オカシイ世の中覚え書き

3.どんな時代でも、ひどい目に遭った人だけが本物

どんな時代でも、ひどい目に遭った人だけが本物



副島 私は、もの書きとしては幅が広くて、全部で20を越えるジャンル(分野)を持っている。大きく、政治と金融・経済の両方を俯瞰できます。この両方の専門家(学者)たちが私の本をぺロペロと盗み読みしています。それから歴史学と言語学、法律学(法律解釈学)もやる。もともとは文学好きな男ですから、文学研究と人間論(人物論)もやる。社会学から心理学の系統まで、ほとんど渉猟してきました。この幅の広さはちょっと他の知識人にはできない。私の先生の天才・小室直樹氏に習ったことが多い。ただ、これまでは理科系の分野には手を出さなかった。数学と物理学の壁があるから。
 私には各々の分野の専門家たちの弱点が見えるんですよ。その分野の専門家どうしで秘密というのがある、それぞれの業界(学界)ごとに内部の秘密や弱点を抱えていて外側にバレてはいけない。そこのところは、業界秘密にしてある。そしてそこには大きな学問欠陥が必ずある。
 そのことは、外側にはなかなか分からないようにしてある。そこの業界秘密(業界内部では公然の秘密になっている)に手を突っ込めば、相手は黙る。このことを私は知っているのです。そしてそれぞれの狭い学界を仕切って上から押えつけて威張っている親分衆が何人かずついる。彼らを、言論の自由(日本国憲法21条)のカで、名指しで蹴倒す術を私は持っている。
 一つの分野だけをやっている人は弱い。横から見たときに、弱点が丸見えなんです。
コンノ 巨視的にものが分からない。
副島 そう。ヨーロッパ発祥のこの500年間の近代学問(サイエンス)の全体像が見えないと駄目なのです。
 私は、秀才というほどではないけど、出たのは進学校だった。高校時代から教師につかみかかって暴れていますからね(笑)。それ以来、警察にマークされています。東大には受からなかったけど早稲田大学法学部ぐらいは行けて、法(律)学をある程度勉強しました。そうしたら、法律学というのは、人騙しのインチキ学問だなと気づいた。
 法律学というのは、法律官僚たちの「刃物」なんですよ。社会を規律する正義の基準でも何でもなくて、検察官とか裁判官が「法律」という刃物で人々を切り裂くんです。このことを法律屋たちの共同体は知っている。だから人民を支配、管理する技術なのです。私はその刃物を逆手に取って、相手に一発食らわす能力がある。かつ名指しで叩く。
 財務省=国税庁=税務署というのは、経営者や金持ちに襲いかかって3億円、5億円奪い取ってやるぞという国家組織です。会社の従業員は社長から怒鳴られて、クビにするぞ、と脅されたら、這いつくばるでしょ。その社長(経営者)たちを、さらに上から法律という刃物で抑えつけている。人間の世界は、出来た時からこういう恐ろしい仕組みになっている。
 私は自分の弟子たちを育てるために学問道場という勉強会、研究組織のサイトを12年前に始めて、ご支擾金を集めてきた。そこに国税庁=税務署が襲いかかってきた。彼らの言い分では、学問道場というサイトは私個人のビジネスで、営利事業だ、事業所得だと。私の生活とは全部別個に分けて、帳簿もつけてきちんとやっているじゃないかといくら言ったって聞かない。税務署は金をふんだくりたいだけだ。
 だから、私は税務署まで何度も押しかけて、議論をして演説もした。そうしたら税務署員たちは真っ青なんだ。
 彼らは自営業者や社長の家まで行って、「社長。これ、ちょっと高そうな家具ですね」「いい車に乗っていますね」とか、人を脅かす。国家暴力団です。税務署長の家まで私が会いに行っただけで、国税局全体が震え上がった。毎日、民間人を脅して回っているくせに、ょっとでも反撃に出られると向こうは顔が引きつるのです。幹部公務員というのはそういう連中です。
 昔は暴力団でも、共産党でも、部落解放同盟でも税務署まで抗議に行って抵抗したというんです。今はそんな気合いの入っている人間はもういないそうです。国家権力に対してそういうことができるのは、私ぐらいのものでしょう。
 だから、向こうから見れば私は極悪人ですよ。国家に対して私は一歩も引かない。私には何の力もない。向こうは、法律という強制力、執行力という刃物を持っている。私は、血だらけになって相手の刃物を自分の素手で受け止めて戦うしかない。
コンノ そういう生き方のほうがいいですよ。
副島 ですから、志を貫いて、ひどい目に遭った人間しか私は認めない。尊敬しない。どんな時代でも、どんな業界でも、業界内部の悪を公然と指摘して、そのためにひどい目に遭った人たちがい
る。びどい目に遭った人だけが本物だ。このことだけははっきりしている。だから業界、学界の恥部を暴いてひどい目に遭った人間たちしか尊敬しない。本当のことを言った人だけが偉いんだ。
 体制派の学者たちなんて、どうせ後世に名前は残らない。時代が変われば消えていなくなる。自己保身と権威だけが大事だからです。そのとき、そのときで偉い、偉いと自分たちだけで言い合っているだけだ。
 だから、コンノ先生の仕事は、後世に名前が残りますよ。
コンノ どうも、どうも。そう言っていただけるとうれしいです。
 本編の中で、私が紹介した100年前のロシアの思想家ウスペンスキーとか、最近ではアーヴィン・ラズロ博士とか、私の理論を補強する資料がその後ずいぶん出てきました。だから私はもうー度、書く気になったんですよ。ずっと孤立無援でしたから。
 ラズロ博士は、「空間はモノだ」ということをはっきり言っています。そしてアインシュタインは間違っていると。ノーベル平和賞候補にノミネートされた人物がそう発言するようになった。だから、海外では少し進歩がある。ところが日本ではまだまだ……。ラズロ博士は、科学の中でも細かくは専門が畑ちがいだから、これだけはっきりと言えたのかもしれない。あれが宇宙物理学の畑だったら今ごろ袋だたきでしょう。

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最終更新:2010年11月07日 12:46