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お別れ - (2021/09/07 (火) 23:53:25) のソース
*お別れ ◆4CEimo5sKs 長門有希という名前らしい強化義体が単身でどこかへ (状況はいまだよく飲み込めていないが、察するにこのゲームに乗った者が襲撃してきたので撃退するためだろう) 向かっていった後。 トグサは彼女から、ここに残った少年少女たち(と一匹のよくわからない豚)の保護と この涼宮ハルヒという、見たところ長門と同じ学校の生徒らしい娘の手当てを頼まれたものの この場には彼女の治療に役立ちそうなものは何一つないために途方に暮れていた。 (何かないのかよ、何かっ) 今ここにある分のデイパックの中身は既に確認した。 最初からそれほど期待していたわけではないが、出てきたのは武器にカメラにハーモニカに…… とてもこの場で活用できそうなものじゃない。 一応、応急処置ということで何があったかは知らないが彼女の左上腕部に痛々しく突き刺さった矢を慎重に抜き取り、 近くの川の水で消毒させて、包帯代わりに自分の服の袖を破って巻きつけている。 治療を急がなければ化膿の恐れも出てくるが、ひとまずそっちに関してはこれでいい。 問題はそれからだ。厄介なことに、この少女は意識がないのだ。 もう片方の袖を破って彼女の頭に巻きつけることで大量の出血を抑え、 呼吸があることを確認して気道を確保するために右半身を下にして寝かせる昏睡体位をとらせてはいる。 だがそれまでだ。ここから先は何一つすることがない。 地図を見たところ近くに病院があるが、そこに連れて行くにしても今彼女をみだりに動かすのは危険だ。 まさかおぶっていくわけにもいくまい。それこそ死を近づけるだけだ。 「くそっ、役立たずが……!」 思わず毒づく。 長門やこの目の前で意識を失っている娘相手にではない。 頭を打って軽く気絶しているので日陰に寝かせておいた金髪の少年や、 さっきまでハルヒの耳元で必死に「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と声をかけていたメイド服の少女にでもない。 ましてやものすごく吐きそうな顔をしている豚にでもない、他ならぬ自分に対してだ。 俺は俺の考えうる限りのベストを尽くす?どの口がそれをほざく。 これが、この状態がベストだとでもいうのか。 セラスを死なせ、バトーを死なせ、そして今ここにまた一人の少女を死なせようとしている。 これのどこがベストなものか。そんなものが認められてたまるか。 自分に比べれば、あの長門の方がよほど自分の為すべきことを為すために動いている。 だというのに、自分は一体何をやっているんだ。 「…………」 いや、違う。違うぜトグサ…… 今お前がやっていることは、違う。 考えろ。 公安九課としてもっとも愚かなこととは、このようにウダウダ言うばかりで実際には何もせずにいることだろうが。 それはただ絶望を手をこまねいて待っているだけにすぎない。 自分はそんな人々を救うために存在しているはずだろう? 考えるんだ。 この状態は決してベストなんかじゃない。ベターですらない。現状は何も変わっていないのだから。 それならば自分がやるべきことは、必ず存在する。それを見つけ出す。 セラスを死なせた。バトーを死なせた。ならばもう二度と、自分の目の前にある命は取りこぼさない。 それが公安九課の使命なんだ。 そう考え、あらためて彼は周りを見回す。 そこの木の下で今にも死にそうな顔をしている豚に(見たところただの食あたりで本当に死ぬことはないだろう)、 治療の邪魔になるので遠くに追いやったがいまだハルヒのことを気にかけているのか豚の側でチロチロとこちらを盗み見ている少女。 彼らはこの重傷の娘とは違って比較的無事なようだ。 相変わらず気絶している少年。これも大丈夫だ。放っておいても直に目を覚ますだろう。 横転している小型のトラック。車輪が破壊されている。修理には時間がかかりそうだ。 修理。 ……修理? 「…………ッ!」 慌てて自分のデイパックの中身を探す。 畜生、なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ。 たしかあるはずだ、この状況にうってつけの道具が。 どんなものでもそれが機械であるならば短時間で直してみせる、にわかには信じられない魔法のような道具が。 ……『技術手袋』が! 「あった!」 思わず歓声をあげる。 突然出された大声に少女の体がびくっと震えて、サササッと木の後ろに身を隠されたがそんなことはどうでもいい。 さすがにあんなレジのようにすぐにはいかないだろうが、これであのトラックを直せば涼宮ハルヒを乗せて病院まで運ぶことができるじゃないか。 自分のするべきことが見つかり、トグサはそれを両手に装着すると全力でトラックまで走った。 「?」 が……そこで彼は、あることに気づく。 「これは……この娘は……」 まるで人形と見紛うかのごとく端整な顔立ちをした黒い服を着た少女が、 トラックの側の地面に胸のところで両手の指を絡み合わせ、眠っている。 いや、違う。死んでいるんだ。息をしていないしその顔には血色もない。 屈みこんで頬の、その雪のように白い肌に触れると、まるでそれと錯覚してしまうかのごとく冷たい。 やはり体温の熱はとうの昔に抜け切っている。 さっきのトラックが倒れたことによるトラブルが原因でというわけではなさそうだ。 目立った外傷はないため詳しい死因は不明だが、それでも死んでいる。 とても綺麗な顔で、死んでいる。 「……やっぱ、気絶とかじゃなかったか」 長門がこの物言わぬ少女をトラックから丁寧に引っ張り出しているのを先ほど目撃していた。 何故こんな子供たちが遺体と共にトラックで走っていたのか。その理由は当然トグサは知らない。 ……だが、なんとなくわかる気はする。 きっとそれは、彼らが子供であるが故のことだ。 この子らは、『仲間の一人が死んでその亡骸をその場に放置するような』心根に育つにはまだ早すぎたのだろう。 ある程度大人なら、そんなこと意に介さずにただ生き残ることを第一に考え、 既に死んでしまった人間など偉大なる犠牲の名の下に放っていくだろうに。 ……自分ならどうする? 散々他の連中に青臭い青臭いと言われ、それは嫌というほど自覚しているが、それでもそんな心を捨て去るのに抵抗のある自分なら。 「!」 少女の遺体から目を離すと、 先ほどまで気絶していた少年が右手で頭を押さえながらむくりと起き上がるのがわかった。 ようやく目覚めてくれたらしい。 トグサはゆっくりと、今いるトラックの側から彼のいる位置に向かって歩き出した。 自分ならどうするか?決まっている。 「なあ、君」 「……え……あ………え?」 金髪の少年……ハーフかクォーターだろうか……はまだ目覚めたばかりで意識がぼやけているようだ。 何が起きたのか理解していない様子でぼーっとしている。 彼の側にしゃがみこむと、警察手帳を取り出しつつ彼の意識がしっかりするまで待ち続けた。 見たところ、あそこで縮こまっている少々人見知りの激しい少女やわけのわからない豚と比べれば、彼が一番落ち着いて話ができそうだ。 「…………あ……誰、ですか……?」 「俺はトグサ。警察だ。 突然現れて信用するほうが難しいとは思うが、俺は決して殺し合いには乗っていない」 そう、警察手帳を見せながら彼の目をじっと見つめる。 信用するほうが難しいとは言ったが、信用してもらわなければ困るのだ。 果たして少年相手にこの警察手帳の効力がどれほどのものになるかということはわからなかったが、とにかく彼の心に賭けるしか方法はない。 少年は状況把握に戸惑いつつ、 「石田……ヤマトです」 そう名乗ってきた。 それを了承の意と勝手に解釈すると、 トグサは右手の親指を立ててそのまま自分の後方にある横転したトラックを指差した。 「簡単に説明するが、君たちはあのトラックが横転したせいで今この場に留まっている」 「え、横転……?」 「大丈夫、だいたいみんな無事だ……約一名を除けば、の話だけどな」 襲撃者が現れて、長門がそれの迎撃に向かったことは伏せておく。今は余計な情報は与えないほうがいい。 もしもそのことを教えてしまえば、彼が長門を助けにいく可能性が出てくる。 強化義体である彼女ならともかく、見たところただの少年であるらしい彼が行ったところで無駄死にするだけだろう。 少年……ヤマトは首をゆっくりと曲げて右手の木の下にいる一人と一匹を見ると幾分か安心したようで、 それから体を左に傾けて、トグサの親指が指し示す先、自分達の乗っていた軍用トラックの惨状を覗いた。 右側面が下になり、少々ひしゃげて煙をあげているそれを見て驚いたようだが予想していたよりは大した混乱もなく、 彼はぼんやりとしていた頭をようやく切り換えたらしくしっかりとこちらの目を見据えてきた。 「それで、俺はどうしたらいいんですか?」 よくできた子供だ。 そう、トグサはヤマトを見て思う。 彼はちゃんと自分の役割というものがわかっていて、その上でそのように立ち回ろうとしている。 うちの娘も将来はこんな風に育ってほしいもんだ、などと場違いなことも一瞬だけ思った。 「トラックが横転したことにより、君たちの仲間の内の一人、涼宮ハルヒという少女が頭を打って 現在意識不明の状態に陥っている。放っておくと危険だ」 「涼宮ハルヒって……あの人が?」 もっとショックを受けるかと思ったがそうでもない。 これは彼がよほどしっかりした人間だからなのか、 それとも涼宮ハルヒとさして親しくなかったからなのかはトグサには判断つかなかった。 だが、混乱して恐慌状態に陥るよりは話が通じる分よっぽどマシだ。 「そうだ。できることなら今すぐにでもそこの病院に連れていきたいところだが、 今彼女の体を動かすことは非常に危険で、そんなことはあのトラックにでも乗せなきゃ無理な話なんだ」 「でも、そのトラックは……」 「俺が直す」 間髪を入れずに、トグサはそれに答えた。 少しでも彼に安心感を与えるためにできるだけ早く、そして力強く。 「…………」 そんな人知れない努力が実ったのかどうかは知らないが、このヤマトという少年はしばしの逡巡の末にこくりと頷いてきた。 「そこで君の出番なんだが」 「はい、何でも言ってください」 「君たちが一緒に連れてきていたあの女の子の、遺体」 そのことに触れたとたん、明らかにヤマトの表情が変わったことにトグサは気づいた。 そこらへんの大人なんかよりもよほどしっかりしていそうな彼とはいえやはり子供。 これを頼むのはあまりに酷といったものなのだろうか。 だが、それでも言わないわけにはいかない。 「埋めてやってくれないか」 死人は死人だ。それ以上でもそれ以下でもない。彼女はただの、死人だ。 これはやっぱり大人の判断なんだろうとは思う。 死んだにも関わらずずっと一緒に連れてきていたあの女の子を 彼自身の手で埋めてくれと告げることは考えてみれば……いや考えるまでもなく、非常に残酷だ。 だが、それでも。それでもだ。 彼女が『死んだ』というしっかりとした認識がなければ、今度は彼ら自身の身が危うくなる危険だって出てくる。 『死』という概念を、この殺し合いという場の危険性をしっかりと覚えさせなければならない。 もちろんそれは、この少年に限らず他の子供たちにも必要であることはわかっている。 それはあとでゆっくりと教えてやるつもりだ。だが今は時間がない。 彼らに話しかけようとしたところで今はまだまともに取り合ってくれそうもないし。だからせめて、とりあえずはこの少年だけでも。 それになにより一番の理由として、 彼女の身体が乗せられていたと思われる後部座席のスペースにはこれから涼宮ハルヒが横たわらなければならない。 非情と言われようが、既に死んだ人のために今生きている人が犠牲になっていい理由なんてこの世にあるはずがない。あっていいはずがない。 「……いずれは埋めようと、思ってました」 「!」 その返事に軽く驚きを覚えつつ、彼の顔を見る。だがヤマトは俯いていたため、その表情まではトグサにはわからなかった。 ただその声はどこか悲痛な想いが込められていて、多少震えている。それだけは感じ取れた。 「あの娘は……俺のせいで、死んでしまったんです…… 俺が、殺したんです。あのトラックで、轢き殺した」 「……!」 掠れた声で、彼は搾り出すように言葉を発している。 それは本当に小さな声だ。いつもなら耳に入らないであろうほどに小さな声。 だが、決して聞き逃してはならない声。 トグサは自分の考えが甘かったことを知った。 彼らは……少なくともこのヤマトは、その幼い年齢には耐えられないほどのあまりに重い経験をしてきたのだ。 他の誰よりも、彼女が死んだということを理解していた。 「だから、せめて……どこかいいところで埋葬してあげたくて。 それでずっと一緒にトラックに乗せていたんです。 でも……ここはまだ違う。まだ、相応しくないと……思うんです」 それははっきりとした拒絶の意思。先よりはヤマトのその声も大きくなったように思える。 この子達があの女の子の遺体とずっと共にあったのは他の子の考えよりもむしろ彼個人の理由が大きいからである、とトグサは判断した。 「だから俺は、まだあの娘を埋葬したく……」 「いいところってのは、どんなだ?」 突然の質問に、ヤマトの言葉が途切れた。俯くのをやめてこちらの顔を見上げてくる。 トグサはさっきまで下を向き続ける彼を見て泣いているのかと思っていたが、 その目は赤く潤んではいるものの、涙を零している様子はなかった。 「あの娘を埋葬するのにいいところ。それは一体全体どんなところなんだ?」 そう問いかける。 別段責めているわけではない、ただ単に疑問に思ったから聞いてみた。そんな口調で。 ヤマトはこちらを見つめたまましばし黙っていたが、やがてその目を逸らすとしどろもどろながらに答えてきた。 「それは……その、見晴らしのいい丘とか。あと近くに花が咲いてるところ、とか……」 そうやって出された返答は、自分が最初に彼から受けた印象とは違ってずいぶんとステレオタイプなものだ。 まあその分、年相応に子供らしいといえるか。 ヤマトの肩に軽く右手を置いた。 いきなりのその行動に少々戸惑いを覚えたらしく、目の前のこの少年は自分の肩に置かれた手と顔を交互に見ている。 「いいか、ヤマト」 「は、はい」 そういえば、この少年を名前で呼ぶのは初めてだ。 そんなことを思考の片隅で思いつつ続ける。 「墓を作るのに本当に相応しい場所なんて、ないんじゃないか? どんな見晴らしのいい丘だろうが、どんな綺麗なお花畑だろうが、結局冷たい土の中ってことには変わりない。 まあそれでも野晒しにするよりはよっぽどいいとは思うがね」 「で、でも……でもそれじゃあ、どうしろっていうんですか? あの娘は俺が殺してしまったのに。 あの娘のために俺がしてやれることなんて、これくらいしかないんですよ!?」 肩に置かれた手を振り払って、強く拒絶してくる。 「トグサさん……でしたっけ。あなたが何と言おうとも、俺は絶対に……」 「違うだろ」 急にトグサの声の調子が変わったことに驚いたのか、勢いだっていたヤマトの言葉が止まった。 「な、何が違うんですか……」 「ヤマト。君はあの娘のために、ではなく心のどこかでそのいい墓とやらを作ってやることで自分の罪が許されるんじゃないかと思ってるだろう」 「…………!」 ヤマトの表情が強張る。どうやら図星だったようだ。 いや図星というよりは、自分でも気づいていなかったことを指摘されたというほうが近いか。 たしかに彼は彼女のためにしてやれることを探していたのだろう。 だがそれと同時に、彼女を殺したという自分の罪が償われる方法を探していた、ということだ。 「どんな理由があろうともその人の人生を奪ってしまった罪と相当する償いなんてものは存在しないんだ。 だからそれをやってしまった人はずっとその罪を背負って生きていかなければならない。とても辛いことだけどな」 「トグサ、さん……でも、俺……」 「背負っていけよ、ヤマト。そしてその人の分まで精一杯生きていくんだ。絶対に、自分の犯したことを忘れるな。 そうするしか、ないんだ」 「…………」 甘っちょろい戯言だ。正直、自分でもそう思う。 これもまた、ある意味で自分のしたことに対する罪の重さを軽くさせるための弁解にすぎない。 だが自分は彼に対してこう言ってやるくらいしかできない。 あとは全て、彼自身の問題だ。 「スコップ、ありますか?」 不意に彼はそう聞いてきた。 そういえば、穴を掘るとは言ってもそれをするだけの道具がなかった。 「ちょっと待ってろ」 トグサは立ち上がって相変わらず酷い有様のトラックに駆け寄ると、剥がれかけたドアを外して技術手袋を使用した。 数分後、それは原型からは考えられないような新品同様のスコップとして生まれ変わる。 いつの間にか近づいてきていたヤマトにそれを手渡すと、 「トグサさん」 その時に、もう一度だけヤマトはこちらに向かって口を聞いてきた。 「なんだ?」 「ありがとうございます」 それだけ言うと、川の近くのある程度土が柔らかいところまで走っていった。 (礼なんて言われる筋合いはないんだけどな……) 彼の後ろ姿を見ながらそう思うと、トグサはぽつんと木のところで存在を忘れ去られて所在をなくしているかのように座り込んでいる少女に声をかけた。 「おい、君!」 案の定、びくっとされてまたその身を隠されてしまった。 だが姿は見えずとも、声は聞こえるだろう。トグサは大声で続ける。 「俺は今からやることがある。その間、君はそこの涼宮ハルヒっておねえちゃんを見ててくれ!」 聞こえたはずだ。 ジー…っと彼女が隠れた木を見つめていると、ぴょこっと可愛らしい獣の耳(付け耳だろうか)を覗かせて、 少女はチラチラとこっちを見つつ、やけに素早い動きでハルヒの下へと駆け寄っていった。 さあ、あとはこっちが頑張る番だ。 このトラックを修理するに気合いを入れると、トグサは技術手袋の使用を開始した。 ◇ ◇ ◇ 妙な浮遊感があった。 歩いても歩いても、まるでそこから一歩も進んでいないんじゃないかと錯覚をしてしまいそうな。 いや、錯覚などではなく実際にそうなのかもしれない。 さっきからずっと前に進んでいるつもりだが、周りの光景は暗闇のまま、一切変化しないのだから。 (ここ、どこかしら。なんだかやけに暗いわね…… っていうか、なんであたしこんなとこにいるわけ? なにかとても大変なことがあったような気がするんだけど、ど~も思い出せないわ) 少女……涼宮ハルヒは当てもない探索をやめて立ち止まり、思考をし始める。 不思議なことに、歩き詰めによる疲労感とかそういうものはまったくなかった。 なんでここにいるのかと自問すれば、 使い古されたありきたりな表現を使うのは腹立たしいが、気づいたら既にここにいたとしか言いようがない。 たしか自分はアルちゃんや有希たちと一緒に、ルパンのとこに行こうとしてたんじゃなかったっけ? でもなんでそうしようと思ってたんだろ。ルパンが何かしたっけ?う~ん…… やはりどうしても思い出せない。ところどころの記憶はあるが、細かいところが抜けているのだ。 見渡せど特に何があるわけでもないこの場所。わかるのはただここが暗いということだけ。 でもこの暗さは漆黒の闇とか、永遠の虚無世界とか、そんな本でよく見るようなフレーズが似合う大層なものじゃなくて、 どちらかというととんでもなくだだっ広いホールでただ照明が消されただけというか、そんな中途半端な感じがする。 「?」 と、そこでハルヒは何か妙な音が聞こえることに気づいた。 なんだろう、この音。どこかで聞いた覚えがあるようなないような。 犬の『ハッ、ハッ、ハッ、ハッ』という息遣いに似ているがちょっと違う気もするし…… 「そこのお嬢さん」 「うひゃあ!?」 聞こえてくる音に対して精神を集中させようとしていたところに 突然真後ろから、それも耳元から野太いオヤジの声がしたのにはさすがのハルヒといえども驚かずにはいられなかった。 瞬時にその場から三メートルほど(といってもこんなところでは正確な距離はわからなかったが)離れると、 そこでようやく振り向いて先ほどの声の主の姿を確認する。 「……うあ゛」 ハルヒの第一声はそれだった。 見れば天使のコスプレをしたメガネをかけた小太り中年オヤジが、 パタパタパタパタとその体格に不釣合いなほど小さな白い羽根を酷使といっていいほどばたつかせながら宙に浮いていたのだ。 いや、本当に浮いているんだったらこれはコスプレなどではなく本物の天使といっていいのかもしれない。 いいのかもしれないが、なんとなくそれはハルヒには認めがたいことだった。ええもう、断じて。 そいつはなんだかハアハア言って小汚い汗を全身にかいている。先ほど聞こえていた音の正体はこれだったのか、と思った。 ……同時に知らなければよかったと思った。 「な、なによあんた。変態オヤジ? 悪いんだけど援助交際みたいな真似をしたいんだったら他あたってくれる?」 とりあえず相手に主導権を持たせないように強気な姿勢であたるハルヒ。 そいつは見た目からは少し想像できないほどにやけに軽くて早い口調で話してきた。 「いやいやいやいや。別にワタシはそんなことを望んでいるわけではありませんよSOS団団長涼宮ハルヒちゃん」 「なんであたしの名前とSOS団のこと知ってんのよ! なにあんたただの変態コスプレオヤジかと思ったらストーカー!?」 「いや、だってほら。ワタシ見ればわかる通り精霊だし。ちなみにカラシニコフの精ね。よろしく~」 「知らないわよそんなロシア人みたいな名前!」 目の前のオヤジは相変わらずハアハア言いながらこちらに近寄ってくる。 そんなきついんだったら無理して飛んでないでさっさと降りればいいのに、などと思いつつ ハルヒは向こうが近寄ってきた分きっちりと後ずさった。 それを見たからかどうかは知らないがオヤジは進行をやめて、またその場でパタパタと飛びながら話を続けてきた。 「ホントはね、君がここにくるのはイレギュラーなことなんだよ。でもな~んでか知らないけど君実際ここにいんだよねえ。 ワタシの予想だと多分、なにか大宇宙的な意思が働いたんじゃないかって睨んでんだけどどう思う?」 「知らないわよ!」 「うん。いやまあそんなの考えたってしょうがないしね。 んでせっかくハルヒちゃん来てくれたんだし、どうせなら喜んでもらおうかと思って参上したわけなんだこれが」 「よ、喜ぶう? あんたの顔なんか見たってちっとも嬉しくないんだけど」 するとこの変態はくっくっくと不気味な笑いをし出した。 まさかとは思うけど襲い掛かってきたりとかしないでしょうね…… 「もうすぐここに、朝比奈みくるちゃんがやってくるんだ」 「へ? みくるちゃん?」 全然予想もしていなかった言葉に、ハルヒはぽかんと口を開けた。 「ホントはさ。ここを経由せずに行っちゃうとこなんだけどまあ今回は特別! 少しだけならここで一緒に自由にしてていいよ?」 オヤジのその言葉の意味するところはよくわからなかったけれど、そんなことはどうでもいい。 それよりも確かめたい。 「ほんとに、ほんとにみくるちゃんが来るの!?」 「そうそう嘘偽りなくホントのことよ? ワタシ嘘ついたりしたら精霊廃業だもん。 し・か・も! 吸血鬼メイドになっているというオマケ付きで!」 「…………ッ!」 その言葉を聞いた瞬間、ハルヒの頭を雷が走り抜ける。 超高速で今入ってきた言語を情報として処理し、それからそれに対する応用方法を思いつくプログラムが進行されてゆく。 他人を僕として扱うことのできる吸血鬼。 ご主人様に対して僕(といったら語弊があるが)として仕えるメイド。 これは一見相反しそうな属性を見事にマッチさせた芸術的と言ってもいいくらいの新境地だ。文化の真髄。ワッツアワンダフルワールド。 「新たなる萌えがここに完成したわ!」 叫ぶ。 こうなったらじっとなんかしていられない。時間が一刻一秒でも惜しい。 今さっきまで自分の前でハアハア言ってた意味不明なオヤジのことなど一瞬で頭とあとついでに視界から消し去る。 早速吸血鬼メイドとして新たに誕生した彼女のためにスケジュールを組み立てなければ。 以前にSOS団とその他一部の有志で撮った最高傑作の映画『朝比奈ミクルの冒険』をも超える超最高傑作の続編だって作れる。 評判のいい映画の二作目はヒットしないというジンクス?そんなものは知ったことではない。それくらい軽々と破ってみせようじゃないか。 気づけば手元にはノートとペンが。さらに足元に撮影のためのビデオカメラまである。 いきなりどこからそんなものが出てきたのかという疑問も持たず、 ハルヒはノートにこれからの綿密なスケジュールを書き込むため、ペンを滑らせていく。 映画のタイトルは『朝比奈ミクルの冒険 Episode2』。 前作から少し時間が流れ、色々あって吸血鬼メイドとして生まれ変わった主人公朝比奈ミクルが自分の使えるべきご主人様を見つけ、 そこに例のごとく襲い掛かってくる悪の秘密結社を撃退していくという壮大かつ痛快な物語だ。 暗くて周りがよく見えなかったはずなのに、何故かノートに書かれた字は見える。それもまた疑問に思わなかった。 気分はハイの絶好調。 こんな時に取るに足らない雑多な出来事なんて考えていられないだろう? ◇ ◇ ◇ 「いつまで寝てるのよみくるちゃん! あなたは今後、魅惑の吸血鬼メイドとして活躍するという崇高な使命があるのよ!」 「わ、わたし吸血鬼なんてできないですぅ~」 「つべこべ言うな! もう撮影スケジュールは組み立てちゃったんだから、ビシバシいくわよ!」 「は、はいぃ~!?」 ◇ ◇ ◇ 「はいそこでターンして満面の笑顔! チャームポイントの牙をさりげなくアピール! いい? さりげなくよさりげなく! あからさまにそれを見せると萎えちゃう人が結構いるんだから。チラリズムの理論と一緒ね!」 「え、え~っとこうですかぁ?」 「ん~~~~~っ! いい、いい、いい、いい! 最っ高よみくるちゃん! それじゃ次のシーンいくわよ!」 「はいセリフ!」 「『わたし、僕なんていりませぇん。ただメイドとしてご主人様にお仕えできるのなら、他には何もいらないんです』」 「ん~もうちょっと感情込めて! なんかも~『これがあたしの生き様よ!』みたいな! 色んなものを切り捨てられなかった吸血鬼の女の子がついに自分の道を歩むことを決意したシーンなんだから!」 「は、はいぃ~わかりましたぁ」 ◇ ◇ ◇ 映画の撮影も滞りなく進んで、遂にラストのシーンまでやってきた。 悪の秘密結社も必殺の吸血ミクルビームで滅ぼし、やっと平和がやってきたと思ったら 彼女の主人であった男の経営していた会社が押し寄せる不況の波に飲み込まれて倒産してしまい、 借金取りから逃げるためにメイドを残して海外へ高飛びするシーンだ。 ずっと一緒にいた二人の別れのシーン。涙なくしては観れないところである。 ちなみに主人役はいないので今度誰か適当な人をつかまえてやらせようと思う。まずはメイド役である彼女のシーンを全て撮り終えなければ。 「は~いみくるちゃん! これが最後なんだから気合い入れてくわよ! んじゃまずは憂いを帯びた瞳を作って!」 いきなり適当に難しいことを注文するハルヒ。 でもこの吸血鬼メイドは文句一つ言わずにう~ん、などと唸りながら懸命にその瞳とやらを作り出そうと努力している。 「あ、それ! 今のそれいいわみくるちゃん! じゃあその瞳のまんまセリフいってちょうだい!」 「は、はいぃ。え~と…… 『もう、これでお別れになるのですかぁ?』」 『……そう、なるのかもな。もう俺は、君の主人でもなんでもないんだ』 「『そんなことはないです。あなたはずっとずっと、わたしのご主人様ですよぉ』」 『だが、お別れだ。もう二度と会うことはできないかもしれない』 「『また、会えますよ』」 『え?』 「『わたし、待ってますから。ずっと。ずっと』」 『…………』 「『ですから、さよならは言いません。また会いましょう。この世でそれが無理なら、生まれ変わった後に。 いつかきっと、また会いましょう』」 ハルヒの「カット!」という声がこの場に響き渡った。 ◇ ◇ ◇ 「お疲れみくるちゃん! いや~最後の演技は特によかったわ! なんだか哀愁が漂ってたもの!」 最高だったという感情をどうにか表したくて丸めたノートで軽くパシパシとみくるの腕を叩きながら、ハルヒは非常に満足していた。 まだみくる以外のシーンは撮り終えていないのでわからないが、この調子なら来年の文化祭の目玉はいただきだ。 しかも口コミで話題になって全国上映、さらに全米進出ということも夢じゃない。 あとは学校に帰って新たにSOS団として加わった人たちも含めたみんなで頑張るだけだ。 「涼宮さん」 と、みくるがなんだか笑顔で話しかけてきた。 それも当然だろうとハルヒは思う。こんなに出来のいいシーンが撮れたのだから、彼女もまた嬉しいに違いない。 だからこちらも笑顔で、みくるの顔を見る。 「なに? みくるちゃん」 がしっと両手でこちらの両手を握ってきた。なんだかいつもと比べてやけに情熱的だ。やはり彼女も相当感激している。 「とっても……とってもとってもとってもとってもとぉ~っても楽しかったです! 本当に、本当に楽しかったです!」 「ええ、あたしも楽しかったわよみくるちゃん! でもまだまだこれで終わりじゃないわよ? 帰ったら早速残りのシーンもやらなきゃならないし、反響次第では続編だって考えてるんだから。 っていうか反響なんて待たなくてもこの出来なら続編希望の声が多数あがるのは間違いないんだし、今のうちから企画を立てるのも……」 そこで。 「あれ? みくるちゃん、なんだか体が光ってない?」 ハルヒは彼女の衣装が……いや体全体がセピア色の光に包まれていくことに気づいた。 なんだろう、これ。別に演出ってわけでもないだろうし。 目の前のメイド服の少女の表情は変わっていない。ただ笑っている。本当に……幸せそうに。 「時間かな」 「ひっ!?」 またも真後ろから野太い声が聞こえてきた。 振り向くとやはりといおうか例の自称精霊、通称変態オヤジがそこにいる。相変わらず暑苦しそうな面だ。 「じ、時間ってなによ」 バクバクと鳴る心臓の鼓動を聞きながら、先ほど彼が呟くように言っていた言葉の意味を尋ねる。 彼は何の躊躇もなく告げてきた。 「お別れの時間だよ」 「はあ? 何言って……」 「特別なんだ。君やみくるちゃんがここにいるのは、本当に特別なこと。 だから君はともかく、『もうお亡くなりになってる』みくるちゃんはそう長くは滞在できないわけ。お迎えが来ちゃってるから」 「え?」 振り返ると、そこにはもうあのドジっ娘吸血鬼メイドはいなかった。 「あれ?」 先ほどまで強く握られていた手の感触も、いつの間にかなくなっている。 「なんで……?」 当然あの笑顔も、どこにもない。 「…………」 「最後のお別れ、どうだった? も~大変だったんだからね許可取るの。減給直前までいったんだから。 でも一応、あのまま君たちが何も会えないままお別れっていうのも忍びなかったし……」 「うるさい、バカ」 トーンを落としたどす黒い声が突然彼女の口から漏れ出たので、カラシニコフの精はびくっと体を震わせた。 恐る恐る、彼女の顔を覗き込みながら聞き返してみる。 「え、あの、団長サン……?」 「うるさいって言ってんのよこの体脂肪率三十パー越え歩く猥褻物陳列罪オヤジ!」 「な!?」 今までになくショックを受けている精霊。変態などという言葉にはさして反応しなかったくせに、どうも肥満に関しては気にしていたらしい。 だがそんなことは知ったことではなく、ハルヒはただただ湧き上がる感情をそいつにぶつけ続ける。 「ふざけんじゃないわよ! 何がお別れですって!? そんなのあるわけないでしょ知った風な口きいてんじゃないわよ! 精霊? お迎え? ばっかじゃないのただの妄想のくせに! みくるちゃんはね! とってもいい娘で、そんな死んだりするような悪いことは何にもしてないの! あたしの大切な団員なの!あたしの大切な友達なの! ちゃんと元の世界に帰ったら、アルちゃんといっしょにSOS団の二大マスコットとしてやっていくの! それでまだまだ色んな可愛い衣装を着て、色んなところに行って、色んなことをたくさん話して! お別れ? 何よそれあたしは絶対に認めない! みくるちゃんが……いやみくるちゃんだけじゃない。キョンも、有希も、古泉くんも、鶴屋さんだって!」 何故だか不意に、昔見た夢のことを思い出した。 キョンと自分、二人だけいれば他に何もいらないと思って作り出した世界の夢。 あの時は他の人が全部、ただ邪魔にしか思えなくて。 「この中の誰かたった一人だけでもいなくなっちゃったら、元の世界に戻ったって楽しくもなんともないのよ!」 ◇ ◇ ◇ いきなり現れた知らないおじさんはよくわからない乗り物のところでさっきから何かやっている。 ここからではよく見えないが、時々ガガガガ、とかシュイーンとか怖そうな音が聞こえてくる。何をしているんだろう。 可愛らしい生き物はさっきと変わらずぐてーっとしている。 金髪のお兄ちゃんはどこかへ行っちゃった。 正義のお姉ちゃんはまだ帰ってこない。 このハルヒお姉ちゃんも全く目を開ける様子がない。 アルルゥはハルヒの右手をギュッと握り締めながら、彼女が起きてくれるのを願い続けていた。 ハクオロ……父と慕うあの人は死んだ。もうこの鉄扇を渡す相手はいないのだ。とても悲しくて胸が潰れそうになるけど、それを認める。 ルパンも今は自分の前から姿を消している。この上ハルヒまでいなくなってほしくない。 お願いだから、行かないで。一人にしないで。 ただ願う。願うしか自分にはすることがない。 「!」 気のせいだろうか。 そう思いアルルゥはもう一度よくハルヒの顔を覗いてみる。 ……やっぱり、気のせいなんかじゃない。 「おねーちゃん……いたいの?苦しいの……?」 そう呼びかけるがハルヒからの返事はない。 意識がないんだから当然だ。 だがその意識のないはずのハルヒの目からは。 一筋の涙が、零れていた。 【D-3・E-3境界・道路脇 1日目 昼】 【新生SOS団 団長:涼宮ハルヒ】 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:左上腕に損傷、頭部に重度の打撲 [装備]:小夜の刀(前期型)@BLOOD+ [道具]:支給品一式、着せ替えカメラ(残り19回)@ドラえもん、インスタントカメラ×2(内一台は使いかけ) [思考・状況] 基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームからの脱出。 1、気絶 [備考] 腕と頭部には包帯代わりにトグサの服の袖が巻かれています 【アルルゥ@うたわれるもの】 [状態]:人見知りモード。右肩に中程度、左足に軽い打撲。SOS団特別団員認定 [装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの、ハルヒデザインのメイド服 [道具]:無し [思考・状況] 1、「正義のみかたのおねーちゃん」の帰りを待つ。 2、ハルヒの様子を見守る。 3、ハルヒ達に同行しつつエルルゥ等の捜索。 【石田ヤマト@デジモンアドベンチャー】 [状態]:人をはね殺したことに対する罪を背負っていく覚悟、右腕上腕に打撲、相次ぐ精神的疲労、SOS団特別団員認定 [装備]:クロスボウ [道具]:ハーモニカ@デジモンアドベンチャー デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク [思考・状況] 1:グレーテルの埋葬 2:病院へ行ってぶりぶりざえもんとハルヒの治療 3:ハルヒとアルルゥにグレーテルのことを説明。 4:八神太一、長門有希の友人との合流 基本:これ以上の犠牲は増やしたくない。生き残って元の世界に戻り、元の世界を救う。 [備考] ぶりぶりざえもんのことをデジモンだと思っています。 また、参加時期は『荒ぶる海の王 メタルシードラモン』の直前としています。 額からの出血は止まりましたが、額を打ち付けた痛みは残っています 【ぶりぶりざえもん@クレヨンしんちゃん】 [状態]:黄色ブドウ球菌による食中毒。激しい嘔吐感。無視されている。 なぜか無傷。SOS団非常食扱い? [装備]:照明弾 [道具]:支給品一式 ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー クローンリキッドごくう@ドラえもん(残り四回) パン二つ消費 [思考・状況] 基本:"救い"のヒーローとしてギガゾンビを打倒する 1.いいか!私こそが真なる正義の味方なのだ!無視するなって言ってんだろうが貴様ら! 2.強い者に付く 3.自己の命を最優先 [備考] 黄色ブドウ球菌で死ぬことはありません。 [共通思考]:市街地に向かい、グレーテルを埋葬するのに適当な場所を探す。 [共同アイテム]:おにぎり弁当のゴミ(後部座席に置いてあります) RPG-7弾頭:榴弾×1、スモーク弾×1、照明弾×1(地面に置いてあります) 【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態]:疲労 [装備]:暗視ゴーグル(望遠機能付き)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本/マウンテンバイク [道具]:支給品一式/警察手帳(元々持参していた物)/技術手袋(残り17回)@ドラえもん [思考]:1、軍用トラックの修理 2、トラックが直りかつ長門が戻り次第、ハルヒを乗せて病院へ直行 3、情報および協力者の収集、情報端末の入手。 *時系列順で読む Back:[[峰不二子の動揺]] Next:[[すくわれるもの]] *投下順で読む Back:[[峰不二子の動揺]] Next:[[すくわれるもの]] |137:[[正義の味方]]|涼宮ハルヒ|180:[[Wind ~a breath of cure~]]| |137:[[正義の味方]]|アルルゥ|180:[[Wind ~a breath of cure~]]| |137:[[正義の味方]]|石田ヤマト|180:[[Wind ~a breath of cure~]]| |137:[[正義の味方]]|ぶりぶりざえもん|180:[[Wind ~a breath of cure~]]| |137:[[正義の味方]]|トグサ|180:[[Wind ~a breath of cure~]]|