※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

第26話 決して怖じ気づいた訳じゃねぇぜ


はぁ……訳が解らねぇー。
何故このジェストーナ様がこんなことに巻き込まれなきゃならねぇんだ。
確か――俺はモリスンの奴に何か魔法を食らったんだよな。
で、気づいたらこの状況。
始めはモリスンの仕業かと思ったさ……だが、奴は何処にも居やがらねぇ。
おまけに、ここにはダオス様まで居るときた。
モリスン如きにダオス様が負けるとは思えねぇ。
そうすると、奴は関係無いのか?

ま、俺がそんなことを考えても仕方がねぇ。
それよりどうやって生き残るかだ。

人質を取って自害を迫る――全員に人質が通じるとは思えない。

参加者を皆殺し――ここにはダオス様が居るんだぜ、俺に勝てる訳ねぇだろ!

ダオス様に何とかしてもらう――あの方のことだ、配下の俺ですら問答無用で殺されかねない。

他の誰かを利用する――自分で言うのもなんだが、俺の姿を見て警戒しない人間なんて居るか?

ここから逃げる――この首輪が有るから無理だろ。

……マジでどーすっか。
気は進まねぇが、デミテルに会ってみるしかねぇか。
あいつの魔法や道具の知識は魅力的だし――
道具!おっ!そうだ!支給品だ!
もしかしたらスゲー武器が入るかもな。
ものによっては俺でも……ククク。

――なんだコレ?
出てきたのは良く解らねぇ人形が一つ。
ふざけてんのか?
これは殺し合いのゲームなんだろ?
それなら剣とか槍とかもっとそれっぽいものを寄越せよ!
何だよ人形って!
くそ、終わった、俺の人生ゲームオーバー……。



『トントン』

ん?何だ片なんか叩いて?慰めてくれてるのか?良い奴だなお前。
……な、なにぃぃぃ!!
「お前動けるのか!」
思わず声に出しちまった。

『コクリ』

すると、首を縦に振った様に見えた――
「も、もしかして、お前強かったりする?」
我ながら馬鹿なことを聞く。

『コクリ』

またもや首を縦に振った様に見えた――
……こいつはもしかしてもしかするのか?
いや、そうに違いない!
殺し合いの道具として、こんな奴を寄越してきたんだ、きっとこいつは強い、強いに決まってる!
こいつが居れば俺も……。

『スタコラサッサ』

……ってアレ?
おい!急にどーしたんだ?どこ行くんだよ!
おいてかないでくれよー!


はぁ、はぁ、はぁ……
くそ、あいつ意外と足早いじゃねぇーか!
まったく、いきなり走り出しやがって何だってんだ。
まさか、あいつ俺から逃げて――
「…ら、あ…たプリ…ス……の……く…じゃ…い」
ん?声が聞こえる。
それも割と近くに。
さてはあいつ……ターゲットを見つけて攻撃しに行ったんだな!
何て使える奴なんだ!
さて、そうと解れば俺も奴の援護をしてやりますか!
「でかしたぞチビ助!」
俺は声の聞こえてきた場所に駆け込んだ。
そこで見たのは少し驚いた様子の女と、女に抱きかかえられた“あいつ”の姿だった……。



「モンスターでは仕方ないですわね」
女は俺を見てそう言った。
ふん、どうやらヤル気の様だな!
少々予想外の展開だが、まぁいいだろう!
見たところ相手は魔法使いだ。
なら、魔法を使わせなければいいだけのこと!
護衛の居ない魔法使いに負ける俺様じゃ――
「我招く……」
ん?
「無音の衝裂に……」
あれ……
「慈悲は無く汝に普く厄を……」
やべぇ、この女……
「逃れる術もな…」
この間僅か2秒だ!
「ストップ!ストーップ!待ってくれ、俺はこのゲームになんか乗ってねーんだよ!」
「……はぁ?」
我ながら苦しい言い訳だと思うが、どうやら詠唱を中断してくれた様だ。


「……ふーん、一人では心細いからこの無人くんを使って人を探していた訳ね」
「そ、そうなんだよ。いやー、姉ちゃんがゲームに乗ってなくて良かったぜ!」
「あらそう、それは良かったですわね」
俺の言葉にこの女も納得してくれた様だが、女の視線に冷たい物を感じるのは気のせいだろうか?
あの後、俺はこの女(セリーヌと言う名前らしい)に俺のことを説明をした。
「俺は善良な魔物」
無論そんな巧みな嘘を交えてな。
何故かって?あんな早口な詠唱は聞いたことねぇぜ、この女は強いに決まってる。
強い奴を味方に付ければ俺の生存率も鰻登りよ!
け、決して怖じ気づいた訳じゃねぇぜ。

「それでジェストーナ、あなたはこれからどうしますの?」
女が聞いてくる。
どうすると言われてもな……
「そ、そうだな、取り敢えずこの山を頂上まで登る。ここは島の中心にして最も高い場所なんだ、
もしかしたら何か有るかもしれないだろ?」
「あら、意外と考えてますのね」
「そうだろ、どうだ、お前も一緒に――」
一緒に行かないか?そう言おうとしたときだ、
頂上付近に光り輝く何かが現れ……

ズドーン…

少し遅れて何か凄い音が聞こえてきた。
「……」
「……」
「えーと……」
「わ、わたくしは下山することにしますわ。ではまた、生きていたらお会いしましょう」
女は去っていく、俺の支給品もそれに続く……。
「ちょ待て……いや、待ってください!俺も一緒に行きますよ!」

こうして俺はセリーヌを味方に付けた。
さあ、俺の戦いはこれからだぁ!



【F-6/朝】
【ジェストーナ】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:無し]
[道具:無人くん@SO2、荷物一式]
[行動方針:生き残る]
[思考1:セリーヌに付いていく]
[思考2:セリーヌを利用してゲームを円滑に進めたい]
[思考3:可能ならデミテルと接触する]
[現在位置:F-6 山道]

【セリーヌ・ジュレス】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:スターネックレス@SO2]
[道具:???←0~2個 本人確認済み、荷物一式]
[行動方針:仲間を探す]
[思考1:ジェストーナは信用しない]
[思考2:今は山の頂上には近寄らない]
[現在位置:F-6 山道]

【残り56人】




前へ キャラ追跡表 次へ
ジェストーナ 第58話
セリーヌ 第58話
|