オカシイ世の中覚え書き

漁船に乗り上げ、喫水線下に大きな傷 (読売新聞)

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故で、あたごの艦首先端部の塗料が縦3メートル、幅10センチにわたってはがれ落ち、鋼鉄の地金が露出していることが20日、横須賀海上保安部の調べで分かった。

 艦首の右舷、左舷の双方にも激しくこすれ合ったような傷があった。いずれの傷も海面との境の喫水線より下の部分の方が大きく、同保安部は、あたごが清徳丸の左舷に向かって直角方向で進行し、先端部で船体を真っ二つに裂きながら、かなりの衝撃で一気に衝突したとの見方を強めた。

 同保安部は業務上過失往来危険の疑いであたごの乗組員から、本格的な事情聴取を始めた。

 同保安部が潜水調査して調べたところ、あたご右舷の傷は、水面から下に3メートル、先端から後方に2・8メートルにわたってついていた。左舷も同様に水面下3メートル、先端から後方に2・1メートルにかけてついていた。

 両舷の傷は、硬いものがこすれ合って出来る擦過傷で、強化プラスチック製の清徳丸の船体は二つに裂けながら、あたごの両舷に激しくぶつかったとみられる。また、傷は喫水線よりも下の部分の方が大きく、あたごは、はるかに小さな船体の清徳丸に乗り上げるように衝突したとみられる。

 同保安部は20日、事故当時、あたごで見張りなどについていた約10人から事情聴取。衝突時の配置に立たせるなどし、誰が清徳丸の灯火を発見し、急制動をかけるまでどの程度の時間がかかったのかなどを聞いたとみられる。

 また、清徳丸のGPS(全地球測位システム)の端末2台を壊れた船体から回収した。海上保安試験研究センター(東京都立川市)に送り、あたごのGPSの記録とともに解析作業を行う。

 一方、衝突現場の海域では20日も終日、清徳丸船主の吉清治夫さんと長男の哲大さんの捜索が続けられた。海保は巡視船6隻とヘリコプター、航空機計3機を出動させ、発生から1日半以上捜索したが、2人は見つからなかった。

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 横浜地方海難審判理事所は20日、あたごを実地検査した。理事官4人と事務員5人があたごに立ち入り、見張りの状態やレーダーやGPSなどを分析して事故原因を調べる。同理事所は、横浜海難審判庁に審判の申し立てを行う方針。

[ 2008年2月21日2時2分 ]

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最終更新:2008年02月22日 12:06