これまでのあらすじ
レイル・レーラビはヒューマノイドタイプのアームヘッドだった。
そのレイルを連れ返す(または破壊する)追手"レーリレイ"を辛くも撃破したアルカとレイル。
二人の逃走者は何処へ向かうのか...


ストーリー:カウンター・アタック
第05話「波乱デベロッパー」


病室の簡素な白いベッド、赤髪の男レイル・レーラビは目を覚ました。
「ぜぜぜ...」
金髪の少年アルカ・クライアはその様子に気がつく。
「レーラビくん!気がついたんだね」


「ぜぜ....巻き込んですまなかったぜ」
「ううん、気にしないで。僕は大丈夫だからさ」
アルカの優しい笑み。
レイルは余計に申し訳ない気分になった。


急にドアが開く。
衛生マスクを着けた子供のような容姿の男が部屋に入ってくる。
「やあ、話は聞いたよ。私はここの責任者のコーバンだ。」
「どうも始めましてだぜ、俺はレイルレーラビだぜ。」


(ぜ...子供が責任者で大丈夫なのぜ?)
(しっ、失礼だよレーラビくん。コーバンさんはああ見えておじいさんなんだよ)
(ぜえ...アームヘッドに関わる人間は個性的な人が多いのぜ)
(...僕に対して言ってる?)


「うおっほん!」
コーバンはわざとらしい咳払い。
どうやら気にしているようだ。
「本題に入らせてもらうぞ。
担ぎ込まれた君を修理させて貰った訳だが....少し質問したい事があってな。」


「...君は一体何処で製造されたんだ?」
コーバンは怪訝そうな顔でレイルの方を見る。
「君程精密な人間型ファントムは初めて見た。
ただ人間に似せるだけじゃない、構造や機能にすら"人間を再現する"意図が見られる。」


「やはりキクダか?いや、この系統ならトンドルの月...?
...いやー、さっぱり分からん。という訳で直接聞きたいのだ」
レイルは斜め下を向いていた。
その件を話すべきなのかどうかを考えているようだ。


「レーラビくん....」
「ぜ....」
「....話せない事情があるのならこれ以上は聞かないぞ、ただ技術者としての興味で聞いただけだ。」


「ああそうだ、アルカ君。
もうすぐでツヴァイの最終調整が完了するのだが....またテスト戦闘をお願いしてもいいかな?」
「あ、はい。大丈夫ですよ。...すぐ始めますか?」


『今回のテスト戦闘の相手は最近ロールアウトされたばかりの新型機よ。数は少ないけど前回よりも難易度は高く設定されているから気を付けて頂戴。』
ハリッコさんの説明を聞きつつ機体を起動させる。


『なに、ツヴァイの性能なら問題ないはずだ』
『がんばれぜー』
何故かいつもより緊張する。
ギャラリーが一人多いからだろうか...


次回、第06話『雷電オーバーン』に続く。



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最終更新:2017年01月10日 15:26
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