これまでのあらすじ
謎の襲撃者、雷電のオーバーンの正体はコーバン部長の孫、オーバン・ガッポであった。
そして《メッサー本社を乗っ取り、"アームヘッド廃止計画"を阻止する》というデベロッパーの真の目的を知ったオーバンは、デベロッパーの仲間に加わった。


ストーリー:カウンター・アタック
第10話「逃避行ドーナッツ」


デベロッパーの目的、メッサー本社への反抗。
これから約一ヶ月の"準備"を経て、その作戦は決行される。


あの日、メッサーに関わって変わってしまった僕の家族。
僕の家族に何があったかを知り、全てを元に戻させる為、僕はこれからもアームヘッドのパイロットとして戦わないといけない。


...このまま戦い続ければ僕はもう駄目になってしまうかもしれない。
高すぎるアームヘッド適性とその代償、薄々気が付いていた。
でも、あの夕暮れのジャンクヤードでレーラビくんに出会って、何かが変わったような、そんな気が...?


デベロッパー屋上。もうすぐ日が沈みそうだ。
帽子を被った赤髪の男と金髪の少年が二人で会話している。
「今日も...色々ありすぎたね」
「ぜ...まだ俺たち、会って3日ぐらいしか経ってないぜ」


「そうだね...僕もレーラビくんも、色々抱え込んだままだったから。」
「そのせいで俺は、君を兄弟との戦いに巻き込んでしまったぜ...」
「ううん、レーラビくんが居なかったら、僕は...」


その先を言おうとしたが、気まずくなりそうなのでやめた。
「....そうだ、一度行ってみたかった所があるんだけど...ついて来てくれる?」
「ぜぜ!お安い御用だぜ」


ーーーーー


近場の飲食店。テーブルの上には様々な種類のドーナツが盛り付けられた皿が置かれている。
「ぜ?行ってみたかった所ってここぜ?」
「うん...ちょっと一人じゃ入り辛くてさ」


「やっぱりドーナツはおいしいね」
「ぜぜ...そんなにかぜ?」
「レーラビくんも食べる?」
「ぜ、一個いただくぜ」
レイルはとりあえず近くにあったチョコレートトッピングのドーナツを食べてみる。


「...これは凄いぜ!栄養価、脳への糖分供給...アームヘッドパイロットの食事としてこれほど優れた食品は無いぜ!」
「ほ、褒めてるの...?」
「ぜぜ!」
肯定の意、満面の笑みだ。


「これなら今日の戦闘で消費したエネルギーは完全に取り戻せそうだぜ...」
そう言い残りのドーナツも一気に食べてしまった。
「もう...レーラビくんってば」
レイルは文無しなので全てアルカの自腹だが、お互い全く気にしていないようだ。


興味本位で後をつけてきたハリッコはその様子を少し離れた机から、携帯端末を操作する振りをしながら眺めていた。
「うーん、最近の子って皆ああいう感じなのかしら...」


次回、第11話「後悔バケーション」に続く。



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最終更新:2017年01月10日 15:31
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