忍び寄る死の影

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d_va

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L:忍び寄る死の影 = {
 t:名称 = 忍び寄る死の影(イベント)
 t:要点 = 陰謀,真綿で首を締め上げる,姿なき
 t:周辺環境 = 夜
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *忍び寄る死の影のイベントカテゴリ = 世界イベントとして扱う。
  *忍び寄る死の影の効果 =たわいもない事件の裏で巨大な陰謀がうごめいている。
 }
 t:→次のアイドレス = 不明
深い闇の中から、またヤツが現れる・・・・・・。
キャー!!!!!

女性の悲鳴が夜の闇を切り裂いた。
「よーし、しんぶんまるめてゆーしゃのけん!!!」

難易5 リクエストは、俊敏

缶の俊敏の提出  -3

差分-8 ダイスふるまでもなく自動失敗である。

ものすごい勢いで逃亡する黒いカサカサをなすすべなく見送る缶。
「うう、爽一郎さんのためのおやつが・・・」
へなへなと床に崩れ落ちる麗華。
現状は、無残というよりほかはない。
せっかく作ったおやつが床にぶちまけられている。
もとはきれいなものだったのだが今は見る影もない。
ぐったりと床に倒れこんでしまう。
「不運っすな・・・」
ゆうしゃのけん(新聞紙)の発動失敗により床に転がる缶。
「もうちょっとだったのに・・・」
ぐすん。と涙目になる。これがいわゆる送り主の不運(強制イベント)というやつなのか
完成品を手にして移動しようとしたとたん足の上を・・・・が移動するなど
普通はない。
ましてや、例のイベントのおかげで激減しているといううわさの黒いヤツである。
かなり貴重な経験・・もという天文学的な確立で不運である。
麗華はすっかりやる気を失ってしまった。

「うー・・・ゆるせなーい!」
「闇にまぎれての行為など許せないであります!」
 黒いやつめ、せっかくのおやつを・・・と缶が怒りをあらわにする。
これは爽一郎さんのおやつで缶のおやつではないのだが
そんなことは関係ない!であった。
「黒いのを撲滅する運動をはじめるです!」
「おーさまえらい!」
 部屋を片付けないと・・と無理やり立ち上がる。
「でもちょっとコワイ」
 缶とはいえ、一応は女性である。あのカサカサは苦手だった。
「見た目がね!闇にまぎれると無理だよね」
 どうしようねぇと缶と麗華は相談しながら床におちたおやつの回収と
掃除を始めるのだった。


翌日。
「うー、ひどいめにあったー」
「どうした?」
 場面はかわってここは宰相府、である。
 アリアンの顔を見に訪れたという缶に、アリアンはそっとジュースを
だしてやる。
「わーい」
「おやつもあるぞ」
「わー!」
 アメ1つでにこにこ笑う缶。単純というべきだろうか。
「うー、黒いのがね・」
「黒オーマか?」
「ちがうのー」
「そうか」
「最近、駆逐されたとおもった黒いヤツ」
「ああ」
「帝国にはまだいるんだったな」
「あう、みんながんばったんだけどねぇ」
 かつてない勢いで無人機に討伐されているというのに、
またしても出会ってしまった不運を缶はかみ締める。
すばやさではかなわないのだ。
「1匹いると100匹いるというしね」
「気をつけていないと、活発に動き回るからな」
「そうだね!」
 なごやかに会話をする2人。
 アリアンは何を思ったのか、地図を取り出して
線を引き始めた。
「どうしたの?」
「オマエを悩ませる黒いヤツを消そうとおもってな」
 缶にはわからない記号を地図に書き加えていく。
よんた藩国から、暁の円卓藩国へ キーワードは食料。
FVB・詩歌藩国・たけきの藩国・涼州藩国 キーワードは経済。
食料も大まかな意味では経済であるが、暁包囲網の一端と考えれば
 さらに地勢と国民の状況を書き加え、財力という
パラメータを追加する。
さらにダークサマーレルムを追加、キノウツン藩国、
無名騎士藩国と加えていく。
 敵の位置と、だいだいの活動状況が地図の上に描かれていた。
「どう攻めるか、か。どこが弱い・・・弱点とその裏 盲点はどこだ」
 指を滑らせながら静かに瞑想する。静かに忍び寄るならどこだ。
帝国を死に至らしめる場所・・即効性ではない、すぐに死に至らしめるのでは
すぐに身元がバレてしまう。遅効性の毒となるならどこだ。
真綿で締め上げるように、自分の姿をさらさずに行える場所はどこだ。
瞑想を続けながら考える。
 確実な場所を。自分を安全圏において戦える場所だ。
 そして、やつらの手足は長い。 1匹いたら100匹いると思え・・・である。
 カネとヒトの流れは経済グループによって活性化した。
その間にはひずみができる。そのひずみはそのまま隠れ蓑になる。
影に身をひそめ、敵に死をもたらすべく相手の居場所を探す。
盤面の向かいに立っている相手を思い浮かべる。
多くの帝国藩国を、オーマを、経済を、死を、戦場をコマのようにならべて
指してくる指し手はどこにいる。
相手はまだ気がついていない。自分が、相手の向いに座って
ゲームを開始したことに、静かに忍び寄ろうとしていることに気がついていないこと
それだけがこちらのアドバンテージである。

星鋼京・宰相府藩国、さらに該当しそうな場所を検討箇所に追加する。
指で複数の絡み合う糸をたどると数点の光が見えた。
 市場と戦場。どちらにしても血生臭いところだ。
「よし!まっていろ。宰相にかけあってくる」
 地図を回収して、そのままアリアンが席を立った。

缶は呆然とみているだけしかない。
「ごきぶり・・・潰すのってたいへんなんだな。」
 会話が決定的にズレているのに気がつくのは、これから
数時間後である。


「またせたな、次は出張だ」
「えー?ゴキブリつぶしに出張?」
「ゴキ・・ブリ?」
 アリアンの目が点というより涙目になった。
缶はゴキブリ対策きゃっきゃと喜んでいるが実際は違う。
宰相と会話の結果、セプテントリオン撲滅のために働くことになっているのだ。
あちこちで暗躍することになっているのだが。
缶の求めることと自分のやろうとしていることが、
決定的にすれ違っていることに気がついてしまったのである。


おまけ
なおアリアン、麗華両名が不幸なのは別の強制イベント
送り主の不運、のせいであるということが発覚している。
事実をしった彼らの様子は以下のとおりである。

ぐったりとしているが、できればここで厄落としを終えて、次の戦いにそなえてほしい。
がんばれ アリアン。
まけるな 麗華さん。
あと、缶はがんばらなくていいです。
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