ふたりでベッドからモニターを見ていた。
画面の中でつまらない男のコメディアンが、私の恋人にべたべたとくっついているように見えた。
八年目にしてやきもちなんて、と思っていたのに、またやきもちをやいてしまった。
「これ、すごく嫌だったんですよ!あ、お姉さま、やきもちですか」
「そういう顔をしているかしら」
「ふふふーん」
メリーはパジャマ姿の私に頭を預けて擦り付けてきた。その頭に自分も頭を重ねた。
「お姉さま、好き」
「やきもち、やいてしまうわ」
「お姉さまがやきもちをやいてくれるのなんて初めて。貰ってきたグラビアとか、嫌がるかなって思ったんですけど」
「それは」
それはもうした。といいそうになるのを飲み込んだ。
キスしたくなって、我慢した。
そんな八年目。
最終更新:2016年10月15日 16:15