清々しく、新鮮な気持ちでその日を迎えた。
ああ、あの子の久しぶりの完全な休日。

本当に、新鮮で、初々しい朝を迎えようとしていた。そんな七年目。

早朝、自分の鏡台でアクセサリーに悩む私は今日もかわいかった。
流体金属型アームヘッドを並べて悩む。ふたつは指輪。あと三つ。
ホットドッグを食べに行くだけ、でもかわいい私は常に全力でないと、なんて思った。

けれどすぐに考えるのが面倒になって、イヤリングと舌のピアスにした。

それからベッドのほうを見て、一糸まとわぬ姿で寝るメリーをべしべしとたたき起こそうかと思った。
思ったけれど、やめた。なんだか、それはいけない気がして。
けれど穏やかに起こして起きる子でもないので、鼻をつまんで口をふさいだ。鼻をつまんでキスをした。
するとうーんという声を出すものだから、起きたかな、と目を開こうとすると、この子は首に腕を回して舌をにゅるりと入れてきた。

「お姉さまったら」とろけるような目でこちらを見ていた。私は目を逸らした。
「なによ」
「支度しますね!」
「ええ」
「お姉さまかわいい。お姉さまはカリカリしたものが好きだから、今日はたくあんドッグを食べたいんでしょ」
「ええ、そうね」
「お姉さまのことは全部わかります」

多分私は切ない顔をした。
全部、そう、全部。全部わかってくれていたのなら。分かってくれていたのなら。だけど――。
「ええ、そうね。もう行けるの」
「あ、支度しますね。待っててください」

彼女はそういって、顔を洗いにぱたぱたと跳ねるように洗面所に行った。
不自然なほどに新鮮な七年目だった。

「ねえ、やっぱりごめん。買ってきてもらえないかしら。家で食べたい」

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最終更新:2016年10月15日 12:26