変わってね。目標、いや…夢を見つけたんだろうな。卒業する頃には学年上位の成績を修めるまでになっていたよ。
その努力には本当に驚かされたな…留学の時に少々支援はしたが、それ以外ほぼ独力で努力し、大学在学中に幾つも論文を世に出して世界に認められるまでになった。
今や彼の理論は私などには理解が及ばない高みにある…。人の想いのもつ可能性や強さを目の当たりにすると本当に奮い立たせられるよ。
努力を怠らず、信じ続ければ変えられないものなど無いと心から思えるのも、彼のお陰と言っていいだろう」
「…ちょっと持ち上げすぎたな、伊織には内緒だぞ」って理事長は苦笑いしたけれど、天田君も臨時担任も笑わなかった。それどころか臨時担任は目を真っ赤にして涙ぐんでいた。
何がその人を強くしたんだろう、奇蹟って一体何が…?聞いてみたかったけれど、正直ちょっと聞ける雰囲気じゃなかった。
私も強くなれるのかな、変われるのかな…解らないけれど、変われるといいな。
532 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 04:29:29 ID:kjzJdcMD
月光館学園七不思議、その参『覗き込むモーツァルトの肖像画』真夜中の音楽室でモーツァルトの肖像画が目を動かして辺りを見回すらしい…。
って言った所で臨時担任に「そういえば昔『覗き込む人体模型』って言う噂があったかも。あの人体模型捨てられちゃったのかな…」って水を差された。
人体模型の話は知らないし私は見た事も無いけど、やっぱりこの手の噂話って昔からあるんだね。
なんでも人体模型の方は目があったら追いかけてくるって言われてたんだって。それに比べたら正直インパクト無いかも…しれないけど一応説明すると、
夜目を動かしているモーツァルトの肖像画と目が合うと、モーツァルトと同じ三十五歳で死ぬ呪いにかけられるらしい…。
…やっぱりちょっと人体模型が全力でダッシュするシュールさと比べちゃうとインパクトに欠けちゃうね。うーん。まあでも、そういう問題じゃないか。
月光館学園七不思議、その四『消える体育館』体育館が消えるんじゃなくて、体育館に居ると神隠しに遭うらしい…。
もう少し詳しく言うと、昔悪戯されて体育館に閉じ込められたまま夜を迎えてしまった生徒が、何故か密室の筈だった体育館から消えちゃったらしい。
体育館から消えて行方不明になったその生徒は二週間も後になってようやく発見されたんだけど…消える前と随分変わっちゃっていたんだそうだ。
噂では魔界で死ぬような目にあってて性格変わっちゃったんだって話。これはちょっと密室って状況自体がヤダなぁ…。
「えっと…体育館の方は中で夜を迎えるのが条件みたいだし、先に調査して、それから音楽室に行こうか」
まあ、ごもっともです。でも体育館は放課後から暫く部活で使われるんだよね。だから誰も人が居なくなるまではどこかで待機かな…。
「そう言う事なら『体育館の保全管理に業者を呼んだから今日は午後五時までに部活を切り上げて生徒を帰宅させる様に』と顧問に伝えておこう」
「夜までは居られないが…せめてその位はな」って理事長さんが助け舟を出してくれた。これなら夜になる前に体育館に入れる筈。
そんな訳で放課後、午後五時まで応接室で時間を潰すことになった。…天田君と二人で。
臨時担任は時間まで明日の授業の準備をするからって職員室に戻っちゃったんだよね。
一応応接室にあるお茶やお茶菓子は自由に手にとって良いって言ってもらえてるから、ちょっと遅いおやつを堪能するのが最善かな。
そう思ってお茶淹れたんですけど…なんで応接室でデッキブラシ振り回してるかな、この子は。しかも何故か様になってるし…。
「やっぱり長物は身長高い方が扱い易いよな…」
「身長低い頃からそんな事してたの?」
「ああ、いや…」
「お茶淹れたんですけど」
「有難う。…あ、ごめん」
解ればよろしい。暴れられてたら落ち着かないしね。
「…うん、美味しい」
「葉っぱがいいんでしょ」
「あのさ、舞子怒ってる?」
「別にーお腹触られたこととか全然怒ってませーん」
「それって怒ってるじゃないか…」
「何か言った?」
「ううん、何にも」
「…」
「…」
「ホント言うとさ」
「うん」
「ちょっと憂鬱になっちゃってね…天田君さ、砂漠にお花は咲かせられると思う?」
「うん、きっと咲かせられると思う」
「そっか。夢があっていいよね。なんかさ、色々話聞いてたら…私は小さいなーって」
「舞子は…何か夢とか無いの?」
「うーん…昔お世話になった人にはまた逢いたいけど、夢って言うのと違うしな…」
「そうか…」
「天田君は何か夢とか、ある?」
「僕も無いよ」
「でも…理事長さんが天田君は才能があるって」
「え?」
「ごめんね、前に理事長室の前で話を聞いちゃったの。君たちは貴重な才能だ、って」
「…ああ…。…桐条先輩はね、前向きに生きていく人が増えればいいって考えてるんだ。だから、生きていくことに一生懸命になれる人は等しく貴重だと思っていると思うよ」
「…そうなの?」
「うん。一人一人が変わる事が、ゆくゆくは未来を変える事に繋がるからね。…僕もそう思う」
「そっか…」
「うん。それに…舞子にもあるかもしれないよ」
「え?」
「才能」
「…」
「…」
「……霊能者の才能だったらヤダな」
533 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 04:30:52 ID:kjzJdcMD
誰も居なくなった体育館に入って全部の入り口を内側から施錠して五時間…何も起きてない。まあ所詮噂だから起きなくても不思議じゃないんだけどね。
天田君も最初はデッキブラシ振り回したり体動かして時間を潰してたんだけど、さすがに五時間は長すぎたみたいで今は横になってる。
時間潰す方法を考えてなかった私は正直そろそろ限界です。うーん、MP3プレイヤーでも持ってくれば良かった…。
一応業者が保守点検をしてるって建前だから、明かりはつけておけたのが幸いかな。もし真っ暗で五時間だったら多分泣いてます。
で、私と天田君がぐったりした五時間、臨時担任が何をしていたかと言うと…。
「次は現役女子高生の>>750を接写でうpっと…」
「…何やってんですか」
「え、えーっと、あはは」
不穏な気配を感じたのでノートPCから伸びてる携帯を引っこ抜いたら臨時担任に泣かれた。ちょっとすっきり。
「何も、おきませんね」
「妖しい気配もしないみたいだね」
「ハズレ…って事ですか」
「実はちょっと心当たりあったんだよね、だから違うかな…って気は、ちょっとしちゃってたかな」
「…どういう事ですか?」
「えーっと…昔在学中にちょっと此処に閉じ込められちゃった事があってね…。で、ちょっと変な場所に迷い込んで戻ってこられなくなっちゃって…。
助けに来てもらえて学園に戻って来られた時には十日位経ってたって事があって…あっ!舞子ちゃん!?」
思わず全力で体育館から出ちゃったけど、この場合私は悪くないよね。綺麗な声でふざけた事言い出す臨時担任が悪いよね。…ね?
体育館を出て音楽室へ向かったんだけど…残念ながらこっちも妖しい気配はしないそうで、収穫無しでした。
肖像画のモーツァルトの目が動く…どころか悪戯で目に画鋲刺されてたのはさすがにちょっと呆れたかな。
教科書に落書きする感覚でやったんだろうけど、ちょっとやることが子供過ぎ。なんて言うか、モーツァルトさんごめんなさいって感じだ。
臨時担任も珍しくがっかりしてた。なんでも一年半部活動で彼氏と一緒に過ごした思い出の音楽室なんだそうだ。
正直あんまり聞きたくなかったから適当に流しちゃったけど、結子先生といい臨時担任といい…ちょっと羨ましいな、校内恋愛。
思い出のあの人はどう考えても六歳は年上だから…これから一緒に部活動したいと思っても絶対叶わないしね…。
…よくよく考えると天田君も下級生にかなり人気だし、ひょっとして三人の中で寂しい青春なのは私だけ?
帰り道、疫病神臨時教師より寂しい高校生活を送っているっぽい現実に軽く打ちひしがれていたら天田君に心配された。
やっぱり複雑な気分になるのはなんでなんだろう。
八話了
**レス下さっている方感謝です。>>502 久しぶりに投下して下さって嬉しいです。思わず亜光速で保存した。壁紙にして眺めながら書きました。
AAの流れに吹きつつ、気付いたらまたこんなに時間に…我ながらアホです
534 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 05:16:12 ID:bVgL5KWX
GJです
>体育館の怪談
いや普通に気付けよ風花も会長もwww
535 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 05:43:06 ID:N/BFeD++
>>750に期待
536 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 07:18:48 ID:6yN4/umS
>>529-533
今回もグッジョブ!
・・・アトラスは橋野と田中追放して、この方入れたほうが
大きなメリットになるんじゃないか?マジ話・・・。
537 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 07:29:45 ID:hkdqVgLm
>>529 GJ
みなさん大物になりすぎwww
月光館学園の知名度凄いだろうな
あ、チドリンはOGじゃないか
538 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 10:37:58 ID:pCO3ahav
ミヤーwwww
七不思議に事実が入ってるのはお約束かw
舞子、携帯抜かないであげて!
539 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 13:28:17 ID:j5/G0Chs
毎回いいですな。
続き楽しみにしてます。
540 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 15:22:37 ID:mcZFQ/2w
コミュキャラにもスポット当たってるのがすごくいい。
小田桐がんばってんだな。
541 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 16:19:27 ID:uE6iQg/5
その後の予想
神木…アスラ王
――(越えられない壁)――
べべ…駐日仏大使
平賀…院長先生
早瀬…工場長
――(上位勝ち組)――
千尋…国立大学図書館職員
グルキン…フードファイターチャンプ
――(勝ち組)――
友近…ニート
――(負け組)――
無達・古本屋…リタイア
――(番外)――
542 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 16:21:54 ID:pCO3ahav
>>542
グルメキングは料理の評論家的なものになったぞ
543 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 17:13:34 ID:6yN4/umS
>>542
自問自答
544 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 18:14:02 ID:qy1X1W/B
フーカの泉
風花とチドリがスピリチュアルにお悩みに答えます
545 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 18:40:33 ID:UMDEcqnT
全員出世しすぎだろw
あと、ミヤとケツ子がくっつくのは少し疑問だけどまあいいや
546 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 18:40:49 ID:g9N+nrbr
>>531
>女性の方に少々特殊な事情が
ペルソナ「刑死者・チドリ」?
ガキさんの天使の輪っかで復活?
>>541
早瀬>SASUKE常連とか。
工場の一角に、コースがそのまま再現されてたりして。
田中>海外展開とか。
深夜番組ではますます過激に。銃火器とか。
547 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 19:50:22 ID:q0fUX81M
>>461が何気に小田桐予知してて吹いたww
もしかしたらSS職人さんがこれ見て書いただけかも知れんけど
548 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 20:45:27 ID:UVF6WSiG
フェスへの不満を一気にぶつけたような感じだな。
549 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/05(火) 21:05:15 ID:1qmBsqRI
>>548
煮え切らない想いは自分で妄想に昇華するww
それが魔境たる風花スレの真髄
550 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 00:22:06 ID:6Q4ReZzf
だめだ…
酒飲んでるせいか
後日談に打ちひしがされたせいか
このスレの後日談読んでると泣けてくる…
こんな話こそ”FES"だよなー
今日もやな事あったけど
このSS読んでると
あしたもがんばるかー
って気にさせられるよね
551 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 00:23:17 ID:1vTE20P9
あの後日談は、どうしてもなあ…
もっとやりようはあっただろうに……
552 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 02:21:52 ID:humtN+Lw
ここの住人がいくら良い話書いても
結局は妄想二次創作乙、でしかないってのがな…
553 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 04:03:22 ID:Ol5mjAkb
現役女子高生の……って舞子の何UPするつもりだったんだ
554 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 06:47:04 ID:/W6mmmKS
>>552
実際に妄想二次創作乙でしかないんだよ。
残念だ
555 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 07:55:25 ID:1vTE20P9
>>553
風花なら今の自分をうpしてもバレないだろうw
556 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 08:23:09 ID:IxJHjioZ
ドラえもん後日談みたいにそこそこ売れるんじゃね?
557 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 08:50:21 ID:7iDiY45I
>>552
住人や職人がうpする二次創作物の方が公式作品よりクオリティ高いってよく言われるけどさ、
それって、完成されてる公式作品を堪能したからこそ出てくる物だよね。
設定・完成済みのキャラや世界や元ストーリーを知ってるから。
公式の作者達は何もない(キャラや世界観等)ゼロから作り上げてるんだよ?
558 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 10:00:11 ID:OFNhBA/D
>>556
あれは後日談じゃなくて最終回じゃなかったっけ?
>>557
公式の作者が他作品からパクってれば、ゼロから作る訳ではない。
559 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 12:43:50 ID:1vTE20P9
>>557
それがどうしたというのか
本当に二次創作の方が素晴らしいかは個人が判断すべきことだが、
生みの苦しみがあろうと、結局クオリティで超えられては一作家として言い訳は出来ないだろう
それに、後日談なんかは無印があった上に積み上げたものだし、
ゼロからじゃなく既に立ってるキャラや設定を活かせなかった証左にしかならない
560 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 14:16:55 ID:u0CVpIaU
作るのに掛かった労力とクオリティの高さは必ずしも比例しない。悲しい事にね。
561 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 14:32:25 ID:KHT3xe92
能ナシがあの脚本
562 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 18:11:38 ID:0C68TMuX
ゼロから作り上げる労力は凄いかもしれんが
作り上げたキャラに愛情がなきゃ話にならんだろ。
仏作って魂入れずだよ。
563 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 18:23:30 ID:lh2xWwSS
受け取る側の評価はともかく、二次創作やってる人間があまり
デカイ顔するのは自分は好きじゃないけどね。
結局人のふんどしで相撲とってるわけだし。
職人さんたちの作品は大好きだし萌えまくらせていただいてるが
サイト回ってるとたまーに俺は本編を超えるとか言っちゃってるやついるしな。
後日談がアレだったってのは同意。
近年まれに見るアレっぷりだった。
564 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 18:52:11 ID:jFyDTs4V
もう6月だというのにお前らときたら……
565 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 18:58:40 ID:/nAvWDy6
>>563
全面的に同意
566 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 19:42:13 ID:0C68TMuX
>>564
時 は 、 待 た な い 。
って事ですか?
567 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/06(水) 20:01:58 ID:+Cy99ELd
結局報われない
568 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:25:11 ID:fOtWKo2+
高校教師山岸風花 第九話
勢い良く突き出された拳を上半身を少し逸らす僅かな動作でギリギリで避けると美しい髪が幾本か千切れ飛んでキラキラと輝いた。
踏み込む度にスポットライトに浮かび上がるリングが軋み、震え、汗が舞い散る。互いの拳が届く距離で、探り、避け、打ち込み、迎え撃つ。
激しくぶつかり合う闘志と闘志…本物のスピードとパワーに圧倒されて、私達は固唾を飲んで見守る事しか出来なかった。
って、何でこんな事になったんだろう…ふと我に返るとなんだか泣きたくなってきた。
ああ、今日は早く帰れると思ったんだけどな…。話は例によって噂話を披露していた今日の放課後にまで遡る。
月光館学園七不思議、その五『祟られるCD』中等部の放送室に眠っているというその呪われた古いCDを再生してしまうと、たちまち魔人が現れて祟られるという…。
なんでも魔人に気に入られてしまうと祟られるだけでは済まなくて攫われて二度と現世に帰ってこられないんだって。
私は高等部からの生徒だからさすがに中等部の校舎はよく解らないんだけど、天田君が言うにはクラス数がちょっと少ない位で雰囲気はそんなに変わらないんだって。
小中高と一貫教育だから、生徒が違和感無く進級出来るようにって言う配慮らしい。特に内装は極力近づけてあるんだそうだ。
私自身転入直後はどこにどの教室があるかとか解らなかったり、校舎の雰囲気にもなれてなかったりで結構馴染むのに時間がかかったのを考えると…まあ良い事だと思う。
まあ雰囲気や内装が似ているって言われても、放送室がどこにあるかとか解らないので今回は大人しく着いていく感じかな。
問題は古いCDが一杯あった場合問題の物を探すのが凄く大変なんじゃないかって所だろうか。
あと、ちんまりな臨時担任はともかく、天田君や私が中等部をうろうろしてると怪しまれちゃうのも問題かな。
制服も似てはいるけど微妙に違うしね。特に天田君は目立って駄目だろうな~180ちょっとあるものね。
そんな訳で、理事長さんも相変わらず忙しいみたいで昼も放課後も学校に居なかったし、夜になって生徒が居なくなってから放送室に向かうことになった。
569 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:26:03 ID:fOtWKo2+
月光館学園七不思議、その六『呪われた冷蔵庫』その問題の冷蔵庫は高等部ボクシング部にあるソレらしい。
シップやドリンクやプロテインを溶かす為の牛乳などを冷やす為に設置されていて、見た目はごく普通の冷蔵庫なんだけど…なんと中身が勝手に増えるんだって。
勝手に減るならまだ、誰かが使ったんだなって思うだけであんまり気にならないと思うんだけど、入れた覚えのある人が居ないのに入ってるらしい、しかもどっさり。
オマケに捨てても捨ててもまた新しく入ってる、中途半端に捨てると増えるって言うんでマネージャーさんが気味悪がって顧問に泣きついたんだそうだ。
一度顧問が徹夜で冷蔵庫を見張ったらしいんだけど、何故か気を失ってしまって…そしてやっぱり中身が増えていたらしい。
本当かどうかは知らないけど、部のOBで昔タイトルマッチ目前に事故死してしまったボクサーが居て、彼が肉体を失った今でもトレーニングをしているんだ…。
なんて噂がまことしやかに流れるのも時間の問題だった、って感じなのかな。
確かに薄気味悪いけど、増えた品々は問題ないものばかりだった様で結局気付かなかった事にしてだまし騙し使っているのが現状なんだそうだ。
次の『笑うニュートンの肖像画』は一番昔からある七不思議らしいんだけど、この『呪われた冷蔵庫』は噂になったのがごく最近なんだよね。だから結構リアルな証言が聞けたり何かと生々しかったりする。
そうそう、この話でついに七不思議が完成したらしくって、今年月光館に在学している生徒は気をつけた方がいい…らしい。
何を?って普段なら笑い飛ばす所なんだけど…私が疫病神に関わる羽目になったのも七不思議が完成してしまったせいだったりして、なんてね。
…ここ最近有り得なさそうな事に驚かされすぎて、あんまりその可能性を否定出来ないのが切ないです。
諸行無常とか言う言葉を思い浮かべながら説明していたら、その疫病神が頭を抱えてた。頭を抱えたいのは私なんだけどな。
「うーん、その『呪われた冷蔵庫』はボクシング部の冷蔵庫なんだよね…?」
その通りです、何かボクシング部だと問題でも?って、…天田君もなんだか遠い目をしてるのは気のせい…じゃなさそう。
「僕、ボクシングって聞くとある人を思い浮かべるんですけど…その人よく寮の冷蔵庫にあれこれ詰め込んでは桐条先輩や荒垣さんに怒られてましたよね…」
「…天田君も私と同じ事考えてるよね、たぶん」
「ええ、多分…」
何二人で疲れた顔してるんだろう。むー。ちょっと蚊帳の外って感じで寂しいんですけど…。
「まさかこの大事な時期までって事は無いと思いたいんだけど、一応『呪われた冷蔵庫』を先に調べてもいいかな?」
別に駄目な理由も無いので頷いたら、最初に向かったのは何故か部室棟じゃなくて資材置き場だった。
…その網やロープやワイヤーや丸太はどう考えても用途が調査じゃないと思うんですけど…
臨時担任は天田君にあれこれと指示をして、ボクシング部の部室の扉を開けると、ロープで吊るした丸太の留め金が外れて扉を開けた人に振り子の様に襲い掛かる罠と、
足元のワイヤーを引っ掛けると網に捉えて宙吊りにする罠をしかけた。丸太にはご丁寧に転がっていたボクシンググラブが嵌めてある。
これどう考えてもオバケ相手じゃなくて、人間相手の罠だよね…扉を開けるとボクシンググラブが襲い掛かるように見えるんじゃないかな。
仕上げにメカ部の部室に立ち寄って数分で作っていた簡単な機材を網と床にセットして、ボクシング部の扉に真っ赤な文字で『開けるな危険』と書いた張り紙をした。
一応曲がりなりにも教育に携わる人間が、学び舎に怪我する様な罠を仕掛けていいんだろうか。
まともに扉を開けて中に入ったら間違いなく怪我すると思うんですけど…って一応つっこんでみたんだけど、
「警備員さん以外は居ないと思うし、万一人が来ても殆どの人は張り紙見たら入らないから大丈夫…だと思う」ってちょっと困った顔で微笑まれた。
だと思う、って微妙に弱気で怖いんですけど。罠にかけたい相手はそれでも入る様なマゾな人って事なんだろうか。うーん。
作業してる様子がなんだか楽しそうで、二人を止め損ねちゃった自分がちょっと情けない。
570 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:28:03 ID:fOtWKo2+
仕掛けがひと段落した所で『祟られるCD』の調査をするべく中等部の放送室へ。罠あのままにして来ちゃって本当に良かったのかな…。
足を踏み入れてみると、確かに高等部と雰囲気は似てる。けど、教室の配置とかはやっぱり全然違うな。あ、天田君がちょっと懐かしそう。
放送室の中はマイクがつまみやスイッチが一杯ついた大きな机とCDやDVDらしき物が沢山詰まった棚とパソコンと…後、よく解らない機材が一杯だった。
臨時担任ならどれが何とか解りそうな気がするんだけど、私には本当にさっぱりです。箱みたいなのは多分スピーカーかな。…違うかも。
「思ったよりCD一杯ありますね…古いCDを探すのも大変そうだ…」
「そうだね…一応妖しい気配がする品物は今のところ無いみたいだけど、出来れば怪しいCDを見つけて実際に再生してみて安全性を確認したいかな」
「それっぽいのを片っ端から再生してたら夜が明けちゃいますね」
「…今時CDの形で買うのってマニアだけって聞いていたんですけど、実際はまだ結構使ってるんですね」
「あ、そうか」
舞子ちゃんナイスですって褒められても、何が良かったのかさっぱり解らないんだけど…ともあれ臨時担任は放送室のパソコンを立ち上げてあれこれいじり始めた。
「うん、やっぱり管理する為に一回HDに取り込んで、データベース代わりに使ってるみたい」
「ああ、取り込んじゃえばCDの情報一々入力する手間が省けますもんね」
「うん。実際に再生する時はCDを使うのかもしれないけど、管理するだけなら本格的にデータベース作らなくてもこれで十分だよね。これで販売年でソートして一番古い年のCD以外は全部除外しちゃっていいかも」
棚に天田君、パソコンに臨時担任って受け持って一番古いCDから順番に再生していく。
懐かしのヒット曲って感じで、ゆっくり堪能出来ればそれなりに有意義な時間になったんだろうけど…全部聞いている時間は無いからぶつ切り状態で凄く落ち着かない。
特に手伝える事も無さそうで、正直手持ち無沙汰です。しょうがないから放送室内をうろうろしてようかな。
571 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:29:02 ID:fOtWKo2+
「何も…起きないですね」
「殆どが昔のヒット曲で取り立てて怪しい物も無かったね…」
二人が頑張ったお陰で三十分ちょっとで一番古い年のCDを全部再生出来たみたいなんだけど、残念ながらそれっぽいのは無し。
完全に根も葉もない噂だって事も勿論有り得るだけに、安全確認の為とは言え辛い作業だよね…。
さすがにちょっと疲れたみたいで椅子に座り込んで考え込んじゃっている二人に、気晴らしになるかは解らないけどなんとなくさっきから気になっている事を聞いてみた。
「あの、ここに何枚かあるタイトルの無いCDは何ですか?」
「え?」
「透明なケースにCDが入ってるだけなんです。あ、CDそのものにマジックで…えっと『月光サンバ』って書いてあるのと、『月光音頭』って書いてあるのと…後『かごめかごめ』『どんぐりころころ』…」
「…あ!そうか、自作CD!?」
「考えてみれば焼けばいいだけなんだから、そう言うCDが在っても不思議じゃなかったね…」
「そうですね…。自作ってだけでも怪しい所に凄く際物っぽいタイトル書いてあるみたいですし、聞いてみます?」
「そうだね、再生してみよう」
早速再生してみたんだけど、いきなり一枚目から凄かった。女性がただ優しく歌っているだけなのに、物凄い怖い。臨時担任も頭抱えて放送室の隅でがくがく震えだしちゃったし。
一枚目のCDの『なんでこれで呪われてないの?』って不思議な位のインパクトに、二枚目を再生するかどうか三人で真剣に話し合っちゃった。
結局安全確認しなきゃって言う臨時担任の主張で再生することになったんだけど…正直止めたほうが良かったよね?
いつの間にか現れたその人は涼やかで柔らかい銀髪の持ち主で、シンプルだけど奇抜なデザインの青い服を着て、服とお揃いの可愛らしい帽子を頭に乗せていた。
第一印象はモデルさん?って感じだったんだけど、音楽に合わせて凄い真剣に盆踊りの振りで踊り続けていて…と、止めちゃマズいかな…。
結局音楽が終わるまで踊り続けたお姉さんは、感慨深げに声を震わせた。
「いつぞやのクラブでも門戸を閉ざされた私が、よもや実際に踊りを披露する機会に恵まれるとは…まさに感無量でございます」
「ええと、エリザベスさん…こんばんは。…こんばんはでいいのかな…」
「風花様、ご機嫌麗しく。この度はこの様な機会を設けて下さいまして、私なんとお礼申し上げたらいいものかと…」
「いえいえ、こちらこそいつもお世話になっています」
また…また臨時担任の知り合い?理事長さん、やっぱり全ての元凶は調査をしてるこの霊能者、臨時担任山岸風花その人だと思います…。
「以前あのお方から頂いて日々拝聴させて頂いていた曲を、風花様の前で踊れるとはなんと素晴らしき巡り合わせでございましょう」
「ああ…もう一枚あったんですね、このCD」
「素晴らしい物は複数所持して保存用、観賞用などと使い分けるのがマナーと聞き及んでおります。風花様、宜しければこちらCDをお譲り頂けないでしょうか…」
「え…うーん、大元があるでしょうし複製しておけば使うのには支障なさそうですけれど、このCDはどこに所有権があるんだろう…一応理事長に確認してみますね」
「お手数をおかけします。幸いここに備えあらばと二千円札にして五千枚ございます。少ないですが、どうぞお納め下さいませ」
「…それって一千万円…?と言うか二千円札なんてあったんだ…」
「ええーっ?だ、だめです!受け取れません!」
お札で五千枚ってどんな量なのか想像もつかないんですけど…受け取るわけにもいかないって以前に、物理的に持ち運べないんじゃないかな…。
大人買いは紳士淑女の嗜みと伺っておりますとかなんとか臨時担任と暫く言い合っていたけど、臨時担任が頑なに拒否したら後払いって事で納得したみたい。
七不思議が本当ならこのお姉さん魔人って事になるんですけど、CD一枚に一千万とか微妙に日本語がずれてる所とか完全に不思議お姉さんだよね…全然怖くないです。
何か臨時担任はお姉さんと世間話盛り上っちゃってるんですけど『祟られるCD』はこれで解決って事でいいのかな…?
「そうそう、あの方お口にこそされませんが、大層心配なさっておいでです」
「あーすいません、ご心配おかけしてしまって…。こっちは大丈夫ですから、気をつけて頑張ってってお伝え下さい」
「かしこまりました」
解決って事でいいのー?…おーい。思わず天田君と顔見合わせちゃってます。
「ところで…ご挨拶が遅れてしまいましたが、あちらの可愛いお嬢さんは?」
お姉さんの視線に色んな意味で危険な憂いを感じて、反射的に天田君の後ろに隠れちゃいました。
…天田君大きいから盾に便利だな、うん。危なくなったら突き飛ばして逃げよう。
572 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:31:08 ID:fOtWKo2+
臨時担任がボクシング部部室の扉を開けると見事に蓑虫が出来上がっていた。
メカ部の部室で作ってたのは罠が作動したらスイッチが入って無線で報せる機械だったみたい。ピーピー鳴ったから急いで駆けつけてみたら、見事にかかってました。
と言うか泥棒…なのかな。うーん。リアクションに困って居たら、ジャージの高そうなのを着てビニール袋と混ざってる蓑虫が喋った。
「…誰だ!」
それはこっちの台詞です。
「やっぱり…」
「!その声、山岸か!?」
「真田さん何してるんですか…」
「天田も居るのか。…すまんが、とりあえず下ろしてくれ」
蓑虫の正体は…臨時担任と天田君の先輩みたい。なんでも「『開けるな危険』なら、挑むのがファイターと言うものだ!」だそうで。丸太を避けた拍子にワイヤーを引っ掛けたらしい。
「最初の一撃を避けた瞬間僅かに油断してしまったのが敗因か。…くっ、我ながら情けない」
考えてみると性格の悪い罠だよね、襲い掛かる丸太を避けようとしたらまず足元見ていられないだろうし。さすが疫病神です。
我ながら褒めてない感想を抱いていたら「挨拶が遅れたな、真田だ」って挨拶されたので、こちらも名乗ったら「天田の彼女か?」とか言われた。蹴っていいですか?
私の殺気を感じたのか臨時担任が話題を振ってくれた。少なくともこの先輩さんよりは空気が読める事が判明しました。
フォローして貰ってもあんまり嬉しくないのが問題と言えば問題かな。
「あの…真田先輩、どうしてここに?」
「ああ、暫く試合で空けるから、今夜中にミネラルウォーターと牛乳とスポーツドリンクとプロテインを補充しなければと思ってな」
「やっぱり…」
「ん?やっぱりとは何だ?」
「いえ、なんでもないです。…それにしても、どうしてまた部室の冷蔵庫に?」
「後進を育てるのも先を行く者の務めだろう。環境は大事だからな。…そうだ、アイシング用のジェルもあったんだ、急いで冷蔵庫に入れて来る」
ビニール袋を幾つも抱えていそいそと部室に入っていく姿はちょっと楽しげなんだけど…。
「…真田さんの愛部精神には頭が下がるけど…やっぱりやりすぎだよなぁ…」
私もそう思います…。マネージャーの子が怯えて噂になって七不思議になっちゃったって勢いだもんね。
「真田先輩には全然悪気が無い辺りが困っちゃいますよね…」
と言うか罠にかかったのを敗北したって気にはするのに、罠をかけたのが誰かは全然気にしてないっぽい辺り天然さんにしか思えないです。
この分だと『呪われた冷蔵庫』の噂は当分続きそうだ。…可愛そうなボクシング部の人たちを心から応援しちゃいます。
確かこの人、ベルトを何回も守ってるプロボクサーの凄い人だよね。試合は見たこと無いけどニュースで見た事がある気がする。
幾ら才能があって努力してて凄い強いチャンピョンでも、天然だったり空気読めなかったり普通の人なんだな…。ちょっと面白い。
ビニール袋の中身をあらかた片付け終わったみたいで、戻って来た空気の読めない先輩さんに天田君が声をかけた。
「真田さん確か防衛戦がそろそろですよね?調整とか、もう大丈夫なんですか?」
「あ、ああ…問題ない」
「真田先輩なんだか弱気ですね…何か気になる事でもあるんですか?」
「フ、相変わらず山岸には筒抜けだな。実は…どうにも引っかかっている事があってな…」
「気になっている事?」
「ああ。…拳の心得は卑怯ではないかと思ってな」
「え」
「いや…実際好調なんだ、体も軽いし次も全く負ける気がしない。だが…いつからか俺の中に躊躇いが生まれてな…」
「ためらい、ですか」
「ああ…気がつくといつも考えてしまう。俺は本気で戦っていいのか?とな」
「…それは…ある意味凄く贅沢な悩みですね。力があるが故の悩み…」
「天田はそういう事は無かったか?サッカー部の主将だったろう」
「サッカーは集団競技ですしね。一人が突出していても勝てないですから…」
「そうか…。そうだ、天田、少し相手してくれないか?」
「正直僕なんかじゃ相手にならないでしょうけれど…それでもいいですか?」
「ああ、お前の強さはよく知っている。何も問題は無いさ」
かくして夜のボクシング部のリングで、天田君と先輩さんが手合わせする事になったのでした。
「ヘッドギアやチェストガード、ファウルカップは着けるか?」
「動きなれない格好だとかえって危ないですかね…」
「そうか、まあ危ないと思ったらいつでも止めよう」
制服の上着を脱いで袖をまくってサポーターを手に嵌めてからグローブを付けて天田君もリングへ。
薄着になると解るんだけど、結構締ってて運動やってるなーって体なんだよね。なんかちょっと得したなーとか思っちゃいます。
573 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:32:04 ID:fOtWKo2+
臨時担任が楽しそうにゴングを鳴らして試合開始!「ぱんちですよ。ぱんち!」ってそりゃボクシングだもんキックはしないよね。
最初はいい勝負をしてる様に見えたんだけど…段々天田君のパンチが避けられた上に既にパンチされてるって事が増えてきて…やっぱり技術の差が凄いのかな、直ぐにストップ。
「さすがに目がいいな。素人とは思えん動きだった」
「でもやっぱりボクシングじゃ全然勝負にならないですね…僕は本気だったのに、真田さんは全部寸止めしてくれたし…」
「天田なら丈夫だから大丈夫だ…とは思ったんだがな…すまん」
「謝らなきゃいけないのはこっちですよ。役に立てなくてすいません。…やっぱり真田さんは強いです。正直武器を持っても勝負にならなさそうだな…」
「…そうか!天田、槍を使ってみてくれ」
「え、いいんですか?それってもうボクシングじゃないですよ」
「大丈夫だ、俺はボクシングで戦う。お前はお前のやり方で頼む。考えてみれば拳対拳では、俺だけ武器を使ってる様な物だからな、アンフェアだ」
天田君がデッキブラシを手にとってくるくると回して構えた。先輩さんもグローブを構えてる。
素人考えだけど武器持ってる方が有利だよね?試合間近らしいのに無茶して大丈夫なのかな…怪我したりしないといいんだけど。
臨時担任の鳴らすゴングで第二試合開始!
さすがに今度は天田君勝てるかな?一応よしみでこっそり応援してあげよう。
始まってみたら、予想に反していい勝負で驚きです。武器とパンチじゃ全然リーチが違うのに、先輩さんの避ける技術とか踏み込む技術とかが凄いみたい。
天田君が足元を払う、ステップで素早く避けて踏み込む、デッキブラシでパンチを受け流したらデッキブラシを軸にくるっと回って距離を取る。
昔見たカンフー映画とかがこんな感じのスピード感だったかな…目で追うのがやっとです。
その目で追うのがやっとな攻防にいちいち「真田先輩お見事です!」とか「やった、天田君凄い連続攻撃です!」とか
「凄いですね…パワフルです」とか煩かった臨時担任は、ちょっとイラっとしたので叩き易い位置にある頭にチョップ入れて黙って貰いました。
頭押さえて痛いの堪えてぷるぷるしてる臨時担任はちょっと可愛いです。我ながらもっと目上の人を敬いなさいって感じだけど。
長かった攻防にもついに終わりの時が来た。天田君の渾身の突きに先輩さんが凄いパンチを合わせたら…ありえない事にデッキブラシが縦に裂けちゃった。
どんな衝撃が加わったらそんな壊れ方するのか、授業で習った程度の物理の知識じゃ想像つきません…。
「久しぶりに楽しめたいい試合だった。槍の腕は鈍ってないみたいだな」
「でも…こんな壊され方しちゃ完敗です。それに…正直、真田さんまだ余力ありましたよね…」
「うーん…真田先輩の技術や実力が高度過ぎて、ちょっとやそっとの相手じゃ解決の手助けにならないみたいですね…」
「お困りのようですね、風花様」
「エリザベスさん!」
盆踊りのお姉さん、まだ居たんですか。
「このエリザベス、少々拳闘の心得も御座います。僭越ながら私で宜しければお相手致しましょう」
「ほぅ…望む所だ!」
…という感じで冒頭の様なちょっと素人目には早すぎて目で追うのも難しい速さの激戦が繰り広げられる事になったのでした。
「さすがにやるな!…体が暖まってきた、ギアを上げるか!!」
真田選手はまだ本気じゃなかったらしい。…所でいつまで続けるつもりなんだろう。正直さっぱり解らないのでなんと言っていいやら解らないんだよね。
「さすがに王者と呼ばれるお方でございます。これほどの実力をお持ちの方との勝負に全力を尽くさないのはかえって失礼。私も手加減抜きで参ります」
エリザベスさんはそう言うと今まで顔の前で構えていた両腕を静かに下ろした。
「あれは…ノーガード戦法?」
「風花さん知ってるんですか?」
「うーん。…何が凄いのかはよく解らないけど、凄いんじゃなかったかな…」
今更だけど、解説出来る人間が全然誰も居ないのは問題だよね。あ、エリザベスさんの構えを見て真田選手が怯んでる。よく解らないけど効いてるみたい。
「くっ…バカな…!この俺が気圧されているだと…!しかし…俺は負けんッッッ…!!」
574 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 03:32:58 ID:fOtWKo2+
その時、部室の扉をゆっくりと押し開けながら大柄な男性が入ってきた。
「…こんな所に居やがったか…ったく…」とため息まじりにぼやきながら中央のリングに近づく。
「何やってんだテメェは!!」
怒声とともに斜めに振り下ろされたバス停の縁が吸い込まれるように先輩さんの首筋に当たって…形容し難い破砕音が聞こえた瞬間、時間がゆっくりになった。
あれ…バス停、心なしか結構深くめり込んでるような…衝撃でマットに深く沈み込んだ先輩さんの体が反動で斜め上に吹っ飛びながら回転して、反対側の柱にぶつかって崩れ落ちた。
「さすが荒垣様、相変わらず芸術的なまでに見事なバス停捌きでございます」
「ああ、アンタか。馬鹿なことにつきあわせちまったみてぇですまねぇな…」
「いえいえ、楽しゅうございました」
「あ、荒垣先輩!?」
「荒垣さん!」
「山岸、帰ってたのか。明彦が邪魔したな。天田も元気そうじゃねぇか。…また少しデカくなったか?」
「あ、あの、先輩どうしてここに?」
「ああ、明彦の所属してるジムの会長が、急に居なくなったって血相変えて電話してきてな…このバカ明後日防衛戦だってのにフラフラしやがって」
荒垣って呼ばれた大柄な…身長は天田君よりちょっと大きい位なんだけど、とにかくがっしりしてる感じの人は心底呆れてるみたい。
あ、あのー凄い吹っ飛び方をしたんですけど、大丈夫なんですか?って言うか誰も真田選手の心配してないし…。
「ん?ああ、まぁ問題ねぇ。こいつは頑丈でこんぐらいやらねぇと堪えねぇからな。全く仕込みで明日も早いってのにとんだ災難だぜ」
そう苦笑いすると、荒垣だ、宜しくなって手を差し出してくれた。名乗りながら握り返す…わぁ、おっきい手だなー。ごつごつしてるけど、暖かい手。
「何やってるのかは知らねぇが…ここは何があっても可笑しくねぇ場所だ、特に夜はな。まあ山岸や天田が居りゃあまず問題ないだろうが、気をつけるこった」
「え?」
「ん?…何だ、何も聞いてねぇのか?危ねぇから用心しろってこった」
はい、聞いてません。むー危ないってどういう事?天田君を見たら、困った顔してた。…明日にでも問い詰めよう。
「…まあ、山岸はしっかりしてる様でたまーにやらかすからな。そうでなきゃ詳しく説明出来ない事情があったんだろう、あんまり怒らないでやってくれ」
私の表情見たのか、臨時担任や天田君の様子を見て察したのか、荒垣さんはちょっと優しい声でそう付け加えた。
そんな風に言われちゃうと怒るわけにもいかないし…どうしよう。どういう顔をしたものか悩んでたら荒垣さんに頭を撫でられた。
「子供連れの客にサービスでやってる品なんだがな」ってキャンディ包みされた物をコートのポケットから取り出して渡してくれた。あ、マシュマロだ…。
「今度天田と一緒にウチの店に来な。試作品食わせるのに人手が足りなくてな…」
そう言うと吹っ飛んだ先輩さんの荷物を纏めると、おんぶして帰っていった。
天田君も大人っぽいってよく言われてるけど、っぽいじゃなくて本当の大人って感じの人だったな…。
今夜の調査は両方とも臨時担任の知り合いが原因だったしで、ますます疫病神が諸悪の根源じゃないかって疑惑が深まったりしたけど…。
長々とボクシングに付き合ったせいで時間も遅いし、マシュマロも美味しかったし荒垣さんに免じて今日のところは勘弁してあげますか。
先輩さんの為に試合したりCD調べたり頑張ってたしさすがに疲れたでしょ、お疲れ様って労ったら天田君に怯えられた。
…ちゃんと笑顔だった筈なのにおかしいな、ちょっとショック。
九話了
**元々幾つか暖めてたネタを三身合体して組み立てたプロットで、ここの住人に読んで貰いたくて書きはじめた物なせいで
次回以降ちょっとスレ内ネタが濃くなりそうです。目に余ったらスルーお願いします。毎度長文すいません
575 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 06:06:21 ID:S8OmiS5e
>>568
GJ
バス停まだ持ってんのかよw
576 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 06:35:07 ID:2vJSZTQI
>>568
GJ
>>552からの流れは
>>568の話は
GJなんだけどどうしてもFESが公式設定なんだよな
↓
まあ、二次作は公式設定があるから出来るものだしね
↓
でも、実際公式設定も原作者の妄想だよな
↓
でもさ、他スレとかで公式設定よりオレすげ~って勘違いしてる人いなくない?
↓
いるいる
って流れだから>>568の批判じゃないと思う
オレはいつも楽しみにしてるぜ!
577 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 08:11:48 ID:pPcpQ0J9
>>568
GJ!そっちの件はキニスンナ
これがここ最近の実生活のカンフル剤になってる人もいるってことを
頭の片隅にでも置いておいとくれ。
578 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 10:49:04 ID:npjqXe+T
>>568
GJGJGJ!スルーなんてできねえ!
二次創作が云々…て話は気にしなくていいよ。
目に余る人もいるってだけのことで
ほとんどは公式を大事にしながら楽しんでるんだしさ。
今回もすげー楽しませてもらいました。ありがとう。
579 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 11:15:02 ID:KHA8homB
このスレで収まってる分には問題ない
設定壊して楽しむのも2chの醍醐味だしね
580 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 11:16:20 ID:QVIeYqhJ
コピーバンドやアレンジバンドが「俺達、音楽やってます!本家越えてます」
って言ってもまったく相手にされないのにここの住人と来たら・・・・
581 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 12:59:48 ID:1xfmFnbK
ザベスは相変わらず自由人だなあ…
>>580
問題をすり替えて住人のせいにするなよww
582 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 13:38:23 ID:iuAMEBEE
スレの不穏な空気を敏感に感じ取ったはいいが、どうしていいのか分からずオロオロしてる風花さんは俺が貰っていきますね。
でも風花の髪型って一歩間違えればおモンキーや綾波に成り兼ねない双刃の剣だよな。
素人にはお勧めできない。
583 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 13:48:32 ID:pPcpQ0J9
>>580
作者は一切「本家を越えた」類の発言はしてないんだが?
584 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 14:51:58 ID:3dENPMP9
いい加減にしないと風花さんがオラクルぶちかましますよ
585 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 15:14:59 ID:te+ZXP1I
>>567-574
今回もグッジョブ!
>>580
何が言いたいのか分からないから、もう来るなよ
正直、中途半端なレベルのコピーバンドの本家越え宣言とか、年金並に不審だから
相手にされなくて当然だろ。意味がわからん。
>>582
どさくさにまぎれてなにやってんの!?w
586 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 16:35:19 ID:dQ+TEri9
>>582
残念それは私のお稲荷さんだ。
>>567
GJ!
つか何してんだよ肉彦wあとベスもw
ちゃんと部員に断ってから入れろよなー。
587 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 16:55:40 ID:NtJZdY5T
ttp://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/prowrestling/
588 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 17:01:29 ID:OCjXD3H1
580はスパイスなジョークが効いた褒め言葉だろ…
589 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 19:47:45 ID:bWLa+yP4
最早単なるSSスレになっちまったな…
SSが完結したとたんここも完結するハメになりそうだ
590 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 20:17:19 ID:1xfmFnbK
>>589
んな訳ない
>>587
残念だが、それは美人じゃないほうだw
591 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/07(木) 22:53:30 ID:I4GDB3S+
うはっ!妹争奪戦か!?
592 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 04:02:09 ID:h8wYWleI
軽くうっぷしちゃってどう考えても今夜っつーか今日中に十話上げるのは無理だと思ったんで
リハビリ状態であれですがお詫びに夏っぽく見えなくも無いブツ置いていきますね
風花さんが薄着でうろうろしてくれるいい季節になりますた
夏風邪なんぞひいて萌え損ねない様に、藻前らくれぐれも体調には気を付けておくれねぜ
ttp://imepita.jp/20070608/138130
593 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 04:22:33 ID:l7MGta4Z
>>592
GJ!あー勝手に横から舐めてぷんすかされたい!されたい!
594 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 07:31:42 ID:Uk5SwKa7
…老け風花?
595 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 07:32:47 ID:6OwSxw8Z
そのソフトクリーム、本当に他人が舐めても大丈夫ですかwwww
596 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 09:12:51 ID:CH5qYRZG
中国産ソフトクリームですか?
597 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 11:38:05 ID:juN1UlAX
風花「平気だよ。最初の一口二口は辛いかも知れないけど…すぐに何も感じなくなるから。」
598 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 12:10:50 ID:wIuGK76p
風花「メロン味?んー…、ちょっと違うかな…。
大丈夫!苦しいのは最初だけだから。」
599 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 12:24:08 ID:DpOaYWjq
風花「舐めますか?“YES”か“はい”かで答えてください!」
600 :名無したんはエロカワイイ [sage] :2007/06/08(金) 12:42:06 ID:TFsnzCxX
風花「味わっちゃダメです。喉越しを楽しむんです。」