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「逃げたり諦めることは誰にも」(2021/11/24 (水) 14:40:00) の最新版変更点
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*逃げたり諦めることは誰にも ◆KpW6w58KSs
戦闘音も、大分小さくなってきた。
それだけ離れているという証拠だろう。
予め言っておくと、あの化け物と対峙しているであろう高校生と男を見捨てたのではなく、
また断じて恐怖から逃げているわけでもない。
今、私も介入したところで戦局は対して傾かぬことだろう。僅かに気をそらして、何らかの
不意打ちで傷を負わせることは出来るかもしれないが、あの化け物にそれが通じるとは思えない。
ましてや、失敗して私に狙いが定まれば確実に破壊されると見て間違いあるまい。
あいつが私という存在に何の興味も持たなかったのが幸いだ。
何とかして、あの化け物に打ち勝てるような『もの』を探す。支給品でも参加者でもいい。
支給品だったら回収し、あれを地に伏せられる物さえあればそれを拝借する。
それでもやはり、私一人では──
そして参加者。
こんな状況なのに、笑いがこぼれた。それはあの男と同じ自嘲の笑み。
最初に仲間以外のものを信じられないと言ったはずなのに、今更私は何をしているのだろう。
それでも、今だけは塵ほどの可能性でも縋るしかない。
会う人物がただの一般人の可能性もある。あの化け物のようなマーダーの可能性もある。
一時は力を貸したとしても、事が終われば裏切るような人物である可能性も──
それでもあの化け物をあのままにするべきではない。あれがこの領域に潜む限り、仮面の男の野望を
破壊できる可能性は低くなっていく。
そしてあれは片っ端から『餞別』とやらを渡し、次々と参加者の頭数を減らしていくのだろう。
もし、その中に姉妹が──ジュンが含まれていたら。
不思議な感情が沸いてくる。恐らく、これは『悔しさ』というものだ。
しかし、それは誇りを捨て誰かに頼るしかなくなったからではない。
それ以前に、私は薔薇乙女としての誇りを捨てた覚えなどない。
力を集めよう。今私が選べる道はこれしかない。
完全に信じきることなど、きっと無理だろうけれど。
(……あれは……)
暫く南に向かっていると、三人分の小さい人影を見つけた。
遠くからで顔立ちは分かりにくいが、二人は子供でもう一人はギガゾンビと面識があるとおぼしき青ダヌキのようだ。
迷っている暇はない。すぐさま行動に移る。
もしも時のため、レヴァンティンをいつでも引き出せるように準備する。
そして、接近を──しようと足を踏み出したその刹那。
少年の悲鳴があがった。肩から血が噴出している。銃で撃ちぬかれたか矢で射られたかしたらしい。
「……また、なのね」
やはり、悲劇の連鎖というものは止められないものなのだろうか。
きっと自分が行ったこともないような場所でさえ、今なお戦闘が行われているのかもしれない。
地を踏みしめる足が、少し重くなった気がしていた。
ある程度の距離をとって観察するうちに、二人の人間が対峙していた。
いつのまに出たか──どうやら私とそう遠くない位置にいたらしい──攻撃を仕掛けたと思われる騎士と、
三人組の方にいた少女。青ダルマは蹲る少年の傍についている。
このままであれば戦闘は避けられまい。
「……いえ、何とかしてみせるのだわ」
対峙する二人に気付かれぬよう、少年と青ダヌキの方へと迂回する。
ただ傍観しているだけでは終わらない。終わらせるつもりはない。
「そこの人間共」
放送を告げる主催者の顔が上空に浮かび上がったのは、私が少年と青ダルマの前に歩み出たのと同時のことで。
そしてまた、新たな戦いも同時に始まりを告げていた。
【E-2 1日目 橋付近 昼】
【真紅@ローゼンメイデン】
[状態]:健康、焦燥、人間不信気味?
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA's、くんくんの人形@ローゼンメイデン
[思考・状況]
1:少年と青ダルマから情報か道具を手に入れたい。
2:出来る限りで『戦い』を止める。危険なマーダーは動きを止める
3:あの高校生(長門)と男(アーチャー)の生死が心配。
4:戦闘や対主催に有益そうな人物がいれば交渉に出る。
(装備や協力が得られてもあまり信用するつもりはない。常に警戒)
5:化け物(アーカード)を常に警戒。現時点では敵わないと認識
6:自分の能力が『魔力』に通ずるものがあるかを確かめたい
基本:ジュンや姉妹達を捜し、対策を練る
ゲームの破壊、及びそれの障害となりうる危険人物の動きを止める。最悪一人でも行動に出る
*時系列順で読む
Back:[[黒い死神、赤いあくま、そして銀の殺人人形]] Next:[[「あはははは!」]]
*投下順で読む
Back:[[黒い死神、赤いあくま、そして銀の殺人人形]] Next:[[「あはははは!」]]
|137:[[正義の味方]]|真紅|170:[[――は貴方の/あたしの中にいる]]|
*逃げたり諦めることは誰にも ◆KpW6w58KSs
戦闘音も、大分小さくなってきた。
それだけ離れているという証拠だろう。
予め言っておくと、あの化け物と対峙しているであろう高校生と男を見捨てたのではなく、
また断じて恐怖から逃げているわけでもない。
今、私も介入したところで戦局は対して傾かぬことだろう。僅かに気をそらして、何らかの
不意打ちで傷を負わせることは出来るかもしれないが、あの化け物にそれが通じるとは思えない。
ましてや、失敗して私に狙いが定まれば確実に破壊されると見て間違いあるまい。
あいつが私という存在に何の興味も持たなかったのが幸いだ。
何とかして、あの化け物に打ち勝てるような『もの』を探す。支給品でも参加者でもいい。
支給品だったら回収し、あれを地に伏せられる物さえあればそれを拝借する。
それでもやはり、私一人では──
そして参加者。
こんな状況なのに、笑いがこぼれた。それはあの男と同じ自嘲の笑み。
最初に仲間以外のものを信じられないと言ったはずなのに、今更私は何をしているのだろう。
それでも、今だけは塵ほどの可能性でも縋るしかない。
会う人物がただの一般人の可能性もある。あの化け物のようなマーダーの可能性もある。
一時は力を貸したとしても、事が終われば裏切るような人物である可能性も──
それでもあの化け物をあのままにするべきではない。あれがこの領域に潜む限り、仮面の男の野望を
破壊できる可能性は低くなっていく。
そしてあれは片っ端から『餞別』とやらを渡し、次々と参加者の頭数を減らしていくのだろう。
もし、その中に姉妹が──ジュンが含まれていたら。
不思議な感情が沸いてくる。恐らく、これは『悔しさ』というものだ。
しかし、それは誇りを捨て誰かに頼るしかなくなったからではない。
それ以前に、私は薔薇乙女としての誇りを捨てた覚えなどない。
力を集めよう。今私が選べる道はこれしかない。
完全に信じきることなど、きっと無理だろうけれど。
(……あれは……)
暫く南に向かっていると、三人分の小さい人影を見つけた。
遠くからで顔立ちは分かりにくいが、二人は子供でもう一人はギガゾンビと面識があるとおぼしき青ダヌキのようだ。
迷っている暇はない。すぐさま行動に移る。
もしも時のため、レヴァンティンをいつでも引き出せるように準備する。
そして、接近を──しようと足を踏み出したその刹那。
少年の悲鳴があがった。肩から血が噴出している。銃で撃ちぬかれたか矢で射られたかしたらしい。
「……また、なのね」
やはり、悲劇の連鎖というものは止められないものなのだろうか。
きっと自分が行ったこともないような場所でさえ、今なお戦闘が行われているのかもしれない。
地を踏みしめる足が、少し重くなった気がしていた。
ある程度の距離をとって観察するうちに、二人の人間が対峙していた。
いつのまに出たか──どうやら私とそう遠くない位置にいたらしい──攻撃を仕掛けたと思われる騎士と、
三人組の方にいた少女。青ダルマは蹲る少年の傍についている。
このままであれば戦闘は避けられまい。
「……いえ、何とかしてみせるのだわ」
対峙する二人に気付かれぬよう、少年と青ダヌキの方へと迂回する。
ただ傍観しているだけでは終わらない。終わらせるつもりはない。
「そこの人間共」
放送を告げる主催者の顔が上空に浮かび上がったのは、私が少年と青ダルマの前に歩み出たのと同時のことで。
そしてまた、新たな戦いも同時に始まりを告げていた。
【E-2 1日目 F-2の橋付近 昼】
【真紅@ローゼンメイデン】
[状態]:健康、焦燥、人間不信気味?
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA's、くんくんの人形@ローゼンメイデン
[思考・状況]
1:少年と青ダルマから情報か道具を手に入れたい。
2:出来る限りで『戦い』を止める。危険なマーダーは動きを止める
3:あの高校生(長門)と男(アーチャー)の生死が心配。
4:戦闘や対主催に有益そうな人物がいれば交渉に出る。
(装備や協力が得られてもあまり信用するつもりはない。常に警戒)
5:化け物(アーカード)を常に警戒。現時点では敵わないと認識
6:自分の能力が『魔力』に通ずるものがあるかを確かめたい
基本:ジュンや姉妹達を捜し、対策を練る
ゲームの破壊、及びそれの障害となりうる危険人物の動きを止める。最悪一人でも行動に出る
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*投下順で読む
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