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第三次レッドラム大戦まで一年

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zecre

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孤独な大学生77

此処は太平洋の真ん中。
ヨナタンとキタテハが急ごしらえのイカダに乗って前方の空を睨みつけている。
スカイクロラ、アリスの連隊があと20分をすれば此処に来る。
「葉っぱは見られ、鳥は死なない。」
海中から蒸気が吹き上がり翼長10メートルの炎の巨大な鳥が姿を現した。
「心配するなヨナタン。俺が片つけてきてやる。」
カンジが言った。
「カンジさん!俺も逝きますよ!ビッチェズ・ブリューが疼いてらあ。」
「駄目だ。あの連隊を相手にするにはまだ早い。
 あのアリスって奴は女のくせにパワー型だ。
 同じパワー型の俺の方が相性が良い。」
「夫婦の?」
カンジは無視して炎の鳥ごと飛び上がった。
「運が有ったらまた会おうぜヨナタン!それまで生きてな!!」
カンジはそう言って去って行った。

此処はイスラエル。
ミナセは砂漠の真ん中、スカイクロラ居住区を囲むバリアーの際で
一人の美しい女性に出会った。
「君は誰?」
バリアーの向こうから女が話しかけてくる。
「俺はビョウドウイン・ミナセ。あんたは?」
「フリーダ。フリーダ・ベルヒトルト。」
「君もレッドラムかい?」
「うん。」
「何故スカイクロラ側に?」
「この辺じゃスカイクロラ側にしか戦闘集団が無いのよ。」
「ふーん。戦闘狂なんだ。」
「恥ずかしいけど・・・そうだよ。」
「今何してたの?」
「サボテン集めてたの。趣味なの。サボテン専門で。」
「俺の名前、水の無い川の瀬って意味なんだ。サボテンっぽくない?」
「サボテン好き?」
「好きだな。一回育ててて枯らした事が有る。」
「ふふっ・・・好きじゃないんじゃない。」
「そうかな。」
「あなた強いね。」
「分かる?君も強いね。」
「あなたに触れてみたい。」
「バリアーが有るから無理だな。何処かに切れ目が無いかな?」
「探してみる?歩きながら話しましょう。」
「ああ。良いね。」
ミナセとフリーダはバリアーに沿って二人で歩いていった。
その内にお互いの素性を洗いざらい吐き出してしまった。
フリーダはミナセが第二次レッドラム大戦で闘ったイザヤと友達らしかった。
ミナセは自分の母親が第一次レッドラム大戦で活躍したサエグサ・プラトである事を
話した。フリーダは驚いていた。
ミナセはバリアーにそっと手を伸ばしてみる。
フリーダの顔をミナセの手が包む格好になる。
バチッと音がして電流が走ったような衝撃を受ける。
ミナセは残念だった。
「あなたの事・・・もっと知りたい。」
フリーダは最後にそう言った。

第三次レッドラム大戦まであと一年。

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