オカシイ世の中覚え書き

第166回国会・参議院厚生労働委員会議事録 2月15日 後藤博子氏の質問

○委員長(鶴保庸介君) この際、お諮りをいたします。
 委員外議員後藤博子君から少子化等に関する件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、後藤君に発言を許します。後藤博子君。
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 国民新党の後藤博子でございます。本日は、質問の時間を許可いただきまして本当にありがとうございます。委員の皆様、そして理事の皆様、失礼しました。委員長、それから委員の皆様に感謝申し上げます。
 午後に柳澤大臣に質問しようと思っておりますので、お答えは後でよろしいんですけれども、私たちが柳澤大臣の発言を、私たちといいますか、私が問題にしていることは、大臣の発言そのものという言葉じりを取っているわけではなくて、そういう男性の意識をどう変えていくかということがこれからの課題だと思うんですね。
 大臣は先ほど一生懸命おわびをされましたけれども、どういうふうに、私もいろんな男性に聞きました。若い方も年配の方々もやはりそういう意識がどこかしらあるわけですね、まだまだこの日本社会の中に。その男性の意識改革を是非やっていただきたいということは後でお答えいただきますけれども、高市早苗大臣にも、また女性としての大臣としてやっぱり男性の意識を変えていってもらいたいと思っておりますし、特に総理には、そういう男性が本来意識していないようで潜在的な意識の中にあるという、この日本の伝統文化の中で培った、いいも悪いもそういう文化がありますが、そういうことをこれからの問題として、是非男性の意識改革をしていただきたいということを先に指摘させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 私の時間が十五分でございますので、いろんなことも含めて総理にお尋ねしたいと思っております。
 私事で大変申し訳ないんですけれども、私は一九八一年にブラジルへ移住しておりました。今、南米の、アメリカを始めとする南米の諸国に日系の日本の方々がおられますが、約二百五十万人の方が行っていらっしゃいますし、私が住んでおりましたブラジルでは百三十万の方が移住をされておられます。そして、私もわずか三年ほどでございましたけれども行っておりました。
 その方々が口々に申されていることが、最近、年に一回日系人大会がある中で耳にしている言葉が、非常に私はつらい悲しい言葉をよくお聞きいたします。私が胸に付けておりますこのバッジもブラジル移住百周年をお祝いする、二〇〇八年がいよいよブラジルに移住して、笠戸丸が日本の国を離れて百周年になるんですけれども、その中で最後の生き残りであった中川トミさんも百歳の誕生日迎えられて、日本の童謡を口ずさみながら亡くなっていかれました。
 そういう日本の方々がこの三十年、五十年たって日本に帰ってくる。この日本の状況は決して、今、日本から遠く離れた方々が思い描いた日本ではない、いつの間に日本はこういう国になってしまったんだろうかと嘆いて、肩を落として日本を離れ、またブラジルに戻られる方々がおられます。そういう方々のことも考え、また総理が目指される美しい国日本という、そういう美しい国日本という思いの中には、その遠く離れた日系移民の方々の思いも重なるのではないかと思っております。
 是非、そういうことを基本にいたしまして総理にお尋ねいたしたいんですけれども、安倍総理の目指しておられる美しい日本、美しい国日本を実現される中で、少子化問題はどのように位置付けられているのでしょうか。また、一定の数の人口は美しい国の要素となるのでしょうか。
 人口増の核となるのは家族や家庭です。その家族や家庭なくして子供さんもなかなか生まれませんし、家族とか家庭が非常に大事だと思っております。総理がせんだって出されました教育基本法の中にも、家族の、家庭の大切さをうたって織り込んでいただきました。少子化対策を実施する中で重要な要素である家庭や家族の位置付けはどのように考えておられるのでしょうか。それを中心として総理にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) やはり、若い人たちが結婚したいと思いながらもなかなか結婚できない状況があったり、あるいは子供を持ちたいと思っても、それをちゅうちょする状況があるということであれば、それは私が目指す社会、また日本ではないわけでございます。そういう障害になっている要素を除外をしていくべく我々は努力をしていきたいと、こう考えているわけでございます。
 そしてまた、子供を慈しみながら両親が、また家族が育てていく、お互いに家族のきずなを大切にしていく、こういう家族の良さ、価値は私はやはり再認識をしていかなければならないと思います。そういう家族がいて、また地域みんなで助け合って子育てを応援をしていく、そういう姿は私は大変麗しいのではないか、このような考えを持っているわけでございます。また本来、日本の伝統や文化の中にはそういうものがしっかりと根付いていると、このように認識をしているわけでございます。
 この中で、我々、家族やまた子育てに頑張っている方々、子育てをしておられる方々、そしてまた子供たちを支援をしていきたいと、このように考えております。
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 先ほど冒頭に申し上げた、海外に行っていらっしゃる日系の方々のためにも一言総理からの思いをお言葉としていただきたいんですが、これは質問の中には入れておりませんけれども、海外に行っていらっしゃる日系移民の方々、今日本のことを非常に心配し、憂えておられる方々がたくさんおられます。毎回毎回、日本の中にも労働者問題ということで出稼ぎの方々が来ていらっしゃいますし、せんだっても新聞の中ではいろんなブラジル日系移民の方々の事件等もありまして、私としては、第二のふるさとと思っているブラジルの方々にとってのこの日本の良さ、この日本というものをもっともっと広めていきたいし、日本人でいてよかったと、私も日本人であることに非常に誇りに思っていますし、日本で生まれ育ったこと、そしてそれがまた海外に発信できれば、できるその役が私にできればなと思っておりますし、またふるさと、大分県出身でございますけれども、ふるさと大分県のこと、そんなことをいろいろと思いながら私はブラジルで三年間過ごしてまいりました。
 今、ブラジルの方々は年老いて一世の方々がどんどん亡くなられていっておられます。そういう海外にも日本を思う日系の方々がたくさんおられるということで、総理のコメントを一言いただきたいと思います。それをまた私は日系の社会にお伝えしたいと思いますので、大変恐縮ですけれども、一言コメントをお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後藤委員がブラジルで三年過ごされたというのは私は今日初めてお伺いをしたわけでございますが、私の地元の山口県からも多くの移民がハワイやブラジルに行っています。実は私の親戚もハワイに移民した家族がいますし、また小泉総理の大変近い御親戚もブラジルに移民をしておられます。
 そういう移民の方々は本当に祖国日本に対する思いは強いものがあって、その中で、だからこそ日本が立派な美しい国になってもらいたい、そういう思いは大変強いのではないか。そういう思いにも我々こたえていかなければいけない、彼らが祖国と思っているこの日本が世界から尊敬される国になるように努力をしていかなければならないなと、こんなように思います。
 また、ブラジルの移民の方のお子さんたち、二世、三世の方々が日本に来て仕事をしておられます。そういう方々の今いろんな状況がございますが、そういう方々に対しての支援も我々行っていかなければならないと思っております。
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございました。
 今日は総理に対して美しい国日本ということを質問いたしますということなので細かなことをお伝えしておりませんので、総理と十二時二十一分までの間にやり取りができればということで通達をさせていただきましたので、どんな質問するということを細かく通達しておりませんので大変申し訳なく思っております。
 やっぱり日本の国の存亡は日本の国の人口にも掛かっておりますし、やっぱり人口に、日本人という多くの方々がいてこの日本を支えていただいておりますので、やはり人口減少どんどんどんどんされるということに心配をしているわけでございまして、今から二〇五〇年にも今と変わらない一・二六じゃないかというような数字も出ております。
 人口を増加をするためにはどういう国をつくっていったらいいのかということで、ちょっと私資料を見ておりましたらこんな資料が出てきまして、戦国時代の日本の歴史がありますが、信長から秀吉、家康の時代に、一六〇〇年辺りから急に人口が増えているんですね。それを見たときに、やっぱり戦国時代であった日本から安定してきた日本ということは、やっぱり明るい社会ということで日本の皆さんがこれから未来に対して明るい希望を抱いたと、そういうことからこの数字が急に上がってきたのではないかなという、この数字だけを見て私が勝手に感想を持っているんですけれども。
 でも、美しい国日本ということにプラスして明るい国日本という、是非明るい国にしていただきたいという思いがあるんですけれども、総理の中には、美しい国ももちろんその中には明るい国ということも入っていらっしゃると思うんですけれども、やはりこれから若者たちが希望や夢を描けないこの社会、雇用状況も、ワーキングプアと呼ばれる方もたくさんいますし、子供を産み育てられるような社会ではない。果たして子供を産んでも結婚をしてもやっぱり仕事に出ていかなければならないという、そういう状況があるんですが、是非明るい日本ということで総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 明るい日本はどういう日本であるかということを考えますと、やはり今日よりもあしたが良くなっていく、今年よりも来年はもっと豊かな年になっていく、そう思える、そういう未来を描くことができる日本ではないだろうかと、このように思います。
 そのためにも、私たち今進めている新しい成長戦略を進めていくことによって経済が成長していく、多少この人口の減少局面が続いても経済は成長していく、そして仕事に生きがいを持ち、やりがいがある、自分が従事をしているこの仕事に対して誇りが持てる、そういう日本にしていきたいし、また、一生懸命頑張っていけば、そして努力をしていけばそれが必ず報われる社会、そしてそれによってやはり将来に希望が持てるし、自分ももっともっと努力をして向上していくんだという日本にしていきたいと思います。
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 少し質問の内容が具体的でなくて大変申し訳なく思っております。思いとかそういう気持ちとか夢とか、何かそういうことをお聞きして、もっともっと具体的に少子化対策とは何かというようなこともお聞きをしたいと思っておりますが、限られた時間ですから、基本的にはどういうことを自分の胸の中、奥の中にあるかということから、また口に出たり不用意な発言であったり、いろんなことが出てくるわけです。人間が生きていく基本の中にしっかりとした理念とかあるいはまた志というようなものがあればそういう美しい言葉も出てくる。私は、そういう美しい国日本を目指す総理を応援をしておりますし、また私ども国民新党がそういうことでまた政権担うようなことがあれば、国民新党も一生懸命そういう国を目指して頑張っていきたいと思っているところでございます。
 もう一つ、私が今感じていることがございます。
 美しい国日本をつくるということの総理のお考え、今美しい政治になっているのかな、あるいは美しい国会になっているのかな、国民の皆さんが答弁を聞き、国民の皆さんが国会を、本会議を見ながら、あるいは評価していること、それは私たち議員一人一人が戒めなければならないと思いますけれども、美しい政治、美しい国会を私は是非目指していただきたいと思っております。そういう点では一人一人が注意し、総理であろうと大臣であろうと一議員であろうと、国民の皆さんの負託を受けて私たちは仕事をしているわけでございますから、このたびの発言のようなことがあって国会が止まったりしないように、また尊敬される議員の一人として、国民から信頼されるような国会であっていただきたい。そのための美しい国会、美しい政治を是非皆様方にも、私たちも行っていきたいと思っておりますので、最後にそのコメントをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後藤委員とも、委員が自由民主党におられたときから一緒に仕事をさせていただきまして、大変尊敬を申し上げているわけでございます。また一緒に仕事ができたらどんなにすばらしいかと、このように思っているところでございますが、確かに国会において我々は論戦を闘わせながら私どもが進めていこうという政策についての国民の理解を得ていきたい、国会でしっかりと議論が、深い議論がなされているなと、そういう国会にしていくことが政治への信頼に私はつながっていくと、このように思う次第でございまして、今後とも努力をしていきたいと、このように思っております。
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございました。
 午後から具体的にお聞きします。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩

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最終更新:2007年03月07日 12:44