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第121話 夢は終わらない(ただし悪夢)(後編)



「…………………………………………………………………………………………………………
 …………………………………………………………………………………………………………
 ……………………………………………………………………………………………………え?」

ありえない、理解できない、信じられない。
そんなワードを、目の前の男は口にしている。

「戦ったチェスターの話だと、炎を剣から出して攻撃してくるらしいから気をつけて」

ほとんど何も考えず、感情のままにプリシスは叫んでいた。

「嘘だッッ!!」

派手な音を立て、ソファから立ち上がるプリシス。
その横では、レナが顔面蒼白で言葉を失っている。
尋常ではない二人の様子で、クレスは大体の事情を察した。

「クロードが……クロードが殺し合いに乗るはずないよ……っ!
 あのクロードが、アーチェを殺しただなんて、そんな……!」

しかし、クロードがプリシス達の仲間だったからと言って、発言を訂正するわけにもいかない。
クロードが殺し合いに乗っているというのはチェスターやアーチェの話からもほぼ確定していることであるし、
油断しやすい昔からの仲間にこそ乗ったということは伝えなくてはならないだろう。
嫌な役だが、これは避けては通れない。

「嘘じゃないよ……アーチェはクロードに殺された。その前にもクロードに剣を向けられている」
「それは……それは何かの間違いだよ! アーチェ、ほとんど狂っちゃってたもん。
 だから、きっと、頭がどうにかしちゃってたから、それで……!」

混乱してたから、勘違いしたのだろう。
プリシスは、そういうことを伝えたかった。
しかし、混乱した頭ではそれを上手く言葉にすることができなくて。
クレスには、プリシスがアーチェを頭のおかしい少女扱いしているようなニュアンスに聞こえてしまった。
亡くなった友を貶められたと感じて、いい気分になる者はいない。
『アーチェは間違っていない』――そう分かってほしくて、ほんの少し向きになった。
本当に少しだけだったが、それが結果として不穏な空気を作り出してしまう。

「アーチェは確かに怯えてたけど、確かにクロードに剣を向けられたって話だよ。
 それに、クロードが人を襲う所をチェスターが見てる。アーチェが嘘を吐いてるとは思えないよ」
「……ッ! それでも……チェスターって人の勘違いの可能性だって……」

レナは、口論に近くなってきた二人のやり取りを聞きながら終始俯いてしまっている。
いや、もうほとんど二人の会話は聞いていなかった。
オペラとアシュトンに続いてクロードまでもが殺し合いに乗ったことに愕然とし、割って入る余裕すらなかった。
クロードが万が一殺し合いに乗るとしたら、その理由は何か――自惚れかもしれないが、レナは自分が理由ではないかと思っている。
アシュトンは大好きなプリシスのために殺し合いに乗り、オペラもまた愛する者のために殺し合いに乗っていた。
だとすれば、同様にクロードも自分のために乗ったと考えるのが自然だろう。
自分が原因――そのことが、一層レナの心を沈ませている。

「気持ちは分かるよ、けど……残念だけど、クロードが殺し合いに乗ってるってことは揺るぎない事実だよ。
 クロードの仲間っていうチサトって人も、クロードに襲われたって言ってたんだから」
「う……うう……」

プリシスの反論も無くなり、久方ぶりに沈黙が訪れた。
もう少しプリシスが冷静なら、もっと反論できたかもしれない。
事実、クロードは殺し合いには乗ってなどいないのだから。
だが、最初に結論ありきでしたクロードへの感情的なだけの擁護がクレスの冷静な意見で論破されたことで、心のどこかで負けを認めてしまっていた。
間違っているのは自分で、クロードは殺し合いに乗ってしまったのだと思ってしまった。
アシュトンのように、殺し合いに。



「安心して、クロードはアーチェちゃんを殺してはいないわ」

沈黙を破ったのは、いつの間にやら居間の入口に立っていたマリアだった。
まだ眠そうに半開きの眼を初対面の二人へと向ける。
しかし、呑気に自己紹介をしていられる状況ではない。
どう見ても亀裂まみれのクレス達を何とかせねばならないのだ。

「話は大体聞かせてもらったわ。アーチェちゃんを殺したのはクロードじゃない。
 あれは申し訳ないけど私の勘違いだったわ」

しかし、寝起きで頭が回らないことを差し置いても、マリアのこの判断は短絡的だったと言えよう。
そもそもマリアは、プリシスの怒号にも似た反論で目を覚ました。
居間に辿り着いた頃にはプリシスは俯いてしまっており、口論は終わっていた。
故にマリアはプリシスの声が大きかった序盤の口論しか聞いていない。
だからマリアは、口論の原因を『プリシスはクロードの仲間なのに、クロードをアーチェ殺害犯扱いしたから』だと思い込んだ。
アーチェ殺害犯がクロードではないと説明できれば、ひとまず決着するだろうと。
そうすれば、もう少し穏やかな空気となり、円滑に情報交換も進められるだろうと。

「アーチェを殺したのはクロードじゃない。ボーマンという薬剤師よ」

居間で口論していたことから考えると、二人の少女はクレスの見つけた仲間だろう。
マリアはそう結論付けた。
相手が殺し合いに乗っていないと断言できない者を居間にあげるほど、クレスは無能者ではないのだから。
だとしたら、仲間である彼女達とは友好的にしておきたい。
情報交換は勿論だが、正直ここで彼女達に武器の提供もしてもらわねば後々厳しいことになる。
脇に置いている刀を譲ってもらうためにも、亀裂の類はなくしておかねばならない。
故に、クロードの犯人説を否定することにした。

「え? そ、そうなんですか?」
「ええ、ごめんなさい。あれは私の早とちりだったわ。真犯人はボーマン・ジーン。
 彼が、名前は忘れたけど回復する薬だと偽った丸薬で、アーチェちゃんを爆死させたのよ」

ボーマンのことは、ずっと疑わしいと思っていた。
状況証拠からいくと、恐ろしいほどに黒づくめの男である。
それでも1%でも味方になる可能性があるならと、100%殺し合いに乗っているクロードを身代わりにして決断を先送りにしていた。
だが、ほぼ100%味方になってくれるであろう眼前の二人と1%のボーマンとなら、勿論眼前の二人を取る。
だから、ボーマンを売った。
ボーマンは「自分に知り合いはいない」と言っていたから、彼女達がその名を聞いても大丈夫だろうと思って。
そして一端落ち着いて貰ってから、しっかりとした話し合いと支給品の交換を行うつもりだった。

「う……そ…………」
「そんな……ボーマン先生まで……」

そして、そんな思惑は脆くも崩れ去ってしまう。
二人の愕然とした表情でハッとなり、ようやく頭が覚醒する。
マリアは己の迂闊さを悔いた。
殺し合いに乗っていたボーマンがくれた情報が、正しいとは限らなかったのに。
なのに彼の言っていた情報を鵜呑みにして、亀裂を広げる結果を招いた。
大失態もいいところである。

「……クレス」

失態を悔いても仕方がない。大事なのはこの後どうするかだ。
しかしここで慌てては先程の二の舞だと考え、マリアはクレスに近付くとこっそりクレスに声をかける。
そして二人についての話を聞き始めた。


(……アーチェを殺した手口……破砕弾と秘仙丹……?
 ボーマン先生の特技を知った二人が悪意を持って嘘を吐いているって可能性もあるけど、でも……)

こそこそと情報交換を進めるクレス達の言葉など全く耳には入らない。
破砕弾と秘仙丹の話が出たことから、クレス達がボーマンに出会っていることは確かであると分かる。
だとしたら、それはつまり、ボーマンかクレス達かのどちらか一方は殺し合いに乗っているということだ。
ボーマンがアーチェを殺したのか、悪意を持ったクレス達がボーマンを殺人犯に仕立て上げようとしているのか――
或いは、両方。クレス達はアーチェ殺しの罪をボーマンに擦り付けており、ボーマンはボーマンで殺し合いに乗っている。
最悪の場合、そういうことになってしまう。

要するに、つい数分前まで思い描いていた“皆で迎えるハッピーエンド”は露と消えてしまったということだ。

「行かなきゃ……!」

気が付くとプリシスは走り出していた。
どうすればいいのかは分からない。それでも、クロード達の元へ行かなければいけない気がしたから。
しかしその手をレナに掴まれ、出ていくことは叶わない。

「放してよぉ! 行かなきゃ……行ってクロード達を止めなきゃ!」
「落ち着いて、落ち着いてよプリシス!」

そういうレナとて、決して落ち着いているとは言い難い。
ただ自分よりも焦り混乱しているプリシスを宥めることで、自分が暴走してしまうのを抑えているにすぎないのだ。
レナには自分がどうすべきか、否、どうしたいのかすら分からない。

「レナは……レナは止めたくないの!? 私は止めたいよ! これ以上手を汚さないでほしい……昔のように一緒に居てほしい!」
「私だって……私だってそうよ! でも、何処に居るか分からないし、一人で無茶なことをするのは危険よ!」
「場所ならッ! 場所なら大体分かるよ……氷川村には私達しかいなかったし、この村にだってここに居る5人しか居ない。
 だとしたら北に行けば……北に行けば皆に会える! 止められる可能性がまだあるんだよ!」

氷川村はともかく、ここ平瀬村はさほど探索したわけではない。
だが、長期滞在しているクレス達が自分達以外見つけていないということで、他の参加者は皆北に居ると結論付けた。
あながち大外れではないが、それでも論理的思考の末に出た結論とは言い難い。

「でも……でもレオン達との約束もあるじゃない。それはどうするの!?」
「他の参加者がレオン達の向かった北に居るとしたら、そう簡単に戻ってなんか来れないよ。
 私達の居る南には、殺し合いに乗った人が誰一人居ないんだもん。
 前の放送で21人殺せるくらいの数の殺し合いに乗った人が、北に居るってことだよ!
 レオン達を助けるためにも北上しなきゃ! それに、アルベルも悪い奴じゃないけど、多分殺し合いに乗ってたらクロード達相手でも容赦しないよ!」

プリシスの予想通り、確かに北は大乱戦になりつつある。
それに、アルベルも話が通じなければ本気で殺しにかかるだろう。
ただ一点、プリシスの予想が誤っている所は、クロードが殺し合いには乗っていないということだ。
よほど間が悪い所を見られるかよほど阿呆な返しをするかをしない限り、クロードはアルベル達とすんなり合流できるはずである。
……もっとも、最近のクロードを見る限りそれを行うのはとても難しいことのように思えるが。
とにかく、プリシスは知らない。
クロードを殺し合いに乗っていると思い込んだ自分達が混ざることが、事態を面倒臭くする可能性が高いということを。

「何で……何で止めるの!? レナは、レナはクロードを止めたくないの!?
 クロードを止められるのはレナしかいないんだよ!? なのに、何で……!」

勢いに任せて、プリシスは言ってしまった。
レナはクロードを止めたいに決まっているのに、北上を避けたがるかのようなレナの態度につい言葉にしてしまった。
いや、それだけだはない。
とうの昔に諦めをつけたはずの感情が――クロードの一番は自分ではなくレナであることに対しての嫉妬心が、そうさせたことも否定しがたい事実だった。
自分は何も出来ないのに、レナはクロードを止めることが出来る。
にも関わらず、レナはクロードを止めに行こうとはしない。
そのことが、少なからずプリシスの心に影響を与えている。
熱くなっていると分かりながらも、冷静になれない理由の一つとなっている。

そして、言ってしまったのだ。
レナが一番言われたくなかった言葉を。
今のレナにとっては禁句、いわば地雷だったのに。
その地雷を、プリシスは真正面から踏み抜いた。

「私は……私は…………っ」

止めたい。けど、会うのが怖い。
嫌でもレナは思い出してしまう。説得しても、最後まで誤った信念を貫いてしまったオペラのことを。
最後には手に掛けるしかなくなった、大切な仲間のことも。
クロードもそうなってしまうのではと考えると、会いに行くのが恐ろしかった。
アシュトンのときは、プリシスならば上手く説得できるかもという気持ちの方が強かったからよかった。
しかし、もしクロードが自分のために殺し合いに乗ったのだとしたら、彼を止められるのは自分だけということになる。
行かねばならぬのは自覚していたが、それでも唐突すぎる重い役目に、怖気づかないわけがないのだ。

(私は、どうすればいいの……?)

プリシスを宥めて、冷静に行動すればいいの?
プリシスと一緒に、クロードを止めにいけばいいの?
それともクレス達と一緒に打開策を考えるべきなの?
気付けていないだけで、もっと別のいい選択肢が何かあるの?

誰も答えを教えてはくれない。
ここにはディアスもいなければ、頼れる姉であったオペラ達もいないのだ。
クロードへの想いをどうすればいいのか、自分は何をすればいいのかは、自分自身で決めなくてはならない。
プリシスが一人で飛び出してしまう、その前に。





「…………なるほど…………それであの二人は混乱しているのね」

プリシス達のやりとりとクレスから聞いた簡潔な情報を整理して、起きてから間が空き冴えてきた頭で考える。
チェスターと戦った件なども伝えていたため、アーチェ殺害犯がボーマンだと結論付けても何の効果もなかった。
アーチェ殺害以外にも彼女達が『クロードは殺し合いに乗っている』と確信できる情報が、すでに伝わっていたのだから。
むしろアーチェ殺害犯をボーマンだと訂正したことで傷口を広げるだけの結果となった。
ボーマンもプリシス達の仲間だったのだから。

しかし今は終わったことを考えている場合ではない。
今ある情報から、今後ののことを考えねばならないのだから。
クレスはそこまで聞いてはいないらしいが、会話(というより口論に近いが)から察するに二人は氷川村方面からきているらしい。
そして懐かしの歪みのアルベルがレオンという人と共に別行動を取り、北へと向かっているようだ。
アルベルが無事であることと、殺し合いに乗っていなかったことに安堵したが、今はそんな場合ではない。

「僕らは……どうしたらいいんでしょうか?」

やや離れた場所で喚き散らすプリシスを見ながら、クレスが尋ねる。
プリシス達はもう自分達の仲間だと思ってはいるが、クロードやボーマンの一件のせいで、黙って二人に協力しようということもできない。
彼女達が拒絶する可能性もあるし、クロード達にどう対処するかで揉めることもまず間違いない。
場合によっては、彼女達とは敵対する恐れもあるのだ。

「そうね……もし彼女達がボーマン達の説得に成功したら、貴方は彼らを仲間として受け入れられる?」

アーチェを目の前で惨たらしく殺した男を、仲間として受け入れられるか――
その質問は残酷だが、こうなってしまった以上避けては通れぬ質問だった。
もしも答えがNOならば、プリシス達とはここで別れねばなるまい。
合流するのはボーマンやクロードが放送で呼ばれてからになる。

「正直……アーチェをあんな風に殺した人は憎いです。許したくない、という気持ちだってあります。
 けど――けど、許さなくちゃいけないとしたら、許すことで大事な人を失う人が減るのだとしたら――
 きっと、許すことが僕に課せられた使命なんだと思います」

迷いながらも、しっかりと言葉を紡ぐ。
自分に出来ることは、戦うことで笑顔を守ることだけではなかった。
許すことで、守れる笑顔も存在する。
ならば、許そう。許せないけど、許したいから。


「それに、チェスターはきっと今も仇打ちに燃えていると思います。
 けど、僕にはそれを止めろと言うことができません……あいつの気持ちも痛いほど分かるから……
 僕も、かつては仇を討つこと以外考えられなくなってしまった時期があったし、その結果仇を討ち倒したことを後悔したりもしてませんから……
 だから、僕があいつの分まで、こういう嫌ーな役目は引き受けないといけませんしね。
 手を取り合って仲間と呼べるかは分からないけど……それでも、許します」
「……そう。強いわね。強くなったわ、貴方は。少なくとも最初にあった時よりもね」
「…………強いわけじゃないですよ。ただ、こういう役目を引き受けちゃう役目ない(憎めない)奴なだけですよ」
「………………?」

場を和ませようと思って言った渾身のギャグは外れた!
というか、ダジャレをいったことすら分かってもらえなかった。
無理矢理すぎたことを反省せざるを得ない。

「と、とにかくですね、僕のことなら大丈夫です」

辛くないわけなかったが、それでも我慢できると思った。
それで守れるものがあるのだ。
この辛さは、決して無駄なものではない。

「それで、どうしましょう。僕は二人についていってもいいですが」
「そうね……二人は首輪の解除に近付いているんでしょ? だとしたら、同行はしておきたいわ。
 それに、彼女達は武器を持っている。出来ることなら協力することで譲ってほしいところね。
 おそらく今から神社に向かっても支給品はもうないだろうし、私達が武器を手にできる最後のチャンスよ」

プリシス達についていくメリットは大いにある。
脱出への大きな一歩と、武器入手の可能性。
信頼できる仲間の一人であるアルベルと合流できるのも大きい。

(けど……不安要素もなくはない……)

一番の不安要素は、ボーマンやクロードの説得に失敗し、戦闘へと突入すること。
プリシス達の様子を見るに、戦闘突入後も説得を諦めない可能性が大いにある。
客観的に見て『もう説得は無駄である』という状況になってもなお、『説得できる可能性が残っている』と思い込んだら。
そして、プリシス達が『説得できる可能性が残っている』と思っている内に、自分達が相手を手にかけてしまったら。
そんなことになれば、最悪二度と組んでもらえなくなる。
もし組んでもらえたとしても、チームワークというものとは無縁になり、ルシファー相手に苦戦を強いられることは間違いないだろう。

(あの娘達は、おそらく私達がクロード達を憎んでいると思っている……あながち大間違いではないけれど、それでもこれは……)

そう、プリシス達は自分達を“味方の敵”と認識している可能性があるのだ。
そんな自分達がクロード達を殺すのは、すでにある程度信頼し合っているだろうアルベル達が殺してしまうのとはわけが違う。
最悪の場合、ショックなどで混乱した頭では『恨んでたから説得できそうだったのに殺した』と判断されかねない。
それは不味い。
組むのに支障をきたすだけでなく、クレスの精神衛生上も良くないだろう。
改心すれば相手を許す気でいるとはいえ、反省の色なしで襲ってこられた場合、恨みや怒りを感じないで戦うことなど出来るわけがない。
その結果殺してしまい、恨んでいたから殺したのだろうと責められた場合、クレスはそれを否定しきれず心を折られるかもしれない。

(どうする……? 非戦闘員のミランダのことも考えて、私達はアルベル達との待ち合わせ場所に向かう?
 そうすればクロード達との戦闘を回避しながらプリシス達と仲間になることができるけど……)

だがしかし、それでいいのだろうか。
北に参加者が集中している可能性が高い今、南で待機している間は誰かに会う確率が恐ろしく低いと言ってもいいだろう。
大事な仲間が北で戦っているかもしれないのに、自分達は呑気こいて待機していていいものだろうか。
もし自分の仲間やクレスの仲間が放送で呼ばれたときに、後悔したりはしないだろうか?

(そもそもプリシス達を行かせるのもリスキー……彼女達は脱出の要になる可能性が高いわ。
 何とか説得して北上を止めさせるのも手ね……
 けど、不満を溜めこんだり、仲間の死を放送を聞いて自責の念を感じたりしたら……
 負の感情でいっぱいになって、考察なんてやってられなくなる……その可能性もまた否定できない)

何か選ぼうとすると、何かしら問題点にぶち当たる。
どうすればいい。
どうすれば。

「マリアさ……マリア。そんなに思いつめなくても大丈夫ですよ。
 失敗しそうになったら、僕が全力で支えますから。
 それに、貴方が選んだ道を共に歩いた結果なら、どんな未来になろうとも僕は決して後悔しない」

真っ直ぐな瞳に、呆れ半分恥ずかしさ半分の感情が浮かんでくる。
まったく、この男は。
もっと思慮深くなったり、恥じらいというものをもつべきではないだろうか。
勝手に考え込んで勝手に照れてる自分が何だか馬鹿みたいではないか。

(……でも、確かにウジウジ悩んでいられる時間はないわね。
 どう動いても一長一短で、どれが一番いい選択か客観的には分からない。
 ならば、私は私を信じる。どんな選択をしても支えてくれるというクレスの言葉を信じる。
 そして、根拠がなくとも私が今一番ベストだと思う選択をする――!)

意を決し、クレスへと声をかける。

「決めたわ。いい、クレス。私達は――――――――」







【F-01/早朝】


【クレス・アルベイン】[MP残量:60%]
[状態:右胸に刺し傷・腹部に刺し傷・背中に袈裟懸けの切り傷(いずれも塞がっています)、HPおよそ35%程度に回復]
[装備:ポイズンチェック]
[道具:なし]
[行動方針:皆を救うためにルシファーを倒してゲームを終了させる]
[思考1:仲間を守る(特にマリアを)]
[思考2:今回はマリアの決定に従う]
[思考3:チェスターを説得する]
[思考4:プリシスとレナがどうするのか少し気になる]
[思考5:チェスターが仲間を連れて帰ってきてくれるのを待つ]
[現在位置:平瀬村の民家B(表札に『中島』と書かれている民家)内・居間]
※プリシス達の持つ首輪の情報と鷹野神社の台座の情報を聞きました。

【マリア・トレイター】[MP残量:100%]
[状態:右肩口裂傷・右上腕部打撲・左脇腹打撲・右腿打撲:戦闘にやや難有]
[装備:サイキックガン:エネルギー残量[100/100]@SO2]
[道具:荷物一式]
[行動方針:ルシファーを倒してゲームを終了させる]
[思考1:どうするか決断する]
[思考2:ミランダは信用できない]
[思考3:チェスターが仲間を連れて帰ってきてくれるのを待つが、正直期待はしていない]
[思考4:移動しても問題なさそうな装備もしくは仲間が得られた場合は平瀬村から出て仲間を探しに行くつもり]
[現在位置:平瀬村の民家B内・居間]
※クレスに対し、絶大な信頼をおいています。
※高い確率でブレアは偽者だと考えています
※マリアの考察
自分たちはFD世界から観測できるエターナルスフィアではなく、
 別の平行世界の(ED空間から独立した)エターナルスフィアに存在している。
ルシファーはエターナルスフィアそのものになった(ブレアの言葉から)。
 そのため、万物を実現する力を手に入れた
ルシファーは本来のFD空間におらず、ES内に自分が創造した仮想のFD空間に存在している。
ルシファーはエターナルスフィアと融合したことに気付いていない。
ルシファーの居場所さえ特定すれば、フェイト、マリア、ソフィアの能力は重要ではないと考えています。

【ミランダ】[MP残量:50%]
[状態: 爆 睡 中 ]
[装備:無し]
[道具:時限爆弾@現実、パニックパウダー@RS、荷物一式]
[行動方針:神の御心のままに]
[思考1:……Zzzzz……]
[思考2:参加者を一箇所に集め一網打尽にする]
[思考3:クレスとマリアを利用して参加者を集めたい]
[思考4:直接的な行動はなるべく控える]
[現在位置:平瀬村の民家B内・和室の布団の中]
※ミランダはクレス達を目撃してからしばらく二人をつけていました。
 途中で気付かれたものの、しばらくは移動していたので、ルシオ達の潜伏する民家Aと現在ミランダ達のいる民家Bはそれなりの距離があります。
※クレスとマリアが恋人同士だと半ば思っています。


【レナ・ランフォード】[MP残量:55%]
[状態:仲間達の死に対する悲しみ(ただし、仲間達のためにも立ち止まったりはしないという意思はある)、精神的疲労極大、ショック、混乱]
[装備:護身刀“竜穿”@SO3、魔眼のピアス(左耳)@RS]
[道具:荷物一式]
[行動方針:多くの人と協力しこの島から脱出をする。ルシファーを倒す]
[思考1:どうすればいいのか混乱中]
[思考2:次の、ないしその次の放送までに鷹野神社に戻る?]
[思考3:レオンの掲示した物(結晶体*4、結晶体の起動キー)を探す]
[思考4:自分達の仲間(エルネスト優先)を探す]
[思考5:アシュトンを説得したい]
[思考6:エルネストに会ったらピアス(魔眼のピアス)を渡し、何があったかを話す]
[現在位置:平瀬村の民家B内・居間の出口を少し出たところ]
※クレスからルシファーについて大ざっぱに聞きました。
 今は半信半疑ですが、マリアのように詳しい人間にしっかりとした説明を受ければ信じるものと思われます。


【プリシス・F・ノイマン】[MP残量:100%]
[状態:アシュトンがゲームに乗った事に対するショック(また更に大きく)、クロードがゲームに乗った事に対する(ry、ボーマンが(ry]
[装備:マグナムパンチ@SO2、セブンスレイ〔単発・光+星属性〕〔25〕〔100/100〕@SO2 盗賊てぶくろ@SO2]
[道具:無人君制御用端末@SO2?、ドレメラ工具セット@SO3、解体した首輪の部品(爆薬を消費。結晶体は鷹野神社の台座に嵌まっています)、荷物一式]
[行動方針:惨劇を生まないために、情報を集め首輪を解除。ルシファーを倒す]
[思考1:北に行ってクロードやアシュトンを一刻も早く止めたい]
[思考2:レオンの掲示した物(結晶体*4、結晶体の起動キー)を探す]
[思考3:自分達の仲間(エルネスト優先)を探す]
[思考4:クラースという人物も考古学の知識がありそうなので優先して探してみる]
[現在位置:平瀬村の民家B内・居間の出口を少し出たところ]
※クレスからルシファーについて大ざっぱに聞きました。
 今は半信半疑ですが、マリアのように詳しい人間にしっかりとした説明を受ければ信じるものと思われます。




【カラーバット@現地調達品】
小さい子供向けのプラスッチク制安全バット。
殺傷能力は限りなく0で、耐久性も低いため鍋の蓋よりも防御に向かない。
バットの破損を覚悟すれば魔人剣一発くらいならば撃てるかもしれないが、基本的には気休め程度の存在である。
『武器を探す』という行動方針に乗っ取り、ミランダとの情報交換の後(第104話終了後)に手分けして家探しをした際に発見。
家の子供がカラーバットから普通のバットに乗り換えたためか、押し入れの中から見つかった。
収穫としてボールと一緒に居間まで運んだが、直後に始まった放送でそれどころじゃなくなったため、しばらく居間に放置されていた。
それを見張りに行く直前(108話終了後)に回収し、諸事に至る。



【残り21人+α】




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第121話(前編) マリア 第129話
第121話(前編) ミランダ 第124話
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