あの人は急に私を誘った。

『ちょっと。ウィノナさん。Blind alleyで話をしない?』
別に断っても良かったのだが、ミステリアスなアイリーンについて気になることもあったし、誘いに乗ってホイホイ付いていくことにしたのだ。

アイリーンはペペロンチーノを食べながら、私に話しかけた。無邪気なその行動に反して深刻な質問を彼女は投げかけた。いやこれも無邪気な質問ではあったのかも知れない。

『アームヘッドのあなたが、人間に与しているのはなんで?』
お前もそうだろうが、という言葉を飲み込む。少し思案をしていると続けて投げかけてきた。

『やっぱり、あの子のせい?』
『そうじゃない、人とアームヘッドとのわだかまりを…』
アイリーンはニヤニヤしながら聞いている。

『ふーん、それで、あなたって最終反乱に参加していたんでしょう?どうだった?』
『どう?っていうと?』
何が聞きたいんだ、こいつ?

『全領域支配皇のこと』
『え・・・?』
そういえば、アイリーンと彼女は似ている…。今気づいた。
『エクジクトさま…?』
かつての主の名をつぶやく。

『エクジクト・ナウ・・・、エクジコウは現存する…ね…』
アイリーンの表情が少し曇る。
『どうかしたの?』
『あいつはもういないよ…』
『え?』
『エクジコウはもういなくなったんだ…。もう必要ない』

アイリーンはそれっきり話を逸らし続けた。でも何かアイリーンのことが少しだけ分かった…様な気がする。