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グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」(2013/07/21 (日) 11:33:59) の最新版変更点

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本稿では日本語版であるPS2移植版について記述するが、便宜上PC版についての解説も併記する。判定はPS2日本語版のみ「劣化ローカライズ」とする。 ---- *グランド・セフト・オート・サンアンドレアス 【ぐらんどせふとおーと さんあんどれあす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0009IX7K8)&br()&amazon(B000L8O21Y)| |対応機種|Windows 2000/XP&br()プレイステーション2|~| |開発元|Rockstar Games|~| |発売元|カプコン|~| |発売日|【Win】2004年10月26日&br()【PS2】2007年1月25日|~| |定価|7,329円(税込)|~| |廉価版【PS2】|Best Price!:2007年7月12日/3,140円、2009年7月23日/2,080円&br()ROCKSTAR CLASSICS:2012年9月29日/1,800円|~| |分類|BGCOLOR(khaki):''劣化ローカライズ''(PS2日本語版)|~| |ポイント|ゲーム業界前代未聞、米国議会から監査請求を受けたオリジナル版&br()過剰な修正によりゲーム性に傷を負ったPS2日本語版|~| |>|>|CENTER:''[[グランド・セフト・オートシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/875.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''Win版はESRBからM指定を受けている17歳以上対象のゲームです。''}&br()&size(20){''PS2版はCEROからZ指定を受けている18歳以上対象のゲームです。''}} ---- **概要 -通称『GTA SA』。 -世界中で大ヒットしたアクションゲームの金字塔である『グランド・セフト・オート』シリーズの第5作目。『グランド・セフト・オートIII』シリーズの三作目である。 -海外ではWindows、PS2、Xboxと様々なプラットフォームで発売された。PS2版は全世界で最も売れたPS2用ソフトである。前作『グランド・セフト・オート・バイスシティ』はギネス記録にもなった程だが、今作はそれ以上である。 -前作より飛躍的に広大になったフィールドとシリーズ最高峰の自由度を誇り、ユーザーに「究極のGTA」と言わしめた…のだが、PC版では以下に記述するHotCoffee問題により米国議会も入ってくるなど全米で話題になってしまった。 --そのためか、日本版PS2版への移植(ローカライズはカプコンが担当)に当たって更なる問題が発生してしまった。 **ストーリー 1992年、アメリカ合衆国サンアンドレアス州。5年前、弟の死をきっかけに故郷グローブストリートを離れ、東海岸のリバティシティで暮らしていた元ギャングのカール・ジョンソン(通称CJ、シージェイ)は、母親が何者かに殺されたという一報を受け、ロスサントスへ帰郷する。 帰着早々、トラブルに巻き込まれるCJ。因縁ある汚職警官フランク・テンペニー一味に見つかり、彼らに彼らが犯した警官殺しの罪を擦り付けられ、以降その汚れ仕事を請け負うことになってしまう。 CJを待ち構えていた難題はそれだけではなかった。彼が生家に帰ると、兄のスウィートが率い、かつて自身も所属していたギャング団「グローブストリート・ファミリーズ」は、ドラッグと抗争の末に弱体化の一途を辿っていたことが明らかになる。彼の不在を責めるスウィートと仲間たち。奮起したCJは、スウィートを始め、ギャング団の古参メンバーであるスモークやライダーと協力し、他のギャング団との抗争を経て少しずつファミリーを立て直していく。 しかし、ファミリー再建に奮闘する最中、CJはテンペニーの企みによってロスサントスを追い出されてしまうことになる。ファミリーと切り離され、見知らぬ土地で孤立無援となった彼は、兄とグローブストリートを救うため、ラス・ベンチュラスやサン・フィエロなど、サンアンドレアス州を転々としながら協力者を確保し、成り上がっていく。(Wikipedia参照) **評価点 -従来作品と比べ、フィールドが劇的に広がり、各マップの移動も読み込みが入らなくなった。 --従来の作品では別の街に移動する際にいちいち読み込みが入ったが、今作では読み込みがなくスムーズに移動できる。ただし、逆にピザ屋などの建造物内に入る際には読み込みが必要になった。 -従来は基本的に一つの大きな都市のみが舞台だったが、本作は都市が三つ存在する「サンアンドレアス州」が舞台で、従来のような都会以外にも山岳地帯や田舎道、砂漠など多種多様な地域が用意されている。そのスケールは前作『バイスシティ』の約5倍である。 --都市は「ロスサントス」「サンフィエロ」「ラスベンチュラス」の三つで、ストーリーを進めていくごとに行ける範囲が広がっていく。((ちなみに海を泳いでその時点では行けない都市に行くことも可能。ただし手配度が4も付くためまともに見て回るのは不可能に近い。)) --各都市はロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスをそれぞれモデルとしており、実物に似たものも多いのでモデルを探すのも面白い。 --90年代初頭のアメリカ西海岸が舞台であり、シナリオの大筋に関わる部分から街中の細かい部分まで当時を彷彿とさせる描写は非常に評価が高い。 ---それ故にメインのストーリーも長めで、各地域の特色を活かしたバリエーションに富んだミッションが多い。 --シリーズおなじみのカーラジオもツボを押さえた選曲。ギャングスタラップやオルタナティブロックなど、当時の流行をしっかり網羅している。 -自転車、飛行機、貨物列車など、新しい乗り物が増えた。 --それに伴い、各乗り物専用のミッションも追加されている。無論タクシー、消火、救命、処刑と言ったお馴染みのミッションも健在。 -プレイヤーの外見はシリーズで最も自由に変えられる。服装、髪型、タトゥーに加え、体型すら変更可能。ジムでトレーニングに勤しめば格闘の強化に繋がるだけではなく外見もマッチョになっていくし、ピザやハンバーガーばかり食べていると腹が出てくるといった具合である。 --服装は上半身、下半身、靴、ネックレス、時計、メガネ、帽子を組み合わせることができる。服は各所にあるショップで購入でき、また試着もできる。ショップはカジュアルからスポーツ、ブランドなど数種類で、条件を満たさないと入れないところもある。また、ミッション等で手に入るスペシャル服もある。 --タトゥーと髪型は店ごとにメニューが違う。 --なお、変更した外見はミッション中のムービーにもそのまま反映される。 -主人公に明確なパラメーターが設定された。体力以外にスタミナ、各種武器や乗り物のスキル、カッコ良さ、リスペクトと、主人公の強化と言う新たなやり込み要素が増えた。 --武器スキルを一定量上げるとギャングスター、さらに上げるとヒットマンとなり連射性能やロックオン範囲が拡大する。初期状態のCJはクロードやトミーに比べて銃の扱いが下手なため、ミッションを進めていく上でも強化は必要になる。 --リスペクトは仲間ギャングからの尊敬度であり、高ければ高いほど仲間を多く連れて歩ける。 --カッコ良さはガールフレンドを作れるか否か等に影響する。 -主人公が泳げる。揃ってカナヅチだったため、「水に入る=死亡」だった歴代主人公とは大違い。ただでさえ広大になったマップで更に行動範囲が広がっている。水中深く潜ることも可能で水中に隠されている隠しアイテムもある。 -各種レース、教習所、隠しアイテム集め、物件ミッション、デートイベントと、旧作はもちろんその後のシリーズ作品すら比較にならないほどやり込み込要素が充実している。町に点在するバーなどでビリヤードやできたり、自宅のゲーム機でレトロゲーム風のミニゲームが出来たり、ダンスなど音ゲー要素があったりカジノで遊べたりと追加要素を挙げたらキリが無い。 --但し、殺戮ミッション(メッタ殺し)は無くなった。 -前作、前々作(グランド・セフト・オートIII)のキャラも多数登場する。時系列では『バイスシティ(86年)』→『サンアンドレアス(92年)』→『III(01年)』となっているので、前作のキャラのその後が判ったり、前々作のキャラの過去が明らかになったりなどシリーズファンには嬉しい演出となっている。 --当時は不明だった『III』の主人公クロードの名前が判明したのも本作である。 **HotCoffee問題 -PC版について全米で話題になった問題というのが、『HotCoffee問題(Hot Coffee minigame controversy)』である。詳しくはWikipediaなりで記述されているが、簡単にまとめると以下のようになる。 +PC版GTA:SAの制作中にガールフレンドと''とある放送禁止行為を模したミニゲーム''のプログラムを用意したのだが、アメリカにおけるゲームレイティングをMature(現在の日本のCERO:Dと同等。直接的な性描写は入れてはいけない)にすることから封印してゲームではそのプログラムを呼び出せないようにした(データは残っている)。 +発売後、パトリック・ウィルデンボルフというオランダ人が、このプログラムを呼び出せるようにした「HotCoffee」というMOD(いわゆる改造プログラム)を公開した。 +当初はウィンデンボルフ氏の責任が問われたが、自分は封印を解除しただけだと責任を否定。 +この問題に対し米国議会が開発会社のロックスターに調査を行った。このことや様々な集団訴訟、世論のバッシングなどもあってロックスターは色々な意味で大損害を被った。&br()ちなみに、米国議会におけるこの批判の中心となったのが、当時上院議員だった''あのヒラリー・クリントン氏''(第42代大統領ビル・クリントン氏の妻で2008年の大統領選挙の民主党側候補者の一人)。 +結果、このデータを取り除いたv2.00の販売等を余儀なくされる。 --ちなみに、GTA4には自由の女神をモチーフにした「幸福の女神(Statue of Happiness)」が登場するのだが、松明の代わりにホットコーヒーを持っていたり(ご丁寧なことに湯気が出てる)、顔がヒラリー氏にそっくりであったりと本問題をネタにしている。 --また、欧州ではレイティングそのものが厳しく元からAdult only(≒18禁)になっていたのであまり問題にならず、またv2.00の修正版の販売をしなかった。 -この問題を受け、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)といったハードメーカーが自主規制の強化を表明。2005年秋予定だった本作の日本語版発売は暗礁に乗り上げ、紆余曲折の末、2007年1月に遂に発売に至った。しかし・・・。 **問題点(日本語PS2版) -各種残虐描写・一部ミッションの削除、麻薬関連の表現の変化、人を殺害しても金が出なくなったり、武器を使用しただけで指名手配度が増える、といった修正がなされてしまう。 このような規制は『LCS』、『VCS』にまで及んだ。 --特に「武器を使用しただけで指名手配度が増える」(周囲に気づかれないはずの消音ピストルも例外ではない)といった変更は海外版と比べゲームバランスを大幅に崩すといった弊害が出てしまい、後述の警察の行動も含めると敵から一方的に攻撃されることが多くなっている。 --ミッションの殺害対象は従来通り発見されなければ指名手配の対象とならないのだが(実際には一瞬星マークが付く。これだけ消えるようにしてる模様)、殺害対象に同行している護衛や仲間に手を出すと指名手配されてしまう。本作の新要素である縄張り争いにおける戦闘も同様。 -警察が主人公ばかり狙う。 --例えば主人公が敵ギャングを攻撃した場合、警察は主人公を犯罪者と見なして手配度が上がるのは当然のこととしても、敵ギャングが主人公を攻撃するのを目撃しても警察はスルーしている。これに対し主人公が反撃した場合、一方的に警察は主人公に攻撃してくる。 --従来の作品では警察に追われている犯罪者に打撃攻撃を加えた場合、犯人逮捕に協力したとして報奨金がもらえたが、今作ではこれを行うと主人公に手配度がつく。無論警察は逮捕対象を主人公に変えてくる。 -本作はギャング間の抗争を主題にしており、街中で敵ギャングに遭遇する機会が過去のシリーズよりかなり増えているため尚更問題であった。~ 過去のシリーズでは、敵ギャングが徘徊しているのはその勢力のアジト周辺のみで、ストーリー上敵対するまでは攻撃されることはなかったが、~ 本作では新要素である縄張り争いのために街に拠点が点在、敵ギャングが徘徊しており、更にはストーリー開始時から敵ギャングと敵対状態にある。 --そのため最悪の場合警察とギャングの双方からタコ殴りにされる危険性があり、作品全体のパワーバランスが崩壊している。 -倒れている相手に踏み付けなどの追い打ちをかける事はできなくなった(銃器で手動照準で狙った場合は攻撃可能)。また、人を殺しても金を落とさなくなっている。 -残酷描写や各種麻薬関、性描写の表現は、差し替えるどころかただ丸々削除しているだけなので、一部ムービーでは急にシーンが飛んだように見えてしまう。 --性描写は音声だけなどあくまで間接的なものなのだが、それらも根こそぎ排除されている。 -ミッションで殺害対象となる一般人はバラス(敵対ギャング)の息がかかっているという、不自然な設定が追加。((例:ボーイを殺害→バラスの息のかかったボーイを殺害)) -このようにCERO:Z(18歳以上のみ対象)の意味がまるで無い程、全体的に過剰な規制を施されている。尚、SCEによる修正要求箇所は60ヶ所以上に及んだという。 --指名手配レベルを固定することによって、指名手配されなくなる事もできる(隠しコマンドとしての)チートが削除されていなかったのは最後の良心か。 **総評 -規制さえ無ければシリーズ最高の完成度を誇る「究極のGTA」と呼ぶに相応しい作品である。・・・が、全ては規制によって台無しにされている。しかし他のプラットフォームでは日本語ローカライズがされていない有様であり、日本版は問題だらけのPS2版しか存在しない。 --このため、海外PC版に日本語パッチを導入してプレイするプレイヤーが後を絶たず、日本のPS2版GTASAは「いらない子」扱いされた上、「有償体験版である」と揶揄されるに至った。 --今でも海外版PCソフトは需要が高い。カーラジオのカスタマイズやMODの導入で様々な動画も作られている。 ---ゲームラボは海外版に関して大々的に特集を組んだこともあってか、日本のPS2版に関しては常軌を逸した規制に対する怒りからわざわざ攻略記事を掲載しながら、''「世界で一番つまらない仕様」と明記し、海外PC版の購入を推奨する''煽り文句で記事を〆ていた。 ---もっとも、GTAIIIの頃からカプコンによる日本語版ローカライズの問題は噴出しており、本作はその極めつきとも言える。(GTA2までは別会社のズーがローカライズを担当していた) --不評ばかりがあがったためか、続編の『GTA4』(とそのDLC)や『Chinatown Wars』は日本版も海外版とほぼ同じ仕様となっている(GTA4のDLCはロックスターの親会社Take-twoの日本法人が、またChinatown Warsはサイバーフロントがローカライズを担当。特にChinatown Warsは翻訳・麻薬のグラフィック以外は100%海外版と同仕様)。 -この後、たった6ヵ月後とその後も規制が解除されないまま廉価版が発売された。 -繰り返すが、作品そのものはクソゲーどころかシリーズ最高傑作と言っても過言ではない出来である。だからこそ、このような事態になってしまった事が悔やまれる。 --PS2版でもその魅力の一端に触れるぐらいは出来るし、ゲームとして成立していない訳でもない。ただ劣化し過ぎただけである。 --やはりプレイするならやはり日本語パッチを導入した海外PC版が推奨される。しかし残念ながら動作保障はWindowsXPまでであり、特にVistaとは相性が悪く、正常にプレイ出来ない事例も多い。7は比較的プレイしやすい模様。
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