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第31話 スレ違わない?交差点


「どうすれば………いいのでしょうか………………」
少女の口から、重たく深い溜息とともに小さく呟きが漏れる。
今の状況と昨日の記憶とがどこまでも噛み合わない。
少女は何故こうなったのかを考えるため、再度自分の記憶を辿る。

昨日はいつもと同じ一日だったはずだ。
朝起きて教団に行った後、神に祈って修行をして、
日が暮れたら家に帰って遅くならないうちに寝た。
いつもと違うことなど何も無かった。
変わったことといえば

私に向かって蹴りつけてきたジャックさんに
ゴドウィン様直伝の技の数々を見せて差し上げたのですが………
いえ、それが原因とはさすがに思えませんし。

少女はなおも記憶を探るが今の状況の原因となりそうなものは
どうしても見つけられない。
「ゴドウィン様もおられませんし、
 やはりここは……神に祈ってみるのが一番でしょうか……」

ひとまずすることを決めた少女は
普段の心の拠り所としている神に祈るべく持っていたリュックを地に下ろし
目を閉じて、手を組んで、膝を突く。
そして一心に神の姿を思い浮かべて祈り、この悪夢に対してどう立ち向かえばよいか答えを求める。



エルウェンは焦っていた。
いきなり薄暗い部屋で殺しあうよう言われ、
そのまま知らない場所へと移動させられたのだから無理も無い。
だがしかし彼女が焦っているのはそんな理由からではない。

移動させられ、戸惑ったものの道具などを確認した後で、
まずは情報を得るため他の参加者と接触しようと彼女が歩き出した直後
山の山頂付近で爆炎があがり煙を上げる。
何者かが争いあっているのに違いない。
「命を握られたからといって、いいように争わされるなど愚かなっ」
そう言って彼女は山へと向かって駆けだした。

どれほど走ったろうか、それなりに長い距離を走ったはずだが彼女は息一つ切らせていない。
長年に渡って分厚い鎧を着続けてきたおかげか、鎧を着てない今は
かなりの速度で走ることができるし、スタミナについても問題ない。
だが焦っていたせいか、走り続ける彼女は気づかなかった、
いや焦ってなどいなくとも彼女は気づけなかったかもしれない。
木陰に一人、ひっそりと祈り続ける少女を………





少女が、長い睫を震わせ目を開ける。
組んでいた手を開き、立ち上がる。
祈りはそう長くは続かなかった。
集中力が切れたわけではない、
祈ったところで神が答えをくれるのか不安になったわけでもない。
いや、それならばどんなにか良かったろう。
彼女は知ってしまったのだ、神の望みを。

即ち、これは神が与えたもうた試練であると
神はこの悪夢の中で自分の信仰心を試されているのだと
ならば初めに薄暗い部屋で説明をしていたのは神の使いではないだろうか。
少女は己の内で答えを導き出す。
そしてそれこそが神が自分に望むことと信じる。
ならばリュックに収められていたあれらはきっと
この試練を乗り切るために神が私に用意されたもの
「そうですね、神が意味の無いことをなさるとは思えません。
 このような残酷な行いもきっと何かしらの理由があってのこと、
 私はただ神に従うのみ……」

決意を固めるように口の端を持ち上げ微笑みを浮かべる。
神の意思を実現するため、少女は一人歩き出す。
けれども、その微笑はどこか儚げにもみえた。


ああ、この運命の交差点、もし彼女達が出会っていたならば、
未来はまた違ったものへとなったのだろうか。



【F-4/朝】
【エルウェン】[MP残量:100%]
[状態:正常、むしろ鎧が無いので調子が良い]
[装備:無し]
[道具:???←1~3個 本人確認済み、荷物一式]
[行動方針:主催者についての情報収集]
[思考:山頂へ急ぐ]
[現在位置:F-4 北東部山中]

【F-4/朝】
【ミランダ】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:無し]
[道具:時限爆弾@現実、パニックパウダー@RS、荷物一式]
[行動方針:神の御心のままに]
[思考:他の参加者を探す]
[思考:直接的な行動はなるべく控える]
[現在位置:F-4 中部街道沿い]

【残り56人】



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