これまでのあらすじ
「パンプアップ」のカードを何枚もスキャンしたドラウプニルのボディが、物理エネルギーの許容量を超え崩壊…
その肉体を媒介に、恐るべき麺状の敵性生命体が出現した。


ストーリー:リターン・デイズ外伝
エピソードゼロ「ロスト・ラビット⑨」


ドラウプニルの身体を媒体に出現した"麺のような何か"は、ツヴァイヘンダーツヴァイに向かってゆっくりと直進を始める…
「構うな!そのまま撃ち続けるんだ!」
怪物は集中砲火を受けるが、その弾丸は全てドロドロの肉塊へと変化し落下!!


「攻撃が効かない…!?」
攻撃を意に介さない敵性生命体は奇怪な叫び声と共に触手を振り回し、ツヴァイに接触しようとする!
『 a?‡a?a??a '!』


ーーーーー


「おい…おい!返事をしろ!壊れたのか!?」
何度も呼びかけ続けた結果、遂に回路からの返答が届く!
(ぜぜぜぜ…調和を使うのだぜ、加速の力で光の速さを超え…奴をこの"土俵"から押し出すのだぜ)



「…本当に、本当にそんな事が可能なのか?」
(ぜ、可能だぜ…そうすれば奴はこの時代から消え、皆も奴の事を"変なモンスター"程度にしか思い出せなくなる筈だぜ、だがその代償は……)


ーーーーー


突如コクピットから飛び出したレーラビは、単独でRRRRを顕現させツヴァイの目の前に着地!
『ゼエッ…』「レーラビくん!?どうして…」
RRRRは右腕のアームホーン刀を左手で支え、前に突き出した姿勢を取る!


(…"セイル・ライラビット"!!)
加速の調和能力を発動!自身の時間が加速され、全身が赤い輝きを帯び…!
(アルカを…いや人間たちを奴に近付ける訳にはいかない)
光そのものに変わった巨人が、怪物に突き刺さる!!


……強烈な光が収まった直後…アイリーンの機体"アスモデウス"が現地に到着した。ほんの十数秒の差だった。
「…これは」「レーラビくん…レーラビくん!!」
周囲を探知するが、怪物とRRRRは跡形もなく消えており何処にも見当たらない…


ーーーーー


…その数日後、事態を収束させたレインディアーズは撤収。
レイル・レーラビは謎の敵性生命体との戦闘で殉職した扱いとなり、彼の捜索は打ち切られた。


「アルカ君…少し休んだ方がいい」
そして、一人取り残されたアルカは精神を病み、それを見かねた司令に長期間の休暇を言い渡されたのだった。
「マキータ隊長…」


ふらつきながらも指令室から寮へと向かう最中、アイリーンに呼び止められる。
「あ…アイリーンさん、何でしょうか…?」
「…彼の、レイル・レーラビの居場所が分かったわ」
「…本当ですか!?」


「ええ…この事を話すべきなのか、悩んだのだけれど」
そう言い起動された端末に表示されたものは『"不良めいた風貌の黒いカスタム弥生"が虚空に向かってパンチを繰り出し続ける』という一見意味不明な映像だった。
「これは…?」


やがて、連続して繰り出される拳は眩い光を放ち…
「これが…RRRRの調和能力と同じ、"極度の加速"によって発生する現象…タイムスリップよ」
光が収まった十数秒後、遠くの岩が謎の力を受け、粉々に砕け散る!
「タイム…スリップ……??」


「…で、光の波長から計算した結果…彼はタイムスリップし、遠い未来へと転送されたと推測されるわ」


…次回「ロスト・ラビット⑩」に続く。


  • アスモデウス:LDA-013XX
レインディアーズ所属アームヘッド。EXC-000デウス・エクス・マキナの意匠を持つ機体。大型バーニアで重量機の浮遊飛行を実現。



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最終更新:2018年09月16日 01:13
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