東京都にある某学園――
この校舎のシャワールームで、一人の少年が水で自らを清めていた。
――正確には、人間ではなかったが。
体中、白い肌が艶やかに水を跳ね飛ばしており、細い腕は今はゆっくりと背中を布(タオル)で拭っている。
顔はどちらかと言うと、まだ幼さが残る感じで、それでも茶色の瞳は決意を感じさせる程凛々しく、黒い鼻が特徴的に飛び出ていた。
垂れたような長い耳は胸の辺りまで伸びており、時折、耳についている金色のリングが涼やかに上の照明から放たれる光を跳ね返している。
背中からその地面についている尻尾にかけて、朱色のフサフサとした毛が下に一直線に生え揃っている。
要するに――彼は、亜人だったのだ。
バブズ・スエイン。
魔法に秀でたン・モゥ族である彼は、イヴァリースと言う地では、彼はその王子の護衛を幼い頃から引き受けていた。
はっきり言ってバブズは今回の事をよく分かっていなかった。
そりゃそうだろう。彼自身、訳の分からない内にこんな所(前日が雨だったため、ぬかるんだ校庭の一部にバブズは背中からダイヴした)まで飛ばされてしまった。
今頃泥が洗い流されているであろう服は、ガタガタと音を起てる蓋がついた長方形の箱に入っている(親切にも今はこの城?の中を調べている人間の女に”洗濯機”だと事前に教えてもらっていた)。
一方その中身は――こう、直接洗っていた。
かなり変わっている世界だったから最初戸惑ったが、洗濯機などこう言った物(モーグリ族が作る機械より精巧で、よく出来ていた)がある代わりに魔法の存在があまり馴染んでいないと、先程の女に教えてもらっていた。
そういえば――バブズが水浴びを始める前――
女に、色々教えてもらった時を思い出した時に、気付いた。
水浴びを始めてから、それなりに時間は経っていたし、女が無事かどうか気になりだしている。
自分は自分の身で守れる(多分今の彼を覗こうものなら、次の瞬間には炭になってたりするだろう)。だがあの女は防衛手段を持っているのだろうか?
――プリーシア・ディキアン・ミズホ、と名乗っていた女。
ズガンッズガンッ!
強烈な音と閃光と共に、校庭に立っていた筈のそれは倒れていく。
「あはははっ!」
楽しげに――狂おしく、引き金を引く、影。
白い狼の顔が太陽に照らされ、その表情は狂気染みたところさえある。
稲田瑞穂(女子千五十五番)は、茂みの陰からそっと顔を出していた。
瑞穂は息を整えた。
彼女にとって、最大の使命を果たす時がきたのだから。
――宇宙の戦士として。
”覚悟はいいですか、戦士プリーシア・ディキアン・ミズホ?”
頭の中、光の神アフラ・マズダが聴いた。
その声は、彼女が身に着けた腕のアームターミナル(殺された男から回収した物だ)から届いてくるようだった。
「もちろんです」ミズホは答えた。
”よろしい。怖くはありませんか?”
「いいえ。あなたの導きに従っている私には、恐れるものがありません。それに――」
ミズホは続けた。
「アフラ・マズダ様の使いも、頼もしいばかりです」
ミズホはあのバブズ・スエイン――アフラ・マズダ神の使いの事を告げた。
”よろしい。あなたは聖なる部族ディキアンの生き残り、選ばれた戦士です。――ん? 何か?”
「いえ。ただ、私と同じく戦士だったローレラ・ローザス・カオリは死んでしまいました(クラスメートの南佳織(女子二千八百二番)はあの狼に撃ち殺されていた。まあ、とにかく)」
”何より、彼女の為にも、勝つのです。ミズホ。よいですね”
「――はい」
ミズホは、音を立てないように茂みをかわし、だっ、と狼の方へ走った。
僅か刃渡り十五センチのレーザーナイフに光が噴き上がり、それは長さ一メートルたっぷりの光の剣に変わった。
光の剣は邪悪な怪物を一直線に突き通すだろう。
!!突き通したッ!!
【一日目 私立十聖学園 13時】
【バブズ・スエイン@FFTA】
[状態]:水浴び中
[装備]:すっぽんぽん
[道具]:支給品一式(棚に置いてる)紅蓮のメイス(棚に置いてる) ミラージュローブ(洗濯中)
[思考]:
基本方針:汚れを洗い落としたら稲田瑞穂を探してみる
【プry@BATTLE ROYALE】
[状態]:電波
[装備]:ビームソード@スマデラ セーラー服
[道具]:支給品一式
[思考]:
基本方針:アフラ・マズダに従う
[備考]:バブズをアフラ・マズダの使いだと勘違いしています
【南佳織@BATTLE ROYALE】
[状態]:ズガン
【赤松義生@BATTLE ROYALE】
[状態]:ズガン
【愚弟@パロロワ】
[状態]:ズガン
【ヒデト@女神転生2】 [状態]:ズガン
【ビアンカ@どうぶつの森】
[状態]:死亡確認
[道具]:支給品一式 『道明寺家宝刀ズガン銃』(DHZG)
最終更新:2007年04月20日 22:49